高知県の世界遺産 一覧・まとめ / UNESCO World Heritage Sites in Kochi ~文化遺産(負の世界遺産、文化的景観、産業遺産、近代化遺産、稼働遺産)、自然遺産、複合遺産、危機遺産~
高知県は、四国の南部に位置し、太平洋に面した約700kmにおよぶ海岸線と、県土の約84%を占める豊かな森林を有する自然豊かな県です。「日本最後の清流」と称される四万十川や、室戸岬・足摺岬といった雄大な自然景観、さらに坂本龍馬をはじめとする幕末の志士を輩出した歴史的土壌など、文化的・自然的に高い価値を持つ資源が数多く存在します。現時点では高知県内にユネスコ世界遺産として登録された物件はありませんが、四国四県が連携して推進する「四国八十八箇所霊場と遍路道」の世界遺産登録を目指す取り組みが進められており、今後の動向が注目されています。
世界遺産とは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)総会で1972年に採択された世界遺産条約「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づき登録される、遺跡・景観・自然など人類が共有すべき「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)」を持つ不動産です。登録の本来の目的は、自然的・文化的に価値のあるものを保護・保全し、過去から未来へと継承していくことにあります。
同時に、世界遺産への登録は国際的な知名度の向上をもたらし、観光名所としてのブランド力を高める効果もあります。高知県が持つ自然・文化資源も、将来的な世界遺産登録の可能性を秘めた貴重な財産として、保護・活用の両面から関心が高まっています。
以下に、世界遺産登録の判定に用いられる10の基準を記載します。
- (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
- (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
- (5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
- (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
- (7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
- (8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
- (9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
- (10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。
(1)~(6)を満たすものが文化遺産、(7)~(10)を満たすものが自然遺産、文化遺産と自然遺産の条件をそれぞれ1つ以上を満たすものが複合遺産としての登録基準となります。
以下で紹介する世界遺産の「登録基準」項目の記載番号は上記の世界遺産登録基準の番号に対応しています。
高知県の世界遺産 一覧・まとめ / UNESCO World Heritage Sites in Kochi ~文化遺産(負の世界遺産、文化的景観、産業遺産、近代化遺産、稼働遺産)、自然遺産、複合遺産、危機遺産~
高知県には、現時点でユネスコ世界遺産として登録された物件はありません。しかし、四国全体で取り組みが進められている「四国八十八箇所霊場と遍路道」は、約1,200年の歴史を持つ巡礼文化として世界遺産登録を目指す運動が展開されています。高知県内では第24番札所の最御崎寺(室戸市)から第39番札所の延光寺(宿毛市)まで16の札所が「修行の道場」として巡礼者を迎えており、太平洋の海岸線に沿った遍路道は四国霊場のなかでも最も過酷かつ壮大なルートとして知られています。
また、高知県室戸市の室戸岬一帯は2011年にユネスコ世界ジオパークに認定されており、世界遺産とは異なるユネスコのプログラムを通じて国際的な評価を受けています。海底から隆起したダイナミックな地形や亜熱帯性の植物群落など、地球科学的に貴重な自然環境が保全されています。
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登録物件なし[No Registered Properties]
高知県には現在、ユネスコ世界遺産に登録された物件はありません。ただし、以下のように世界遺産登録を目指す動きや、ユネスコ関連の国際認定を受けた資源があり、今後の展開が期待されています。
世界遺産登録を目指す取り組み:四国八十八箇所霊場と遍路道
「四国八十八箇所霊場と遍路道」は、弘法大師空海ゆかりの88の寺院を巡る全長約1,400kmの巡礼路です。四国四県(徳島・高知・愛媛・香川)が連携し、文化庁の支援のもと世界遺産登録に向けた調査・研究が進められています。高知県内の遍路道は「修行の道場」と呼ばれ、室戸岬や足摺岬など太平洋に面した雄大な自然のなかを歩く区間が多く、巡礼者にとって精神的・肉体的に最も厳しいルートとされています。
| 対象区間 Section |
第24番札所 最御崎寺(室戸市)~ 第39番札所 延光寺(宿毛市) |
| 札所数 Number of temples |
16か寺 |
| 区間の呼称 Section name |
修行の道場 |
| 主な特徴 Features |
太平洋沿岸の海岸線ルート、室戸岬・足摺岬を経由、四国霊場最長の区間 |
ユネスコ世界ジオパーク:室戸ユネスコ世界ジオパーク
室戸岬を中心とする室戸ユネスコ世界ジオパークは、2011年にユネスコ世界ジオパークネットワークへの加盟が認定されました。プレートの沈み込み帯に位置する室戸半島では、海成段丘やタービダイト(乱泥流堆積物)などの地質現象が地表で直接観察でき、地球の営みを体感できる貴重なフィールドです。亜熱帯性の植物群落や深層水の湧昇など、独特の自然環境も見どころとなっています。世界遺産とは別のユネスコプログラムですが、国際的に高い地球科学的価値が認められています。
| 認定区分 Type |
ユネスコ世界ジオパーク |
| 認定年 Designated |
2011年 |
| 所在地 Location |
高知県室戸市 |
| 主な見どころ Highlights |
室戸岬の海成段丘、行当岬のタービダイト、御厨人窟(みくろど)、中岡慎太郎像周辺の地形 |

