[2006年開催(2005年映画作品対象)]第78回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜
アカデミー賞(Academy Awards)とは、映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences、略称AMPAS)が主催する、アメリカ合衆国を代表する映画賞です。アメリカにおける映画の健全な発展と芸術・科学の品質向上を目的に、キャスト・スタッフなどの映画関係者を毎年部門別に表彰し、その優れた業績を讃えています。
受賞者には賞金は授与されませんが、金色の「オスカー像(Oscar statuette)」が贈られることから、アカデミー賞は世界的に「オスカー賞(The Oscars)」とも呼ばれています。このオスカー像は騎士の姿をした金メッキのブロンズ像で、映画人にとって最高の栄誉の象徴です。
アカデミー賞の歴史は、世界三大映画祭として知られるカンヌ国際映画祭(1946年創設)、ベルリン国際映画祭(1951年創設)、ヴェネツィア国際映画祭(1932年創設)よりも古く、第1回の授賞式は1929年5月16日にハリウッドのルーズベルトホテルで開催されました。以来、世界中が注目する映画界最大のイベントへと成長しています。
アカデミー賞へのノミネートおよび受賞結果は世界中で大きく報道され、受賞作品の各国における興行収入やストリーミング視聴数に多大な影響を与えます。アカデミー賞受賞・ノミネート作品は、映画界を代表するプロデューサー、監督、脚本家、俳優、批評家などで構成される約10,000人の選考会員(アカデミー会員)による投票で選出されるため、その評価は極めて高い信頼性を持ちます。
このページでは、2006年3月5日(日本時間3月6日)にロサンゼルスのコダック・シアター(現ドルビー・シアター)で開催された第78回アカデミー賞(78th Academy Awards)の全受賞作品およびノミネート作品を部門別に一覧でまとめています。司会はジョン・スチュワートが初めて務めました。
第78回アカデミー賞では、人種差別と多文化社会の葛藤を群像劇として描いた『クラッシュ』が作品賞を受賞し、大本命とされていた『ブロークバック・マウンテン』を破る波乱の結果となりました。『ブロークバック・マウンテン』は監督賞(アン・リー)、脚色賞、作曲賞の3部門で受賞し、アン・リーはアジア人初のアカデミー監督賞受賞者となりました。また、主演男優賞のフィリップ・シーモア・ホフマン(『カポーティ』)、主演女優賞のリース・ウィザースプーン(『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』)など、実在の人物を演じた俳優が高く評価された年でもありました。
以下の受賞・ノミネート一覧から、1度は観ておきたい名作映画をぜひ見つけてください。
[2006年開催(2005年映画作品対象)]第78回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜
第78回アカデミー賞の各部門の受賞作品・ノミネート作品を以下にまとめました。各映画タイトルのリンクから作品の詳細を確認できます。
作品賞 / Sakuhin Shou[Best Picture]
| 受賞 Winner |
クラッシュ[Crash] |
| ノミネート Nominees |
ブロークバック・マウンテン[Brokeback Mountain] |
監督賞 / Kantoku Shou[Best Director]
| 受賞 Winner |
ブロークバック・マウンテン[Brokeback Mountain] |
| ノミネート Nominees |
カポーティ[Capote] |
主演男優賞 / Shuen Danyuh Shou[Best Actor]
| 受賞 Winner |
カポーティ[Capote] |
| ノミネート Nominees |
ハッスル&フロウ[Hustle & Flow] |
主演女優賞 / Shuen Danyuh Shou[Best Actress]
| 受賞 Winner |
ウォーク・ザ・ライン/君につづく道[Walk the Line] |
| ノミネート Nominees |
ヘンダーソン夫人の贈り物[Mrs Henderson Presents] |
助演男優賞 / Joen Danyuh Shou[Best Supporting Actor]
| 受賞 Winner |
シリアナ[Syriana] |
| ノミネート Nominees |
クラッシュ[Crash] |
助演女優賞 / Joen Joyuh Shou[Best Supporting Actress]
| 受賞 Winner |
ナイロビの蜂[The Constant Gardener] |
| ノミネート Nominees |
Junebug |
脚本賞 / Kyakuhon Shou[Best Original Screenplay]
| 受賞 Winner |
クラッシュ[Crash] |
| ノミネート Nominees |
グッドナイト&グッドラック[Good Night, and Good Luck] |
脚色賞 / Kyakushoku Shou[Best Adapted Screenplay]
| 受賞 Winner |
ブロークバック・マウンテン[Brokeback Mountain] |
| ノミネート Nominees |
カポーティ[Capote] |
長編アニメ映画賞 / Chouhen Anime Eiga Shou[Best Animated Feature Film]
| 受賞 Winner |
ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ![Wallace & Gromit: The Curse of the Were-Rabbit] |
| ノミネート Nominees |
ハウルの動く城[Howl’s Moving Castle] |
外国語映画賞 / Gaikokugo Eiga Shou[Best Foreign Language Film]
| 受賞 Winner |
ツォツィ[Tsotsi] |
| ノミネート Nominees |
心の中の獣[Don’t Tell] |
長編ドキュメンタリー映画賞 / Chouhen Documentary Eiga Shou[Best Documentary Feature]
| 受賞 Winner |
皇帝ペンギン[March of the Penguins] |
| ノミネート Nominees |
ダーウィンの悪夢[Darwin’s Nightmare] |
短編ドキュメンタリー映画賞 / Tanpen Documentary Eiga Shou[Best Documentary Short Subject]
| 受賞 Winner |
A Note of Triumph: The Golden Age of Norman Corwin |
| ノミネート Nominees |
The Death of Kevin Carter: Casualty of the Bang Bang Club |
短編映画賞 / Tanpen Eiga Shou[Best Live Action Short Film]
| 受賞 Winner |
シックス・シューター[Six Shooter] |
| ノミネート Nominees |
ランナウェイ[Ausreißer(The Runaway)] |
短編アニメ賞 / Tanpen Anime Shou[Best Animated Short Film]
| 受賞 Winner |
The Moon and the Son: An Imagined Conversation |
| ノミネート Nominees |
Badgered |
作曲賞 / Sakkyoku Shou[Best Original Score]
| 受賞 Winner |
ブロークバック・マウンテン[Brokeback Mountain] |
| ノミネート Nominees |
ナイロビの蜂[The Constant Gardener] |
歌曲賞 / Kashou Shou[Best Original Song]
| 受賞 Winner |
“It’s Hard out Here for a Pimp" from ハッスル&フロウ[Hustle & Flow] |
| ノミネート Nominees |
“In the Deep" from クラッシュ[Crash] |
音響編集賞 / Onkyou Henshuh Shou[Best Sound Editing]
| 受賞 Winner |
キング・コング[King Kong] |
| ノミネート Nominees |
SAYURI[Memoirs of a Geisha] |
録音賞 / Rokuon Shou[Best Sound Mixing]
| 受賞 Winner |
キング・コング[King Kong] |
| ノミネート Nominees |
ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女[The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe] |
美術賞 / Bijutsu Shou[Best Production Design]
| 受賞 Winner |
SAYURI[Memoirs of a Geisha] |
| ノミネート Nominees |
グッドナイト&グッドラック[Good Night, and Good Luck] |
撮影賞 / Satsuei Shou[Best Cinematography]
| 受賞 Winner |
SAYURI[Memoirs of a Geisha] |
| ノミネート Nominees |
バットマン ビギンズ[Batman Begins] |
メイクアップ&ヘアスタイリング賞 / Makeup、Hairstyling Shou[Best Makeup and Hairstyling]
| 受賞 Winner |
ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女[The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe] |
| ノミネート Nominees |
シンデレラマン[Cinderella Man] |
衣裳デザイン賞 / Ishou Design Shou[Best Costume Design]
| 受賞 Winner |
SAYURI[Memoirs of a Geisha] |
| ノミネート Nominees |
チャーリーとチョコレート工場[Charlie and the Chocolate Factory] |
編集賞 / Henshuh Shou[Best Film Editing]
| 受賞 Winner |
クラッシュ[Crash] |
| ノミネート Nominees |
シンデレラマン[Cinderella Man] |
視覚効果賞 / Shikaku Kouka Shou[Best Visual Effects]
| 受賞 Winner |
キング・コング[King Kong] |
| ノミネート Nominees |
ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女[The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe] |
第78回アカデミー賞(2006年開催)の総括 / Summary of the 78th Academy Awards
2006年3月5日に開催された第78回アカデミー賞は、映画史に残る激戦の年となりました。以下に、この年の主要な受賞結果と注目ポイントをまとめます。
作品賞『クラッシュ』の歴史的受賞
第78回アカデミー賞最大の話題は、ポール・ハギス監督の群像劇『クラッシュ』が作品賞を受賞したことです。ロサンゼルスを舞台に、人種・民族間の衝突と理解を多角的に描いた本作は、前評判で圧倒的優位とされていたアン・リー監督の『ブロークバック・マウンテン』を破りました。この結果は「アカデミー賞史上最大の番狂わせ」のひとつとして今でも語り継がれています。『クラッシュ』は作品賞、脚本賞、編集賞の3部門を獲得しました。
『ブロークバック・マウンテン』とアン・リー監督の快挙
作品賞こそ逃したものの、『ブロークバック・マウンテン』は監督賞、脚色賞、作曲賞の3部門で受賞しています。特に監督賞を受賞したアン・リー(台湾出身)は、アジア人として初めてアカデミー監督賞を獲得した人物となり、映画界における多様性の象徴的な出来事となりました。
実在の人物を演じた俳優たちの高評価
演技部門では、実在の人物を演じた俳優が目立ちました。主演男優賞のフィリップ・シーモア・ホフマンは、作家トルーマン・カポーティを繊細かつ力強く演じ切り、圧倒的な評価を獲得。主演女優賞のリース・ウィザースプーンは、カントリー歌手ジューン・カーター・キャッシュ役で受賞しました。助演男優賞のジョージ・クルーニー(『シリアナ』)、助演女優賞のレイチェル・ワイズ(『ナイロビの蜂』)も含め、社会派・伝記映画が高く評価された年でした。
技術賞における話題
技術部門では、ピーター・ジャクソン監督の『キング・コング』が視覚効果賞、音響編集賞、録音賞の3部門で受賞し、技術面での圧倒的な実力を示しました。また、『SAYURI(Memoirs of a Geisha)』が撮影賞、美術賞、衣裳デザイン賞の3部門を獲得し、日本文化を題材とした作品が世界的に認められました。
日本関連の注目トピック
第78回アカデミー賞では、宮崎駿監督の『ハウルの動く城』が長編アニメ映画賞にノミネートされました(受賞は『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』)。また、短編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた『マッシュルーム・クラブ(The Mushroom Club)』は、日系アメリカ人のスティーヴン・オカザキ監督が広島の原爆被害を題材にした作品です。
このように第78回アカデミー賞は、社会問題を扱った作品が多数評価され、映画を通じて人種、文化、歴史について深く考えさせられる年となりました。上記でご紹介したノミネート・受賞作品は、いずれも映画史に残る名作揃いですので、ぜひご覧になってみてください。

