日本三大古墳とは
日本三大古墳とは、古墳時代(3世紀後半〜7世紀頃)に築造された日本最大級の前方後円墳のうち、規模・歴史的意義ともに傑出した3基を指します。いずれも大阪府内に位置し、宮内庁が天皇陵として管理する「陵墓」に指定されています。その巨大な墳丘と高度な土木技術は、ヤマト政権が最盛期を迎えた5世紀の強大な政治力と組織力を現代に伝える、かけがえのない歴史遺産です。
日本三大古墳 比較一覧
| 古墳名 | 全長 | 被葬者(陵墓治定) | 所在地 | 世界遺産 |
|---|---|---|---|---|
| 大仙陵古墳(大山古墳) | 約486m(日本第1位) | 仁徳天皇(第16代) | 大阪府堺市 | 百舌鳥古墳群(2019年登録) |
| 誉田御廟山古墳 | 約425m(日本第2位) | 応神天皇(第15代) | 大阪府羽曳野市 | 古市古墳群(2019年登録) |
| 上石津ミサンザイ古墳 | 約365m(日本第3位) | 履中天皇(第17代) | 大阪府堺市 | 百舌鳥古墳群(2019年登録) |
1. 大仙陵古墳(仁徳天皇陵)
概要
大仙陵古墳(だいせんりょうこふん)は全長約486m・後円部直径約249m・高さ約35.8mを誇る日本最大の前方後円墳です。その体積は約164万立方メートルに達し、エジプトのクフ王のピラミッド(約260万立方メートル)、中国の秦の始皇帝陵(約220万立方メートル)と並ぶ「世界三大墳墓」の一つに数えられています。
5世紀中頃(西暦400〜450年代)の築造と推定され、周囲は三重の濠に囲まれた総面積は約46万平方メートルにも及びます。宮内庁は第16代仁徳天皇の陵墓として管理していますが、発掘調査が制限されているため、学術的には「大仙陵古墳」または「大山古墳」と呼称されています。古墳の規模から算出すると、当時の労働力で約15年8か月(延べ約680万人工)を要したと推計されており、ヤマト政権の圧倒的な動員力を物語っています。
見どころ・観光ポイント
- 堺市博物館:古墳の出土品・復元模型・映像資料が充実。古墳全体の構造を立体的に理解できます(大仙公園内、入館無料)
- 大仙公園:古墳を取り囲む緑豊かな都市公園。濠越しに前方後円墳のシルエットを間近に眺められます
- 堺市役所21階展望ロビー:地上約80mから古墳の全体像を一望できる無料の展望スポット。鍵穴型の墳形が視覚的によくわかります
- 世界文化遺産構成資産:2019年登録の「百舌鳥古墳群」の中核をなす遺跡であり、国内外からの注目度が高い観光スポットです
アクセス情報
| 住所 Address |
大阪府堺市堺区大仙町 |
| 地図 Map |
地図(Map) |
| 開場時間 Opening hours |
立入禁止(外観見学常時可能) |
| 入場料 Admission fee |
立入禁止(外観見学無料) |
| 定休日 Holiday |
無休 |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
JR三国ヶ丘駅(徒歩約10分)、南海電鉄南海三国ヶ丘駅(徒歩約10分) |
| 駐車場 Parking Lot |
周辺に有り(大仙公園駐車場利用可) |
| URL URL |
https://www.city.sakai.lg.jp/kanko/rekishi/dkofun/database/nintokutenno.html |
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2. 誉田御廟山古墳(応神天皇陵)
概要
誉田御廟山古墳(こんだごびょうやまこふん)は全長約425m・後円部直径約250m・高さ約35mを誇る、日本第2位の規模を持つ前方後円墳です。その体積は約143万立方メートルと、大仙陵古墳をも上回るとする説もあるほどです。5世紀初頭から前半(西暦390〜430年代)の築造と推定されており、宮内庁は第15代応神天皇の陵墓として管理しています。
墳丘は三段築成で、周囲には二重の濠と堤が巡っています。濠の外から出土した金銅製の馬具「金銅製鞍金具」は国宝に指定されており、当時の朝鮮半島・中国大陸との活発な交流を示す重要な遺物です。周辺には誉田白鳥埴輪製作遺跡があり、古墳造営時の埴輪生産の実態も明らかになっています。
見どころ・観光ポイント
- 誉田八幡宮:古墳の南側に隣接し、応神天皇を御祭神として祀る由緒ある神社。古墳との深い歴史的つながりを感じられます
- 古市古墳群:誉田御廟山古墳を含む古墳群は世界文化遺産「古市古墳群」の中核。約4km²の範囲に26基の陵墓・陵墓参考地が集中しています
- 羽曳野市立埋蔵文化財展示室:周辺古墳から出土した埴輪・土器・装身具などを展示。無料で観覧できます
- 古墳めぐりウォーキングコース:市が整備した散策コースで、複数の古墳を効率よく巡ることができます
アクセス情報
| 住所 Address |
大阪府羽曳野市誉田6丁目 |
| 地図 Map |
地図(Map) |
| 開場時間 Opening hours |
立入禁止(外観見学常時可能) |
| 入場料 Admission fee |
立入禁止(外観見学無料) |
| 定休日 Holiday |
無休 |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
近畿日本鉄道土師ノ里駅(徒歩約20分)、近畿日本鉄道道明寺駅(徒歩約20分) |
| 駐車場 Parking Lot |
周辺に有り(誉田八幡宮駐車場利用可) |
| URL URL |
https://www.city.habikino.lg.jp/soshiki/shougaigakushu/bunkazaihogoka/bunkazai/iseki_shokai/kofun_chuki/2386.html |
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3. 上石津ミサンザイ古墳(履中天皇陵)
概要
上石津ミサンザイ古墳(かみいしづミサンザイこふん)は全長約365m・後円部直径約205m・高さ約27.6mを誇る、日本第3位の規模を持つ前方後円墳です。5世紀前半(西暦410〜430年代)の築造と推定され、宮内庁は第17代履中天皇の陵墓として管理しています。
墳丘は三段築成で、周囲には二重の濠と堤が巡っています。前方部が広く発達した「大阪型」の墳形を持ち、大仙陵古墳とほぼ同時期に造営されたと見られています。百舌鳥古墳群のなかでは大仙陵古墳の南西約900mに位置し、規模・形状ともに百舌鳥三陵(仁徳・反正・履中)の一角を占める重要な遺跡です。保存状態が良好で、墳丘に葺石(ふきいし)の痕跡が残る点も学術的に注目されています。
見どころ・観光ポイント
- 履中天皇陵拝所:外濠沿いの拝所から間近に墳丘を仰ぐことができ、日本第3位の規模をリアルに体感できます
- 百舌鳥古墳群:大仙陵古墳・反正天皇陵も含む世界文化遺産エリア。古墳群全体で23基が登録されています
- 百舌鳥古墳群ビジターセンター「さかい利晶の杜」:百舌鳥古墳群の成立背景や出土品の解説展示が充実しており、見学前の予習に最適です
- 周辺散策路:古墳沿いの遊歩道では四季折々の自然景観とともに歴史的雰囲気を楽しめます
アクセス情報
| 住所 Address |
大阪府堺市西区石津ヶ丘 |
| 地図 Map |
地図(Map) |
| 開場時間 Opening hours |
立入禁止(外観見学常時可能) |
| 入場料 Admission fee |
立入禁止(外観見学無料) |
| 定休日 Holiday |
無休 |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
JR上野芝駅(徒歩約10分) |
| 駐車場 Parking Lot |
周辺に有り |
| URL URL |
https://www.city.sakai.lg.jp/kanko/rekishi/dkofun/database/richutenno.html |
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日本三大古墳の歴史的意義
日本三大古墳はすべて、古墳時代の最盛期にあたる5世紀に集中して築造されました。この時期は「大王の世紀」とも呼ばれ、ヤマト政権(大和政権)が列島各地の首長層を統率し、その権威が絶頂に達した時代です。これほどの規模の墳墓を造営するには、数万人規模の労働力の動員・高度な測量・土木技術・計画的な資材調達が不可欠であり、当時の政治組織の高度な発展を示す物証となっています。
また、これらの古墳が3基とも大阪府内(百舌鳥・古市の2エリア)に集中していることは、当時の政治・経済の中心地が現在の大阪周辺にあったことを示しており、日本古代史の研究において極めて重要な意味を持ちます。
2019年7月6日、「百舌鳥・古市古墳群―古代日本の墳墓群―」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産に登録されました。これは日本の文化遺産としては23件目の登録であり、巨大前方後円墳群として世界で初めて評価を受けた画期的な出来事です。
観光のポイント・モデルコース
- 所要時間の目安:各古墳の外観見学は30分〜1時間程度。3基すべてを効率よく巡るには半日〜1日が目安です
- ベストシーズン:春(3〜5月)の新緑・桜と秋(10〜11月)の紅葉シーズンは特に景観が美しく、観光に最適です
- レンタサイクル活用:堺市の「さかいコミュニティサイクル(ハローサイクリング)」を利用すると、百舌鳥古墳群をスムーズに巡ることができます
- 無料ガイドツアー:堺市観光ボランティアガイド「堺観光ガイド協会」による無料ガイドツアーが定期開催されており、専門知識を持つガイドとともに深く学べます
- モデルコース(百舌鳥エリア・半日):JR百舌鳥駅 → 大仙陵古墳(外観) → 堺市博物館 → 上石津ミサンザイ古墳 → 堺市役所展望ロビー
- モデルコース(2エリア・1日):午前に百舌鳥古墳群(大仙陵・履中天皇陵)を見学し、午後に近鉄で移動して古市古墳群(誉田御廟山古墳・誉田八幡宮)を訪問するプランが効率的です
よくある質問(FAQ)
- Q. 日本三大古墳の中で最も大きいのはどれですか?
- 全長約486mの大仙陵古墳(仁徳天皇陵)が日本最大であり、世界三大墳墓の一つにも数えられています。
- Q. 日本三大古墳は内部に入れますか?
- いずれも宮内庁が管理する陵墓のため立入禁止となっています。ただし外観の見学は常時無料で可能です。
- Q. 日本三大古墳はどこにありますか?
- 3基すべて大阪府内にあります。大仙陵古墳と上石津ミサンザイ古墳は堺市、誉田御廟山古墳は羽曳野市に所在しています。
- Q. 日本三大古墳はいつ世界遺産に登録されましたか?
- 2019年7月6日、「百舌鳥・古市古墳群」としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。
- Q. 日本三大古墳へのアクセス方法は?
- 大仙陵古墳・上石津ミサンザイ古墳はJR阪和線またはJR大和路線でアクセスでき、誉田御廟山古墳は近畿日本鉄道南大阪線(土師ノ里駅・道明寺駅)が最寄りです。
- Q. 日本三大古墳の被葬者は確定していますか?
- 宮内庁が天皇陵として「治定(ちてい)」していますが、発掘調査が制限されているため、学術的には確定していません。治定はあくまで行政上の管理区分であり、被葬者の特定には今後の調査・研究が待たれます。
まとめ
日本三大古墳(大仙陵古墳・誉田御廟山古墳・上石津ミサンザイ古墳)は、古代日本の繁栄と高度な文明を現代に伝える比類なき歴史遺産です。2019年のユネスコ世界文化遺産登録により国際的評価も高まっており、国内外から多くの訪問者が訪れます。その壮大なスケールと1500年以上にわたる歴史の重みは、言葉では言い尽くせない感動を与えてくれます。大阪を訪れる際にはぜひ、古代ロマンあふれるこれらの古墳を足を運び、ヤマト王権の息吹を直に感じてみてください。

