徳島県の世界遺産 一覧・まとめ / UNESCO World Heritage Sites in Tokushima ~文化遺産(負の世界遺産、文化的景観、産業遺産、近代化遺産、稼働遺産)、自然遺産、複合遺産、危機遺産~

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親記事:日本全国・都道府県の世界遺産 一覧・まとめ / UNESCO World Heritage Sites in Japan ~文化遺産(負の世界遺産、文化的景観、産業遺産、近代化遺産、稼働遺産)、自然遺産、複合遺産、危機遺産~

徳島県と世界遺産について

徳島県は四国の東部に位置し、紀伊水道を挟んで近畿地方と向き合う自然豊かな県です。日本三大暴れ川のひとつである吉野川が県の中央を東西に貫流し、深いV字谷が連なる祖谷(いや)渓谷、世界最大級の渦潮が発生する鳴門海峡、日本百名山に数えられる剣山(標高1,955メートル)など、変化に富んだ地形と雄大な自然景観を有しています。また、400年以上の歴史を持つ阿波おどりや、藍染め・阿波和紙などの伝統工芸、人形浄瑠璃(阿波人形浄瑠璃)といった独自の文化が今も息づいています。

現時点では、徳島県内にユネスコ世界遺産に登録された物件はありません。しかし、徳島県には世界遺産に匹敵するほどの歴史的・文化的・自然的価値を持つ資産が数多く存在しており、今後の世界遺産登録に向けた取り組みにも注目が集まっています。

徳島県の世界遺産候補・関連資産

徳島県に関連する世界遺産の動向として、以下のような取り組みや資産が注目されています。

四国八十八箇所霊場と遍路道

「四国八十八箇所霊場と遍路道」は、弘法大師空海ゆかりの巡礼路として、文化庁の世界遺産暫定一覧表への記載を目指す取り組みが四国4県で進められています。徳島県は「発心の道場」と呼ばれ、第1番札所・霊山寺から第23番札所・薬王寺までの23の札所が県内に所在しています。遍路の出発点(発願の地)として巡礼文化における極めて重要な位置を占めており、毎年多くの巡礼者がこの地から約1,200キロメートルに及ぶ四国遍路の旅を始めます。この巡礼文化は、スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」(1993年世界遺産登録)と比較されることも多く、両者は友好の道として提携関係にもあります。

鳴門の渦潮

鳴門海峡で発生する渦潮は、最大直径約30メートルに達する世界最大級の規模を誇り、イタリアの「メッシーナ海峡の渦潮」やカナダの「セイモア・ナローズの渦潮」と並んで世界三大潮流のひとつに数えられています。この渦潮は、瀬戸内海と紀伊水道の間に生じる最大約1.5メートルの潮位差と、海峡の複雑な海底地形によって発生する自然現象です。大潮の時期には時速約20キロメートルの激しい潮流が生まれ、ダイナミックな渦が次々と出現します。鳴門の渦潮は世界遺産登録を目指す活動が徳島県・兵庫県の両県で展開されており、自然遺産としての登録基準(7)「ひときわすぐれた自然美を持つ自然現象」および(8)「地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本」に該当する可能性が議論されています。

祖谷のかずら橋と祖谷渓谷

祖谷渓谷は、四国山地の奥深くに位置する日本有数の秘境として知られています。シラクチカズラなどの植物の蔓を編んで作られた「祖谷のかずら橋」は、国の重要有形民俗文化財に指定されており、平家の落人伝説とともに語り継がれてきました。追手が迫った際にすぐ切り落とせるよう蔓で作られたという言い伝えがあり、日本の歴史と山村文化が色濃く反映された独特の構造物です。周辺には大歩危・小歩危の渓谷美や、急斜面に集落が点在する「落合集落」(国の重要伝統的建造物群保存地区)など、人と自然が共生してきた文化的景観が広がっています。

阿波おどり

徳島市を中心に毎年8月に開催される阿波おどりは、約400年の歴史を持つ日本最大規模の盆踊りです。期間中は国内外から約130万人の観光客が訪れ、街全体が熱気に包まれます。「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損」という有名な囃子詞とともに、連(れん)と呼ばれる踊りのグループが市内を練り歩く光景は壮観です。ユネスコ無形文化遺産への登録は現時点ではありませんが、日本の代表的な伝統芸能として国際的な認知度も高まっています。

世界遺産とは

世界遺産とは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)総会で1972年に採択された世界遺産条約「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づいて、世界遺産リストに登録された遺跡、景観、自然などの物件を指します。これらは人類が共有すべき「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)」を持つ、移動が不可能な不動産が対象です。

世界遺産登録の本来の目的は、自然災害や開発、紛争などの脅威から、文化的・自然的に価値のあるものを保護・保全し、過去から未来へと確実に伝えていくことにあります。

近年では、世界遺産に登録されることで国際的な知名度が向上し、観光地としてのブランド力が高まる効果も広く認識されています。日本国内でも登録を契機に訪問者数が増加した事例が多く、地域活性化への貢献も期待されています。

世界遺産の登録基準

世界遺産として登録されるためには、以下の10項目の登録基準のうち1つ以上を満たす必要があります。

  • (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
  • (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  • (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
  • (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
  • (5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
  • (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
  • (7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
  • (8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
  • (9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
  • (10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。

上記の基準のうち、(1)〜(6)を満たすものが文化遺産、(7)〜(10)を満たすものが自然遺産、文化遺産と自然遺産の両方の条件をそれぞれ1つ以上満たすものが複合遺産として分類されます。

徳島県の世界遺産 一覧・まとめ / UNESCO World Heritage Sites in Tokushima ~文化遺産(負の世界遺産、文化的景観、産業遺産、近代化遺産、稼働遺産)、自然遺産、複合遺産、危機遺産~


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登録済み世界遺産:現在なし

徳島県には現時点でユネスコ世界遺産に登録された物件はありませんが、四国八十八箇所霊場と遍路道の世界遺産登録に向けた活動や、鳴門の渦潮の世界遺産登録を目指す取り組みが継続的に行われています。徳島県は遍路の出発地(発心の道場)として、また鳴門海峡の渦潮という世界的に貴重な自然現象の所在地として、今後の世界遺産登録が期待されています。