[1939年開催(1938年映画作品対象)]第11回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜

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アカデミー賞(Academy Awards)とは、映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences、略称:AMPAS)が主催し、アメリカ合衆国における映画の健全な発展と芸術・科学の品質向上などを目的に、キャストやスタッフなどの関係者を毎年部門別に表彰し、その功績を讃える映画賞です。受賞者には金色のオスカー像が授与されることから「オスカー賞(The Oscars)」とも広く知られています。

アカデミー賞の歴史は世界三大映画祭(カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭)よりも古く、第1回は1929年5月16日に開催されました。以来、毎年世界中が注目する映画界最大の祭典として定着しています。

アカデミー賞へのノミネートおよび受賞結果は世界中に大きく報道されるため、各国における対象映画の興行成績に多大な影響力を持っています。選考は映画界で著名なプロデューサー、監督、脚本家、俳優、批評家など約数千人の会員による投票で行われ、その厳格な審査プロセスが高い権威を支えています。

本記事では、1939年2月23日にロサンゼルスのビルトモア・ホテルで開催された第11回アカデミー賞(対象:1938年公開作品)の全受賞結果およびノミネート作品を部門別に一覧でご紹介します。第11回授賞式は1938年の優れた映画作品と映画人を讃える式典であり、フランク・キャプラ監督の『我が家の楽園』が作品賞・監督賞の2冠を達成した年として映画史に刻まれています。

また、この回ではジョージ・バーナード・ショーが『ピグマリオン』で脚色賞を受賞し、ノーベル文学賞とアカデミー賞の両方を受賞した初の人物となりました。さらに、ジャン・ルノワール監督のフランス映画『大いなる幻影』が外国語映画として初めて作品賞にノミネートされるなど、歴史的にも注目すべき授賞式でした。

[1939年開催(1938年映画作品対象)]第11回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜

作品賞 / Sakuhin Shou[Best Picture]

作品賞(Best Picture)は、その年に公開された映画の中で最も優れた作品に贈られるアカデミー賞の最高賞です。第11回では、フランク・キャプラ監督がコロンビア映画で制作した『我が家の楽園』が受賞しました。注目すべきは、ジャン・ルノワール監督のフランス映画『大いなる幻影』がノミネートされた点で、外国語映画が作品賞候補に選ばれた初の事例となりました。

受賞
Winner
我が家の楽園[You Can’t Take It with You] ⇒ Frank Capra for Columbia

ノミネート
Nominees

ロビンフッドの冒険[The Adventures of Robin Hood] ⇒ Hal B. Wallis and Henry Blanke for Warner Bros.
世紀の楽団[Alexander’s Ragtime Band] ⇒ Darryl F. Zanuck and Harry Joe Brown for 20th Century Fox
少年の町[Boys Town] ⇒ John W. Considine、Jr. for Metro-Goldwyn-Mayer
城砦[The Citadel] ⇒ Victor Saville for Metro-Goldwyn-Mayer
四人の姉妹[Four Daughters] ⇒ Hal B. Wallis and Henry Blanke for Warner Bros. and First National
大いなる幻影[Grand Illusion] ⇒ Frank Rollmer and Albert Pinkovitch for R. A. C. and World Pictures
黒蘭の女[Jezebel] ⇒ Hal B. Wallis and Henry Blanke for Warner Bros.
ピグマリオン[Pygmalion] ⇒ Gabriel Pascal for Pascal Film Productions
テスト・パイロット[Test Pilot] ⇒ Louis D. Lighton for Metro-Goldwyn-Mayer

監督賞 / Kantoku Shou[Best Director]

監督賞(Best Director)は、映画の演出において最も優れた功績を残した監督に贈られる賞です。第11回ではフランク・キャプラが『我が家の楽園』で受賞し、これが彼にとって3度目の監督賞となりました。キャプラは1930年代のハリウッドを代表する巨匠として、わずか6年間で3回の監督賞受賞という偉業を成し遂げました。

受賞
Winner
我が家の楽園[You Can’t Take It with You] ⇒ フランク・キャプラ[Frank Capra]

ノミネート
Nominees

汚れた顔の天使[Angels with Dirty Faces] ⇒ マイケル・カーティス[Michael Curtiz]
少年の町[Boys Town] ⇒ ノーマン・タウログ[Norman Taurog]
城砦[The Citadel] ⇒ キング・ヴィダー[King Vidor]
四人の姉妹[Four Daughters] ⇒ マイケル・カーティス[Michael Curtiz]

主演男優賞 / Shuen Danyuh Shou[Best Actor]

主演男優賞(Best Actor)は、その年の映画作品で最も優れた演技を見せた男優に贈られる賞です。第11回ではスペンサー・トレイシーが『少年の町』で2年連続の受賞を果たしました。前年の『我は海の子』に続く連覇は、アカデミー賞史上でも稀な快挙です。

受賞
Winner
少年の町[Boys Town] ⇒ スペンサー・トレイシー[Spencer Tracy]

ノミネート
Nominees

カスバの恋[Algiers] ⇒ シャルル・ボワイエ[Charles Boyer]
汚れた顔の天使[Angels with Dirty Faces] ⇒ ジェームズ・キャグニー[James Cagney]
城砦[The Citadel] ⇒ ロバート・ドーナット[Robert Donat]
ピグマリオン[Pygmalion] ⇒ レスリー・ハワード[Leslie Howard]

主演女優賞 / Shuen Joyuh Shou[Best Actress]

主演女優賞(Best Actress)は、その年の映画作品で最も優れた演技を見せた女優に贈られる賞です。第11回ではベティ・デイヴィスが『黒蘭の女』で受賞しました。この作品は南北戦争前のニューオーリンズを舞台にした人間ドラマであり、デイヴィスの迫力ある演技が高く評価されました。

受賞
Winner
黒蘭の女[Jezebel] ⇒ ベティ・デイヴィス[Bette Davis]

ノミネート
Nominees

White Banners ⇒ フェイ・ベインター[Fay Bainter]
ピグマリオン[Pygmalion] ⇒ ウェンディ・ヒラー[Wendy Hiller]
マリー・アントアネットの生涯[Marie Antoinette] ⇒ ノーマ・シアラー[Norma Shearer]
三人の仲間[Three Comrades] ⇒ マーガレット・サラヴァン[Margaret Sullavan]

助演男優賞 / Joen Danyuh Shou[Best Supporting Actor]

助演男優賞(Best Supporting Actor)は、脇役として最も優れた演技を見せた男優に贈られる賞です。第11回ではウォルター・ブレナンが『Kentucky』で受賞しました。ブレナンはこれが2度目の助演男優賞であり、後に3度目の受賞も果たすことで、同部門最多受賞記録を樹立することになります。

受賞
Winner
Kentucky ⇒ ウォルター・ブレナン[Walter Brennan]

ノミネート
Nominees

四人の姉妹[Four Daughters] ⇒ ジョン・ガーフィールド[John Garfield]
カスバの恋[Algiers] ⇒ ジーン・ロックハート[Gene Lockhart]
マリー・アントアネットの生涯[Marie Antoinette] ⇒ ロバート・モーレイ[Robert Morley]
放浪の王者[If I Were King] ⇒ ベイジル・ラスボーン[Basil Rathbone]

助演女優賞 / Joen Joyuh Shou[Best Supporting Actress]

助演女優賞(Best Supporting Actress)は、脇役として最も優れた演技を見せた女優に贈られる賞です。第11回ではフェイ・ベインターが『黒蘭の女』で受賞しました。ベインターは同年、主演女優賞にも『White Banners』でノミネートされており、同一年に主演・助演の両部門で候補になった数少ない俳優の一人です。

受賞
Winner
黒蘭の女[Jezebel] ⇒ フェイ・ベインター[Fay Bainter]

ノミネート
Nominees

Of Human Hearts ⇒ ボーラ・ボンディ[Beulah Bondi]
Merrily We Live ⇒ ビリー・バーク[Billie Burke]
我が家の楽園[You Can’t Take It with You] ⇒ スプリング・バイイントン[Spring Byington]
グレート・ワルツ[The Great Waltz] ⇒ ミリザ・コルジャス[Miliza Korjus]

脚色賞 / Kyakushoku Shou[Best Screenplay]

脚色賞(Best Screenplay)は、既存の原作を映画脚本に巧みに翻案した脚本家に贈られる賞です。第11回ではジョージ・バーナード・ショーらが『ピグマリオン』で受賞しました。ショーは当初オスカー像の受け取りに消極的でしたが、この受賞によりノーベル文学賞とアカデミー賞を両方受賞した最初の人物として歴史に名を残しました。

受賞
Winner

ピグマリオン[Pygmalion] ⇒ ジョージ・バーナード・ショー[George Bernard Shaw]、イアン・ダルリンプル[Ian Dalrymple]、セシル・ルイス[Cecil Lewis]、W・P・リップスコーム[W. P. Lipscomb]

ノミネート
Nominees

少年の町[Boys Town] ⇒ ジョン・ミーハン[John Meehan]、ドア・シャリー[Dore Schary]
城砦[The Citadel] ⇒ イアン・ダルリンプ[Ian Dalrymple]、エリザベス・ヒル[Elizabeth Hill]、フランク・ウィー[Frank Wead]
四人の姉妹[Four Daughters] ⇒ レノア・コフィ[Lenore Coffee]、ジュリアス・J・エプスタイン[Julius J. Epstein]
我が家の楽園[You Can’t Take It with You] ⇒ ロバート・リスキン[Robert Riskin]

原案賞 / Genan Shou[Best Story]

原案賞(Best Story)は、映画のオリジナルストーリーを創作した作家に贈られる賞です。第11回ではエリナー・グリフィンとドア・シャリーが『少年の町』の原案で受賞しました。この作品は実在のエドワード・フラナガン神父と彼が設立した少年更生施設の物語を基にしています。

受賞
Winner
少年の町[Boys Town] ⇒ エリナー・グリフィン[Eleanore Griffin]、ドア・シャリー[Dore Schary]

ノミネート
Nominees

世紀の楽団[Alexander’s Ragtime Band] ⇒ アーヴィング・バーリン[Irving Berlin]
汚れた顔の天使[Angels with Dirty Faces] ⇒ ローランド・ブラウン[Rowland Brown]
封鎖線[Blockade] ⇒ ジョン・ハワード・ローソン[John Howard Lawson]
アヴェ・マリア[Mad About Music] ⇒ マルセラ・バーク[Marcella Burke]、フレデリック・コーナー[Frederick Kohner]
テスト・パイロット[Test Pilot] ⇒ フランク・ウィード[Frank Wead]

短編映画賞(一巻) / Tanpen Eiga Shou(Hito Maki)[Best Live Action Short Film One-Reel]

短編映画賞・一巻(Best Live Action Short Film One-Reel)は、1巻(約10分以内)の実写短編映画に贈られる賞です。第11回では、母体保護の歴史を描いたドキュメンタリー短編『That Mothers Might Live』がMGMの制作で受賞しました。

受賞
Winner
That Mothers Might Live ⇒ メトロ・ゴールドウィン・メイヤー[MGM]

ノミネート
Nominees

The Great Heart ⇒ メトロ・ゴールドウィン・メイヤー[MGM]
Timber Toppers ⇒ 20世紀フォックス[20th Century Fox]

短編映画賞(二巻) / Tanpen Eiga Shou(Futa Maki)[Best Live Action Short Film Two-Reel]

短編映画賞・二巻(Best Live Action Short Film Two-Reel)は、2巻(約20分以内)の実写短編映画に贈られる賞です。第11回ではワーナー・ブラザース制作の『Declaration of Independence』が受賞しました。

受賞
Winner
Declaration of Independence ⇒ ワーナー・ブラザース[Warner Bros.]

ノミネート
Nominees

Swingtime in the Movies ⇒ ワーナー・ブラザース[Warner Bros.]
They’re Always Caught ⇒ メトロ・ゴールドウィン・メイヤー[MGM]

短編アニメ賞 / Tanpen Anime Shou[Best Animated Short Film]

短編アニメ賞(Best Animated Short Film)は、その年に公開された最も優れたアニメーション短編映画に贈られる賞です。第11回ではウォルト・ディズニー制作の『Ferdinand the Bull(牡牛のフェルディナンド)』が受賞しました。ディズニーはこの部門の常連であり、同年のノミネート5作品中4作品がディズニー作品でした。

受賞
Winner
Ferdinand the Bull ⇒ ウォルト・ディズニー・カンパニー[Walt Disney Productions]、RKOラジオ[RKO Radio]

ノミネート
Nominees

ミッキーの巨人退治[Brave Little Tailor] ⇒ ウォルト・ディズニー・カンパニー[Walt Disney Productions]、RKOラジオ[RKO Radio]
ドナルドの少年団長[Good Scouts] ⇒ ウォルト・ディズニー・カンパニー[Walt Disney Productions]、RKOラジオ[RKO Radio]
わんぱくスパンキー[Hunky and Spunky] ⇒ パラマウント映画[Paramount]
Mother Goose Goes Hollywood ⇒ ウォルト・ディズニー・カンパニー[Walt Disney Productions]、RKOラジオ[RKO Radio]

音楽賞 / Ongaku Shou[Best Original Score]

音楽賞(Best Original Score)は、映画のために作曲されたオリジナル楽曲で最も優れた作品に贈られる賞です。第11回ではエーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトが『ロビンフッドの冒険』で受賞しました。コルンゴルトはウィーン出身の作曲家で、映画音楽の分野に交響曲的手法を持ち込んだ先駆者として知られています。

受賞
Winner
ロビンフッドの冒険[The Adventures of Robin Hood] ⇒ エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト[Erich Wolfgang Korngold]

ノミネート
Nominees

Army Girl ⇒ ヴィクター・ヤング[Victor Young]
底抜け極楽大騒動[Block-Heads] ⇒ マーヴィン・ハスレー[Marvin Hatley]
封鎖線[Blockade] ⇒ ウェルナー・ジャンセン[Werner Janssen]
氷上リズム[Breaking the Ice] ⇒ ヴィクター・ヤング[Victor Young]
牧童と貴婦人[The Cowboy and the Lady] ⇒ アルフレッド・ニューマン[Alfred Newman]
放浪の王者[If I Were King] ⇒ リチャード・ヘイグマン[Richard Hageman]
マリー・アントアネットの生涯[Marie Antoinette] ⇒ ハーバート・ストサート[Herbert Stothart]
Pacific Liner ⇒ ロバート・ラッセル・ベネット[Russell Bennett]
スエズ[Suez] ⇒ ルイス・シルヴァース[Louis Silvers]
心の青春[The Young in Heart] ⇒ フランツ・ワックスマン[Franz Waxman]

作曲賞 / Sakkyoku Shou[Best Scoring]

作曲賞(Best Scoring)は、既存の楽曲を映画用に編曲・指揮した功績に贈られる賞です。第11回ではアルフレッド・ニューマンが『世紀の楽団』で受賞しました。この映画はアーヴィング・バーリンの楽曲を中心に構成されたミュージカル作品で、ニューマンの巧みな音楽監督が評価されました。

受賞
Winner
世紀の楽団[Alexander’s Ragtime Band] ⇒ アルフレッド・ニューマン[Alfred Newman]

ノミネート
Nominees

気儘時代[Carefree] ⇒ ヴィクター・バラヴァリー[Victor Baravalle]
青春女学生日記[Girls’ School] ⇒ モリス・W・ストロフ[Morris Stoloff]、グレゴリー・ストーン[Gregory Stone]
華麗なるミュージカル[The Goldwyn Follies] ⇒ アルフレッド・ニューマン[Alfred Newman]
黒蘭の女[Jezebel] ⇒ マックス・スタイナー[Max Steiner]
アヴェ・マリア[Mad About Music] ⇒ チャールズ・プレヴィン[Charles Previn]、フランク・スキナー[Frank Skinner]
風雲のベンガル[Storm Over Bengal] ⇒ サイ・フューアー[Cy Feuer]
Sweethearts ⇒ ハーバート・ストサート[Herbert Stothart]
There Goes My Heart ⇒ マーヴィン・ハスレー[Marvin Hatley]
セニョリタ[Tropic Holiday] ⇒ ボリス・モロス[Boris Morros]
心の青春[The Young in Heart] ⇒ フランツ・ワックスマン[Franz Waxman]

歌曲賞 / Kashou Shou[Best Original Song]

歌曲賞(Best Original Song)は、映画のために書き下ろされた最も優れた主題歌・挿入歌に贈られる賞です。第11回では「Thanks for the Memory」が『百万弗大放送』から受賞しました。この曲はボブ・ホープとシャーリー・ロスによるデュエットで歌われ、後にボブ・ホープのテーマソングとしても有名になりました。

受賞
Winner
“Thanks for the Memory" – 百万弗大放送[The Big Broadcast of 1938] ⇒ 作曲:ラルフ・レインジャー[Ralph Rainger]、作詞:レオ・ロビン[Leo Robin]

ノミネート
Nominees

“Always and Always" – Mannequin ⇒ 作曲:エドワード・ウォード[Edward Ward]、作詞:チェット・フォレスト[Chet Forrest]、ボブ・ライト[Bob Wright]
“Change Partners" – 気儘時代[Carefree] ⇒ 作詞・作曲:アーヴィング・バーリン[Irving Berlin]
“The Cowboy and the Lady" – 牧童と貴婦人[The Cowboy and the Lady] ⇒ 作曲:ライオネル・ニューマン[Lionel Newman]、作詞:アーサー・クエンザー[Arthur Quenzer]
“Dust" – Under Western Stars ⇒ 作詞・作曲:ジョニー・マーヴィン[Johnny Marvin]
“Jeepers Creepers" – Going Places ⇒ 作曲:ハリー・ウォーレン[Harry Warren]、作詞:ジョニー・マーサー[Johnny Mercer]
“Merrily We Live" – Merrily We Live ⇒ 作曲:フィル・クレイグ[Phil Charig]、作詞:ジョニー・クエンザー[Arthur Quenzer]
“A Mist Over the Moon" – The Lady Objects ⇒ 作曲:ベン・オークランド[Ben Oakland]、作詞:オスカー・ハマースタイン2世[Oscar Hammerstein II]
“My Own" – 年ごろ[That Certain Age] ⇒ 作曲:ジミー・マクヒュー[Jimmy McHugh]、作詞:ハロルド・アダムソン[Harold Adamson]
“Now It Can Be Told" – 世紀の楽団[Alexander’s Ragtime Band] ⇒ 作詞・作曲:アーヴィング・バーリン[Irving Berlin]

録音賞 / Rokuon Shou[Best Sound Recording]

録音賞(Best Sound Recording)は、映画の音響録音技術で最も優れた成果を上げた技術者に贈られる賞です。第11回ではThomas T. Moultonが『牧童と貴婦人』で受賞しました。

受賞
Winner
牧童と貴婦人[The Cowboy and the Lady] ⇒ Thomas T. Moulton

ノミネート
Nominees

Army Girl ⇒ Charles L. Lootens
四人の姉妹[Four Daughters] ⇒ Nathan Levinson
放浪の王者[If I Were King] ⇒ Loren L. Ryder
Merrily We Live ⇒ Elmer A. Raguse
スエズ[Suez] ⇒ Edmund H. Hansen
Sweethearts ⇒ Douglas Shearer
年ごろ[That Certain Age] ⇒ Bernard B. Brown
モーガン先生のロマンス[Vivacious Lady] ⇒ John Aalberg
我が家の楽園[You Can’t Take It with You] ⇒ John P. Livadary

美術賞 / Bijutsu Shou[Best Art Direction]

美術賞(Best Art Direction)は、映画のセットデザインや美術装飾で最も優れた功績を残した美術監督に贈られる賞です。第11回ではカール・J・ウエイルが『ロビンフッドの冒険』で受賞しました。同作品は音楽賞・編集賞と合わせて3冠を達成しています。

受賞
Winner
ロビンフッドの冒険[The Adventures of Robin Hood] ⇒ カール・J・ウエイル[Carl Jules Weyl]

ノミネート
Nominees

トム・ソーヤ[The Adventures of Tom Sawyer] ⇒ ライル・ウィーラー[Lyle R. Wheeler]
世紀の楽団[Alexander’s Ragtime Band] ⇒ バーナード・ヘルッブルン[Bernard Herzbrun]、ボリス・レヴェン[Boris Leven]
カスバの恋[Algiers] ⇒ アレクサンダー・トルボフ[Alexander Toluboff]
気儘時代[Carefree] ⇒ ヴァン・ネスト・ポルグラス[Van Nest Polglase]
華麗なるミュージカル[The Goldwyn Follies] ⇒ リチャード・デイ[Richard Day]
素晴らしき休日[Holiday] ⇒ スティーヴン・グーソン[Stephen Goosson]、ライオネル・バンクス[Lionel Banks]
放浪の王者[If I Were King] ⇒ ハンス・ドライヤー[Hans Dreier]、ジョン・B・グッドマン[John B. Goodman]
アヴェ・マリア[Mad About Music] ⇒ ジャック・オターソン[Jack Otterson]
マリー・アントアネットの生涯[Marie Antoinette] ⇒ セドリック・ギボンズ[Cedric Gibbons]
Merrily We Live ⇒ チャールズ・D・ホール[Charles D. Hall]

撮影賞 / Satsuei Shou[Best Cinematography]

撮影賞(Best Cinematography)は、映画の撮影技術において最も優れた功績を残した撮影監督に贈られる賞です。第11回ではジョセフ・ルッテンバーグが『グレート・ワルツ』で受賞しました。ヨハン・シュトラウス2世の生涯を描いた本作は、その映像美が高く評価されました。

受賞
Winner
グレート・ワルツ[The Great Waltz] ⇒ ジョセフ・ルッテンバーグ[Joseph Ruttenberg]

ノミネート
Nominees

カスバの恋[Algiers] ⇒ ジェームズ・ウォン・ハウ[James Wong Howe]
Army Girl ⇒ アーネスト・ミラー[Ernest Miller]、ハリー・ワイルド[Harry Wild]
海賊[The Buccaneer] ⇒ ヴィクター・ビルナー[Victor Milner]
黒蘭の女[Jezebel] ⇒ アーネスト・ホーラー[Ernest Haller]
アヴェ・マリア[Mad About Music] ⇒ ジョセフ・ヴァレンタイン[Joseph Valentine]
Merrily We Live ⇒ Norbert Brodine
スエズ[Suez] ⇒ ペヴァレル・マーレイ[Peverell Marley]
モーガン先生のロマンス[Vivacious Lady] ⇒ ロバート・デ・グラス[Robert de Grasse]
我が家の楽園[You Can’t Take It with You] ⇒ ジョセフ・ウォーカー[Joseph Walker]
心の青春[The Young in Heart] ⇒ レオン・シャムロイ[Leon Shamroy]

編集賞 / Henshuh Shou[Best Film Editing]

編集賞(Best Film Editing)は、映画の編集において最も優れた技術を発揮した編集者に贈られる賞です。第11回ではラルフ・ドーソンが『ロビンフッドの冒険』で受賞しました。テンポの良いアクションシーンの編集が特に評価され、同作品はこの年の技術系部門で複数の賞を獲得しています。

受賞
Winner
ロビンフッドの冒険[The Adventures of Robin Hood] ⇒ ラルフ・ドーソン[Ralph Dawson]

ノミネート
Nominees

世紀の楽団[Alexander’s Ragtime Band] ⇒ バーバラ・マクリーン[Barbara McLean]
グレート・ワルツ[The Great Waltz] ⇒ トム・ヘルド[Tom Held]
テスト・パイロット[Test Pilot] ⇒ トム・ヘルド[Tom Held]
我が家の楽園[You Can’t Take It with You] ⇒ ジーン・ハヴリック[Gene Havlick]

視覚効果賞 / Shikaku Kouka Shou[Best Visual Effects]

視覚効果賞(Best Visual Effects)は、映画における視覚効果技術で最も優れた成果を上げたチームに贈られる賞です。第11回ではパラマウント映画の技術チームが『Spawn of the North』で受賞しました。アラスカを舞台にした本作では、大掛かりな特殊効果技術が駆使されています。

受賞
Winner

Spawn of the North ⇒ Gordon Jennings、Jan Domela、Dev Jennings、Irmin Roberts、Art Smith、Farciot Edouart、Loyal Griggs、Loren Ryder、Harry Mills、Louis Mesenkop、Walter Oberst

ノミネート
Nominees

第11回アカデミー賞(1939年開催)のまとめ

1939年2月23日に開催された第11回アカデミー賞は、1938年公開のアメリカ映画を対象とした授賞式でした。以下に、この回の主要な特徴をまとめます。

  • 作品賞・監督賞の2冠:フランク・キャプラ監督の『我が家の楽園』が作品賞と監督賞をダブル受賞。キャプラはこれで3度目の監督賞受賞を達成しました。
  • スペンサー・トレイシーの連覇:主演男優賞をスペンサー・トレイシーが『少年の町』で2年連続受賞。アカデミー賞史上でも数少ない連覇の偉業です。
  • ジョージ・バーナード・ショーの歴史的受賞:脚色賞を『ピグマリオン』で受賞し、ノーベル文学賞とアカデミー賞の両方を受賞した初の人物となりました。
  • 外国語映画の初ノミネート:ジャン・ルノワール監督のフランス映画『大いなる幻影』が、外国語映画として初めて作品賞にノミネートされました。
  • 『ロビンフッドの冒険』の技術系3冠:音楽賞・美術賞・編集賞の3部門を受賞し、技術面での高い完成度が評価されました。
  • フェイ・ベインターの同年ダブルノミネート:助演女優賞を『黒蘭の女』で受賞すると同時に、主演女優賞にも『White Banners』でノミネートされました。

第11回アカデミー賞は、映画の芸術性と大衆性の両面で優れた作品が多数生まれた1938年の映画界を総括する授賞式となりました。キャプラ、トレイシー、デイヴィスといったハリウッドの黄金期を象徴する才能が輝きを放ち、同時にショーの受賞や『大いなる幻影』のノミネートなど、映画芸術の国際的な広がりを示す重要な回でもありました。