鹿児島県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Kagoshima – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~
鹿児島県の城について
鹿児島県は、薩摩藩の歴史と文化が色濃く残る地域として知られています。この地には、島津氏が治めた約700年にわたる歴史を物語る多くの城郭遺構が点在しており、日本の城郭史において独特の位置を占めています。
鹿児島の城の特徴は、天守閣を持たない「麓(ふもと)」と呼ばれる武家屋敷群を伴う城下町の形態にあります。これは島津氏が実戦的な防御機能と領内統治を重視した結果であり、他の地域とは異なる独自の城郭文化を形成しました。
鹿児島県の城の歴史的背景
鹿児島県内の城郭は、戦国時代から江戸時代にかけて島津氏によって整備されました。島津氏は南九州の雄として、琉球王国や朝鮮半島とも交流を持ち、独自の文化と軍事技術を発展させてきました。
明治維新においては、鹿児島出身の西郷隆盛、大久保利通らが中心的役割を果たし、日本の近代化に大きく貢献しました。そのため、鹿児島の城跡は単なる歴史的建造物ではなく、日本の転換期を象徴する重要な文化遺産となっています。
城郭と四季の楽しみ方
鹿児島県の城跡は、歴史探訪だけでなく四季折々の自然美を楽しめるスポットとしても人気があります。温暖な気候に恵まれた鹿児島では、早春には梅が、春には桜が城跡を彩り、訪れる人々に季節の移ろいを感じさせてくれます。
日本100名城と鹿児島県
財団法人日本城郭協会が選定した「日本100名城」には、鹿児島県からも選ばれています。これらの城は、歴史的価値、文化財としての重要性、保存状態、観光資源としての魅力など、多角的な評価基準に基づいて選定されており、日本の城郭文化を代表する存在として認識されています。
このページでは、鹿児島県内にある日本100名城をはじめとする主要な城・城跡・城址について、築城年、築城主、文化財指定、アクセス情報などを詳しく紹介します。歴史愛好家の方はもちろん、観光で訪れる方、お城めぐりを楽しむ方にとって有益な情報をお届けします。
鹿児島県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Kagoshima – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~
鹿児島城 / Kagoshima Jou[Kagoshima Castle]
鹿児島城は、別名「鶴丸城(つるまるじょう)」とも呼ばれ、薩摩藩77万石の居城として江戸時代を通じて島津氏の本拠地となった城です。慶長7年(1602年)に島津家18代当主・島津忠恒(後の家久)によって築城されました。
鹿児島城の特徴と歴史
鹿児島城の最大の特徴は、天守閣を持たない平山城であるという点です。これは島津氏が「武士は質素倹約を旨とすべし」という思想のもと、実用性を重視した城造りを行ったためとされています。城の背後には城山(しろやま)がそびえ、天然の要害として機能していました。
本丸には藩主の居館である「御楼門(ごろうもん)」があり、薩摩藩の政治・行政の中心として機能していました。明治10年(1877年)の西南戦争では激しい戦闘の舞台となり、多くの建造物が焼失しましたが、石垣や堀などの遺構は今も当時の面影を伝えています。
現在の鹿児島城跡
現在、城跡には鹿児島県歴史資料センター黎明館が建てられており、薩摩の歴史と文化を学ぶことができます。平成32年(2020年)には御楼門が約140年ぶりに復元され、往時の姿を取り戻しました。この復元により、鹿児島城の歴史的価値がさらに高まり、観光スポットとしても注目を集めています。
石垣には西南戦争時の銃弾の痕が今も残っており、幕末から明治維新にかけての激動の時代を物語る貴重な史跡となっています。城山の展望台からは桜島を望むことができ、鹿児島のシンボル的な景観を楽しむことができます。
観光のポイント
鹿児島城跡は鹿児島市の中心部に位置し、アクセスも良好です。周辺には照国神社、西郷隆盛銅像、維新ふるさと館などの観光スポットも点在しており、鹿児島の歴史を深く学ぶことができるエリアとなっています。
春には桜の名所としても知られ、城山公園と合わせて多くの花見客で賑わいます。歴史散策と自然鑑賞を同時に楽しめる、鹿児島を代表する観光スポットです。
築城年 Year of Built |
1602年 |
築城主 Founder |
島津忠恒 |
指定 Designation |
日本100名城(Japan’s Top 100 Castles)、鹿児島県指定史跡(Kagoshima Prefecture Historic Site) |
天守の分類・種類 Castle Tower Classification |
天守なし(No Castle Tower) |
住所 Address |
鹿児島県鹿児島市城山町 |
地図 Map |
地図(Map) |
開城時間 Opening hours |
24時間 |
入城料 Admission fee |
無料(Free) |
定休日 Holiday |
無休(Open all year round) |
アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
JR日豊本線鹿児島駅(徒歩約15分) |
駐車場 Parking Lot |
黎明館駐車場:約125台 無料(Free) |
まとめ:鹿児島県の城を訪れる魅力
鹿児島県の城・城跡・城址は、日本の歴史において重要な役割を果たした薩摩藩の足跡をたどることができる貴重な文化遺産です。島津氏が築き上げた独自の城郭文化は、天守を持たない実用的な城造りという特徴を持ち、他の地域とは一線を画しています。
歴史と文化の学びの場として
鹿児島の城跡を訪れることで、戦国時代から江戸時代、そして明治維新へと続く日本の激動の歴史を肌で感じることができます。特に西南戦争の舞台となった鹿児島城の石垣に残る銃弾痕は、教科書では学べない生きた歴史の証人として、訪れる人々に深い感動を与えています。
また、鹿児島県歴史資料センター黎明館をはじめとする関連施設では、薩摩の歴史、文化、産業について詳しく学ぶことができ、より深い理解へと導いてくれます。
四季折々の自然美を楽しむ
鹿児島の城跡は歴史探訪だけでなく、四季の自然を楽しめるスポットとしても魅力的です。温暖な気候に恵まれた鹿児島では、早春の梅、春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉と、一年を通じて美しい景観を楽しむことができます。
特に城山からの眺望は絶景で、桜島と錦江湾を一望できる景色は鹿児島ならではの雄大なパノラマです。歴史散策と自然鑑賞を同時に楽しめるのが、鹿児島の城跡の大きな魅力となっています。
アクセスの良さと観光の利便性
鹿児島城をはじめとする県内の主要な城跡は、市街地や主要な交通機関からのアクセスが良好で、観光しやすい立地にあります。周辺には西郷隆盛関連の史跡や、薩摩の歴史を学べる博物館・資料館も充実しており、効率的に鹿児島の歴史と文化を体験することができます。
また、多くの城跡が無料で開放されており、気軽に訪れることができるのも魅力の一つです。駐車場も整備されているため、車での観光も便利です。
日本100名城スタンプラリーの拠点として
鹿児島県には日本100名城に選定された城があり、城めぐりや日本100名城スタンプラリーを楽しむ方々にとって重要な訪問地となっています。歴史愛好家やお城ファンにとって、薩摩藩独自の城郭文化を体験できる貴重な機会を提供しています。
次世代へ継承すべき文化遺産
鹿児島の城跡は、単なる観光スポットではなく、日本の歴史と文化を次世代へ継承していく重要な役割を担っています。近年の御楼門の復元のように、失われた歴史的建造物を復元する取り組みも進んでおり、より多くの人々が鹿児島の歴史に触れる機会が増えています。
子どもから大人まで、幅広い世代が楽しみながら学べる鹿児島の城・城跡・城址。ぜひ実際に訪れて、薩摩の歴史と文化、そして雄大な自然の魅力を体感してください。鹿児島の城跡は、きっとあなたに忘れられない感動と発見をもたらしてくれるはずです。
関連記事:日本全国・都道府県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Japan – Japan's Top 100 Castles