日本三大ダムまとめ・一覧 / The Three Great Dams of Japan 〜住所、地図、開場時間、入場料(無料・有料)、定休日、アクセス・最寄り駅、駐車場、URL、電話番号〜
日本ではよく素晴らしい、優れた自然・建造物・文化などのカテゴリから三つを抽出して「日本三大◯◯」、「日本三名◯◯」などと名付けて代表格とすることがよくあります(ただし、ランキングの上位三つという意味ではありません)。
その由来は諸説ありますが、日本では古くから陰陽道などで奇数が縁起が良いとされ、また人が「三」という数字が物事の選択肢としてまとまりや安定感を感じやすいという心理的な理由からよく使用される傾向にあります。
今回は、そんな「日本三大◯◯」、「日本三名◯◯」と呼ばれる優れた自然・建造物・文化などから、日本三大ダムを紹介します。日本のダム建設技術は世界的にも高く評価されており、これらのダムは単なる治水・発電施設としてだけでなく、壮大な景観や土木技術の粋を集めた観光スポットとしても人気を集めています。
日本三大ダムとは
日本三大ダムとは、黒部ダム、奥只見ダム、御母衣ダムの三つを指します。これらは単に規模が大きいだけでなく、建設当時の最先端技術を駆使し、困難な自然条件を克服して完成した、日本のダム建設史における金字塔とも言える存在です。
いずれも昭和30年代に完成したダムで、高度経済成長期の日本において電力需要の急増に応えるため、山岳地帯の厳しい環境下で建設された重力式コンクリートダムやロックフィルダムです。建設当時は「世紀の大事業」として注目を集め、多くの技術者や作業員が命がけで工事に携わりました。
日本三大ダムまとめ・一覧 / The Three Great Dams of Japan 〜住所、地図、開場時間、入場料(無料・有料)、定休日、アクセス・最寄り駅、駐車場、URL、電話番号〜
黒部ダム / Kurobe Dam[Kurobe Dam]
黒部ダムは、富山県立山町の黒部川上流に建設された、日本を代表するアーチ式コンクリートダムです。堤高186メートルは日本一を誇り、その壮大なスケールから「黒部の太陽」とも呼ばれ、日本のダム建設技術の象徴的存在となっています。
1956年から7年の歳月をかけて建設されたこのダムは、関西電力の水力発電用ダムとして機能しており、最大出力335,000kWの発電能力を持っています。建設工事は北アルプスの標高1,500メートルの高地で行われ、171名もの殉職者を出すという過酷なものでした。この困難な建設の様子は、映画「黒部の太陽」で描かれ、多くの人々に感動を与えました。
観光面では、6月下旬から10月中旬にかけて行われる観光放水が見どころです。毎秒10トン以上の水が霧状になって放水される光景は圧巻で、虹がかかることもあり、多くの観光客を魅了しています。ダム展望台からは立山連峰の雄大な景色を一望でき、北アルプスの大自然と人工建造物の調和した美しさを堪能できます。
住所 Address |
富山県中新川郡立山町芦峅寺 |
地図 Map |
地図(Map) |
開場時間 Opening hours |
観光放水:7:00〜16:30(季節により異なる) |
入場料 Admission fee |
無料(交通機関有料) |
定休日 Holiday |
12月1日〜4月中旬 |
アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
JR信濃大町駅より路線バス(約40分)「扇沢」下車後、トロリーバス(約20分)「黒部ダム」下車(徒歩約5分) 富山地方鉄道立山駅より立山ケーブルカー(約10分)「美女平駅」下車後、高原バス(約50分)「室堂」下車後、立山トロリーバス(約20分)「黒部平」下車(徒歩約20分) |
駐車場 Parking Lot |
無し(立山駅駐車場:約900台 無料、扇沢駅駐車場:約350台 無料(別途、有料駐車場有り)) |
URL URL |
https://www.kurobe-dam.com/ |
電話番号 Phone number |
0261-22-0804(+81 261-22-0804) |
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奥只見ダム / Okutadami Dam[Okutadami Dam]
奥只見ダムは、新潟県魚沼市と福島県檜枝岐村の県境に位置する、日本最大級のロックフィルダムです。堤高157メートル、堤頂長480メートルという壮大なスケールを誇り、その貯水量は約6億立方メートルにも及びます。
1961年に完成したこのダムは、電源開発株式会社(J-POWER)が管理する水力発電用ダムで、最大出力560,000kWと日本屈指の発電能力を持っています。ダムによって形成された奥只見湖は、周囲を2,000メートル級の山々に囲まれた神秘的な景観を持ち、「東洋一の人造湖」とも称されています。
建設工事は険しい山岳地帯で行われ、資材運搬のために全長22キロメートルにも及ぶトンネルが掘削されました。このトンネルは現在も一般車両の通行路として使用されており、ダムへのアクセス路となっています。
観光面では、春の新緑、夏の避暑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々の美しさを楽しむことができます。特に秋の紅葉シーズンには、湖面に映る色鮮やかな山々の姿が絶景として多くの観光客を魅了します。また、遊覧船も運行されており、湖上からダムの雄大さと周囲の自然美を堪能できます。
住所 Address |
新潟県魚沼市湯之谷芋川、福島県南会津郡檜枝岐村見通 |
地図 Map |
地図(Map) |
開場時間 Opening hours |
ダムカード配布:9:00〜16:50 |
入場料 Admission fee |
無料 |
定休日 Holiday |
ダムカード配布:11月中旬〜5月中旬 |
アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
JR小出駅より自動車(約1時間) |
駐車場 Parking Lot |
約250台 無料 |
URL URL |
https://www.jpower.co.jp/damcard/okutadami.html |
電話番号 Phone number |
025-795-2059(+81 25-795-2059) |
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御母衣ダム / Miboro Dam[Miboro Dam]
御母衣ダムは、岐阜県大野郡白川村の庄川上流に建設された、日本初の大規模ロックフィルダムです。堤高131メートル、堤頂長405メートルの規模を持ち、完成当時は東洋一のロックフィルダムとして注目を集めました。
1961年に完成したこのダムは、電源開発株式会社が管理する水力発電用ダムで、最大出力215,000kWの発電能力を持っています。ダム建設に伴い、白川村の一部が水没することとなりましたが、その際に移植された「荘川桜」のエピソードは有名で、現在も湖畔で美しい花を咲かせています。
御母衣ダムの建設は、当時の日本では経験のなかった大規模ロックフィルダムの工法を採用したことで、日本のダム建設技術の発展に大きく貢献しました。周辺の岩石を砕いて積み上げる工法は、コンクリートダムに比べて地震に強く、地質条件に柔軟に対応できるという利点があります。
観光面では、春の荘川桜、夏の新緑、秋の紅葉と、四季折々の自然美を楽しむことができます。特に樹齢450年を超える荘川桜は、ダム建設時に移植された2本の巨木で、「奇跡の桜」として多くの人々に親しまれています。また、御母衣湖ではカヌーやボート遊びも楽しめ、アウトドアレジャーのスポットとしても人気です。
住所 Address |
岐阜県大野郡白川村御母衣 |
地図 Map |
地図(Map) |
開場時間 Opening hours |
ダムカード配布:00〜16:00 |
入場料 Admission fee |
無料 |
定休日 Holiday |
ダムカード配布:水曜日、12月16日〜3月14日 |
アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
JR高山駅より自動車(約1時間20分)、長良川鉄道北濃駅より自動車(約1時間) |
駐車場 Parking Lot |
約40台 無料 |
URL URL |
https://www.jpower.co.jp/damcard/miboro.html |
電話番号 Phone number |
05769-5-2012(+81 5769-5-2012) |
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日本三大ダムを訪れる際のポイント
日本三大ダムを訪れる際は、それぞれのダムの特徴や見どころを事前に調べておくことをお勧めします。いずれも山岳地帯に位置しているため、アクセスには時間がかかりますが、その分、都会では味わえない壮大な自然と人工建造物の調和した景観を楽しむことができます。
また、ダムカードの収集を趣味とする「ダムマニア」も増えており、各ダムでは訪問記念としてダムカードが配布されています(配布場所や時間は事前に確認してください)。ダムの構造や歴史、周辺の自然環境について学ぶことで、より深くダムの魅力を理解することができるでしょう。
訪問時期については、黒部ダムは観光放水が行われる夏から秋がベストシーズンです。奥只見ダムと御母衣ダムは、紅葉の美しい秋や、新緑の初夏がお勧めです。ただし、冬季は積雪や路面凍結により通行止めになる区間もあるため、事前に道路状況を確認することが重要です。