山梨県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Yamanashi – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

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親記事:日本全国・都道府県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Japan – Japan's Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

山梨県の城の魅力と歴史的価値

山梨県は、戦国時代の名将・武田信玄ゆかりの地として知られ、武田氏館(躑躅ヶ崎館)や甲府城など、日本の歴史を語る上で欠かせない重要な城郭が現存しています。富士山を望む甲府盆地に築かれたこれらの城は、戦国時代の戦略拠点として、また江戸時代の重要な政治拠点として機能してきました。

日本には47都道府県それぞれに特色ある城・城跡・城址が残されており、中でも山梨県の城郭は、武田氏という戦国時代を代表する大名家の歴史を色濃く残す点で特に注目に値します。石垣や堀、曲輪などの遺構から、当時の築城技術や防御思想を学ぶことができ、歴史愛好家や城郭ファンにとって貴重な学びの場となっています。

近年、日本城郭協会が選定した「日本100名城」の発表や、大河ドラマでの武田信玄や徳川家康の描写、さらには観光キャンペーンやCMの影響もあり、城巡りを趣味とする人々が増加しています。特に武田氏館と甲府城は、いずれも日本100名城に選定されており、全国から多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。

また、山梨県の城址は単なる歴史建造物としてだけでなく、四季折々の自然美を楽しめる観光スポットとしても魅力的です。春には桜が咲き誇り、新緑の季節には鮮やかな緑に包まれ、秋には紅葉が城郭を彩ります。歴史散策と自然鑑賞を同時に楽しめる点が、幅広い年齢層に支持される理由の一つです。

本記事では、山梨県を代表する城・城跡・城址を、日本100名城の選定状況、天守の分類・種類(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、国や県の指定文化財といった観点から詳しくご紹介します。家族連れでの歴史学習、城郭愛好家の探訪、写真撮影スポットとしての利用など、様々な目的で訪れる価値のある山梨県の名城をぜひご覧ください。

山梨県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Yamanashi – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

武田氏館(躑躅ヶ崎館) / Takeda Shi Yakata(Tsutsujigasaki Yakata)[Takeda Family Mansion(Tsutsujigasaki Mansion)]

歴史と特徴

武田氏館(躑躅ヶ崎館)は、戦国時代の名将として名高い武田信玄とその父・武田信虎、祖父・武田信縄の三代にわたる武田氏の本拠地として知られる館跡です。1519年(永正16年)に武田信虎によって築かれ、以後約60年間にわたり甲斐国統治の中心として機能しました。

現在の武田神社境内一帯に広がるこの館跡は、典型的な戦国大名の居館形式を残しており、東西約200メートル、南北約190メートルの規模を誇ります。周囲を土塁と空堀で囲んだ防御施設を備え、当時の築城技術を今に伝える貴重な遺構となっています。

武田信玄はこの館を拠点に、信濃・駿河・遠江などへの版図拡大を進め、「風林火山」の旗印のもと、戦国時代最強と謳われた武田騎馬軍団を率いました。館内には政庁や住居、武器庫などが配置され、家臣団の屋敷も周辺に立ち並んでいたとされています。

1919年(大正8年)に武田信玄を祭神とする武田神社が創建され、現在も多くの参拝客や観光客で賑わっています。宝物殿では武田家ゆかりの品々や資料が展示され、武田氏の歴史を深く学ぶことができます。春には桜、秋には紅葉が美しく、四季折々の風景を楽しめる名所としても人気です。

日本100名城(第24番)および国の史跡に指定されており、日本の城郭史において極めて重要な位置を占める歴史遺産です。

施設情報

築城年
Year of Built
1519年(永正16年)
築城主
Founder
武田信虎
指定
Designation
日本100名城(第24番)(Japan’s Top 100 Castles)、国の史跡(National Historic Site)
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
天守なし(館形式の城郭)
住所
Address
〒400-0014 山梨県甲府市古府中町2611 武田神社
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
境内自由(24時間)
宝物殿:9:30〜16:00(水曜日休館)
入城料
Admission fee
境内:無料(Free)
宝物殿:大人300円、小中高生150円
定休日
Holiday
境内:無休(Open all year round)
宝物殿:水曜日(祝日の場合は翌日)、12月26日〜1月1日
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR中央本線「甲府駅」北口より山梨交通バス「武田神社」行きで約8分、終点下車すぐ
JR「甲府駅」より徒歩約30分(約2.5km)
駐車場
Parking Lot
第一駐車場:約154台、第二駐車場:約51台 いずれも無料(Free)

訪問のポイント

  • 見どころ:大手門跡、土塁、空堀、武田神社宝物殿、武田水琴窟、三葉の松など
  • 所要時間:境内散策のみで約30分〜1時間、宝物殿見学含めて約1時間半
  • おすすめシーズン:桜の季節(4月上旬)、新緑(5月)、紅葉(11月中旬〜下旬)
  • 100名城スタンプ:武田神社社務所にて押印可能(9:00〜16:30)
  • 周辺施設:山梨県立博物館、信玄堤、甲斐善光寺など武田氏ゆかりの史跡が多数

甲府城 / Koufu Jou[Koufu Castle]

歴史と特徴

甲府城は、1583年(天正11年)に豊臣秀吉の命により、徳川家康と羽柴秀勝(豊臣秀吉の甥)によって築城された平山城です。甲府盆地の中心部、一条小山と呼ばれる丘陵地に築かれ、武田氏滅亡後の甲斐国統治の拠点として重要な役割を果たしました。

甲府城の最大の特徴は、その壮大な石垣です。高さ10メートルを超える切り込みはぎの石垣は、近世城郭の技術の粋を集めたもので、徳川家の築城技術の高さを物語っています。本丸、二の丸、三の丸の三重の縄張りを持ち、往時は20棟以上の櫓と4つの門を備えた堅固な城郭でした。

天守については諸説ありますが、天守台は現存しており、実際に天守が建てられていたかどうかは定かではありません。しかし、天守台からの眺望は素晴らしく、甲府盆地や富士山を一望できる絶好のビュースポットとなっています。

江戸時代には、甲府勤番や柳沢家などが城主を務め、甲斐国25万石の政治・経済の中心として栄えました。明治維新後は廃城となり、多くの建造物が取り壊されましたが、近年、稲荷櫓、鉄門(くろがねもん)、内松陰門などが復元され、往時の姿を取り戻しつつあります。

現在は甲府城跡(舞鶴城公園)として整備され、市民の憩いの場となっています。春には約160本の桜が咲き誇り、山梨県を代表する桜の名所としても知られています。日本100名城(第25番)および山梨県指定史跡に選定されています。

施設情報

築城年
Year of Built
1583年(天正11年)
築城主
Founder
徳川家康、羽柴秀勝
指定
Designation
日本100名城(第25番)(Japan’s Top 100 Castles)、山梨県指定史跡(Yamanashi Prefecture Historic Site)
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
天守なし(天守台のみ現存、天守の存在については諸説あり)
住所
Address
〒400-0031 山梨県甲府市丸の内1丁目5-4(舞鶴城公園管理事務所)
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
公園:常時開放
稲荷櫓・管理事務所:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
入城料
Admission fee
無料(Free)
定休日
Holiday
公園:無休
稲荷櫓:月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日(土日の場合は開館)、12月29日〜1月3日
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR中央本線「甲府駅」南口より徒歩約5分
JR身延線「金手駅」より徒歩約7分
駐車場
Parking Lot
甲府市歴史公園駐車場(甲府市丸の内1-16-20):128台(最初の1時間無料、以降30分毎100円)
周辺に有料駐車場多数あり

訪問のポイント

  • 見どころ:本丸天守台、稲荷櫓(復元)、鉄門(復元)、内松陰門(復元)、石垣、堀
  • 所要時間:城内散策で約1時間〜1時間半、じっくり見学する場合は2時間
  • おすすめシーズン:桜の季節(3月下旬〜4月上旬)、新緑(5月)、紅葉(11月)
  • 100名城スタンプ:舞鶴城公園管理事務所(稲荷櫓内)にて押印可能(9:00〜17:00、月曜休館)
  • ライトアップ:日没後、稲荷櫓と石垣がライトアップされ、幻想的な雰囲気を楽しめます
  • 眺望スポット:天守台からは甲府盆地、富士山、南アルプスなどの絶景を望めます
  • 周辺施設:山梨県庁別館(展望ロビーから甲府城全体を俯瞰可能)、甲府市歴史公園、武田氏館まで車で約10分

山梨県の城巡りを楽しむために

山梨県の二大名城、武田氏館と甲府城は、それぞれ異なる時代と性格を持つ城郭であり、両方を訪れることで日本の城郭史の流れをより深く理解することができます。武田氏館は戦国大名の居館形式を残す貴重な遺構であり、甲府城は近世城郭の石垣技術の粋を見ることができます。

両城は車で約10分、徒歩でも約30分の距離にあるため、1日で両方を巡ることが可能です。甲府駅を起点にして、午前中に甲府城、午後に武田氏館を訪れるコースがおすすめです。時間に余裕があれば、武田信玄ゆかりの寺院や信玄堤なども合わせて訪問すると、より充実した歴史探訪となるでしょう。

また、両城とも日本100名城に選定されているため、100名城スタンプラリーを楽しむ方にとっても必訪のスポットです。スタンプ帳を持参し、各所でスタンプを集めながら、日本全国の名城を巡る旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

山梨県の城は、歴史的価値だけでなく、四季折々の自然美や地域の食文化、温泉などと組み合わせて楽しむことができる総合的な観光資源です。ぜひ、家族や友人と一緒に山梨県の名城を訪れ、日本の歴史と文化の深さを体感してください。