アメリカ・ペンシルベニア州の世界遺産 一覧・まとめ / UNESCO World Heritage Sites in Pennsylvania USA ~文化遺産(負の世界遺産、文化的景観、産業遺産、近代化遺産、稼働遺産)、自然遺産、複合遺産、危機遺産~

3月 31, 2026Pennsylvania,Travel,UNESCO World Heritage Sites,United States of America,World

親記事:世界各国の世界遺産 一覧・まとめ / UNESCO World Heritage Sites in the World ~文化遺産(負の世界遺産、文化的景観、産業遺産、近代化遺産、稼働遺産)、自然遺産、複合遺産、危機遺産~

ペンシルベニア州と世界遺産について

アメリカ合衆国ペンシルベニア州(Commonwealth of Pennsylvania)は、アメリカ建国の歴史において最も重要な役割を果たした州のひとつです。州都はハリスバーグですが、最大の都市フィラデルフィアは1790年から1800年までアメリカ合衆国の首都として機能し、独立宣言やアメリカ合衆国憲法が起草・署名された場所として世界的に知られています。

ペンシルベニア州には、ユネスコ(UNESCO:国際連合教育科学文化機関)の世界遺産リストに登録された物件が1件あります。それが、アメリカの民主主義と自由の象徴である「独立記念館(Independence Hall)」です。

世界遺産とは

世界遺産とは、1972年のユネスコ総会で採択された世界遺産条約(正式名称:「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」)に基づいて、世界遺産リストに登録された遺跡、景観、自然などの不動産を指します。人類が共有すべき「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)」を持つものとして認められたこれらの物件は、国際的な協力のもとで保護・保全が図られています。

世界遺産登録の本来の目的は、自然災害や紛争、開発などの脅威から価値ある遺産を守り、過去から現在、そして未来へと確実に継承していくことにあります。同時に、世界遺産への登録は国際的な知名度の向上や観光資源としてのブランド力強化にもつながるため、各国が積極的に登録を推進している側面もあります。

以下に、世界遺産が登録される際に適用される10項目の登録基準を記載します。

世界遺産登録基準(10項目)の詳細は、出典のWikipedia「世界遺産」をご参照ください。

上記の登録基準のうち、(1)~(6)を満たすものが「文化遺産」、(7)~(10)を満たすものが「自然遺産」、そして文化遺産と自然遺産の両方の条件をそれぞれ1つ以上満たすものが「複合遺産」として分類されます。

以下で紹介するペンシルベニア州の世界遺産の「登録基準」欄に記載されている番号は、上記の世界遺産登録基準の番号に対応しています。

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独立記念館 / Independence Hall

独立記念館の概要と歴史的意義

独立記念館(Independence Hall)は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィアのチェスナット通りに位置する、赤煉瓦造りのジョージアン様式の歴史的建造物です。1732年から1753年にかけて建設され、当初はペンシルベニア植民地議会の議事堂(Pennsylvania State House)として使用されていました。

この建物が世界史において特筆すべき場所である理由は、18世紀後半にここで2つの極めて重要な文書が誕生したことにあります。1776年7月4日、トマス・ジェファーソンが起草した「アメリカ独立宣言(United States Declaration of Independence)」がこの建物内の議場で採択されました。さらに1787年には、ジョージ・ワシントンを議長とする憲法制定会議(Constitutional Convention)が約4か月にわたって開催され、現在も施行されている「アメリカ合衆国憲法(United States Constitution)」が起草・署名されました。

世界遺産としての価値

独立記念館は1979年にユネスコ世界遺産リストに登録されました。登録基準は(6)で、これは「顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの」に該当します。

独立宣言に掲げられた「すべての人間は平等に造られている(All men are created equal)」という理念と、合衆国憲法に体現された三権分立や連邦主義の原則は、その後のフランス革命をはじめとする世界各国の民主主義運動に多大な影響を与えました。独立記念館は、こうした人類の自由と民主主義の歴史を象徴する場所として、世界遺産にふさわしい「顕著な普遍的価値」を有しています。

独立記念館の見どころ

独立記念館の内部には、独立宣言が採択された「議場(Assembly Room)」が当時の姿に復元されています。ジョージ・ワシントンが座った議長席や、署名に使用されたインクスタンドなど、歴史的な調度品を間近に見ることができます。議長席の背もたれには太陽の彫刻が施されており、ベンジャミン・フランクリンが「あれは昇る太陽だ」と述べたという逸話でも知られています。

独立記念館の北側には「リバティ・ベル・センター(Liberty Bell Center)」があり、アメリカの自由の象徴として有名な「自由の鐘(Liberty Bell)」が展示されています。鐘に刻まれた聖書の一節「全地のすべての住民に自由を宣言せよ」という銘文と、その特徴的なひび割れは、アメリカ独立の精神を体現するものとして世界中の人々に親しまれています。

また、独立記念館を含む「独立国立歴史公園(Independence National Historical Park)」の敷地内には、初代大統領ジョージ・ワシントンと第2代大統領ジョン・アダムズが執務した「大統領官邸跡(President's House)」、第1回・第2回大陸会議が開催された「カーペンターズ・ホール(Carpenters' Hall)」、アメリカ初の銀行建築である「第一合衆国銀行(First Bank of the United States)」など、建国期の重要な史跡が数多く点在しています。

訪問時の実用情報

独立記念館の見学は無料ですが、3月から12月の期間は入場に時間指定のチケットが必要です。チケットは独立ビジターセンター(Independence Visitor Center)で当日配布されるほか、事前にオンラインで予約することも可能です(予約手数料が別途発生します)。1月と2月は予約不要で自由に見学できます。

フィラデルフィアの中心部に位置するため、公共交通機関でのアクセスも便利です。SEPTAの地下鉄ブルーライン「5th Street Independence Hall駅」が最寄り駅で、駅から徒歩約2分です。フィラデルフィア国際空港からはSEPTAの空港線(Airport Line)でCenter City各駅まで約25分で到着できます。

基本情報

登録区分
Type
文化遺産
登録年
Designated
1979年
登録基準
Criteria
(6)
住所
Address
520 Chestnut St, Philadelphia, Pennsylvania 19106 USA
地図
Map
地図(Map)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
フィラデルフィア国際空港よりSEPTA空港線で約25分、Center City各駅下車。5th Street Independence Hall駅より徒歩約2分。
ワシントン・ダレス国際空港よりアメリカ国内線(約1時間)「フィラデルフィア国際空港」到着後、フィラデルフィア国際空港より自動車(約20分)
オヘア国際空港よりアメリカ国内線(約2時間)「フィラデルフィア国際空港」到着後、フィラデルフィア国際空港より自動車(約20分)
URL
URL
https://www.nps.gov/inde/index.htm

ペンシルベニア州周辺の世界遺産へのアクセス

ペンシルベニア州に登録されている世界遺産は独立記念館の1件ですが、近隣の州にも世界遺産が点在しています。ニューヨーク州の「自由の女神像(Statue of Liberty)」まではフィラデルフィアから車で約2時間、バージニア州の「モンティチェロとバージニア大学(Monticello and the University of Virginia in Charlottesville)」までは約4時間半でアクセスできます。ペンシルベニア州を拠点にアメリカ東海岸の世界遺産巡りを計画するのもおすすめです。