山口県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Yamaguchi – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~
山口県の城が語る歴史と魅力
山口県は、毛利氏をはじめとする戦国大名や江戸時代の長州藩の歴史を色濃く残す地域として知られています。この地に点在する城・城跡・城址は、単なる歴史的建造物ではなく、明治維新の立役者たちが育った土地の記憶を今に伝える貴重な文化遺産です。
本州最西端に位置する山口県には、日本100名城に選定された萩城をはじめ、錦帯橋とともに美しい景観を形成する岩国城など、それぞれに個性的な魅力を持つ城郭が残されています。これらの城は、瀬戸内海や日本海に面した地理的特性を活かした築城技術や、防衛拠点としての工夫が随所に見られ、歴史好きや城郭ファンにとって見逃せないスポットとなっています。
城巡りの魅力:四季折々の楽しみ方
山口県の城は、歴史探訪だけでなく、四季折々の自然美を楽しめる観光スポットとしても注目されています。特に春には梅や桜が城郭を彩り、秋には紅葉が石垣や堀を美しく演出します。歴史と自然が調和した風景は、写真撮影スポットとしても人気を集めています。
城郭の分類と文化財指定について
日本の城は、天守の種類によって「現存天守」「復元天守」「復興天守」「模擬天守」の4つに分類されます。現存天守は江戸時代以前から残る貴重な建造物、復元天守は史料に基づいて忠実に再建されたもの、復興天守は外観を再現したもの、模擬天守は推定や想像で建てられたものを指します。
また、「日本100名城」は公益財団法人日本城郭協会が2006年に選定した、歴史的・文化的価値の高い城郭のリストです。この選定により、城巡りブームが加速し、多くの観光客が全国の名城を訪れるようになりました。さらに、国の史跡や重要文化財に指定されている城は、学術的にも極めて重要な文化遺産として保護されています。
このページでは、山口県に残る代表的な城を、日本100名城の選定状況、天守の分類、文化財指定などの情報とともに詳しく紹介します。子どもからお年寄りまで、すべての世代が歴史の深さと四季の美しさを体験できる山口県の城巡りをぜひお楽しみください。
山口県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Yamaguchi – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~
岩国城 / Iwakuni Jou[Iwakuni Castle]
城の概要と歴史
岩国城は、1601年(慶長6年)に毛利氏の一族である吉川広家によって築城された山城です。標高約200メートルの横山山頂に位置し、眼下には錦川と日本三名橋の一つに数えられる錦帯橋を望む絶景が広がります。
築城からわずか7年後の1608年、一国一城令により廃城となった悲運の城ですが、1962年(昭和37年)に鉄筋コンクリート造の復興天守が再建されました。現在の天守は史実とは異なる位置に建てられていますが、そのユニークな南蛮造りの外観は岩国のシンボルとして親しまれています。
見どころ
城へはロープウェイでアクセスでき、山頂からは瀬戸内海や岩国市街を一望できます。春には約800本の桜が咲き誇り、「日本さくら名所100選」にも選ばれた錦帯橋周辺とあわせて、絶好の花見スポットとなります。天守内部は資料館として、刀剣や甲冑などの武具、古文書などが展示されており、吉川氏の歴史を学ぶことができます。
また、城下には武家屋敷が残る「吉香公園」や、岩国藩の歴史を伝える「岩国徴古館」など、あわせて訪れたいスポットが点在しています。
| 築城年 Year of Built |
1601年(慶長6年) |
| 築城主 Founder |
吉川広家(きっかわひろいえ) |
| 指定 Designation |
山口県指定文化財(旧天守台石垣) |
| 天守の分類・種類 Castle Tower Classification |
復興天守(1962年再建、鉄筋コンクリート造4層6階) |
| 住所 Address |
〒741-0081 山口県岩国市横山3丁目 |
| 地図 Map |
地図(Map) |
| 開城時間 Opening hours |
9:00~16:45(入館は16:30まで) |
| 入城料 Admission fee |
大人260円、小学生120円 ※錦帯橋とのセット券あり(大人960円、小学生440円) |
| 定休日 Holiday |
月末日、冬季にロープウエイ点検に伴う休業有り |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
JR岩徳線川西駅から徒歩約20分、錦帯橋からロープウェー約3分+徒歩約10分 JR山陽本線岩国駅からバス約20分「錦帯橋」下車 |
| 駐車場 Parking Lot |
下河原駐車場:約300台 300円 上河原駐車場:約130台 300円 |
萩城 / Hagi Jou[Hagi Castle]
城の概要と歴史
萩城は、1604年(慶長9年)に関ヶ原の戦いで敗れた毛利輝元が、広島城から移って築いた長州藩36万石の居城です。指月山とその麓に築かれたことから「指月城」とも呼ばれ、日本海に面した天然の要害として約260年間にわたり毛利氏の本拠地となりました。
1874年(明治7年)の廃城令により建造物は解体されましたが、現在も石垣や堀、土塁などが良好な状態で残され、往時の威容をしのばせています。2015年には「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界遺産に登録され、幕末から明治維新にかけての歴史的重要性が国際的にも認められました。
見どころ
城跡は「指月公園」として整備され、日本100名城に選定されています。約600本のソメイヨシノが植えられた桜の名所としても知られ、春には多くの花見客で賑わいます。また、園内には天然記念物に指定された「指月山のミドリヨシノ」があり、珍しい緑色の桜を見ることができます。
城内には毛利家の歴史を伝える「旧厚狭毛利家萩屋敷長屋」(重要文化財)が現存し、当時の武家屋敷の様子を知ることができます。また、詰丸跡がある指月山山頂(標高143m)へは登山道が整備されており、約20分で登頂可能です。山頂からは萩市街と日本海の絶景を楽しめます。
城跡周辺には、高杉晋作や木戸孝允など明治維新の志士たちが学んだ「萩城下町」が広がり、江戸時代の町並みが保存されています。城巡りとあわせて、歴史散策を楽しむことができる貴重なエリアです。
| 築城年 Year of Built |
1604年(慶長9年) |
| 築城主 Founder |
毛利輝元(もうりてるもと) |
| 指定 Designation |
日本100名城(Japan’s Top 100 Castles・第75番) 国の史跡(National Historic Site) 重要文化財(Important Cultural Property・旧厚狭毛利家萩屋敷長屋) 世界遺産「明治日本の産業革命遺産」構成資産 |
| 天守の分類・種類 Castle Tower Classification |
天守は現存せず(1874年解体) 五層の望楼型天守が存在したとされる |
| 住所 Address |
〒758-0057 山口県萩市堀内字旧城1-1 |
| 地図 Map |
地図(Map) |
| 開城時間 Opening hours |
4月~10月:8:00~18:30 11月~2月:8:30~16:30 3月:8:30~18:00 |
| 入城料 Admission fee |
大人220円、中学生以下100円 ※旧厚狭毛利家萩屋敷長屋との共通券:大人310円、中学生以下150円 |
| 定休日 Holiday |
無休(Open all year round) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
JR山陰本線東萩駅から徒歩約30分 JR山陰本線玉江駅から徒歩約20分 萩循環まぁーるバス「萩城跡・指月公園入口」下車すぐ |
| 駐車場 Parking Lot |
萩市指月第一駐車場:51台 310円/日 萩城跡指月第二駐車場:29台 無料 |
山口県の城巡りを楽しむために
山口県の城は、それぞれが異なる歴史的背景と特色を持ち、訪れる人々に多様な魅力を提供しています。世界遺産に登録された萩城をはじめ、錦帯橋とともに美しい景観を形成する岩国城など、見応えのある城郭が点在しています。
城巡りの際は、四季折々の自然とともに楽しむことをおすすめします。春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、季節ごとに異なる表情を見せる城郭は、何度訪れても新しい発見があります。また、城だけでなく、周辺の城下町や武家屋敷、資料館なども併せて巡ることで、より深く歴史を理解することができるでしょう。
山口県を訪れる際は、ぜひ時間をかけて城巡りを楽しみ、この地に刻まれた歴史の足跡を辿ってみてください。

