[2026年開催(2025年映画作品対象)]第98回アカデミー賞(オスカー賞)ノミネート作品 まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜

3月 12, 2026Academy Awards,Movie,Products

アカデミー賞(Academy Awards)とは、映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences、略称AMPAS)が主催する、アメリカ合衆国を代表する映画賞です。アメリカの映画産業における健全な発展と、映画芸術・科学技術の品質向上を目的として、毎年キャスト・スタッフなどの映画関係者を部門別に表彰し、その功績を讃えています。

受賞者には賞金は授与されませんが、公式名称「Academy Award of Merit」として知られる金色のオスカー像(Oscar statuette)が贈られることから、世界的に「オスカー賞(The Oscars)」の愛称で親しまれています。

アカデミー賞の歴史は、世界三大映画祭として知られるカンヌ国際映画祭(1946年〜)、ベルリン国際映画祭(1951年〜)、ヴェネツィア国際映画祭(1932年〜)よりも古く、第1回の授賞式は1929年5月16日にハリウッドのルーズベルトホテルで開催されました。以来、世界中の映画ファンや業界関係者が注目する、映画界最大の祭典として位置づけられています。

アカデミー賞のノミネートおよび受賞結果は世界各国で大きく報道され、対象映画の興行成績や配信視聴数に多大な影響を与えます。ノミネートだけでも作品の認知度は飛躍的に高まり、受賞作品はその年を代表する映画として長く記憶されることになります。

選考は、映画界で活躍するプロデューサー、監督、脚本家、俳優、撮影監督、編集者、音響技術者など、各専門分野のプロフェッショナルで構成されるアカデミー会員の投票によって行われます。会員数は約10,000人を超え、その厳正な審査プロセスにより選ばれた作品は、映画史における重要な作品として高い評価を受けています。

第98回アカデミー賞(2026年開催)の概要

本記事では、2026年3月15日(現地時間)にアメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアター(Dolby Theatre)で開催予定の第98回アカデミー賞授賞式の全部門ノミネート作品を一覧で紹介します。対象となるのは2025年1月1日〜2025年12月31日に公開された映画作品(英語映画・国際映画を含む)です。

※本記事は授賞式(2026年3月15日)前のノミネート発表段階の情報です。受賞者が発表され次第、順次更新予定です。

第98回アカデミー賞で最大の注目を集めているのは、ライアン・クーグラー監督が手がけたスーパーナチュラル・ホラー大作『罪人たち(Sinners)』です。同作は作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・撮影賞・作曲賞・美術賞・衣装デザイン賞・メイクアップ賞・視覚効果賞・音響賞・編集賞・助演男優賞・助演女優賞・歌曲賞・キャスティング賞と、実に15部門にノミネートされており、近年まれに見る圧倒的な存在感を示しています。1930年代のミシシッピ州を舞台に双子の兄弟(マイケル・B・ジョーダンが一人二役で演じる)がジュークジョイントを開こうとしたところに超自然的な脅威が迫るというストーリーで、アフリカ系アメリカ人の歴史・文化・音楽とホラー的要素を融合させた革新的作品として批評家から高い評価を受けています。

ポール・トーマス・アンダーソン監督の野心作『ワン・バトル・アフター・アナザー(One Battle After Another)』はレオナルド・ディカプリオ主演で13部門にノミネート。クロエ・ジャオ監督がマギー・オファーレルの同名ベストセラー小説を映画化した『ハムネット(Hamnet)』はジェシー・バックリー主演で8部門、ジョシュ・サフディ監督とティモシー・シャラメが再びタッグを組んだ『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ(Marty Supreme)』が9部門にノミネートされています。

また、第98回ではキャスティング賞(Best Casting)がアカデミー賞史上初めて正式部門として新設されます。これはキャスティング・ディレクターの長年の功績を正式に認めるものとして映画業界全体から歓迎されており、今回のノミネート発表は映画史に残る出来事となっています。

[2026年開催(2025年映画作品対象)]第98回アカデミー賞(オスカー賞)ノミネート作品 まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜

作品賞 / Sakuhin Shou[Best Picture]

アカデミー賞の最高栄誉である作品賞は、その年最も優れた映画作品に贈られます。プロデューサーが受賞者となるこの賞は、映画芸術の頂点を示すものとして映画業界で最大の名誉とされています。第98回は計10作品がノミネートされました。最多15部門ノミネートのライアン・クーグラー監督作『罪人たち』が最右翼とみられる一方、ポール・トーマス・アンダーソン(ワン・バトル・アフター・アナザー)、クロエ・ジャオ(ハムネット)、ジョシュ・サフディ(マーティ・シュプリーム 世界をつかめ)、ヨアキム・トリアー(センチメンタル・バリュー)といった各国を代表する実力派監督たちが激しく競い合っています。授賞式は2026年3月15日を予定しており、受賞結果が発表され次第、本記事を更新します。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
ブゴニア
F1/エフワン
フランケンシュタイン
ハムネット
マーティ・シュプリーム 世界をつかめ
ワン・バトル・アフター・アナザー
シークレット・エージェント
センチメンタル・バリュー
罪人たち
トレイン・ドリームズ

主演男優賞 / Shuen Danyuh Shou[Best Actor]

主演男優賞は、映画において主演として最も優れた演技を見せた男優に贈られます。第98回は近年でも最高レベルの豪華ラインナップが揃いました。ジョシュ・サフディ監督の『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』でティモシー・シャラメが卓越した肉体的・精神的変容を見せれば、ポール・トーマス・アンダーソンの壮大なアメリカ叙事詩『ワン・バトル・アフター・アナザー』ではレオナルド・ディカプリオが複雑な内面を持つ主人公を体現。ライアン・クーグラー監督の『罪人たち』でマイケル・B・ジョーダンが双子の兄弟を一人二役で演じた演技も高い評価を受けています。また、イーサン・ホークが哀愁漂う中年男の役を演じた『ブルームーン』や、ブラジル人俳優ワグネル・モウラが国際的に評価された『シークレット・エージェント』など、多様な国籍・スタイルの競演となっています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
マーティ・シュプリーム 世界をつかめ ⇒ ティモシー・シャラメ[Timothée Chalamet]
ワン・バトル・アフター・アナザー ⇒ レオナルド・ディカプリオ[Leonardo DiCaprio]
ブルームーン ⇒ イーサン・ホーク[Ethan Hawke]
罪人たち ⇒ マイケル・B・ジョーダン[Michael B. Jordan]
シークレット・エージェント ⇒ ワグネル・モウラ[Wagner Moura]

主演女優賞 / Shuen Joyuh Shou[Best Actress]

主演女優賞は、映画において主演として最も優れた演技を見せた女優に贈られます。第98回は実力派女優が揃った激戦となっています。クロエ・ジャオ監督が映画化したマギー・オファーレルの傑作小説『ハムネット』で主人公アグネス(シェイクスピアの妻)を演じたジェシー・バックリーは、複雑な感情を内に秘めた女性を圧倒的な存在感で体現し高い評価を受けています。『センチメンタル・バリュー』のレナーテ・レインスヴェは、カンヌ映画祭最優秀女優賞(2021年)受賞後の新たな代表作でノミネートを果たしました。また、ヨルゴス・ランティモス監督とのコラボレーションで知られるエマ・ストーンが『ブゴニア』で再びノミネートを獲得しており、受賞の行方が注目されています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
ハムネット ⇒ ジェシー・バックリー[Jessie Buckley]
If I Had Legs I'd Kick You ⇒ ローズ・バーン[Rose Byrne]
ソング・サング・ブルー ⇒ ケイト・ハドソン[Kate Hudson]
センチメンタル・バリュー ⇒ レナーテ・レインスヴェ[Renate Reinsve]
ブゴニア ⇒ エマ・ストーン[Emma Stone]

助演男優賞 / Joen Danyuh Shou[Best Supporting Actor]

助演男優賞は、映画において助演として傑出した演技を見せた男優に授与されます。第98回は同一作品から複数のノミネートが生まれた異例の構成となっています。ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ワン・バトル・アフター・アナザー』からは、ベニチオ・デル・トロとショーン・ペンという二大ベテランが揃ってノミネートを果たしており、映画界に衝撃を与えました。ギレルモ・デル・トロ監督のゴシック大作『フランケンシュタイン』でモンスター(クリーチャー)役を演じたジェイコブ・エローディは、肉体的な変身と繊細な内面演技が高く評価されています。ライアン・クーグラーの『罪人たち』でデルロイ・リンドー、ヨアキム・トリアーの『センチメンタル・バリュー』でステラン・スカルスガルドもノミネートされ、国際的な顔ぶれが揃っています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
ワン・バトル・アフター・アナザー ⇒ ベニチオ・デル・トロ[Benicio del Toro]
フランケンシュタイン ⇒ ジェイコブ・エローディ[Jacob Elordi]
罪人たち ⇒ デルロイ・リンドー[Delroy Lindo]
ワン・バトル・アフター・アナザー ⇒ ショーン・ペン[Sean Penn]
センチメンタル・バリュー ⇒ ステラン・スカルスガルド[Stellan Skarsgård]

助演女優賞 / Joen Joyuh Shou[Best Supporting Actress]

助演女優賞は、助演として最も印象的な演技を残した女優に贈られます。第98回は『センチメンタル・バリュー』から2名がノミネートされる異例の事態となりました。エル・ファニングとインガ・イブスドッテル・リッレオースがヨアキム・トリアー監督のノルウェー映画に出演し、いずれも審査員の評価を獲得しています。ポール・トーマス・アンダーソン作品への出演でテヤナ・テイラーが俳優としての実力を示したノミネートも話題を集めています。また、ライアン・クーグラーの『罪人たち』でウンミ・モサクが存在感を発揮し、ジョシュア・アンド・ベン・サフディ監督の実験的な群像劇『WEAPONS/ウェポンズ』からはエイミー・マディガンがノミネートを果たしました。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
センチメンタル・バリュー ⇒ エル・ファニング[Elle Fanning]
WEAPONS/ウェポンズ ⇒ エイミー・マディガン[Amy Madigan]
罪人たち ⇒ ウンミ・モサク[Wunmi Mosaku]
センチメンタル・バリュー ⇒ インガ・イブスドッテル・リッレオース[Inga Ibsdotter Lilleaas]
ワン・バトル・アフター・アナザー ⇒ テヤナ・テイラー[Teyana Taylor]

監督賞 / Kantoku Shou[Best Director]

監督賞は、映画全体の演出・ビジョンにおいて最も優れた功績を残した監督に贈られます。第98回は現代映画界を代表する5人の鬼才が激突する稀代の名勝負となっています。ライアン・クーグラーは『クリード チャンプを継ぐ男』『ブラックパンサー』シリーズで商業的成功を収めながら、今作では全く異なるホラー的ビジョンを示しアカデミー会員を驚かせました。ポール・トーマス・アンダーソンは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ファントム・スレッド』に続くアメリカ史の深淵へと迫る壮大な物語で、今世紀最大の監督の一人としての地位をさらに確固たるものとしています。クロエ・ジャオは『ノマドランド』でアカデミー監督賞を受賞した後の新作でノミネートを果たし、ジョシュ・サフディは兄のベン・サフディと袂を分かち初の単独長編でノミネートという快挙を達成。ヨアキム・トリアーはノルウェー映画界の旗手として国際的評価を確実なものにしています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
ハムネット ⇒ クロエ・ジャオ[Chloé Zhao]
マーティ・シュプリーム 世界をつかめ ⇒ ジョシュ・サフディ[Josh Safdis]
ワン・バトル・アフター・アナザー ⇒ ポール・トーマス・アンダーソン[Paul Thomas Anderson]
センチメンタル・バリュー ⇒ ヨアキム・トリアー[Joachim Trier]
罪人たち ⇒ ライアン・クーグラー[Ryan Coogler]

脚本賞 / Kyakuhon Shou[Best Original Screenplay]

脚本賞(オリジナル脚本賞)は、映画のために書き下ろされたオリジナルの脚本に対して贈られます。原作のない完全オリジナルの物語として書かれた脚本が対象となり、既存作品の脚色とは区別されます。第98回は個性豊かなオリジナル脚本が揃いました。ライアン・クーグラーが単独で執筆した『罪人たち』の脚本は、アメリカ南部の歴史的・文化的背景を深く掘り下げながらジャンル映画として高い完成度を示しています。サフディ兄弟の片割れジョシュが単独でメガフォンを握った『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』はロナルド・ブロンスタインとの共同脚本で、独自の会話劇と緊張感のある世界観が評価されました。イラン映画界の巨匠ジャファル・パナヒが共同執筆した『シンプル・アクシデント/偶然』はフランス代表作品でもあり、ノルウェーの名コンビ、エスキル・フォクトとヨアキム・トリアーによる『センチメンタル・バリュー』の脚本は繊細かつ詩的な世界観で世界を魅了しています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
ブルームーン ⇒ ロバート・カプロウ[Robert Kaplow]
シンプル・アクシデント/偶然 ⇒ ジャファル・パナヒ[Jafar Panahi]、Nader Saivar、シャドメヘル・ラスティン[Shadhokht Rastin]、Mehdi Mahmoudian
マーティ・シュプリーム 世界をつかめ ⇒ ロナルド・ブロンスタイン[Ronald Bronstein]、ジョシュ・サフディ[Josh Safdis]
センチメンタル・バリュー ⇒ エスキル・フォクト[Eskil Vogt]、ヨアキム・トリアー[Joachim Trier]
罪人たち ⇒ ライアン・クーグラー[Ryan Coogler]

脚色賞 / Kyakushoku Shou[Best Adapted Screenplay]

脚色賞は、小説・ノンフィクション・舞台劇・過去の映画などの既存作品を基に書かれた脚本に対して贈られます。第98回はいずれも原作の力強さと脚色の難しさを乗り越えた秀作が揃いました。マギー・オファーレルの国際的ベストセラー小説『ハムネット』をクロエ・ジャオ自身とオファーレルが共同で脚色した本作は、文学的世界観の映画的昇華として高い評価を受けています。ギレルモ・デル・トロがメアリー・シェリーの不朽の名作『フランケンシュタイン』に独自の解釈を加えた脚色も話題を呼んでいます。ポール・トーマス・アンダーソンによる原作小説の脚色『ワン・バトル・アフター・アナザー』、そしてジョン・ウィリアムス(Williams)の小説を原作とした『トレイン・ドリームズ』の脚色(クリント・ベントリー、グレッグ・クウェダー)も注目されています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
ブゴニア ⇒ ウィル・トレイシー[Will Tracy]
フランケンシュタイン ⇒ ギレルモ・デル・トロ[Guillermo del Toro]
ハムネット ⇒ クロエ・ジャオ[Chloé Zhao]、マギー・オファーレル[Maggie O'Farrell]
ワン・バトル・アフター・アナザー ⇒ ポール・トーマス・アンダーソン[Paul Thomas Anderson]
トレイン・ドリームズ ⇒ クリント・ベントリー[Clint Bentley]、グレッグ・クウェダー[Greg Kwedar]

国際長編映画賞 / Kokusai Chouhen Eiga Shou[Best International Feature Film]

国際長編映画賞(旧称:外国語映画賞)は、アメリカ以外の国・地域から出品された英語以外の言語で制作された映画に贈られる部門です。各国・地域で公式に選出された1作品が代表作として出品されます。第98回はブラジル、フランス、ノルウェー、スペイン、チュニジアの5カ国が最終候補に選ばれました。ブラジル代表『シークレット・エージェント』はワグネル・モウラ(主演男優賞も同時ノミネート)が主演を務める政治スリラーで、フランス代表『シンプル・アクシデント/偶然』はイランの巨匠ジャファル・パナヒが脚本に参加した注目作。ノルウェー代表『センチメンタル・バリュー』は作品賞にもノミネートされており、受賞の有力候補の一つです。チュニジア代表『ヒンド・ラジャブの声』は中東・アフリカ映画の存在感を示しています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
シークレット・エージェント(ブラジル[Brazil])
シンプル・アクシデント/偶然(フランス[France])
センチメンタル・バリュー(ノルウェー[Norway])
シラート(スペイン[Spain])
ヒンド・ラジャブの声(チュニジア[Tunisia])

撮影賞 / Satsuei Shou[Best Cinematography]

撮影賞は、映画における撮影技術・映像美において最も優れた功績を残した撮影監督(シネマトグラファー)に贈られます。光の使い方、カメラアングル、映像の質感など、映画の視覚的な世界観を決定づける仕事への評価です。第98回はゴシック、叙事詩、自然美など多様な映像スタイルが激突します。ギレルモ・デル・トロの『フランケンシュタイン』でダン・ローストセンが作り出す暗鬱で詩的な映像美、マーティ・シュプリームでダリウス・コンジが見せるニューヨークの粗野な現実感、ポール・トーマス・アンダーソン作品でマイケル・バウマンが体現するアメリカ大陸の広大なランドスケープがそれぞれ高い評価を受けています。ライアン・クーグラー作品でオータム・デュラルド・アーカポーが捉えた1930年代のミシシッピの光と影、アドルフォ・ヴェローゾによる『トレイン・ドリームズ』の詩的な自然描写も注目を集めています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
フランケンシュタイン ⇒ ダン・ローストセン[Dan Lausten]
マーティ・シュプリーム 世界をつかめ ⇒ ダリウス・コンジ[Darius Khondji]
ワン・バトル・アフター・アナザー ⇒ マイケル・バウマン[Michael Bauman]
罪人たち ⇒ オータム・デュラルド・アーカポー[Autumn Durald Arkapaw]
トレイン・ドリームズ ⇒ アドルフォ・ヴェローゾ[Adolfo Veloso]

作曲賞 / Sakkyoku Shou[Best Original Score]

作曲賞は、映画のために書き下ろされたオリジナルの楽曲・音楽スコアに贈られます。映像と音楽が融合することで生まれる情緒や緊張感、物語の深みを高める音楽への評価です。第98回は現代映画音楽を代表する巨匠・新鋭が顔を揃えました。レディオヘッドのギタリストとして知られるジョニー・グリーンウッドはポール・トーマス・アンダーソン作品の常連として今回も独自の音楽世界を展開。ルートヴィッヒ・ヨーランソンは『ブラックパンサー』『オッペンハイマー』に続き『罪人たち』でブルースとゴスペルを取り込んだ感情豊かなスコアを作り上げました。アレクサンドル・デスプラは『フランケンシュタイン』でゴシック・ホラーの伝統と現代的感性を融合させ、マックス・リヒターは『ハムネット』で中世英国の哀愁を現代的なミニマリズムで表現しています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
ブゴニア ⇒ イェルスキン・フェンドリックス[Jerskin Fendrix]
フランケンシュタイン ⇒ アレクサンドル・デスプラ[Alexandre Desplat]
ハムネット ⇒ マックス・リヒター[Max Richter]
ワン・バトル・アフター・アナザー ⇒ ジョニー・グリーンウッド[Jonny Greenwood]
罪人たち ⇒ ルートヴィッヒ・ヨーランソン[Ludwig Göransson]

歌曲賞 / Kashou Shou[Best Original Song]

歌曲賞は、映画のために書き下ろされたオリジナルの楽曲(歌詞・メロディ)に贈られます。映画の世界観や感情を際立たせる楽曲の完成度と映画との一体感が評価基準となります。第98回は多彩な音楽ジャンルから候補が揃いました。ルートヴィッヒ・ヨーランソンとラファエル・サディークが共作した「I Lied To You」(罪人たち)はブルース・ソウルの伝統を現代に蘇らせた楽曲として注目を集めています。ニック・ケイヴとブライス・デスナーによる「Train Dreams」(トレイン・ドリームズ)は叙情的な歌詞と美しいメロディで多くの支持を集め、ニコラス・パイクによる「Sweet Dreams of Joy」(Viva Verdi)もノミネートされています。また、7年連続ノミネートで知られるダイアン・ウォーレンが「Dear Me」(Diane Warren: Relentless)でアカデミー賞初受賞を目指す姿も注目の見どころです。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
「Dear Me」 – Diane Warren: Relentless ⇒ 作詞・作曲: ダイアン・ウォーレン[Diane Warren]
(曲名未記載) – KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ ⇒ 作詞・作曲: EJAE、マーク・ソネンブリック[Mark Sonnenblick]、Joong Gyu Kwak、Yu Han Lee、Hee Dong Nam、Jeong Hoon Seon、Teddy Park
「I Lied To You」 – 罪人たち ⇒ 作詞・作曲: ラファエル・サディーク[Raphael Saadiq]、ルートヴィッヒ・ヨーランソン[Ludwig Göransson]
「Sweet Dreams of Joy」 – Viva Verdi ⇒ 作詞・作曲: ニコラス・パイク[Nicholas Pike]
「Train Dreams」 – トレイン・ドリームズ ⇒ 作詞・作曲: ニック・ケイヴ[Nick Cave]、ブライス・デスナー[Bryce Dessner]

美術賞 / Bijutsu Shou[Best Production Design]

美術賞(プロダクション・デザイン賞)は、映画のセットデザイン・美術・小道具などの視覚的な空間づくりにおいて最も優れた功績を残した美術監督(プロダクション・デザイナー)と装飾スタッフに贈られます。第98回は時代・国・ジャンルを超えた多彩な映像世界が競い合います。『フランケンシュタイン』のタマラ・デヴェレルとShane Vieauは19世紀ゴシックの世界を圧倒的なスケールで再現し、フィオナ・クロンビーとAlice Feltonによる『ハムネット』の16世紀イングランドの美術も細部への徹底したこだわりが評価されています。ジャック・フィスクと Adam Willisが手がけた『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』のニューヨーク・グラフィティ文化の再現、ポール・トーマス・アンダーソンの世界観を視覚化した『ワン・バトル・アフター・アナザー』の美術、そして『罪人たち』における1930年代ミシシッピの雰囲気の再構築も高い評価を受けています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
フランケンシュタイン ⇒ タマラ・デヴェレル[Tamara Deverell]、Shane Vieau
ハムネット ⇒ フィオナ・クロンビー[Fiona Crombie]、Alice Felton
マーティ・シュプリーム 世界をつかめ ⇒ ジャック・フィスク[Jack Fisk]、Adam Willis
ワン・バトル・アフター・アナザー ⇒ フロレンシア・マーティン[Florencia Martin]、Anthony Carlino
罪人たち ⇒ ハンナ・ビークラー[Hannah Beachler]、Monique Champagne

衣装デザイン賞 / Ishou Design Shou[Best Costume Design]

衣装デザイン賞は、映画において登場人物のキャラクター性・時代背景・物語のテーマを衣装で表現した衣装デザイナーに贈られます。第98回もバラエティ豊かな時代・文化の衣装が揃いました。ジェームズ・キャメロン監督の大作続編『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』でデボラ・L・スコットが作り上げたパンドラの各部族の衣装は、独創性と文化的リサーチの深さが評価されています。マウゴシャ・トゥルジャンスカによる『ハムネット』の16世紀衣装、ミヤコ・ベリッツィの手がける1980年代ニューヨークのストリートファッションを体現した『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』の衣装も注目されています。そして『ブラックパンサー』でアカデミー賞を受賞したルース・E・カーターが再び『罪人たち』でジム・クロウ時代のアフリカ系アメリカ人の衣装を担当しており、受賞の有力候補に挙げられています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ ⇒ デボラ・L・スコット[Deborah L. Scott]
フランケンシュタイン ⇒ ケイト・ホーリー[Kate Hawley]
ハムネット ⇒ マウゴシャ・トゥルジャンスカ[Małgorzata Turzyńska]
マーティ・シュプリーム 世界をつかめ ⇒ ミヤコ・ベリッツィ[Miyako Bellizzi]
罪人たち ⇒ ルース・E・カーター[Ruth E. Carter]

メイクアップ&ヘアスタイリング賞 / Makeup and Hairstyling Shou[Best Makeup and Hairstyling]

メイクアップ&ヘアスタイリング賞は、映画において俳優の変身・キャラクター表現に貢献したメイクアップアーティストとヘアスタイリストに贈られます。特殊メイク・エイジング表現・SF的な変容など、通常のメイクを超えた技術が評価対象となります。第98回は日本映画『国宝』がノミネートされたことが大きな話題を呼んでいます。豊川京子・日比野直美・西松忠の3名による伝統芸能をテーマにした日本映画のメイクアップが世界に認められた快挙です。ジェイコブ・エローディをクリーチャーに変身させたMike HillらによるフランケンシュタインのメイクアップやMMAファイターのドキュメンタリー的作品『スマッシング・マシーン』でのカズ・ヒロの精巧な変身メイクも高く評価されています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
フランケンシュタイン ⇒ Mike Hill、Jordan Samuel、Cliona Furey
国宝 ⇒ 豊川京子、日比野直美、西松忠
罪人たち ⇒ Ken Diaz、Mike Fontaine、Shunika Terry
スマッシング・マシーン ⇒ カズ・ヒロ[Kazu Hiro]、Glen Griffin、Bjoern Rehbein
アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし ⇒ Thomas Foldberg、Anne Cathrine Sauerberg

視覚効果賞 / Shikaku Kouka Shou[Best Visual Effects]

視覚効果賞(VFX賞)は、コンピューターグラフィックス(CGI)・特殊撮影・合成技術などを駆使して映画の視覚表現を高めたVFXチームに贈られます。現実では撮影不可能な映像や世界観をリアルに再現する技術への評価です。第98回はジェームズ・キャメロン監督の待望の続編『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』が本命と目されています。前作から引き継がれた最先端の水中撮影・CGI技術でパンドラの世界をさらに深化させた映像は、ジョー・レッテリらVFXチームの卓越した仕事を示しています。ブラッド・ピットとダミエン・ルイス製作のF1実写映画『F1/エフワン』のレース映像、恐竜復活大作『ジュラシック・ワールド/復活の大地』のVFX、そして『罪人たち』でリアルな超常現象を視覚化した技術も評価されています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ ⇒ ジョー・レッテリ[Joe Letteri]、リチャード・ベイナム[Richard Baneham]、Eric Saindon、Daniel Barrett
F1/エフワン ⇒ Ryan Tudhope、Nicolas Chevallier、Robert Harrington、Keith Dawson
ジュラシック・ワールド/復活の大地 ⇒ David Vickery、Stephen Aplin、Charmaine Chan、ニール・コーボールド[Neil Corbould]
ロスト・バス ⇒ Charlie Noble、David Zaretti、Russell Bowen、Brandon K. McLaughlin
罪人たち ⇒ Michael Ralla、Guido Wolter、Donnie Dean、Espen Nordahl

音響賞 / Onkyou Shou[Best Sound]

音響賞は、録音・音響編集・サウンドデザインなど、映画の音のあらゆる側面における技術的功績を認める賞です。2021年の第93回以降、従来の「録音賞」と「音響編集賞」が統合され一本化されています。第98回は音のリアリズムとドラマ性が問われる5作品が競います。F1レースの轟音・タイヤの摩擦・観客の熱狂を完璧に再現した『F1/エフワン』のサウンドデザインは、スポーツ映画における音響の新たな基準を示しています。『罪人たち』では1930年代のジュークジョイントに響くブルース・音楽の臨場感とスーパーナチュラルな音の演出が融合しており、ゴシック様式の音世界を構築した『フランケンシュタイン』、ポール・トーマス・アンダーソンの壮大な叙事詩の音響、そしてスペイン映画『シラート』の音響技術も高く評価されています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
F1/エフワン
フランケンシュタイン
ワン・バトル・アフター・アナザー
罪人たち
シラート

編集賞 / Henshuh Shou[Best Film Editing]

編集賞は、撮影された映像素材をつなぎ合わせ、映画としての流れとリズムを作り上げた編集者(フィルムエディター)に贈られます。「映画は編集室で完成する」と言われるほど、編集は映画の完成度を左右する重要な工程です。第98回はジョシュ・サフディ監督が自ら編集も手がけた『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(ロナルド・ブロンスタインとの共同編集)のスピード感あふれるカッティングが高く評価されています。スティーヴン・ミリオンによるF1レースの興奮を最大化した『F1/エフワン』の編集、アンディ・ユルゲンセンによる叙事詩的な長編を一定の緊張感で維持した『ワン・バトル・アフター・アナザー』の編集も注目されています。ノルウェーの名エディター、オリヴィエ・ブッゲ・クッテによる『センチメンタル・バリュー』とマイケル・P・ショーヴァーによる『罪人たち』も候補として挙がっています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
F1/エフワン ⇒ スティーヴン・ミリオン[Stephen Mirrione]
マーティ・シュプリーム 世界をつかめ ⇒ ロナルド・ブロンスタイン[Ronald Bronstein]、ジョシュ・サフディ[Josh Safdis]
ワン・バトル・アフター・アナザー ⇒ アンディ・ユルゲンセン[Andy Jurgensen]
センチメンタル・バリュー ⇒ オリヴィエ・ブッゲ・クッテ[Olivier Bugge Coutté]
罪人たち ⇒ マイケル・P・ショーヴァー[Michael P. Shawver]

キャスティング賞 / Kyasutingu Shou[Best Casting]

キャスティング賞(Best Casting)は、第98回アカデミー賞よりアカデミー賞史上初めて正式部門として新設された賞です。これまで映画制作の陰の立役者として長年にわたり重要な役割を果たしてきたキャスティング・ディレクターの功績を、アカデミー賞として公式に表彰するものです。キャスティングとは、映画の登場人物に最適な俳優を見出し・交渉・選定するプロセスであり、映画の質を根本的に左右する重要な作業です。第98回のノミネートには、ニナ・ゴールド(ハムネット)、ジェニファー・ヴェンディッティ(マーティ・シュプリーム 世界をつかめ)、カサンドラ・クルクンディス(ワン・バトル・アフター・アナザー)、ガブリエウ・ドミンゲス(シークレット・エージェント)、フランシーヌ・メイズラー(罪人たち)という業界を代表するキャスティング・ディレクターが揃いました。アカデミー賞において記念すべき初代受賞者となるのは誰なのか、映画業界全体が固唾を飲んで見守っています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定(アカデミー賞史上初の受賞者)
ノミネート
Nominees
ハムネット ⇒ ニナ・ゴールド[Nina Gold]
マーティ・シュプリーム 世界をつかめ ⇒ ジェニファー・ヴェンディッティ[Jennifer Venditti]
ワン・バトル・アフター・アナザー ⇒ カサンドラ・クルクンディス[Cassandra Kulukundis]
シークレット・エージェント ⇒ ガブリエウ・ドミンゲス[Gabriel Domingues]
罪人たち ⇒ フランシーヌ・メイズラー[Francine Maisler]

ドキュメンタリー長編賞 / Chouhen Documentary Eiga Shou[Best Documentary Feature Film]

長編ドキュメンタリー映画賞は、実在の出来事や人物を題材とした長編(40分以上)のドキュメンタリー映画に贈られます。社会問題・歴史・人物伝など多様なテーマを扱う作品が毎年ノミネートされ、映画の「真実を伝える力」が評価されます。第98回は深刻な社会問題に切り込む骨太な作品が揃いました。アンドリュー・ジャレッキー監督の『アラバマ・ソリューション/地獄の刑務所からの告発』はアメリカの刑事司法制度の闇を暴く問題作で、『あかるい光の中で』は著名ドキュメンタリー作家ライアン・ホワイトとコメディアンのティグ・ノタロが共同制作した話題作です。イランの刑務所内を題材にした『Cutting Through Rocks』(Sara Khaki、Mohammadreza Eyni)、スタンドユアグラウンド法を追った『パーフェクト・ネイバー』、そしてロシアの愛国教育の内側に迫った『名もなき反逆者』も、現代の政治的テーマを鋭く捉えた優れたドキュメンタリーとして高く評価されています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
アラバマ・ソリューション/地獄の刑務所からの告発 ⇒ アンドリュー・ジャレッキー[Andrew Jarecki]、シャーロット・カウフマン[Charlotte Kaufman]
あかるい光の中で ⇒ ライアン・ホワイト[Ryan White]、ジェシカ・ハーグレイヴ[Jessica Hargrove]、ティグ・ノタロ[Tig Notaro]、ステフ・ウィレン[Steph Willens]
Cutting Through Rocks ⇒ Sara Khaki、Mohammadreza Eyni
パーフェクト・ネイバー:正当防衛法はどこへ向かうのか ⇒ ジータ・ガンドビール[Geeta Gandbhir]、アリサ・ペイン[Allysa Payne]、ニコン・クワントゥ[Nikon Khwathu]、サム・ビスビー[Sam Bisby]
名もなき反逆者 ロシア 愛国教育の現場で ⇒ デヴィッド・ボレンスタイン[David Borenstein]、パヴェル・タランキン[Pavel Talankin]、Helle Faber、Alžbeta Karaskova

ドキュメンタリー短編賞 / Tanpen Documentary Eiga Shou[Best Documentary Short Subject]

ドキュメンタリー短編賞は、40分未満の短編ドキュメンタリー映画に贈られます。限られた上映時間の中で実社会の問題や人物に迫る作品が対象となり、映画の多様性と社会的意義を示す部門です。第98回も国際的に多様なテーマを扱う作品が揃いました。ジョシュア・セフテルとConall Jonesによる『あなたが帰ってこない部屋』は喪失と記憶をテーマに深い感動を呼ぶ作品として評価されています。2022年に命を落としたジャーナリスト、ブレント・レノーの生涯と活動を記録した『Armed Only with a Camera』(Craig Renaud、Juan Arredondo)も注目を集めています。中絶医療の現場に密着した『デビル・イズ・ビジー/中絶医療の最前線から』(クリスタリン・ハンプトン、ジータ・ガンドビール)はタイムリーな社会問題を扱う作品として話題を呼んでいます。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
あなたが帰ってこない部屋 ⇒ ジョシュア・セフテル[Joshua Seftel]、Conall Jones
Armed Only with a Camera: The Life and Death of Brent Renaud ⇒ Craig Renaud、Juan Arredondo
Children No More: Were and are Gone ⇒ ヒラ・メダリア[Hilla Medalia]、シーラ・ネヴィンス[Sheila Nevins]
デビル・イズ・ビジー/中絶医療の最前線から ⇒ クリスタリン・ハンプトン[Crystaline Hampton]、ジータ・ガンドビール[Geeta Gandbhir]
Perfectly a Strangeness ⇒ Alison McAlpine

短編実写賞 / Tanpen Eiga Shou[Best Live Action Short Film]

短編実写賞は、アニメーション・ドキュメンタリー以外の実写短編映画(上映時間40分未満)に贈られます。若手映画人の登竜門ともなるこの部門は、限られた時間の中で完結した物語を描くクリエイティブな力が試されます。第98回は5カ国にまたがる多様な作品が揃いました。日本語題の『歌うたい』がノミネートされており、日本関係の短編映画が世界水準で評価されたことも注目されています。「A Friend of Dorothy」(ドロシーの友人)は性的マイノリティを描いた感動作として話題を呼んでいます。Jane Austen作品をモチーフにした「Jane Austen's Period Drama」や、挑戦的なタイトルで注目を集める「Two People Exchanging Saliva」、そして「Butcher's Stain」も候補に名を連ねています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
Butcher's Stain
A Friend of Dorothy
Jane Austen's Period Drama
歌うたい
Two People Exchanging Saliva

短編アニメ賞 / Tanpen Anime Shou[Best Animated Short Film]

短編アニメ賞は、40分未満の短編アニメーション映画に贈られます。制作技法や国籍を問わず、アニメーションならではの表現力で短時間に強いメッセージや感情を届ける作品が競います。第98回は多彩な国際共同作品が揃いました。蝶の生涯と変容をテーマにした『バタフライ』、自然環境への祈りを込めた「Forevergreen」、繊細で美しいビジュアルが評価される『真珠の涙と少女』、引退後の人生を軽妙に描いた『リタイア・プラン』、そして家族の絆を描く『3人姉妹』がノミネートされています。いずれも短い上映時間の中に深いテーマを凝縮した作品であり、アニメーションという表現媒体の豊かな可能性を示しています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
バタフライ
Forevergreen
真珠の涙と少女
リタイア・プラン
3人姉妹

長編アニメ賞 / Chouhen Anime Eiga Shou[Best Animated Feature Film]

長編アニメ映画賞は、その年に公開された最も優れた長編アニメーション映画に贈られます。制作技法(2D・3DCG・ストップモーションなど)を問わず、アニメーションという表現媒体の卓越性が評価されます。第98回はディズニー・ピクサー作品と独立系の多様な作品が競い合います。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが制作した待望の続編『ズートピア2』と、ピクサーの宇宙冒険ファンタジー『星つなぎのエリオ』という2大スタジオ作品が本命候補として注目を集めています。スペインの独立アニメ映画スタジオが制作した『ARCO/アルコ』、韓国のK-POP文化をユーモラスに描いた『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(長編アニメ・歌曲賞のダブルノミネート)、そしてヨーロッパ産の情緒豊かな作品『アメリと雨の物語』も候補として名を連ねています。

受賞
Winner
※2026年3月15日発表予定
ノミネート
Nominees
ARCO/アルコ
星つなぎのエリオ
KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ
アメリと雨の物語
ズートピア2

第98回アカデミー賞(2026年)ノミネートまとめ

2026年3月15日(現地時間)に授賞式が予定されている第98回アカデミー賞は、近年まれに見る豪華なノミネートラインナップとなっています。以下に各部門の注目ポイントを整理します。なお、受賞者発表後は本記事の内容を随時更新予定です。

ノミネート作品別 部門数まとめ

  • 罪人たち(Sinners):15部門ノミネート ― 作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞・脚本賞・撮影賞・作曲賞・歌曲賞・美術賞・衣装デザイン賞・メイクアップ賞・視覚効果賞・音響賞・編集賞・キャスティング賞(※助演男優賞は1作品から1名のみカウント)。ライアン・クーグラー監督が自ら脚本も執筆し、マイケル・B・ジョーダンが一人二役で主演を務める黒人ホラー映画の大躍進。
  • ワン・バトル・アフター・アナザー(One Battle After Another):13部門ノミネート ― 作品賞・主演男優賞・助演男優賞(2名)・助演女優賞・監督賞・脚色賞・撮影賞・作曲賞・美術賞・音響賞・編集賞・キャスティング賞。ポール・トーマス・アンダーソン×レオナルド・ディカプリオの黄金タッグによる大作。
  • フランケンシュタイン(Frankenstein):9部門ノミネート ― 作品賞・助演男優賞・脚色賞・撮影賞・作曲賞・美術賞・衣装デザイン賞・メイクアップ賞・音響賞。ギレルモ・デル・トロ監督悲願のゴシック大作。
  • マーティ・シュプリーム 世界をつかめ(Marty Supreme):9部門ノミネート ― 作品賞・主演男優賞・監督賞・脚本賞・撮影賞・美術賞・衣装デザイン賞・編集賞・キャスティング賞。ジョシュ・サフディ×ティモシー・シャラメの注目コンビ。
  • センチメンタル・バリュー(Sentimental Value):9部門ノミネート ― 作品賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞(2名)・監督賞・脚本賞・編集賞・国際長編映画賞。ノルウェーのヨアキム・トリアー監督作品が国際的に高い評価を獲得。
  • ハムネット(Hamnet):8部門ノミネート ― 作品賞・主演女優賞・監督賞・脚色賞・作曲賞・美術賞・衣装デザイン賞・キャスティング賞。クロエ・ジャオがマギー・オファーレルの傑作小説を映画化。

注目の争い・見どころ

  • 作品賞・監督賞:最多15部門ノミネートの『罪人たち』(ライアン・クーグラー)が本命視される一方、13部門のポール・トーマス・アンダーソン(ワン・バトル~)、クロエ・ジャオ(ハムネット)、ジョシュ・サフディ(マーティ・シュプリーム)、ヨアキム・トリアー(センチメンタル・バリュー)が刺客として名乗りを上げており、激戦が予想されます。
  • 主演男優賞:ティモシー・シャラメ vs レオナルド・ディカプリオ vs マイケル・B・ジョーダンという3強の戦いに、イーサン・ホークとワグネル・モウラも加わる超豪華5人組。ハリウッドの歴史に残る名勝負となる可能性があります。
  • 主演女優賞:エマ・ストーン(ブゴニア)、ジェシー・バックリー(ハムネット)、レナーテ・レインスヴェ(センチメンタル・バリュー)の3強に、ケイト・ハドソン(ソング・サング・ブルー)とローズ・バーン(If I Had Legs I'd Kick You)が挑む構図です。エマ・ストーンは「哀れなるものたち」に続く連続受賞を目指しています。
  • 助演男優賞:同一映画(ワン・バトル・アフター・アナザー)からベニチオ・デル・トロとショーン・ペンが揃ってノミネートされる珍事が発生。ジェイコブ・エローディ(フランケンシュタイン)、デルロイ・リンドー(罪人たち)、ステラン・スカルスガルド(センチメンタル・バリュー)との争いも見逃せません。
  • キャスティング賞(新設):アカデミー賞史上初の授与となるこの賞の初代受賞者が誰になるかは、映画業界全体の注目を集めています。フランシーヌ・メイズラー(罪人たち)やニナ・ゴールド(ハムネット)が有力視されています。
  • 国際長編映画賞:センチメンタル・バリュー(ノルウェー)が作品賞にもノミネートされており、2部門同時受賞の可能性もあります。シークレット・エージェント(ブラジル)は主演男優賞にもノミネートされたワグネル・モウラが主演を務め、南米映画の存在感を高めています。
  • メイクアップ&ヘアスタイリング賞:日本映画『国宝』(豊川京子・日比野直美・西松忠)が初ノミネートを果たした快挙。日本の伝統芸能を題材にした本作が世界のアカデミー会員に評価されたことは、日本映画界にとって大きな喜びです。

第98回アカデミー賞が示す映画界の潮流

第98回アカデミー賞のノミネートは、現代ハリウッドの多様性と作家性への評価が一層高まっていることを示しています。黒人ホラー映画(罪人たち)、ノルウェー語映画(センチメンタル・バリュー)、イギリス文学の映画化(ハムネット)、インディーズ系スポーツ映画(マーティ・シュプリーム)など、ジャンル・国籍・製作規模を問わずに優れた作品が等しく評価されています。また、キャスティング賞の新設により、映画制作に携わる全ての専門家の功績が適切に認められる方向性が示されたことは、映画業界の健全な発展にとって大きな意義を持ちます。授賞式は2026年3月15日を予定しており、本記事は受賞結果発表後に更新予定です。どの映画が栄冠を手にするのか、世界中の映画ファンが固唾を飲んで見守っています。