[1931年開催(1930年8月〜1931年7月映画作品対象)]第4回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜
アカデミー賞(Academy Awards)とは、映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences、略称: AMPAS)が主催する、アメリカ合衆国で最も権威ある映画賞です。アメリカの映画産業の健全な発展と、映画における芸術・科学の品質向上を目的として、キャスト・スタッフをはじめとする映画関係者を毎年各部門別に表彰し、その優れた功績を讃えています。
受賞者には賞金は授与されませんが、公式に「アカデミー賞(Academy Award of Merit)」と呼ばれる金色のオスカー像(Oscar statuette)が贈られるため、この映画賞は「オスカー賞(The Oscars)」という通称でも世界的に知られています。
アカデミー賞の歴史は非常に古く、第1回の授賞式は1929年に開催されました。これは世界三大映画祭と称されるカンヌ国際映画祭(1946年開始)、ベルリン国際映画祭(1951年開始)、ヴェネツィア国際映画祭(1932年開始)のいずれよりも早い開催であり、映画賞としての長い伝統と格式を誇ります。現在では世界中の映画ファンやメディアが注目する映画界最大のイベントとなっています。
アカデミー賞のノミネート及び受賞結果は世界各国で大きく報道されるため、対象映画の興行成績や知名度に計り知れない影響を与えます。ノミネート作品・受賞作品は、映画界で著名なプロデューサー、監督、脚本家、俳優、批評家などで構成されるAMPAS会員の投票によって選出されており、その高い選考基準から「一度は観ておくべき映画」として広く認知されています。
第4回アカデミー賞(1931年)の概要
第4回アカデミー賞(4th Academy Awards)の授賞式は、1931年11月10日にカリフォルニア州ロサンゼルスのビルトモア・ホテル(Biltmore Hotel)で開催されました。審査対象となったのは、1930年8月1日から1931年7月31日までに公開された映画作品です。
この年の授賞式では、西部開拓時代を壮大に描いた叙事詩的作品『シマロン(Cimarron)』が作品賞・脚色賞・美術賞の3部門を受賞し、最多受賞作品となりました。『シマロン』は西部劇として初めてアカデミー賞作品賞を受賞した歴史的な作品です。
監督賞ではノーマン・タウログ(Norman Taurog)が『スキピイ(Skippy)』で受賞しました。また、同作品で主演男優賞にノミネートされたジャッキー・クーパー(Jackie Cooper)は当時わずか9歳であり、アカデミー賞史上最年少の主演男優賞ノミネートとして記録に残っています。主演女優賞はマリー・ドレスラー(Marie Dressler)が『惨劇の波止場(Min and Bill)』で受賞し、主演男優賞はライオネル・バリモア(Lionel Barrymore)が『自由の魂(A Free Soul)』で受賞しています。
以下では、この歴史的にも一見の価値がある第4回アカデミー賞(オスカー賞)のノミネート映画作品・受賞映画作品について、部門別に詳しく紹介します。
[1931年開催(1930年8月〜1931年7月映画作品対象)]第4回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜
作品賞 / Sakuhin Shou[Best Picture]
作品賞(Best Picture)は、その年に公開された映画の中で最も優れた作品に贈られるアカデミー賞の最高賞です。第4回では、エドナ・ファーバーの小説を原作とした壮大な西部劇『シマロン』がRKOピクチャーズの製作作品として受賞しました。オクラホマの土地開拓(ランドラッシュ)を背景に開拓者一家の波乱に満ちた半生を描いた本作は、西部劇として初の作品賞受賞という歴史的快挙を成し遂げました。
| 受賞 Winner |
シマロン[Cimarron] |
| ノミネート Nominees |
女性に捧ぐ[East Lynne] |
監督賞 / Kantoku Shou[Best Director]
監督賞(Best Director)は、最も優れた演出を行った映画監督に贈られる賞です。第4回ではノーマン・タウログが子役ジャッキー・クーパーの自然な演技を引き出した手腕が評価され、人気漫画を原作とした家族向け映画『スキピイ』で受賞しました。ノミネートには『モロッコ』のジョセフ・フォン・スタンバーグや『犯罪都市』のルイス・マイルストンなど、映画史に名を残す巨匠たちが名を連ねています。
| 受賞 Winner |
スキピイ[Skippy] |
| ノミネート Nominees |
シマロン[Cimarron] |
主演男優賞 / Shuen Danyuh Shou[Best Actor]
主演男優賞(Best Actor)は、最も優れた演技を見せた主演男優に贈られる賞です。第4回ではライオネル・バリモアが法廷ドラマ『自由の魂』における弁護士役の迫真の演技で受賞しました。注目すべきは、当時9歳のジャッキー・クーパーが『スキピイ』でノミネートされたことで、これはアカデミー賞史上最年少の主演男優賞ノミネート記録として知られています。
| 受賞 Winner |
自由の魂[A Free Soul] |
| ノミネート Nominees |
スキピイ[Skippy] |
主演女優賞 / Shuen Danyuh Shou[Best Actress]
主演女優賞(Best Actress)は、最も優れた演技を見せた主演女優に贈られる賞です。第4回ではマリー・ドレスラーが『惨劇の波止場』で漁港に暮らす気丈な女性を演じ受賞しました。ノミネートにはマレーネ・ディートリヒが『モロッコ』でハリウッドデビューを飾り名を連ねたほか、ノーマ・シアラーやアイリーン・ダンなど実力派女優が揃いました。
| 受賞 Winner |
惨劇の波止場[Min and Bill] |
| ノミネート Nominees |
モロッコ[Morocco] |
脚色賞 / Kyakushoku Shou[Best Screenplay]
脚色賞(Best Screenplay)は、原作を映画脚本へ脚色した作品に贈られる賞です。第4回ではハワード・エスタブルックが『シマロン』で受賞しました。
| 受賞 Winner |
シマロン[Cimarron] |
| ノミネート Nominees |
光に叛く者[The Criminal Code] |
原案賞 / Genan Shou[Best Story]
原案賞(Best Story)は、映画のために書かれたオリジナルストーリーに贈られる賞です。第4回ではジョン・モンク・サウンダースが第一次世界大戦の航空戦を描いた『暁の偵察』で受賞しました。
| 受賞 Winner |
暁の偵察[The Dawn Patrol] |
| ノミネート Nominees |
地獄の一丁目[The Doorway to Hell] |
録音賞 / Rokuon Shou[Best Sound Recording]
録音賞(Best Sound Recording)は、映画における録音技術の優秀さを評価する賞です。トーキー映画の普及に伴い音響技術の重要性が増す中、第4回ではパラマウント撮影所サウンド部が受賞しました。
| 受賞 Winner |
パラマウント撮影所サウンド部[Paramount Publix Studio Sound Department] |
| ノミネート Nominees |
MGMサウンド部[MGM Studio Sound Department] |
美術賞 / Bijutsu Shou[Best Art Direction]
美術賞(Best Art Direction)は、映画のセットデザインや美術装飾の優秀さを評価する賞です。第4回ではマックス・リーが『シマロン』で受賞し、19世紀末のオクラホマの街並みを精巧に再現した美術が高く評価されました。
| 受賞 Winner |
シマロン[Cimarron] |
| ノミネート Nominees |
五十年後の世界[Just Imagine] |
撮影賞 / Satsuei Shou[Best Cinematography]
撮影賞(Best Cinematography)は、映画撮影の技術・芸術面での優秀さを評価する賞です。第4回ではフロイド・クロスビーが南太平洋を舞台とした映画『タブウ』で受賞しました。
| 受賞 Winner |
タブウ[Tabu] |
| ノミネート Nominees |
シマロン[Cimarron] |
第4回アカデミー賞(1931年)まとめ
第4回アカデミー賞は、西部劇『シマロン』が作品賞・脚色賞・美術賞の3冠を達成し、西部劇として初の作品賞受賞という歴史的記録を打ち立てた年として映画史に刻まれています。また、監督賞をノーマン・タウログが『スキピイ』で獲得し、同作品から9歳のジャッキー・クーパーが史上最年少で主演男優賞にノミネートされるなど、話題に事欠かない授賞式でした。主演男優賞はライオネル・バリモアが『自由の魂』で、主演女優賞はマリー・ドレスラーが『惨劇の波止場』でそれぞれ受賞し、ベテラン俳優の実力が改めて示された年でもあります。トーキー映画が定着し始めたこの時期の作品群は、ハリウッド黄金期の幕開けを象徴する重要な映画遺産として、現在も高く評価されています。

