大阪府の世界遺産 一覧・まとめ / UNESCO World Heritage Sites in Osaka ~文化遺産(負の世界遺産、文化的景観、産業遺産、近代化遺産、稼働遺産)、自然遺産、複合遺産、危機遺産~

7月 7, 2019Japan,Osaka,Travel,UNESCO World Heritage Sites

親記事:日本全国・都道府県の世界遺産 一覧・まとめ / UNESCO World Heritage Sites in Japan ~文化遺産(負の世界遺産、文化的景観、産業遺産、近代化遺産、稼働遺産)、自然遺産、複合遺産、危機遺産~

大阪府には、2019年にユネスコ世界文化遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」があります。古代日本の古墳時代(3世紀後半~6世紀後半)を代表するこの遺産群は、堺市・羽曳野市・藤井寺市にまたがる49基の古墳で構成されており、当時の社会構造や政治的権力、卓越した墳墓築造技術を今に伝えています。

世界遺産(World Heritage Site)とは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)総会で1972年に採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づき、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value / OUV)」を有すると認められた不動産を指します。2024年時点で世界遺産条約の締約国は195か国にのぼり、世界遺産リストに登録された物件は1,200件を超えています。

世界遺産登録の本来の目的は、自然災害や開発、紛争などの脅威から文化的・自然的に価値のある遺産を保護・保全し、次世代へと確実に継承していくことにあります。一方で、世界遺産に登録されることで国際的な知名度が向上し、観光地としてのブランド力が高まる効果も広く認識されています。大阪府の百舌鳥・古市古墳群もまた、登録を契機に国内外から多くの訪問者を集めるようになりました。

本記事では、大阪府に所在する世界遺産について、登録基準・歴史的背景・見どころ・アクセス情報を詳しく紹介します。

世界遺産の登録基準

ユネスコの世界遺産委員会は、以下の10項目の登録基準(クライテリア)のうち1つ以上を満たす物件を世界遺産として登録しています。(1)~(6)は文化遺産、(7)~(10)は自然遺産の基準であり、双方の基準をそれぞれ1つ以上満たすものは複合遺産に分類されます。

  • (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
  • (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  • (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
  • (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
  • (5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
  • (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
  • (7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
  • (8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
  • (9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
  • (10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。

以下で紹介する世界遺産の「登録基準」欄に記載されている番号は、上記の基準番号に対応しています。百舌鳥・古市古墳群は基準(3)と(4)に該当し、古墳時代の墳墓築造における建築技術の卓越性と、古代日本の社会的・政治的構造を証明する点が評価されました。

大阪府の世界遺産 一覧・まとめ / UNESCO World Heritage Sites in Osaka ~文化遺産(負の世界遺産、文化的景観、産業遺産、近代化遺産、稼働遺産)、自然遺産、複合遺産、危機遺産~


観光に便利な宿泊施設:大阪府のホテル一覧

百舌鳥・古市古墳群 / Mozu Furuichi Kofun Gun[Mozu-Furuichi Kofun Group: Mounded Tombs of Ancient Japan]

百舌鳥・古市古墳群は、大阪府の堺市、羽曳野市、藤井寺市に広がる古墳時代(4世紀後半~5世紀後半)の大規模な古墳群です。2019年7月、アゼルバイジャンのバクーで開催された第43回世界遺産委員会において、日本で23番目のユネスコ世界文化遺産に登録されました。構成資産は百舌鳥エリア(堺市)の23基と古市エリア(羽曳野市・藤井寺市)の26基、合計49基の古墳からなります。

世界最大級の墳墓 ― 仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳)

百舌鳥エリアの中核をなすのが、仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳 / 大山古墳)です。墳丘長約486メートル、周囲の濠を含めた総面積は約46万平方メートルに達し、エジプトのクフ王ピラミッド、中国の秦の始皇帝陵と並んで「世界三大墳墓」の一つに数えられています。上空から見ると美しい前方後円形(鍵穴形)を呈しており、5世紀中頃に約20年以上の歳月をかけて築造されたと推定されています。

古市エリアの主要古墳

古市古墳群には、墳丘長425メートルで日本第2位の規模を誇る応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳)をはじめ、仲哀天皇陵古墳(岡ミサンザイ古墳)、允恭天皇陵古墳(市ノ山古墳)など、天皇陵に治定されている大型前方後円墳が集中しています。これらの古墳群は、古代日本における中央政権の勢力と、高度に発達した土木技術を物語る遺産です。

登録基準と評価のポイント

百舌鳥・古市古墳群は、世界遺産登録基準の(3)「現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の証拠」と(4)「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式や技術の集積の優れた例」を満たすと評価されました。前方後円墳に代表される独特の墳墓形態は日本固有の文化的伝統であり、その規模・設計・築造技術は世界的に類を見ないものです。

見どころと観光のポイント

古墳群の壮大なスケールを体感するには、堺市役所21階展望ロビー(無料)からの俯瞰がおすすめです。仁徳天皇陵古墳の全景を一望でき、前方後円墳の鍵穴形を実感できます。また、百舌鳥古墳群ビジターセンター(堺市百舌鳥夕雲町)では、古墳の歴史や出土品に関する展示を見学でき、VR映像で古墳時代の様子を体験することも可能です。古市エリアでは、藤井寺市の古室山古墳や仲哀天皇陵古墳周辺が緑豊かな散策コースとして整備されています。

登録区分
Type
文化遺産
登録年
Designated
2019年
登録基準
Criteria
(3)、(4)
住所
Address
大阪府堺市・羽曳野市・藤井寺市
地図
Map
地図(Map)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
大仙陵古墳(大山古墳):JR三国ヶ丘駅(徒歩約10分)、JR百舌鳥駅(徒歩約10分)
URL
URL
https://www.mozu-furuichi.jp/