山形県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Yamagata – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~
山形県の城の魅力と歴史的背景
山形県には、最上氏や上杉氏といった戦国時代から江戸時代にかけて東北地方を治めた有力大名ゆかりの城跡が数多く残されています。これらの城・城跡・城址は、単なる軍事施設としてだけでなく、地域の政治・経済・文化の中心として機能してきた歴史的建造物です。
日本には47都道府県それぞれに特色ある城郭が存在し、その総数は25,000以上にのぼると言われています。これらの城・城跡・城址は、戦国時代や江戸時代の時代背景、当時の暮らしや建築技術、そして地域の歴史を今に伝える貴重な文化遺産となっています。
近年では、2006年に財団法人日本城郭協会によって選定された「日本100名城」の発表や、大河ドラマ・歴史映画・CMなどメディアでの特集の影響もあり、全国的に城郭観光への関心が高まっています。特に山形城は日本100名城の一つに選ばれており、東北地方を代表する城郭として多くの歴史ファンや観光客が訪れています。
城郭と四季折々の自然美
山形県の城跡の多くは、春の梅や桜、秋の紅葉など四季折々の自然美を楽しめるスポットとしても知られています。城郭という歴史的建造物と日本の美しい四季が織りなす景観は、訪れる人々に特別な体験を提供してくれます。
特に山形城がある霞城公園は、桜の名所として地元の方々にも親しまれており、春には約1,500本もの桜が咲き誇り、城跡と桜のコラボレーションが見事な景観を作り出します。また、秋の紅葉シーズンには、堀や石垣を背景にした紅葉が美しく、四季を通じて異なる表情を楽しむことができます。
天守の分類と城郭建築の理解
城郭を訪れる際に知っておくと、より深く楽しめるのが「天守の分類」です。天守は大きく4つの種類に分類されます:
- 現存天守:江戸時代以前から現存する天守(全国に12城のみ)
- 復元天守:史実に基づき、可能な限り忠実に再建された天守
- 復興天守:史実に基づきつつも、外観や内部構造が一部異なる天守
- 模擬天守:史実とは異なる位置や様式で建てられた天守
山形県内では、上山城が模擬天守として建てられており、現在は郷土資料館として活用されています。模擬天守ではありますが、上山の歴史や文化を学べる貴重な施設となっています。
この記事では、そんな子どもからお年寄りまで四季折々の趣と歴史の深さを体験できる山形県の城・城跡・城址を、日本100名城の選定、天守の分類・種類(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、指定文化財などの観点から詳しく紹介します。歴史散策や家族でのお出かけ、写真撮影スポットとしてもおすすめです。
山形県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Yamagata – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~
山形城 / Yamagata Jou[Yamagata Castle]
山形城の歴史と特徴
山形城は、延文元年(1356年)に斯波兼頼によって築城された、東北地方を代表する平城です。別名「霞城(かじょう)」や「霞ヶ城」とも呼ばれ、霞がかかったように美しい姿から名付けられたと言われています。
最上氏の居城として発展し、特に最上義光の時代(安土桃山時代)には、東北地方有数の57万石の大大名として最盛期を迎えました。その後、鳥居氏、保科氏、松平氏、秋元氏と城主が変遷し、明治維新まで山形の中心として機能しました。
城郭の規模は東北地方最大級で、本丸・二の丸・三の丸の三重の堀と土塁で囲まれた輪郭式の縄張りが特徴です。最大時の城域は約230万平方メートルにも及びました。現在は本丸と二の丸の一部が「霞城公園」として整備され、市民の憩いの場となっています。
見どころと復元整備
現在、山形城では本丸の復元整備が進められており、2019年には本丸大手門が木造で復元されました。また、二の丸東大手門も復元されており、往時の姿を少しずつ取り戻しています。重厚な石垣や広大な堀も見事で、城郭建築の技術の高さを実感できます。
園内には最上義光歴史館や山形市郷土館もあり、最上氏の歴史や山形の文化を学ぶことができます。また、春には約1,500本の桜が咲き誇り、「日本さくら名所100選」にも選ばれている桜の名所でもあります。
指定文化財としての価値
山形城跡は、2006年に財団法人日本城郭協会が選定した「日本100名城」(第10番)に選ばれており、また国の史跡にも指定されています。東北地方の城郭史を語る上で欠かせない重要な文化財として、保存・整備が進められています。
築城年 Year of Built |
1356年(延文元年) |
築城主 Founder |
斯波兼頼(しば かねより) |
指定 Designation |
日本100名城(Japan’s Top 100 Castles・第10番)、国の史跡(National Historic Site) |
天守の分類・種類 Castle Tower Classification |
天守なし(本丸大手門・二の丸東大手門が復元) |
城郭の特徴 Castle Features |
輪郭式平城、三重の堀、東北地方最大級の城域 |
住所 Address |
〒990-0826 山形県山形市霞城町1-7(霞城公園内) |
地図 Map |
地図(Map) |
開城時間 Opening hours |
4月1日~11月30日:5:00〜22:00 12月1日~3月31日:5:30〜22:00 |
入城料 Admission fee |
無料(公園入園料) ※最上義光歴史館・山形市郷土館は別途入館料 |
定休日 Holiday |
無休(年中無休) ※館内施設は各施設の休館日に準ずる |
アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
・JR山形駅東口より徒歩約15分 ・JR山形駅より山交バス(約5分)「霞城公園前」下車、徒歩約5分 ・山形駅東口よりベニちゃんバス(東くるりん)「霞城公園前」下車すぐ |
駐車場 Parking Lot |
あり(約220台・無料) ※北門、東大手門、南門付近に駐車場あり |
日本100名城スタンプ設置場所 | 霞城公園内・山形市郷土館(9:00~16:30) |
公式サイト・お問い合わせ | 山形市公園緑地課 TEL: 023-641-1212(代表) |
上山城 / Kaminoyama Jou[Kaminoyama Castle]
上山城の歴史と特徴
上山城は、天文4年(1535年)に武衛義忠(ぶえい よしただ)によって築城された平山城です。別名「月岡城」とも呼ばれ、月岡公園として整備された丘陵に位置しています。
戦国時代には上山氏の居城として、また最上氏と伊達氏の勢力争いの最前線として重要な役割を果たしました。江戸時代には上山藩の藩庁が置かれ、土岐氏、松平氏などが城主を務めました。城下町として栄えた上山は、羽州街道の宿場町としても発展し、温泉地としても知られるようになりました。
明治維新後、他の多くの城郭と同様に廃城令により建物は取り壊されましたが、昭和57年(1982年)に天守が模擬復元され、現在は「上山城郷土資料館」として一般公開されています。
見どころと展示内容
現在の天守は模擬天守であり、史実とは異なる外観で建てられていますが、外観は鉄筋コンクリート造りで三層四階の立派な構えとなっています。内部は郷土資料館として整備され、上山藩の歴史、城下町の暮らし、武具・甲冑、上山の民俗資料などが展示されています。
最上階の展望室からは、上山市街や蔵王連峰を一望でき、特に晴れた日には雄大な景色を楽しむことができます。また、城跡がある月岡公園は桜の名所としても知られ、春には約100本の桜が咲き誇り、城と桜のコラボレーションが美しい景観を作り出します。
かみのやま温泉との組み合わせ観光
上山城は「かみのやま温泉」という東北有数の温泉地に位置しており、城郭観光と温泉を組み合わせた観光が楽しめます。城見学の後に温泉でゆっくりとくつろぐという、贅沢な時間を過ごすことができるのが上山城観光の魅力の一つです。
築城年 Year of Built |
1535年(天文4年) |
築城主 Founder |
武衛義忠(ぶえい よしただ) |
指定 Designation |
市指定史跡 |
天守の分類・種類 Castle Tower Classification |
模擬天守(1982年復元・鉄筋コンクリート造、三層四階) |
城郭の特徴 Castle Features |
平山城、月岡の丘陵に位置、別名「月岡城」 |
住所 Address |
〒999-3154 山形県上山市元城内3-7(月岡公園内) |
地図 Map |
地図(Map) |
開城時間 Opening hours |
9:00~16:45(最終入館16:30) |
入城料 Admission fee |
大人:410円 学生(高校・大学生):360円 小人(小・中学生):50円 ※団体割引あり(20名以上) |
定休日 Holiday |
・奇数月第2木曜日(祝日の場合は翌日) ・燻蒸休館日(9月第1週月曜日~金曜日) ・年末(12月29日~12月31日) |
アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
・JR「かみのやま温泉駅」より徒歩約15分 ・JR「かみのやま温泉駅」よりタクシー約5分 ・山形自動車道「山形蔵王IC」より車で約15分 |
駐車場 Parking Lot |
あり(月岡公園駐車場・約100台・無料) |
展示内容 | 上山藩の歴史、城下町の暮らし、武具・甲冑、民俗資料、最上階展望室 |
お問い合わせ | 上山城郷土資料館 TEL: 023-673-3660 |
周辺観光 | かみのやま温泉、武家屋敷、上山市立図書館、クアオルトウォーキングコース |
山形県の城郭巡りを楽しむために
山形県の城・城跡・城址は、それぞれに特色があり、歴史的な価値と観光スポットとしての魅力を兼ね備えています。日本100名城に選ばれた山形城では、復元された大手門や広大な城郭跡を通じて東北地方最大級の城郭の規模を実感できます。また、上山城では模擬天守からの眺望と郷土資料館での歴史学習、そして温泉との組み合わせ観光が楽しめます。
城郭観光をより充実させるためのポイント:
- 季節を選ぶ:春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季それぞれの美しさがあります
- 事前学習:城の歴史や見どころを事前に調べておくと、より深く楽しめます
- 時間に余裕を:じっくりと見学し、写真撮影も楽しむには2〜3時間程度の余裕を持つことをおすすめします
- スタンプラリー:日本100名城スタンプラリーに参加すると、城巡りがより楽しくなります
- 周辺観光と組み合わせ:温泉や地域の名所と組み合わせると、より充実した旅になります
山形県の城郭は、歴史ファンだけでなく、家族連れ、写真愛好家、自然を楽しみたい方など、幅広い層に楽しんでいただける観光スポットです。ぜひ、山形県の城巡りを通じて、東北の歴史と文化、そして美しい自然を体感してください。