東北地方の日本ジオパーク・ユネスコ世界ジオパーク まとめ・一覧 / Japanese Geoparks and UNESCO Global Geoparks in Tohoku 〜火山・リアス海岸・温泉が織りなす大地の遺産ガイド〜
東北地方の日本ジオパーク・ユネスコ世界ジオパーク まとめ・一覧 / Japanese Geoparks and UNESCO Global Geoparks in Tohoku
東北地方のジオパークの特徴と地質学的背景
東北地方は、日本列島の地球科学的多様性が凝縮された地域です。太平洋プレートと北米プレートの沈み込みに起因する東西圧縮応力が、奥羽山脈という脊梁山地を形成し、その延長線上に数多くの活火山を連ねています。栗駒山・磐梯山・鳥海山はいずれも近代以降に大噴火を経験した活火山であり、火山が地形・地質・温泉・農業土壌に及ぼしてきた影響は東北の風土を根底で支えています。一方、太平洋側には三陸のリアス海岸が発達し、5億年という長大な地球史の断面が沿岸部の地層に刻まれています。日本最大のジオパークである三陸ジオパーク(全長約220km・面積約6,200km²)は、青森・岩手・宮城の3県にまたがり、浄土ヶ浜の流紋岩尖塔群から龍泉洞の地底湖、久慈の白亜紀琥珀産地まで、地球史の多彩な証拠を一体的に示しています。さらに、2011年の東日本大震災が残した地形的変化や津波石・復興記念碑は、防災地質学の観点から世界的に注目される「生きた教材」となっています。日本海側では、男鹿半島の7,000万年連続する地層断面、下北半島の海底火山起源の奇岩群、白神山地と接する花崗岩海食崖(八峰白神)、地熱エネルギーが噴出するゆざわなど、多彩な地質遺産が点在します。東北地方の8つのジオパーク(2026年現在、いずれも日本ジオパーク認定、ユネスコ世界ジオパーク認定なし)は、火山・海岸・温泉・震災という4つのキーワードのもと、大地の成り立ちを学び地域の持続可能な発展を考える場として機能しています。
東北地方のジオパーク 一覧比較表
| ジオパーク名 | 認定 | 認定年 | 所在地 | 主なテーマ |
|---|---|---|---|---|
| 三陸ジオパーク | 日本ジオパーク | 2013年9月 | 青森県・岩手県・宮城県(全長約220km) | リアス海岸・5億年の地球史・津波防災教育 |
| 下北ジオパーク | 日本ジオパーク | 2016年9月 | 青森県(むつ市・大間町・東通村・風間浦村・佐井村) | 海底火山由来の奇岩・仏ヶ浦・本州最北端 |
| 栗駒山麓ジオパーク | 日本ジオパーク | 2015年8月 | 宮城県栗原市 | 活火山・2008年岩手・宮城内陸地震・大規模地すべり |
| 男鹿半島・大潟ジオパーク | 日本ジオパーク | 2011年 | 秋田県(男鹿市・大潟村) | 7,000万年の連続地層・八郎潟干拓・なまはげ文化 |
| 八峰白神ジオパーク | 日本ジオパーク | 2012年 | 秋田県八峰町 | 花崗岩海食崖・白神山地ブナ原生林(世界自然遺産) |
| ゆざわジオパーク | 日本ジオパーク | 2012年 | 秋田県湯沢市 | 地熱・火山・川原毛地獄・温泉の滝 |
| 鳥海山・飛島ジオパーク | 日本ジオパーク | 2016年9月 | 秋田県(にかほ市・由利本荘市)・山形県(酒田市・遊佐町) | 成層火山・山頂から海底への標高差約3,000m・飛島 |
| 磐梯山ジオパーク | 日本ジオパーク | 2011年9月 | 福島県(猪苗代町・磐梯町・北塩原村) | 1888年大噴火・山体崩壊・五色沼・破壊と再生 |
青森県の日本ジオパーク・ユネスコ世界ジオパーク / Japanese Geoparks and UNESCO Global Geoparks in Aomori
青森県は、本州最北端に位置し、東側の太平洋岸(八戸・種差海岸)から下北半島、そして西側の白神山地まで、地質学的に多彩な景観を持つ県です。太平洋プレートの沈み込みによる火山活動が下北半島の独特な地形を生み出す一方、三陸ジオパークの北端エリアとして、古生代から中生代にかけての海洋性地層が種差海岸・蕪島周辺に露出しています。県内には日本ジオパークが2つ(三陸ジオパーク青森エリア・下北ジオパーク)認定されており、本州最北端という地理的条件のもとに育まれた独自の地質遺産を体験できます。
三陸ジオパーク(青森県エリア)/ Sanriku Geopark (Aomori Area)
三陸ジオパークは、青森県八戸市・階上町から宮城県気仙沼市まで全長約220km、面積約6,200km²(陸域約3,600km²・海域約2,600km²)に及ぶ日本最大のジオパークです。2013年9月に日本ジオパークに認定され、三陸海岸沿いの3県15市町村を横断する壮大なジオパークとして知られています。約5億年にわたる地球史の地層が海岸線に連続的に露出しているという世界的にも稀有な特徴を持ち、古生代の海洋性堆積岩から新生代の火山岩まで、地球の歴史を一筋のリアス海岸に沿って読み解くことができます。
青森県内のジオサイトとして特筆されるのが、種差海岸と蕪島です。種差海岸(八戸市)は、国の名勝・天然記念物に指定された約12kmの海岸線で、岩礁に広がる天然芝生地が特徴的です。これは海食台地(波食棚)の上に形成された珍しい草地地形であり、海食地形の多様性を示すジオサイトとして高く評価されています。また、蕪島(八戸市)は国指定天然記念物のウミネコ繁殖地として知られ、約3万羽のウミネコが営巣する小島の基盤岩は古生代末期から中生代初頭の地層で構成されています。階上岳(標高740m、階上町)では高山植物群落が発達し、寒冷な気候と地質条件が生み出す独自の生態系もジオパークの重要な構成要素です。
三陸ジオパークでは、各ジオサイトを結ぶガイドウォークや学校教育向けの地質学習プログラムが充実しています。八戸市内では「種差海岸インフォメーションセンター」が拠点となり、地質・生態・文化を統合した解説を提供しています。2011年の東日本大震災では八戸市・階上町でも大きな被害を受けており、震災の記録と復興の歩みを次世代に伝える防災教育の場としても機能しています。三陸ジオパーク全体の詳細は岩手県セクションをご参照ください。
| 加盟組織 Geoparks Network | 日本ジオパーク |
| 加盟年 Year Included | 日本:2013年9月、世界:− |
| 住所 Address | 青森県八戸市(青森県エリア代表地点) |
| 地図 Map | 地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station | JR八戸駅より自動車(約40分)/JR種差海岸駅より徒歩(約5分) |
| URL URL | https://sanriku-geo.com/ |
下北ジオパーク / Shimokita Geopark
下北ジオパークは、青森県下北半島の1市1町3村(むつ市・大間町・東通村・風間浦村・佐井村)の全域を範囲とする日本ジオパークで、2016年9月に認定されました。「まさかり」の形に例えられる下北半島の独特な地形は、約1,500万年前の海底火山活動に起因する緑色凝灰岩(グリーンタフ)が広域に分布することによって生まれました。火山活動・海面変動・地殻変動という3つの地質学的プロセスが複合的に作用した結果、本州最北端の大地には他に類を見ない地質景観が形成されています。
ジオパークの象徴的なジオサイトのひとつが、国指定天然記念物および名勝に指定された仏ヶ浦(佐井村)です。高さ100mにも及ぶ凝灰岩の海食崖が約2kmにわたって連続し、波と風雨の侵食によって生み出された白緑色の奇岩群は、まさに地球の彫刻とも呼べる絶景です。「如来の首」「天龍の牙」「五百羅漢」などの名を冠した奇岩は、訪れる人々に深い感動を与えます。また、恐山(むつ市)は活火山(カルデラ湖・宇曽利山湖を有する)であると同時に、日本三大霊場のひとつとして古来より信仰を集めてきた場所であり、火山地形と文化・宗教が融合した稀有なジオサイトです。大間崎(大間町)は本州最北端の岬であり、晴れた日には北海道・函館の山並みを望むことができます。尻屋崎(東通村)では、厳しい気候に適応した在来馬「寒立馬」が放牧されており、地域固有の生態系がジオパークのテーマと有機的につながっています。
下北ジオパークでは、地質学習ツアーや仏ヶ浦への遊覧船体験などのジオツーリズムプログラムが整備されています。また、下北半島には北限のニホンザル生息地があり、地質環境が生物多様性に与える影響も学べるフィールドとなっています。薬研渓流(むつ市)では温泉と渓谷美が一体となった景観を楽しめ、大地の熱エネルギーを身近に感じることができます。地域の小中学校と連携したジオパーク教育も積極的に展開されており、大地の成り立ちを学ぶ場として地域に根付いたジオパーク活動が続けられています。
| 加盟組織 Geoparks Network | 日本ジオパーク |
| 加盟年 Year Included | 日本:2016年9月、世界:− |
| 住所 Address | 青森県むつ市(事務局所在地) |
| 地図 Map | 地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station | JR下北駅より自動車(約40分) |
| URL URL | https://www.shimokita-geopark.com/ |
岩手県の日本ジオパーク・ユネスコ世界ジオパーク / Japanese Geoparks and UNESCO Global Geoparks in Iwate
岩手県は、三陸ジオパークの中核エリアを擁する日本最大のジオパーク県です。県の面積は東北6県の中で最大であり、太平洋に面したリアス海岸から内陸の山岳地帯まで、地形と地質の変化に富んだ大地が広がっています。三陸海岸は古生代から中生代にかけての複雑な地層が積み重なり、地球史5億年分の記録が海食によって露出しているという世界的にも希少な地質環境を持ちます。また、久慈市は日本最大の琥珀産地であり、約9,000万年前の白亜紀後期の植生と昆虫を封じ込めた琥珀は、太古の地球環境を復元する研究資料として世界的に注目されています。
三陸ジオパーク / Sanriku Geopark
三陸ジオパークは、青森県八戸市・階上町から岩手県の全三陸沿岸市町村を経て宮城県気仙沼市に至る、総延長約220km・面積約6,200km²(陸域約3,600km²・海域約2,600km²)に及ぶ日本最大のジオパークです。2013年9月に日本ジオパークとして認定されました。このジオパークが世界的に注目される最大の理由は、約5億年という地球史上の長大な期間にわたる地層が、三陸海岸沿いにほぼ連続して露出しているという地質学的奇跡にあります。古生代(カンブリア紀〜ペルム紀)の海洋堆積岩、中生代(三畳紀〜白亜紀)の地層、新生代の火山岩が、海食によってパノラマのように展開しており、一本の海岸線を走るだけで地球の歴史を時代順に辿る体験ができます。
岩手県内の主要ジオサイトは非常に豊富です。宮古市の浄土ヶ浜は、約5,200万年前(始新世)に形成された白色の流紋岩が独特の尖塔群をなす絶景地で、「極楽浄土のような美しさ」と賞されて以来、三陸を代表する観光地となっています。田野畑村の北山崎は「海のアルプス」と呼ばれ、高さ約200mの海食断崖が約8kmにわたって続く雄大な景観が広がります。岩泉町の龍泉洞は日本三大鍾乳洞のひとつで、深さ98mの地底湖を有し、国指定天然記念物に指定されています。大船渡市の碁石海岸では、3つの海食洞門が連なる穴通磯、波が砕ける際に轟音を発する雷岩、海辺に砂利が敷き詰められた碁石浜など、多様な海食地形を間近で観察できます。久慈市では日本最大の琥珀産地である久慈琥珀博物館を中心に、約9,000万年前(白亜紀後期)の植物・昆虫を封じ込めた琥珀の採掘体験が可能です。
三陸ジオパークにおいて特に重要なテーマのひとつが、津波防災教育です。2011年3月11日の東日本大震災では三陸沿岸が壊滅的な津波被害を受け、多くの命と集落が失われました。陸前高田市の「奇跡の一本松」や各地に残る震災遺構・津波記念碑・防潮堤は、大規模地形変動の証拠として防災地質学の観点から世界的に注目されています。三陸鉄道リアス線が全線復旧した現在、ジオパークを訪れる旅行者は列車の車窓から復興の歩みと三陸の海岸美を同時に体験できます。ジオパーク事務局では学校向け出前授業や一般向けジオガイドツアーを積極的に提供しており、大地の記憶と人々の暮らしを結びつける総合的な地域教育の場として機能しています。宮城県内(気仙沼市)のエリアについては宮城県セクションもあわせてご参照ください。
| 加盟組織 Geoparks Network | 日本ジオパーク |
| 加盟年 Year Included | 日本:2013年9月、世界:− |
| 住所 Address | 岩手県宮古市(岩手県エリア代表地点) |
| 地図 Map | 地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station | JR宮古駅より自動車(浄土ヶ浜まで約15分)/三陸鉄道リアス線各駅 |
| URL URL | https://sanriku-geo.com/ |
宮城県の日本ジオパーク・ユネスコ世界ジオパーク / Japanese Geoparks and UNESCO Global Geoparks in Miyagi
宮城県は、三陸ジオパークの南端エリアを含む気仙沼市と、内陸に位置する活火山・栗駒山を中心とした栗駒山麓ジオパークという、性格の異なる2つのジオパーク(三陸ジオパーク宮城エリアと栗駒山麓ジオパーク)を有しています。太平洋側のリアス海岸と内陸の火山地帯という対照的な地質環境が同一県内に存在しており、東北の地質多様性を象徴する県でもあります。2011年の東日本大震災では気仙沼市・南三陸町をはじめとする沿岸部が壊滅的な津波被害を受けており、ジオパーク活動を通じた防災教育と記憶の継承が重要なテーマとなっています。
三陸ジオパーク(宮城県エリア)/ Sanriku Geopark (Miyagi Area)
三陸ジオパークの最南端エリアは宮城県気仙沼市が含まれます。気仙沼市は東日本大震災で最大級の被害を受けた地域のひとつであり、復興と防災を軸にしたジオパーク活動が展開されています。気仙沼大島は宮城県最大の有人離島であり、複雑なリアス式海岸地形と礁湖・磯が美しい地質景観を呈しています。気仙沼湾口には「気仙沼島」として知られる亀山(標高235m)を持つ気仙沼大島があり、島内では海食崖・岩礁・磯などのジオサイトを巡るトレッキングコースが整備されています。
宮城エリアでは、震災遺構を活用した防災ジオ学習が特に充実しています。気仙沼市内には東日本大震災津波伝承館(いわてTSUNAMIメモリアル)に相当する追悼・伝承施設が設けられており、地震・津波がどのように地形を変容させたかを地質学的視点から解説するプログラムが提供されています。三陸の地形形成史と津波の繰り返しを学ぶことで、過去の大地の動きが現在の生活環境にどう影響しているかを理解できます。三陸ジオパーク全体の詳細(地質的背景・浄土ヶ浜・龍泉洞など岩手県の主要ジオサイト)については岩手県セクションをご参照ください。
気仙沼市内のジオパーク活動では、地元漁業者や観光事業者と連携したマリンジオツーリズムも展開されています。三陸の豊かな漁場は、リアス海岸の地形と寒流・暖流が交わる海洋環境によって支えられており、カキ・ホタテ・サンマといった水産業と地質環境の関係を学ぶ「漁業ジオツアー」は訪問者に好評を得ています。
| 加盟組織 Geoparks Network | 日本ジオパーク(三陸ジオパーク宮城エリア) |
| 加盟年 Year Included | 日本:2013年9月、世界:− |
| 住所 Address | 宮城県気仙沼市(宮城県エリア代表地点) |
| 地図 Map | 地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station | JR気仙沼駅より自動車(約20分)/BRT気仙沼線各駅 |
| URL URL | https://sanriku-geo.com/ |
栗駒山麓ジオパーク / Kurikomasanroku Geopark
栗駒山麓ジオパークは、宮城県北西部の栗原市(全域)を範囲とする日本ジオパークで、2015年8月に認定されました。テーマは「活火山・栗駒山が育んだ多様な地球の恵みと、大地の営みを学ぶ地域」です。標高1,626mの栗駒山(別名・須川岳)は東北を代表する活火山のひとつで、山頂付近では現在も噴気活動が続いており、昭和湖(火口湖)では火山性ガスが水面に立ち上る光景が見られます。栗駒山の山肌が秋に一斉に色づく「神の絨毯」と呼ばれる全山紅葉は、東北屈指の絶景として全国から多くのトレッカーを引き寄せます。
栗駒山麓ジオパークを語る上で欠かせない地質イベントが、2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震(マグニチュード7.2)です。この地震によって栗原市荒砥沢地区で発生した地すべりは、長さ約1,300m・幅約900m・最大落差148mという日本最大級の規模を誇り、現在は「荒砥沢地すべり震災遺構」として保存・公開されています。地すべり面の露頭では、地震動が地層をどのように変形・移動させたかを直接観察でき、地質学・地震学の野外実習地として国内外の研究者が訪れます。また、栗駒山麓にはシルル紀(約4億年前)の珊瑚や腕足類の化石を含む地層が露出しており、古生代の海洋環境を示す貴重な化石産地としても注目されています。
栗駒山麓ジオパークでは、登山・渓谷・温泉・湿地という多彩な自然体験がジオパーク学習と組み合わされています。世界的なラムサール条約登録湿地である伊豆沼・内沼では、冬季にマガン・ハクチョウ・カモ類が合計10万羽以上飛来し、地質由来の低平な地形が生み出す湿地生態系の豊かさを実感できます。鳴子温泉郷をはじめとする栗駒山麓の温泉群は、火山性熱水供給システムのジオサイトとして位置づけられており、入浴しながら地熱エネルギーを体感するジオバス・ツアーも実施されています。
| 加盟組織 Geoparks Network | 日本ジオパーク |
| 加盟年 Year Included | 日本:2015年8月、世界:− |
| 住所 Address | 宮城県栗原市 |
| 地図 Map | 地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station | JRくりこま高原駅より自動車(約1時間30分) |
| URL URL | https://www.kuriharacity.jp/index.cfm/9,0,132,html |
秋田県の日本ジオパーク・ユネスコ世界ジオパーク / Japanese Geoparks and UNESCO Global Geoparks in Akita
秋田県は東北地方で最多の4つの日本ジオパーク(男鹿半島・大潟、八峰白神、ゆざわ、鳥海山・飛島)を有する県です。日本海側に面した秋田県は、新第三紀のグリーンタフ(緑色凝灰岩)が広く分布し、海底火山活動と海面変動の歴史が地質の随所に刻まれています。男鹿半島では7,000万年前からの地層が途切れることなく連続して露出し、ゆざわ(湯沢市)では川原毛地獄に代表される地熱・火山現象が噴出しています。また、南部には県境をまたいで鳥海山(標高2,236m)がそびえ立ち、日本海まで裾野を広げる日本随一の成層火山景観を形成しています。
男鹿半島・大潟ジオパーク / Oga Ogata Geopark
男鹿半島・大潟ジオパークは、秋田県男鹿市と大潟村を範囲とする日本ジオパークで、2011年に認定されました。このジオパークの最大の特徴は、男鹿半島の海岸線に約7,000万年前(白亜紀後期)から現代に至るまでの地層が途切れることなく露出しているという世界的にも希少な地質環境にあります。特に安田海岸(男鹿市)では、新生代・中生代の地層断面が海食崖として切り立っており、地球史をまるで本のページをめくるように順番に読み解くことができます。地質学者の間では「日本の地質学の教科書」とも称されるほど学術的価値が高いジオサイトです。
ジオパークのもうひとつの核心は、20世紀最大規模の農業土木工事とも言われる八郎潟の干拓事業による大潟村の誕生です。かつて日本第2位の広さを誇った八郎潟湖は、1957年から始まった干拓事業によって農地へと転換され、大潟村(海抜マイナス約4m)が誕生しました。干拓された湖底土壌の構造や、干拓が周辺の地質環境に与えた影響もジオパークのテーマのひとつです。男鹿半島の景勝地としては、熔岩台地の上に立つ寒風山(標高355m)、日本海に突き出た本州最北の岬のひとつである入道崎、波の侵食によって岩が獅子(ゴジラ)の形に見えるゴジラ岩なども有名です。
男鹿半島・大潟ジオパークでは、地質学習と並んで「なまはげ」文化との融合が訪問者の関心を集めています。国指定重要無形民俗文化財であるなまはげ行事は、男鹿半島の厳しい自然環境と地域文化が生み出した固有の民俗行事であり、2018年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。なまはげ館・男鹿真山伝承館では体験型展示でなまはげの歴史と文化を学べます。ジオパーク事務局では、地質ガイドウォーク・ジオツアーバス・学校向け出前講座など多様なプログラムを提供しており、地質科学と地域文化を統合的に体験できるジオパークとして評価されています。
| 加盟組織 Geoparks Network | 日本ジオパーク |
| 加盟年 Year Included | 日本:2011年、世界:− |
| 住所 Address | 秋田県男鹿市 |
| 地図 Map | 地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station | JR男鹿駅より自動車(約20分) |
| URL URL | https://www.oga-ogata-geo.jp/ |
八峰白神ジオパーク / Happo Shirakami Geopark
八峰白神ジオパークは、秋田県八峰町を範囲とする日本ジオパークで、2012年に認定されました。このジオパークの最大の特徴は、白神山地のブナ原生林(ユネスコ世界自然遺産)と花崗岩(みかげ石)による海食崖という、地球の内部活動と外部侵食が生み出した二種類の地質景観が同一エリアで体験できる点にあります。白神山地を構成する岩石の多くは花崗岩で、約1,600万年前(新第三紀中新世)のマグマ固結によって形成されました。この硬質な花崗岩が日本海の波浪に侵食されて生まれた八森海岸の断崖絶壁は、白と灰色のコントラストが美しい独特の景観を呈しています。
八峰白神ジオパークの象徴的なジオサイトとして、留山ブナ林が挙げられます。八峰町の山岳部に広がるこのブナ原生林は、世界自然遺産「白神山地」の緩衝地帯に接しており、ブナ林が花崗岩地盤の上にどのように成立し、地質と植生が相互作用しているかを観察できる貴重なフィールドです。海岸部では、八森海岸の花崗岩露頭と波食棚、北緯40度の緯線が通過する椿崎の断崖などが見どころです。また、白瀧神社(八峰町)は花崗岩の岩壁を背にした古社で、地質と信仰が融合したジオサイトとして地域文化との関係性が深いスポットです。
八峰白神ジオパークでは、ブナ林トレッキングと海岸ジオウォークを組み合わせた1日コースが人気です。ジオパークガイドとともに山岳部と海岸部を結ぶルートを歩くことで、花崗岩マグマの貫入から地表への露出、海食による景観形成というプロセスを体験的に理解できます。また、白神山地のブナの葉や実を用いたネイチャークラフト体験や、地域産の木材・石材を使ったジオパーク工芸体験なども実施されており、地質資源と地域産業を結ぶ環境教育が展開されています。
| 加盟組織 Geoparks Network | 日本ジオパーク |
| 加盟年 Year Included | 日本:2012年、世界:− |
| 住所 Address | 秋田県八峰町 |
| 地図 Map | 地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station | JR八森駅より自動車(約10分) |
| URL URL | https://www.shirakami.or.jp/~happo-sh-geo/ |
ゆざわジオパーク / Yuzawa Geopark
ゆざわジオパークは、秋田県湯沢市を範囲とする日本ジオパークで、2012年に認定されました。テーマは「地熱・火山が生み出す大地の恵みと文化」です。湯沢市は奥羽山脈の南部に位置し、地下から熱水・蒸気が噴出する地熱地帯が市域の広い範囲に分布しています。この地熱エネルギーは古来より温泉資源として活用されてきたほか、近代以降は地熱発電事業にも利用されており、大地のエネルギーが人々の生活と産業を支えるジオパークとしての性格を強く持っています。
ゆざわジオパーク最大の見どころは、日本三大霊地(恐山・立山とともに)のひとつとされる川原毛地獄(かわらけじごく)です。標高約1,100mの山腹に広がるこの場所では、白く荒涼とした山肌から水蒸気・硫化水素ガスが絶えず噴出しており、草木も生えない「地獄の風景」が広がっています。川原毛地獄から流れ出る沢の下流には川原毛大湯滝(かわらけじごくおおゆたき)があり、滝そのものが天然の温泉(約50℃)という世界的にも珍しい露天風呂になっています。夏季限定で入浴できるこの滝は、地熱ジオサイトとして圧倒的な迫力と癒しを同時に体験できる唯一無二のスポットです。小安峡大噴湯(こやすきょうだいふんとう)では、峡谷の川底から沸騰した熱泥水が轟音とともに噴出しており、地熱活動の生々しいパワーを間近で感じることができます。
ゆざわジオパークには火山・地熱のジオサイト以外にも、歴史的ジオサイトが充実しています。江戸時代に日本最大規模の銀山として繁栄した院内銀山跡(湯沢市)は、火山熱水変質作用によって形成された鉱脈に人々が惹き寄せられた歴史を伝えています。また、湯沢市内の地熱発電所は見学対象施設となっており、大地の熱エネルギーが電力に変換されるプロセスを学べる産業ジオサイトとして機能しています。ジオパーク事務局では川原毛地獄ガイドツアー・地熱発電所見学・温泉科学体験など多彩なプログラムを提供しており、地熱エネルギーと地域産業・文化の関わりを多角的に学べる内容が充実しています。
| 加盟組織 Geoparks Network | 日本ジオパーク |
| 加盟年 Year Included | 日本:2012年、世界:− |
| 住所 Address | 秋田県湯沢市 |
| 地図 Map | 地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station | JR湯沢駅より自動車(約30分) |
| URL URL | https://www.yuzawageopark.com/ |
鳥海山・飛島ジオパーク / Chokai Tobishima Geopark
鳥海山・飛島ジオパークは、秋田県(にかほ市・由利本荘市)と山形県(酒田市・遊佐町)にまたがる日本ジオパークで、2016年9月に認定されました。テーマは「山と海がつくる水と大地のジオパーク」です。標高2,236mを誇る鳥海山は、約60万年前から活動を続ける東北地方屈指の成層火山であり、山頂の新山溶岩ドームから日本海の沿岸まで裾野が直線的に延びるという、他の火山にはない「海に面した大成層火山」という稀有な景観を持ちます。標高2,236m(山頂)から水深数百m(日本海底)まで約3,000mに及ぶ標高差の中に、雪渓・高山植物帯・ブナ林・農耕地・海岸・海底という多様な環境が連続して存在しており、このグラデーションそのものがジオパークのテーマです。
鳥海山の噴火の歴史は豊富な記録で裏付けられています。紀元前466年の噴火(古文書記録)、871年の貞観噴火(鳥海山溶岩流が日本海に達した大規模噴火)、1740年・1801年の噴火、そして最近では1974年の噴火まで、複数回の大規模噴火が地形・地質・土砂移動を通じて周辺地域に深刻な影響を与えてきました。山麓には噴火由来の溶岩流・火砕物・岩屑なだれの堆積物が広く分布し、火山地形の教科書的な野外展示場となっています。火山体の崩壊によって生まれた伏流水は、湧水群として山麓に噴き出しています。元滝伏流水(にかほ市)は、高さ約5mの岩壁一面から幾筋もの水が絹糸のように流れ落ちる幻想的な景観を持ち、鳥海山の雪解け水が長い年月をかけて地下を伝い湧出したものです。同様の火山湧水として胴腹滝(遊佐町)も人気のジオサイトです。
鳥海山・飛島ジオパークの特徴的なジオサイトとして、飛島(山形県唯一の有人離島)が挙げられます。酒田港から定期船「とびしま」で約75分の海上に浮かぶ飛島は、新第三紀の火山岩(流紋岩・安山岩)と海食地形が発達した島で、渡り鳥の中継地として鳥類研究者からも注目されています。島内では火山岩の露頭・波食台・海食洞などを観察するジオウォークが楽しめます。また、山形県酒田市の日本海沿岸に点在する十六羅漢岩は、幕末から明治初頭にかけて地元の僧侶・寛海上人が23年の歳月をかけて凝灰岩の海食崖に彫刻した22体(十六羅漢+如来・菩薩・羅漢像)の仏像群で、地質(凝灰岩の加工性)と人間活動が交差するジオサイトとして独特の存在感を持っています。詳細は山形県セクションもご参照ください。
| 加盟組織 Geoparks Network | 日本ジオパーク |
| 加盟年 Year Included | 日本:2016年9月、世界:− |
| 住所 Address | 秋田県にかほ市(秋田県エリア代表地点) |
| 地図 Map | 地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station | JR象潟駅(秋田県にかほ市)または JR酒田駅(山形県)より自動車(約50分) |
| URL URL | https://chokaitobishima.com/ |
山形県の日本ジオパーク・ユネスコ世界ジオパーク / Japanese Geoparks and UNESCO Global Geoparks in Yamagata
山形県は、秋田県と県境を接する鳥海山・飛島ジオパーク(秋田県・山形県共有)の山形県エリアを有しています。山形県側には日本海沿岸の酒田市・遊佐町が含まれており、十六羅漢岩・飛島・庄内平野沖の地質景観がジオパークの重要な構成要素となっています。日本海に突出した庄内砂丘は日本有数の砂丘地形を呈し、鳥海山から供給された火山砕屑物が海流によって堆積・移動した歴史を物語っています。山形県は東北有数の農業県でもあり、鳥海山由来の火山灰土壌が庄内米・さくらんぼ・山形牛などの農産物の豊かさを支えていることも、ジオパークが地域産業と結びついている典型例です。
鳥海山・飛島ジオパーク(山形県エリア)/ Chokai Tobishima Geopark (Yamagata Area)
鳥海山・飛島ジオパークの山形県エリアには、日本海沿岸の酒田市・遊佐町が含まれます。山形県側の最大の見どころは、酒田市の日本海沿岸に立つ十六羅漢岩です。高さ約10〜15mの凝灰岩(タフ)の海食崖に、幕末期(1864年〜1887年)に真言宗の僧・寛海上人が23年の歳月をかけて彫り刻んだ22体の石仏像群で、海難事故の犠牲者への供養と漁師たちの航海安全祈願のために造営されました。凝灰岩という火山噴出物由来の岩石の加工のしやすさが、この巨大な海食崖への石仏彫刻を可能にしたという点で、地質と人間の営みが交差するジオサイトとして国内外の旅行者を惹きつけています。現在は山形県の文化財に指定されており、夕日を背景にした十六羅漢岩のシルエットは山形・庄内を代表する絶景として知られています。
山形県側のもう一つの主要ジオサイトは飛島です。山形県唯一の有人離島である飛島(人口約180人)は、酒田港から定期船「とびしま」で約75分の日本海上に位置し、新第三紀の流紋岩・安山岩が卓越する火山岩の島です。島の周囲は海食によって削られた断崖と海食台が発達しており、島内のジオウォークでは火山岩の多様なテクスチャーと海食地形の関係を観察できます。飛島は渡り鳥の中継地として著名で、春秋の渡りの季節には希少な鳥類が多数飛来します。これも、地質環境(小島の孤立した地形・植生)が生物の生態に与える影響を示す生態学的ジオサイトとして評価されています。鳥海山・飛島ジオパーク全体の詳細(鳥海山本体・秋田県エリア)については秋田県セクションをご参照ください。
山形県エリアでは、庄内平野の水田地帯と日本海沿岸を組み合わせたジオツーリズムが展開されています。鳥海山の湧水が注ぐ月光川・赤川流域の水田では、火山土壌と豊富な雪解け水が生み出す「庄内米」のブランド価値が地質と農業の結びつきを示しており、農業ジオツアーとして人気を集めています。また、遊佐町の胴腹滝(火山湧水の名瀑)は、苔むした岩壁から湧水が複数の流れとなって落下する神秘的な景観を持ち、鳥海山の自然水を体感できるジオサイトとして四季を通じて訪問者が絶えません。
| 加盟組織 Geoparks Network | 日本ジオパーク(鳥海山・飛島ジオパーク山形県エリア) |
| 加盟年 Year Included | 日本:2016年9月、世界:− |
| 住所 Address | 山形県酒田市(山形県エリア代表地点) |
| 地図 Map | 地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station | JR酒田駅より自動車(十六羅漢岩まで約20分)/飛島は酒田港より定期船(約75分) |
| URL URL | https://chokaitobishima.com/ |
福島県の日本ジオパーク・ユネスコ世界ジオパーク / Japanese Geoparks and UNESCO Global Geoparks in Fukushima
福島県は、東北地方最南端に位置し、奥羽山脈の活火山帯と会津盆地・猪苗代湖という内陸水系が絡み合う複雑な地形を持つ県です。磐梯山(標高1,816m)は1888年(明治21年)に大規模な水蒸気爆発を起こし、山体北側が大規模に崩壊して岩屑なだれが麓の集落を埋没させるとともに、約300もの湖沼群を誕生させました。この「破壊と再生」のダイナミックな地質史が磐梯山ジオパークの核心テーマとなっており、東北地方唯一の磐梯山ジオパークとして2011年9月に認定されています。県内にはほかにも南会津の地層や阿武隈山地の古い基盤岩など地質学的見どころが豊富ですが、ジオパーク認定は磐梯山周辺の1エリアにとどまっています。
磐梯山ジオパーク / Bandaisan Geopark
磐梯山ジオパークは、福島県猪苗代町・磐梯町・北塩原村を範囲とする日本ジオパークで、2011年9月に認定されました。磐梯山(標高1,816m)は福島県のシンボルであり、日本百名山のひとつです。このジオパークの中心テーマは、1888年(明治21年)7月15日に発生した磐梯山の大噴火です。山頂北側の小磐梯(こばんだい)が水蒸気爆発によって突然崩壊し、岩屑なだれが北山麓の集落を埋没させ、約477名の犠牲者を出しました。崩壊した土砂と岩屑が川をせき止め、翁島・桧原湖・小野川湖・秋元湖・五色沼など約300もの湖沼群が誕生したのです。この出来事は、「火山が大地を破壊すると同時に新しい大地と生態系を創造する」という「破壊と再生」の地質学的真理を生々しく示す世界的に著名な事例として、地球科学の教科書に登場します。
磐梯山ジオパークの最大のシンボルは五色沼湖沼群(北塩原村)です。磐梯山の噴火後に誕生した大小多数の湖沼が連なる五色沼では、火山性鉱物(硫化鉄・酸化鉄・ヒ素化合物など)の含有量の違いによって、コバルトブルー・エメラルドグリーン・ルビーレッド・ミルキーホワイトなど湖ごとに全く異なる水の色が出現します。全長約3.6kmの自然探勝路を歩きながら複数の沼を巡ると、色彩の変化が大地の化学組成の違いを反映していることを肌で感じることができます。特に毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・竜沼・弁天沼は代表的な色彩変化を示す沼として人気があり、四季折々の紅葉・新緑・雪景色とあいまって年間を通じて多くの訪問者を集めています。
磐梯山ジオパークでは、火山の「破壊と再生」をテーマにした体験学習プログラムが充実しています。磐梯山噴火記念館(猪苗代町)では、1888年大噴火の詳細なメカニズム・被害・その後の地形変化をわかりやすく解説する展示が提供されており、噴火前後の地形模型や実物の岩石標本も展示されています。猪苗代湖(面積約103km²・日本第4位)は、大地の傾動と断層運動によって形成された構造湖で、冬季には数百羽の白鳥が飛来する渡り鳥の越冬地としても知られています。磐梯山本体では、登山を通じて噴火口・火山弾・溶岩流などのジオサイトを直接観察するガイドトレッキングが人気プログラムとなっており、山頂から眺める猪苗代湖・会津盆地の大パノラマは多くの登山者を魅了しています。
| 加盟組織 Geoparks Network | 日本ジオパーク |
| 加盟年 Year Included | 日本:2011年9月、世界:− |
| 住所 Address | 福島県猪苗代町・磐梯町・北塩原村 |
| 地図 Map | 地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station | JR猪苗代駅(磐越西線)より自動車(約30分)/東北新幹線・郡山駅より磐越西線乗換 |
| URL URL | https://bandaisan-geo.com/ |
東北地方のジオパーク旅行ガイド
東北地方のジオパークを効率よく訪問するための実践的なアドバイスをまとめます。まず交通手段について、東北地方は広大な面積を持つためレンタカーが最も自由度の高い移動手段です。東北自動車道(東京〜青森)・山形自動車道・磐越自動車道が主要幹線となっており、各ジオパークへのアクセス道路も整備されています。ただし三陸海岸エリアについては、全線復旧した三陸鉄道リアス線(久慈〜盛)を活用することで、車窓からリアス海岸の地質景観を楽しみながら主要ジオサイトを巡ることができます。新幹線は東北新幹線(東京〜新青森・盛岡・仙台)と山形新幹線(東京〜新庄)が利用でき、各ジオパークの最寄り新幹線駅からレンタカーや路線バスを組み合わせる方法が現実的です。
ベストシーズンは、目的とするジオパーク・ジオサイトによって異なります。三陸ジオパーク(浄土ヶ浜・北山崎)は5月〜10月が観光シーズンのピークで、三陸鉄道との組み合わせが最適です。栗駒山麓ジオパークは10月上旬の全山紅葉「神の絨毯」が全国屈指の絶景で、この時期は大変混雑します。鳥海山・飛島ジオパークは7〜8月の登山シーズンと、元滝伏流水・胴腹滝の新緑・紅葉期(5〜6月・10月)がおすすめです。飛島への定期船は荒天時に欠航することがあるため、天気予報の確認と余裕を持った日程設定が必要です。磐梯山ジオパークの五色沼は通年訪問可能ですが、新緑(5月)と紅葉(10月)のシーズンが特に美しく、冬季はスノーシューツアーも楽しめます。
推奨モデルルートとして、東北ジオパーク一周7泊8日コースを紹介します。1日目:東京〜東北新幹線〜郡山〜磐梯山ジオパーク(五色沼・磐梯山噴火記念館)宿泊:猪苗代町。2日目:磐梯山ジオパーク(猪苗代湖・磐梯山登山)〜移動。3日目:山形・庄内へ移動〜鳥海山・飛島ジオパーク(十六羅漢岩・元滝伏流水)宿泊:にかほ市または酒田市。4日目:飛島日帰り訪問(定期船往復)または鳥海山登山、ゆざわジオパーク(川原毛地獄・大湯滝)へ移動・宿泊。5日目:男鹿半島・大潟ジオパーク(安田海岸・寒風山・ゴジラ岩)〜八峰白神ジオパーク(八森海岸・留山ブナ林)〜青森方面へ移動・宿泊。6日目:下北ジオパーク(恐山・仏ヶ浦・大間崎)宿泊:むつ市。7日目:三陸ジオパーク青森エリア(種差海岸・蕪島)〜八戸よりJR・新幹線乗換〜三陸方面へ移動、三陸鉄道乗車・久慈琥珀博物館・龍泉洞・浄土ヶ浜宿泊。8日目:三陸ジオパーク(北山崎・陸前高田・気仙沼)〜栗駒山麓ジオパーク(荒砥沢地すべり遺構・栗駒山)〜東北新幹線で帰路。各ジオパークの位置が東北地方に分散しているため、この7泊8日コースでも駆け足になる部分がありますので、特に関心の高いジオパークには2〜3日の滞在を確保することをおすすめします。

