[2009年開催(2008年映画作品対象)]第81回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜

3月 10, 2026Academy Awards,Movie,Products

アカデミー賞(Academy Awards)とは、映画芸術科学アカデミー(AMPAS: Academy of Motion Picture Arts and Sciences)が主催し、アメリカ合衆国における映画の健全な発展と芸術・科学の品質向上などを目的に、キャストやスタッフなどの関係者を毎年部門別に表彰し、その成果を讃える映画賞です。受賞作品・受賞者には賞金は出ませんが、金色のオスカー像が授与されるため、オスカー賞(The Oscars)とも呼ばれます。

その歴史は世界三大映画祭(カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭)よりも古く、第1回のアカデミー賞は1929年から開催されています。今では世界中が注目する映画界最大の祭典として、毎年2月から3月にかけてロサンゼルスのハリウッドで授賞式が行われ、その模様は全世界に向けて生中継されます。

アカデミー賞へのノミネートおよび受賞結果は世界中に大きく報道されるため、各国における対象映画の興行成績に対する大きな影響力を持っています。アカデミー賞ノミネート作品・受賞作品は、映画界で著名なプロデューサー、監督、脚本家、俳優、批評家などにより構成される選考委員によって選ばれ、その高い評価から世間でも話題の中心となるため、一度は見ておくべき映画と言えるでしょう。

第81回アカデミー賞(2009年開催)の概要と見どころ

2009年2月22日にハリウッドのコダック・シアター(現ドルビー・シアター)で開催された第81回アカデミー賞授賞式は、ヒュー・ジャックマンが司会を務め、華やかなオープニングパフォーマンスで幕を開けました。この年の対象は2008年公開の映画作品です。

第81回アカデミー賞の最大の話題は、ダニー・ボイル監督の『スラムドッグ$ミリオネア』が作品賞・監督賞・脚色賞・撮影賞・編集賞・作曲賞・歌曲賞・録音賞の8部門を制覇したことです。インドのムンバイを舞台に、スラム出身の少年がクイズ番組で勝ち進む物語は、世界中の観客を魅了しました。

また、日本の映画ファンにとって忘れられないのは、滝田洋二郎監督の『おくりびと』が外国語映画賞を受賞したことです。日本映画として初のオスカー獲得という歴史的快挙を成し遂げました。さらに、短編アニメ賞では加藤久仁生監督の『つみきのいえ(La Maison en Petits Cubes)』が受賞し、同年は日本映画にとって記念すべき年となりました。

助演男優賞では、撮影中に急逝したヒース・レジャーが『ダークナイト』のジョーカー役で受賞。没後のオスカー受賞は映画史に残る感動的な瞬間となりました。主演女優賞はケイト・ウィンスレットが『愛を読むひと』で初受賞を果たし、主演男優賞はショーン・ペンが『ミルク』で2度目の受賞を達成しています。

このページでは、第81回アカデミー賞(2009年開催・2008年映画作品対象)の全部門における受賞作品・受賞者とノミネート作品・ノミネート者を一覧でまとめています。

[2009年開催(2008年映画作品対象)]第81回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜

作品賞 / Sakuhin Shou[Best Picture]

作品賞はアカデミー賞の中で最も権威ある部門であり、映画全体の質・芸術性・製作の卓越さが評価されます。第81回では、ダニー・ボイル監督のイギリス・インド合作映画『スラムドッグ$ミリオネア』が制覇しました。インドのムンバイのスラム街出身の青年がテレビクイズ番組で全問正解するという奇跡的な物語は、わずか1500万ドルの低予算で製作されながら世界興行収入3億7000万ドルを超える大ヒットを記録しました。大作ハリウッド映画を抑えてインディーズ作品が頂点に立った、映画史に残る象徴的な受賞となりました。

受賞
Winner
スラムドッグリオネア[Slumdog Millionaire] ⇒ Christian Colson

ノミネート
Nominees

ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ Kathleen Kennedy、Frank Marshall、Ceán Chaffin
フロスト×ニクソン[Frost/Nixon] ⇒ Ron Howard、Brian Grazer、Eric Fellner
ミルク[Milk] ⇒ Bruce Cohen and Dan Jinks
愛を読むひと[The Reader] ⇒ Anthony Minghella、Sydney Pollack、Donna Gigliotti、Redmond Morris

監督賞 / Kantoku Shou[Best Director]

監督賞は映画の総合的な演出を担う監督の芸術的・技術的な功績を称える部門です。第81回ではダニー・ボイル監督が受賞しました。ボイル監督は、インドのスラム街の路地裏を縦横無尽に疾走するような手持ちカメラのダイナミックな映像と、過去と現在を行き来する非線形の物語構成を駆使し、『スラムドッグ$ミリオネア』に独自の躍動感と映像美を与えました。イギリス出身の監督がインドを舞台にした作品でオスカーを制したことも、映画界のグローバル化を象徴する出来事となりました。

受賞
Winner
スラムドッグリオネア[Slumdog Millionaire] ⇒ ダニー・ボイル[Danny Boyle]

ノミネート
Nominees

ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ デヴィッド・フィンチャー[David Fincher]
フロスト×ニクソン[Frost/Nixon] ⇒ ロン・ハワード[Ron Howard]
ミルク[Milk] ⇒ ガス・ヴァン・サント[Gus Van Sant]
愛を読むひと[The Reader] ⇒ スティーブン・ダルドリー[Stephen Daldry]

主演男優賞 / Shuen Danyuh Shou[Best Actor]

主演男優賞は映画の主演を演じた男優の演技を称える部門です。第81回ではショーン・ペンが受賞しました。ペンは、1970〜80年代のサンフランシスコで活躍した、アメリカで初めて公職に就いたオープンリーゲイの政治家ハーヴェイ・ミルクを実在の人物に忠実かつ情熱的に熱演しました。LGBTの権利運動の歴史を体現した演技は高く評価され、自身2度目のアカデミー主演男優賞を獲得する快挙を成し遂げました。受賞スピーチでは同性婚支持への力強いメッセージも発信し、世界的な話題となりました。

受賞
Winner
ミルク[Milk] ⇒ ショーン・ペン[Sean Penn]

ノミネート
Nominees

扉をたたく人[The Visitor] ⇒ リチャード・ジェンキンス[Richard Jenkins]
フロスト×ニクソン[Frost/Nixon] ⇒ フランク・ランジェラ[Frank Langella]
ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ ブラッド・ピット[Brad Pitt]
レスラー[The Wrestler] ⇒ ミッキー・ローク[Mickey Rourke]

主演女優賞 / Shuen Danyuh Shou[Best Actress]

主演女優賞は映画の主演を演じた女優の演技を称える部門です。第81回ではケイト・ウィンスレットが受賞しました。ウィンスレットは、ナチスドイツ時代のドイツを舞台に、若い男性との秘密の関係と複雑な戦争犯罪の過去を持つ女性ハナを体現した『愛を読むひと』での演技が高く評価されました。過去6回のオスカーノミネートを経ての悲願の初受賞であり、世界中の映画ファンが温かく祝福した感動的な受賞となりました。ウィンスレットは実力と人気を兼ね備えた稀有な女優として改めてその地位を確立しました。

受賞
Winner
愛を読むひと[The Reader] ⇒ ケイト・ウィンスレット[Kate Winslet]

ノミネート
Nominees

レイチェルの結婚[Rachel Getting Married] ⇒ アン・ハサウェイ[Anne Hathaway]
チェンジリング[Changeling] ⇒ アンジェリーナ・ジョリー[Angelina Jolie]
フローズン・リバー[Frozen River] ⇒ メリッサ・レオ[Melissa Leo]
ダウト〜あるカトリック学校で〜[Doubt] ⇒ メリル・ストリープ[Meryl Streep]

助演男優賞 / Joen Danyuh Shou[Best Supporting Actor]

助演男優賞は映画の助演を演じた男優の演技を称える部門です。第81回では、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』でジョーカーを演じたヒース・レジャーが受賞しました。レジャーは撮影完了後の2008年1月22日に薬物の過剰摂取により28歳の若さで急逝しており、没後の受賞となりました。狂気と知性、圧倒的なカリスマ性を兼ね備えた前代未聞のヴィラン像を体現したレジャーの演技は映画史に永遠に刻まれており、式典では家族がトロフィーを代わりに受け取る感動的な場面が世界中に生中継されました。

受賞
Winner
ダークナイト[The Dark Knight] ⇒ ヒース・レジャー[Heath Ledger]

ノミネート
Nominees

ミルク[Milk] ⇒ ジョシュ・ブローリン[Josh Brolin]
トロピック・サンダー/史上最低の作戦[Tropic Thunder] ⇒ ロバート・ダウニー・Jr[Robert Downey Jr.]
ダウト〜あるカトリック学校で〜[Doubt] ⇒ フィリップ・シーモア・ホフマン[Philip Seymour Hoffman]
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで[Revolutionary Road] ⇒ マイケル・シャノン[Michael Shannon]

助演女優賞 / Joen Joyuh Shou[Best Supporting Actress]

助演女優賞は映画の助演を演じた女優の演技を称える部門です。第81回ではペネロペ・クルスが受賞しました。クルスは、ウディ・アレン監督の恋愛映画『それでも恋するバルセロナ』において、情熱的で破滅的なスペイン人女性マリア・エレーナを圧倒的な存在感と繊細な感情表現で演じました。スペイン出身の女優として初のアカデミー賞受賞者となり、スペイン語圏の映画界全体にとっても歴史的な快挙となりました。母国語であるスペイン語でのアドリブ演技も含め、その自由奔放な演技スタイルが高く評価されています。

受賞
Winner
それでも恋するバルセロナ[Vicky Cristina Barcelona] ⇒ ペネロペ・クルス[Penélope Cruz]

ノミネート
Nominees

ダウト〜あるカトリック学校で〜[Doubt] ⇒ エイミー・アダムス[Amy Adams]
ダウト〜あるカトリック学校で〜[Doubt] ⇒ ヴィオラ・デイヴィス[Viola Davis]
ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ タラジ・P・ヘンソン[Taraji P. Henson]
レスラー[The Wrestler] ⇒ マリサ・トメイ[Marisa Tomei]

脚本賞 / Kyakuhon Shou[Best Original Screenplay]

脚本賞(オリジナル脚本賞)は原作に依拠しないオリジナルの脚本を執筆した脚本家を称える部門です。第81回ではダスティン・ランス・ブラックが『ミルク』で受賞しました。ブラックは、アメリカで初めて公職に就いたオープンリーゲイの政治家ハーヴェイ・ミルクの実際の生涯と政治的闘争を、史実に忠実かつドラマチックに脚本化しました。ブラック自身もゲイであることを明かし、受賞スピーチでは「あなたは孤独ではない」とLGBTの若者へ力強いメッセージを送り、世界中で大きな感動と反響を呼びました。

受賞
Winner
ミルク[Milk] ⇒ ダスティン・ランス・ブラック[Dustin Lance Black]

ノミネート
Nominees

フローズン・リバー[Frozen River] ⇒ コートニー・ハント[Courtney Hunt]
ハッピー・ゴー・ラッキー[Happy-Go-Lucky] ⇒ マイク・リー[Mike Leigh]
ヒットマンズ・レクイエム[In Bruges] ⇒ マーティン・マクドナー[Martin McDonagh]
WALL・E/ウォーリー[WALL-E] ⇒ アンドリュー・スタントン[Andrew Stanton]、ジム・リアドン[Jim Reardon]、ピート・ドクター[Pete Docter]

脚色賞 / Kyakushoku Shou[Best Adapted Screenplay]

脚色賞は小説・戯曲・ノンフィクションなど既存の作品を映画脚本に翻案した脚本家を称える部門です。第81回ではサイモン・ボーファイが受賞しました。ボーファイは、ヴィカス・スワラップのインド小説『ぼくと1ルピーの神様』を原作に、インドの貧困社会の現実・カースト制度・宗教対立といった社会的背景と、純粋な愛と運命の物語を巧みに絡めた映画脚本へと昇華させました。原作の構造を大胆に組み替えながらも、核となる感動とメッセージを鮮やかに映像言語へと変換した優れた翻案として高く評価されています。

受賞
Winner
スラムドッグリオネア[Slumdog Millionaire] ⇒ サイモン・ボーファイ[Simon Beaufoy]

ノミネート
Nominees

ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ エリック・ロス[Eric Roth]、ロビン・スウィコード[Robin Swicord]
ダウト〜あるカトリック学校で〜[Doubt] ⇒ ジョン・パトリック・シャンリィ[John Patrick Shanley]
フロスト×ニクソン[Frost/Nixon] ⇒ ピーター・モーガン[Peter Morgan]
愛を読むひと[The Reader] ⇒ デヴィッド・ヘアー[David Hare]

長編アニメ映画賞 / Chouhen Anime Eiga Shou[Best Animated Feature Film]

長編アニメ映画賞は長編アニメーション映画の製作・演出の卓越さを称える部門です。第81回ではピクサー・アニメーション・スタジオのアンドリュー・スタントン監督作品『WALL-E』が受賞しました。環境破壊により人類が去った地球に残されたゴミ収集ロボットWALL-Eの純粋な愛の物語を、ほとんどセリフなしの映像表現だけで描いたこの作品は、子供から大人まで世代を超えた感動を与えました。地球環境問題・消費社会・人類の未来への警鐘も込められた深いテーマ性も高く評価された、ピクサーの傑作のひとつです。

受賞
Winner
WALL・E/ウォーリー[WALL-E] ⇒ Andrew Stanton

ノミネート
Nominees

ボルト[Bolt] ⇒ Chris Williams and Byron Howard
カンフー・パンダ[Kung Fu Panda] ⇒ Mark Osborne and John Wayne Stevenson

外国語映画賞 / Gaikokugo Eiga Shou[Best Foreign Language Film]

外国語映画賞は英語以外の言語で製作された外国映画を対象とした部門です。第81回では、滝田洋二郎監督の日本映画『おくりびと』が受賞し、日本映画として初のアカデミー賞受賞という歴史的快挙を成し遂げました。本木雅弘演じる元チェリストが、職を失い故郷の山形県庄内地方に戻り、偶然から納棺師の職に就くことで生と死の意味・人の尊厳について深く考えていく物語です。日本固有の「おくり」の文化と人の絆を描いた普遍的なテーマと、細部まで丁寧に作り込まれた映像美が、世界中の審査員の心を動かしました。日本映画の国際的な評価を大きく押し上げた受賞です。

受賞
Winner
おくりびと[Departures] (日本[Japan]) – 日本語[Japanese] ⇒ Yojiro Takita

ノミネート
Nominees

バーダー・マインホフ 理想の果てに[The Baader Meinhof Complex] (ドイツ[Germany]) – ドイツ語[German] ⇒ Uli Edel
パリ20区、僕たちのクラス[The Class] (フランス[France]) – フランス語[French] ⇒ Laurent Cantet
Revanche (オーストリア[Austria]) – ドイツ語[German] ⇒ Götz Spielmann
戦場でワルツを[Waltz with Bashir] (イスラエル[Israel]) – ヘブライ語[Hebrew] ⇒ Ari Folman

長編ドキュメンタリー映画賞 / Chouhen Documentary Eiga Shou[Best Documentary Feature]

長編ドキュメンタリー映画賞は長編ドキュメンタリー映画の優秀さを称える部門です。第81回ではジェームズ・マーシュ監督の『マン・オン・ワイヤー』が受賞しました。1974年8月7日、フランス人の大道芸人フィリップ・プティが当局の許可を一切得ずにワールドトレードセンターの2棟のタワー間にワイヤーを張り、450メートルの高さで45分間にわたる綱渡りを行った実際の事件を追ったドキュメンタリーです。実録映像・関係者の証言・再現映像を巧みに組み合わせ、芸術と狂気の境界を問いかける感動的な作品として高く評価されました。

受賞
Winner
マン・オン・ワイヤー[Man on Wire] ⇒ ジェームズ・マーシュ[James Marsh]、Simon Chinn

ノミネート
Nominees

The Betrayal ⇒ Nerakhoon ⇒ Ellen Kuras、Thavisouk Phrasavath
Encounters at the End of the World ⇒ ヴェルナー・ヘルツォーク[Werner Herzog]、Henry Kaiser
The Garden ⇒ Scott Hamilton Kennedy
Trouble the Water ⇒ Carl Deal、Tia Lessin

短編ドキュメンタリー映画賞 / Tanpen Documentary Eiga Shou[Best Documentary Short Subject]

短編ドキュメンタリー映画賞は短編ドキュメンタリー映画の優秀さを称える部門です。第81回ではミーガン・マイラン監督の「Smile Pinki」が受賞しました。インドで口蓋裂を持って生まれた少女ピンキが、慈善団体の支援によって無償の手術を受け笑顔を取り戻すまでの実話を追ったドキュメンタリーです。医療支援の重要性と人の善意、そして一人の子供の人生が変わっていく様子を温かく誠実に記録した本作は、わずかな尺の中に深い感動を凝縮した優れた短編として高く評価されました。

受賞
Winner
Smile Pinki ⇒ Megan Mylan

ノミネート
Nominees

The Conscience of Nhem En ⇒ Steven Okazaki
The Final Inch ⇒ Irene Taylor Brodsky、Tom Grant
The Witness: From the Balcony of Room 306 ⇒ Adam Pertovsky

短編映画賞 / Tanpen Eiga Shou[Best Live Action Short Film]

短編映画賞(実写部門)は実写短編映画の優秀さを称える部門です。第81回ではヨッヘン・アレクサンダー・フロイダンク監督のドイツ映画「Toyland(Spielzeugland)」が受賞しました。第二次世界大戦中のナチスドイツを舞台に、ユダヤ人の幼馴染の少年が強制収容所へ送られないよう機転を利かせて命を救おうとする母親の姿を描いた感動的な短編です。わずか14分の尺の中に、人間愛・歴史的悲劇・母と子の絆という深いテーマを凝縮させた作品として世界的に高く評価されました。

受賞
Winner
Toyland (Spielzeugland) — Jochen Alexander Freydank

ノミネート
Nominees

On the Line (Auf der Strecke) — Reto Caffi
Manon on the Asphalt — Elizabeth Marre、Olivier Pont
New Boy (Ireland) — Steph Green、Tamara Anghie
The Pig (Grisen) — Tivi Magnusson、Dorte Høgh

短編アニメ賞 / Tanpen Anime Shou[Best Animated Short Film]

短編アニメ賞は短編アニメーション映画の優秀さを称える部門です。第81回では加藤久仁生監督の日本製アニメーション『つみきのいえ(La Maison en Petits Cubes)』が受賞し、日本の短編アニメとして初のオスカー受賞を成し遂げました。水没し続ける街でひとり暮らす老人が、沈んだ家を潜って下の階へ訪れながら亡き妻や家族との若き日々の記憶と向き合う、約12分の詩的な物語です。セリフを一切使わず、映像と音楽だけで深い感動を生み出すこの作品は、NHKのデジタルアニメプロジェクト「アニクリ15」の一作として生まれ、世界中の映画祭でも絶賛を受けました。日本のアニメーション芸術の高さと物語性を改めて世界に証明した歴史的な受賞です。

受賞
Winner
La Maison en Petits Cubes ⇒ Kunio Katō

ノミネート
Nominees

Lavatory – Lovestory ⇒ コンスタンティン・ブロンジェット[Konstantin Bronzit]
Oktapodi ⇒ Emud Mokhberi、Thierry Marchand
Presto ⇒ ダグ・スウィートランド[Doug Sweetland]
This Way Up ⇒ Alan Smith、Adam Foulkes

作曲賞 / Sakkyoku Shou[Best Original Score]

作曲賞(オリジナル作曲賞)は映画のために書き下ろされたオリジナルの劇伴音楽(インストゥルメンタル楽曲)を称える部門です。第81回ではインドを代表する伝説的作曲家A.R.ラフマーンが『スラムドッグ$ミリオネア』のスコアで受賞しました。インドの伝統音楽・ボリウッドサウンドと現代的なエレクトロニックビートを融合させた独創的な音楽が、映画の躍動感と感動を格段に高めたと評価されました。ラフマーンはこの年、同作品で歌曲賞も同時受賞し、1人の音楽家が同一作品で2部門を制覇するという快挙を成し遂げました。

受賞
Winner
スラムドッグリオネア[Slumdog Millionaire] ⇒ A.R.ラフマーン[A. R. Rahman]

ノミネート
Nominees

ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ アレクサンドル・デスプラ[Alexandre Desplat]
ディファイアンス[Defiance] ⇒ ジェームズ・ニュートン・ハワード[James Newton Howard]
ミルク[Milk] ⇒ ダニー・エルフマン[Danny Elfman]
WALL・E/ウォーリー[WALL-E] ⇒ トーマス・ニューマン[Thomas Newman]

歌曲賞 / Kashou Shou[Best Original Song]

歌曲賞(オリジナル歌曲賞)は映画のために書き下ろされた楽曲(ボーカル入り)を称える部門です。第81回ではA.R.ラフマーンと詩人グルザールが共同制作した「Jai Ho」(意味:「勝利あれ」)が受賞しました。ヒンディー語とタミル語を織り交ぜたエネルギッシュなボリウッドダンスナンバーは、『スラムドッグ$ミリオネア』のエンドクレジットを華やかに飾り、映画と共に世界中でヒットしました。ラフマーンはこの年の作曲賞とあわせて2部門での受賞を達成し、インドの音楽が世界の映画界の主役となった記念すべき夜となりました。

受賞
Winner
“Jai Ho" from スラムドッグリオネア[Slumdog Millionaire] ⇒ 作曲:A.R.ラフマーン[A. R. Rahman]、作曲:Gulzar

ノミネート
Nominees

“Down to Earth" from WALL・E/ウォーリー[WALL-E] ⇒ 作曲:ピーター・ガブリエル[Peter Gabriel]、トーマス・ニューマン[Thomas Newman]、作詞:ピーター・ガブリエル[Peter Gabriel]
“O Saya" from スラムドッグリオネア[Slumdog Millionaire] ⇒ 作詞・作曲:A. R. Rahman、M.I.A.

音響編集賞 / Onkyou Henshuh Shou[Best Sound Editing]

音響編集賞は映画の音響効果の制作・編集の卓越さを称える部門です。第81回ではリチャード・キングが『ダークナイト』で受賞しました。バットモービルの迫力あるエンジン音、爆破シーンの衝撃波、バットポッドのタイヤが地面を蹴る音、そしてジョーカーが引き起こす混乱の中の不気味な静寂と轟音のコントラストなど、緊張感と圧迫感を最大化する音響効果が高く評価されました。スーパーヒーロー映画がこの部門を受賞したことは、ジャンル映画の技術的水準の向上を示す重要な出来事でもありました。

受賞
Winner
ダークナイト[The Dark Knight] ⇒ リチャード・キング[Richard King]

ノミネート
Nominees

アイアンマン[Iron Man] ⇒ フランク・ユルナー[Frank Eulner]、クリストファー・ボイズ[Christopher Boyes]
スラムドッグリオネア[Slumdog Millionaire] ⇒ Glenn Freemantle、Tom Sayers
WALL・E/ウォーリー[WALL-E] ⇒ ベン・バート[Ben Burtt]、マシュー・ウッド[Matthew Wood]
ウォンテッド[Wanted] ⇒ ワイリー・ステイトマン[Wylie Stateman]

録音賞 / Rokuon Shou[Best Sound Mixing]

録音賞は映画における音声・音楽・効果音などの録音・ミキシングの総合的な技術を称える部門です。第81回ではレスル・プークティ、リチャード・プライク、イアン・タップのチームが『スラムドッグ$ミリオネア』で受賞しました。インドのムンバイの喧騒と混沌、スラム街の雑多な生活音、静謐なクイズ番組スタジオの緊張感など、多彩な音の要素を高度な技術でミックスし、リアルなインドの世界観を音で完璧に再現した技術が高く評価されました。インド出身のレスル・プークティの受賞は、インドの映画音響技術者が初めてオスカーを手にした歴史的な瞬間でもありました。

受賞
Winner
スラムドッグリオネア[Slumdog Millionaire] ⇒ レスル・プークティ[Resul Pookutty]、リチャード・プライク[Richard Pryke]、イアン・タップ[Ian Tapp]

ノミネート
Nominees

ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ デヴィッド・パーカー[David Parker]、マイケル・セマニック[Michael Semanick]、レン・クライス[Ren Klyce:、マーク・ウェインガーテン[Mark Weingarten]
ダークナイト[The Dark Knight] ⇒ ローラ・ハーシュバーグ[Lora Hirschberg]、ゲイリー・リッツオ[Gary Rizzo]、エド・ノヴィック[Ed Novick]
WALL・E/ウォーリー[WALL-E] ⇒ トム・マイヤーズ[Tom Myers]、マイケル・セマニック[Michael Semanick]、ベン・バート[Ben Burtt]
ウォンテッド[Wanted] ⇒ クリス・ジェンキンス[Chris Jenkins]、ランク・A・モンタノ[Frank A. Montaño]、ペトル・フォレット[Petr Forejt]

美術賞 / Bijutsu Shou[Best Production Design]

美術賞は映画の美術・セットデザイン・プロダクションデザインの芸術性を称える部門です。第81回ではドナルド・グラハム・バートとヴィクター・J・ゾルフォが『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で受賞しました。1918年から現代にかけての長期間を舞台にした作品のため、第一次世界大戦後のルイジアナ州ニューオーリンズの豪邸・療養所、1940〜50年代のソ連の港町ムルマンスク、60〜70年代ニューヨークの街並みなど、各時代の雰囲気を精緻に再現したセットと美術デザインが高く評価されました。プロダクションデザインが物語の深みと説得力を大きく高めた好例です。

受賞
Winner
ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ ドナルド・グラハム・バート[Donald Graham Burt]、ヴィクター・J・ゾルフォ[Victor J. Zolfo]

ノミネート
Nominees

チェンジリング[Changeling] ⇒ James J. Murakami and Gary Fettis
ダークナイト[The Dark Knight] ⇒ ネイサン・クロウリー[Nathan Crowley]、Peter Lando
ある公爵夫人の生涯[The Duchess] ⇒ Michael Carlin and Rebecca Alleway
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで[Revolutionary Road] ⇒ Kristi Zea and Debra Schutt

撮影賞 / Satsuei Shou[Best Cinematography]

撮影賞は映画の映像・照明・カメラワークの技術と芸術性を称える部門です。第81回ではアンソニー・ドッド・マントルが『スラムドッグ$ミリオネア』で受賞しました。デジタルカメラとフィルムカメラを組み合わせ、インドのスラム街の路地裏を手持ちカメラで疾走するような臨場感溢れる映像を実現しました。主人公の幼少期を描いたざらついた質感の映像と、大人になった現在の鮮明な映像のコントラストも、物語の感情的な深みを視覚的に表現することに成功しています。インド独自の色彩と光の世界を世界水準の映像美として昇華させた功績が高く評価されました。

受賞
Winner
スラムドッグリオネア[Slumdog Millionaire] ⇒ アンソニー・ドッド・マントル[Anthony Dod Mantle]

ノミネート
Nominees

チェンジリング[Changeling] ⇒ トム・スターン[Tom Stern]
ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ クラウディオ・ミランダ[Claudio Miranda]
ダークナイト[The Dark Knight] ⇒ ウォーリー・フィスター[Wally Pfister]
愛を読むひと[The Reader] ⇒ クリス・メンゲス[Chris Menges]、ロジャー・ディーキンス[Roger Deakins]

メイクアップ&ヘアスタイリング賞 / Makeup、Hairstyling Shou[Best Makeup and Hairstyling]

メイクアップ&ヘアスタイリング賞は映画における化粧・特殊メイク・ヘアスタイリングの技術を称える部門です。第81回ではグレッグ・キャノンが『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で受賞しました。ブラッド・ピット演じる老人として生まれた主人公が徐々に若返っていくという前例のない挑戦を、特殊メイクとデジタル技術を組み合わせて実現しました。老齢のシリコンプロテーゼをブラッド・ピットの実際の表情とデジタル合成する革新的な手法は、映画技術の世界でも高い評価を受けた前代未聞のメイクアップアートでした。

受賞
Winner
ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ Greg Cannom

ノミネート
Nominees

ダークナイト[The Dark Knight] ⇒ グレッグ・キャノン[John Caglione Jr.]、Conor O’Sullivan
ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー[Hellboy II: The Golden Army] ⇒ Mike Elizalde and Thom Floutz

衣裳デザイン賞 / Ishou Design Shou[Best Costume Design]

衣裳デザイン賞は映画の衣裳・衣装デザインの優秀さを称える部門です。第81回ではマイケル・オコナーが『ある公爵夫人の生涯』で受賞しました。18世紀のイギリス貴族社会を舞台に、実在した公爵夫人ジョージアナ・キャヴェンディッシュ(ダイアナ元妃の遠縁の先祖)の波乱の生涯を描いたこの歴史映画では、ジョージアン時代の宮廷様式に基づいた華麗で精緻なドレスや衣装が丁寧に再現されました。衣装を通じて主人公の社会的地位・時代背景・心理状態を多層的に表現した高度な衣裳デザインが、審査員から高く評価されました。

受賞
Winner
ある公爵夫人の生涯[The Duchess] ⇒ マイケル・オコナー[Michael O’Connor]

ノミネート
Nominees

オーストラリア[Australia] ⇒ キャサリン・マーティン[Catherine Martin]
ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ ジャクリーン・ウェスト[Jacqueline West]
ミルク[Milk] ⇒ ダニー・グリッカー[Danny Glicker]
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで[Revolutionary Road] ⇒ アルバート・ウォルスキー[Albert Wolsky]

編集賞 / Henshuh Shou[Best Film Editing]

編集賞は映画のフィルム編集・映像編集の技術を称える部門です。第81回ではクリス・ディケンズが『スラムドッグ$ミリオネア』で受賞しました。ムンバイのスラム街を疾走するような超高速のカット割りと、クイズ番組の緊張感あふれる現在進行形のシーン、そして幼少期から現在へと時代をまたぐフラッシュバックを巧みに組み合わせた非線形の物語展開が、観る者を物語に引き込む強力な映像リズムを生み出しました。テンポよく刻まれた編集こそが、この映画の生命力そのものと言えます。

受賞
Winner
スラムドッグリオネア[Slumdog Millionaire] ⇒ クリス・ディケンズ[Chris Dickens]

ノミネート
Nominees

ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ カーク・バクスター[Kirk Baxter]、アンガス・ウォール[Angus Wall]
ダークナイト[The Dark Knight] ⇒ リー・スミス[Lee Smith]
フロスト×ニクソン[Frost/Nixon] ⇒ マイク・ヒル[Mike Hill]、ダニエル・P・ハンリー[Daniel P. Hanley]
ミルク[Milk] ⇒ エリオット・グレアム[Elliot Graham]

視覚効果賞 / Shikaku Kouka Shou[Best Visual Effects]

視覚効果賞はコンピューターグラフィックスや特殊撮影などの視覚的効果の技術を称える部門です。第81回ではエリック・バーバ、スティーブ・プリーグ、バート・ダルトン、クレイグ・バロンのチームが『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で受賞しました。主人公が老人として生まれ徐々に若返るという前代未聞の映像表現を実現するために、ブラッド・ピットの若い顔を老いた体に合成したり、幼少期の小さな体をデジタルで完全に再現するなど、当時の映画技術の最前線を更新する革新的なVFXが開発・実装されました。映画における人間描写の可能性を大きく広げた記念碑的な作品です。

受賞
Winner
ベンジャミン・バトン 数奇な人生[The Curious Case of Benjamin Button] ⇒ エリック・バーバ[Eric Barba]、バート・ダルトン[Steve Preeg]、バート・ダルトン[Burt Dalton]、クレイグ・バロン[Craig Barron]

ノミネート
Nominees

ダークナイト[The Dark Knight] ⇒ ニック・デイヴィス[Nick Davis]、クリス・コーボールド[Chris Corbould]、ティモシー・ウェバー[Tim Webber]、ポール・フランクリン[Paul Franklin]
アイアンマン[Iron Man] ⇒ ジョン・ネルソン[John Nelson]、ベン・スノウ[Ben Snow]、ダン・サディック[Dan Sudick]、シェイン・マハン[Shane Mahan]

第81回アカデミー賞(2009年)総括 ― 2008年映画を振り返る

2009年2月22日にロサンゼルスのコダック・シアター(現ドルビー・シアター)で開催された第81回アカデミー賞授賞式は、ヒュー・ジャックマンの司会のもと、映画史に残る数々の受賞結果が生まれた式典となりました。以下では、この年の主要な受賞結果とその歴史的意義を総括します。

スラムドッグ$ミリオネア ― 歴史的8冠達成

第81回アカデミー賞の最大の主役は、ダニー・ボイル監督のイギリス・インド合作映画『スラムドッグ$ミリオネア』でした。作品賞・監督賞・脚色賞・撮影賞・編集賞・作曲賞・歌曲賞・録音賞の計8部門を制覇し、この年の映画界を象徴する圧倒的な受賞結果となりました。わずか1500万ドルの低予算で製作されながら世界興行収入3億7000万ドルを超える大ヒットを記録したこの作品は、低予算のインディーズ映画がハリウッド大作を制する可能性を改めて世界に証明しました。インドのムンバイという特定の土地と文化を舞台としながらも普遍的な感動を生み出したこの映画は、21世紀の映画史に刻まれる傑作として語り継がれています。

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 ― 最多ノミネートと技術部門の快挙

最多13部門にノミネートされた『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』は、美術賞・メイクアップ&ヘアスタイリング賞・視覚効果賞の3部門を受賞しました。デヴィッド・フィンチャー監督のもと、ブラッド・ピット演じる老人として生まれた主人公が時間の逆行とともに若返っていく様子を、当時の最先端VFX技術と特殊メイクによって前例のないリアリティで映像化した技術的挑戦は、映画テクノロジーの新たな地平を切り拓きました。

演技部門の各受賞者について

演技部門では、主演男優賞をショーン・ペン(『ミルク』)、主演女優賞をケイト・ウィンスレット(『愛を読むひと』)、助演男優賞を故ヒース・レジャー(『ダークナイト』)、助演女優賞をペネロペ・クルス(『それでも恋するバルセロナ』)が受賞しました。特に、撮影終了後の2008年1月22日に28歳で急逝したヒース・レジャーへの没後授賞は、世界中の映画ファンの心を深く動かした感動的な瞬間となりました。圧倒的な存在感でジョーカーを演じた彼の演技は、超常的なまでの才能の証として映画史に永遠に刻まれています。ケイト・ウィンスレットは6度目のノミネートでの悲願の初受賞を、ペネロペ・クルスはスペイン出身女優として史上初のオスカー受賞をそれぞれ達成しました。

日本映画の歴史的2冠達成

第81回アカデミー賞は、日本の映画界にとっても忘れられない年となりました。滝田洋二郎監督の『おくりびと』が外国語映画賞を受賞し、日本映画として初のアカデミー賞受賞という歴史的快挙を達成しました。本木雅弘が演じる納棺師の物語は、日本固有の「おくり」の文化と生死への哲学的考察を描きながら、言語と文化の壁を超えて世界の審査員の心に深く響きました。さらに、加藤久仁生監督の短編アニメーション『つみきのいえ(La Maison en Petits Cubes)』も短編アニメ賞を受賞し、日本の短編アニメとして初のオスカー受賞を成し遂げました。同年の授賞式で日本映画が2部門を制覇したのは史上初のことであり、日本映画界にとって永遠に記念すべき年として歴史に刻まれています。

第81回アカデミー賞が示した映画芸術の多様性

第81回アカデミー賞は、英語圏の大作映画だけでなく、インドを舞台にした国際的な合作映画、日本の外国語映画、ドイツの短編実写映画、日本の短編アニメーションなど、多様な作品が高く評価された年でした。また、音楽部門ではインドの作曲家A.R.ラフマーンが作曲賞・歌曲賞の2部門を受賞し、アメリカ映画の「外側」にある世界の映画芸術と音楽の豊かさを改めて世界に示しました。2008年に公開されたこれらの優れた映画作品群は、21世紀の映画芸術の幅広さ・深さ・国際性を示す作品として、現在も世界中の映画ファンに愛され続けています。