徳島県の経済産業省指定「伝統的工芸品」一覧・まとめ – 職人の熟練した匠の技によって生み出される珠玉の手仕事 / Traditional Crafts of Tokushima ~伝統的工芸品が購入できるショップ・取扱店一覧~
徳島県は四国の東部に位置し、吉野川流域の豊かな自然環境と温暖な気候に恵まれた地域です。古くから藍の栽培が盛んで「阿波藍」は全国にその名を馳せてきました。この藍染め文化を基盤として発展した織物をはじめ、良質な陶土を活かした焼き物、そして1,300年以上の歴史を誇る和紙づくりなど、徳島県には風土と歴史が育んだ個性豊かな伝統的工芸品が受け継がれています。
経済産業大臣が指定する「伝統的工芸品」とは、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」に基づき、以下の5つの要件を全て満たすものとして認定された工芸品です。
- 主として日常生活の用に供されているもの
- 製造過程の主要部分が手工業的であるもの
- 伝統的技術または技法によって製造されるもの
- 伝統的に使用されてきた原材料を使用していること
- 一定の地域で産地形成されていること
徳島県には現在、経済産業大臣指定の伝統的工芸品が3品目あります。阿波藍で染め上げた独特のシボが美しい「阿波正藍しじら織」、日本最大級の登り窯で焼かれる迫力ある「大谷焼」、そして千年を超える歴史を持つ「阿波和紙」です。いずれも徳島の風土と職人の技が融合した逸品であり、現代の暮らしの中でもその価値が見直されています。
このページでは、徳島県の経済産業大臣指定伝統的工芸品を一覧でご紹介するとともに、それぞれの歴史・特徴・製造技法について詳しく解説します。あわせて、各工芸品を購入できるショップ・取扱店情報も掲載していますので、お土産選びや贈り物の参考にしてください。
徳島県の経済産業省指定「伝統的工芸品」一覧・まとめ – 職人の熟練した匠の技によって生み出される珠玉の手仕事 / Traditional Crafts of Tokushima ~伝統的工芸品が購入できるショップ・取扱店一覧~
徳島県には経済産業大臣指定の伝統的工芸品が3品目あり、それぞれ織物・陶磁器・和紙と異なるジャンルの工芸品が指定されています。四国八十八ヶ所霊場巡りや阿波おどりなど観光資源も豊富な徳島県を訪れた際には、ぜひこれらの伝統的工芸品にも触れてみてください。
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阿波正藍しじら織 / Awa Shouai Shijira Ori[Awa Shouai Shijira Ori]
阿波正藍しじら織(あわしょうあいしじらおり)は、徳島県の吉野川流域で生産される藍染めの織物です。最大の特徴は、布面に現れる独特の凹凸「シボ(しじら)」にあります。このシボのおかげで肌への接触面積が少なくなり、通気性に優れた涼しい着心地を実現しています。夏の衣料として古くから重宝され、現在でも浴衣や甚平、シャツなどに用いられています。
阿波正藍しじら織の歴史
阿波正藍しじら織の起源は、明治時代にまでさかのぼります。1879年(明治12年)頃、徳島の織り子が雨に濡れた布を乾かしたところ、縮んでシボが生じた偶然の発見がきっかけとされています。この自然に生まれた独特の風合いに着目し、経糸と緯糸の張力差を利用して意図的にシボを作り出す技法が確立されました。徳島は江戸時代から藍の一大産地であり、「阿波藍」のブランドは全国に知られていました。その藍染め文化と新たなしじら織の技法が結びつき、阿波正藍しじら織として独自の発展を遂げました。
製造技法と特徴
阿波正藍しじら織の製造には、徳島県産の天然藍「すくも」を用いた正藍染めが欠かせません。藍を発酵させて染液を作る「藍建て」と呼ばれる伝統的な工程を経て、糸を繰り返し浸して深みのある藍色に染め上げます。織りの工程では、経糸の張力に変化をつけることで布面にシボを生じさせます。この技法により、軽くて風通しが良く、汗をかいても肌に張り付かない快適な生地が生まれます。藍には防虫・消臭効果もあるとされ、実用性の面でも優れた織物です。
| 登録年 Designated |
1978年7月22日 |
| 種類 Type |
織物 |
| 主な産地 Production Area |
徳島県徳島市周辺 |
| 主な原材料 Main Materials |
綿糸、天然藍(すくも) |
| 関連商品取扱店一覧 Shop |
阿波正藍しじら織 取扱店一覧 |
大谷焼 / Ohtaniyaki[Ohtaniyaki]
大谷焼(おおたにやき)は、徳島県鳴門市大麻町大谷地区で生産される陶磁器です。素朴で力強い風合いが特徴で、特に大型の水甕(みずがめ)や睡蓮鉢など、日本でも有数の大きさを誇る焼き物を製造できることで知られています。大谷焼の窯元が集まる大谷地区は「やきもの散歩道」としても整備されており、窯元巡りを楽しむ観光客にも人気のスポットです。
大谷焼の歴史
大谷焼の歴史は、江戸時代後期の安永9年(1780年)に始まります。豊後国(現在の大分県)の焼き物師・文右衛門が、四国八十八ヶ所巡礼の途中に大谷村に立ち寄り、この地の良質な陶土に目をとめて窯を築いたのがその起こりとされています。その後、藩主・蜂須賀家の庇護を受けて藍甕(あいがめ)の生産が盛んになりました。徳島の藍染め産業には大量の藍甕が必要であり、大谷焼の発展は阿波藍の隆盛と密接に結びついています。
製造技法と特徴
大谷焼の最大の特色は、大物を成形するための伝統技法「寝ろくろ(ねろくろ)」です。これは陶工が仰向けに寝そべり、足でろくろを回しながら、もう一人の陶工が粘土を積み上げて大型の器を成形する二人一組の技法です。この独特の手法により、高さ1メートルを超えるような大甕も製作が可能となります。登り窯による高温焼成で生まれる自然釉の景色や、鉄分を多く含む陶土が醸し出す温かみのある色合いも、大谷焼ならではの魅力です。近年は日用食器や花器、コーヒーカップなど、現代の生活に馴染む多彩な製品も作られています。
| 登録年 Designated |
2003年9月10日 |
| 種類 Type |
陶磁器 |
| 主な産地 Production Area |
徳島県鳴門市大麻町大谷 |
| 主な原材料 Main Materials |
讃岐粘土、大谷粘土など |
| 関連商品取扱店一覧 Shop |
大谷焼 取扱店一覧 |
阿波和紙 / Awa Washi[Awa Washi]
阿波和紙(あわわし)は、徳島県吉野川市山川町および那賀郡那賀町(旧・相生町)周辺で生産される伝統的な和紙です。その歴史は非常に古く、1,300年以上前にまでさかのぼるとされています。楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)といった天然の植物繊維を原料に、清澄な水を用いた「流し漉き」の技法によって、丈夫でしなやかな紙が作られます。
阿波和紙の歴史
阿波和紙の起源は、奈良時代以前にさかのぼります。忌部族(いんべぞく)が麻や楮を植えて紙を漉き始めたことが始まりとされ、平安時代には朝廷への貢納品としても記録が残っています。江戸時代には徳島藩の保護のもとで産地が大きく発展し、「阿波の紙」は全国的な名声を得ました。特に障子紙や書道用紙として高い品質が認められ、最盛期には吉野川沿いの集落に数多くの紙漉き家が軒を連ねていたと伝えられています。
製造技法と特徴
阿波和紙の製造は、原料となる楮・三椏・雁皮の皮を剥ぎ、煮熟・叩解して繊維をほぐすところから始まります。そこにトロロアオイの根から採った粘液(ネリ)を加え、竹簀(たけす)を用いた「流し漉き」で一枚一枚丁寧に漉き上げます。阿波和紙はその強靱さと柔らかな質感が両立する点が特長で、書道・日本画・版画の用紙として高い評価を受けています。近年ではインテリア照明のシェードや壁紙、名刺、アート作品の素材としても活用が広がり、現代のライフスタイルに合った新しい用途が開拓されています。徳島県吉野川市にある「阿波和紙伝統産業会館」では、紙漉き体験も行われており、伝統の技を間近に感じることができます。
| 登録年 Designated |
1976年12月15日 |
| 種類 Type |
和紙 |
| 主な産地 Production Area |
徳島県吉野川市山川町、那賀郡那賀町 |
| 主な原材料 Main Materials |
楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ) |
| 関連商品取扱店一覧 Shop |
阿波和紙 取扱店一覧 |
徳島県の伝統的工芸品まとめ
徳島県の3つの伝統的工芸品は、いずれも地域の自然環境や産業と深く結びついて発展してきました。阿波藍という一大産業が生み出した「阿波正藍しじら織」と藍甕の需要から発展した「大谷焼」、そして清らかな水と植物繊維が育んだ「阿波和紙」。これらの工芸品は、徳島の歴史と風土そのものを映し出しています。
職人たちが何世代にもわたって継承してきた匠の技は、現代においても新たな製品開発やデザインとの融合によって進化を続けています。徳島を訪れた際には、各産地の工房や体験施設を巡り、伝統的工芸品の魅力を直接体感してみてはいかがでしょうか。

