兵庫県の世界遺産 一覧・まとめ / UNESCO World Heritage Sites in Hyogo ~文化遺産(負の世界遺産、文化的景観、産業遺産、近代化遺産、稼働遺産)、自然遺産、複合遺産、危機遺産~
兵庫県の世界遺産について
兵庫県には、日本が世界に誇る文化遺産「姫路城」が所在しています。姫路城は1993年(平成5年)に、奈良の法隆寺地域の仏教建造物とともに、日本で最初にユネスコ世界遺産に登録された歴史的建造物です。
兵庫県は近畿地方の西端に位置し、北は日本海、南は瀬戸内海・太平洋に面する多様な地理的特徴を持つ県です。古くから播磨国・但馬国・淡路国など複数の旧国にまたがり、各地域で独自の歴史と文化が育まれてきました。そのなかでも、播磨地方の中心地・姫路に築かれた姫路城は、日本の城郭建築の最高傑作として国内外から高い評価を受けています。
世界遺産とは
世界遺産とは、1972年のユネスコ総会で採択された世界遺産条約(正式名称:「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」)に基づいて、世界遺産リストに登録された遺跡、景観、自然などを指します。これらは人類が共有すべき「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)」を持つ、移動が不可能な不動産が対象です。
世界遺産登録の本来の目的は、自然や文化的に価値のある遺産を保護・保全し、過去から未来へと確実に伝えていくことにあります。登録されることで国際的な保護の枠組みが適用され、保全活動への国際協力や資金援助を受けやすくなるという実務的な効果もあります。
また、世界遺産への登録は国際的な知名度の向上をもたらし、観光地としてのブランド力が高まる側面もあります。実際に姫路城は、世界遺産登録後に国内外からの来城者数が大幅に増加し、兵庫県を代表する観光資源となっています。
本記事では、兵庫県に所在する世界遺産について、登録基準・歴史的背景・見どころ・アクセス情報を詳しく紹介します。
世界遺産の登録基準
世界遺産に登録されるためには、以下の10項目の登録基準のうち、少なくとも1つ以上を満たす必要があります。
- (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
- (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
- (5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
- (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
- (7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
- (8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
- (9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
- (10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。
(1)~(6)の基準を満たすものが「文化遺産」、(7)~(10)を満たすものが「自然遺産」、そして文化遺産と自然遺産の基準をそれぞれ1つ以上満たすものが「複合遺産」として分類されます。以下で紹介する世界遺産の「登録基準」の番号は、上記の基準番号に対応しています。
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姫路城 / Himeji Jou[Himeji-jo]
姫路城は、兵庫県姫路市にある日本を代表する城郭建築であり、「白鷺城(しらさぎじょう/はくろじょう)」の愛称でも広く知られています。1346年(南北朝時代)に赤松貞範が築城したのが始まりとされ、その後、羽柴秀吉(豊臣秀吉)による大改修を経て、1609年(慶長14年)に池田輝政によって現在の壮大な姿に完成しました。
姫路城が世界遺産に登録された理由は、登録基準(1)「人類の創造的才能を表現する傑作」と(4)「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式の優れた例」の2つを満たしていることにあります。大天守は外観5層・内部は地下1階地上6階の構造を持ち、白漆喰総塗籠造(しろしっくいそうぬりごめづくり)の外壁が太陽の光を受けて白く輝く姿は、日本の木造城郭建築の最高到達点といえます。
城郭全体は、大天守・3つの小天守・渡櫓(わたりやぐら)で構成される「連立式天守」の形式を持ち、螺旋状に配置された三重の堀と複雑な縄張り(城の設計)による高度な防御機能を備えています。築城から400年以上の歴史のなかで、戦災や自然災害を免れ、江戸時代初期の姿をほぼ完全な形で今に伝える極めて貴重な存在です。
春には約1,000本の桜が城郭を彩り、「日本さくら名所100選」にも選ばれています。西の丸庭園から望む桜越しの大天守や、夜間のライトアップと桜の競演は、姫路城ならではの絶景です。また、秋の紅葉、冬の雪景色など、四季折々の表情を楽しめることも魅力のひとつです。
2009年から2015年にかけて行われた「平成の大修理」では、大天守の瓦の葺き替えと白漆喰の塗り直しが実施され、築城当時の白く美しい姿が蘇りました。現在は国宝に指定されている大天守をはじめ、多くの重要文化財を間近に見学することができます。
| 登録区分 Type |
文化遺産 |
| 登録年 Designated |
1993年 |
| 登録基準 Criteria |
(1)、(4) |
| 住所 Address |
兵庫県姫路市本町68 |
| 地図 Map |
地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
JR姫路駅・山陽姫路駅(徒歩約25分)、JR姫路駅・山陽姫路駅よりバス(約5分)「姫路城大手門前」下車(徒歩約10分)、JR姫路駅・山陽姫路駅よりバス(約5分)「姫山公園南」下車(徒歩約5分) |
| URL URL |
https://www.city.himeji.lg.jp/guide/castle/ |

