静岡県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Shizuoka – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

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親記事:日本全国・都道府県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Japan – Japan's Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

静岡県の城の魅力と歴史的価値

静岡県は東海道の要衝として、戦国時代から江戸時代にかけて重要な役割を果たしてきた地域です。特に徳川家康ゆかりの城が多く、日本の歴史を語る上で欠かせない史跡が数多く残されています。

県内には日本100名城に選定された山中城、駿府城、掛川城をはじめ、徳川家康が天下取りの基盤を築いた浜松城など、歴史的価値の高い城郭が点在しています。これらの城は、当時の築城技術や建築様式を今に伝える貴重な文化遺産であり、訪れる人々に戦国時代から江戸時代にかけての歴史ロマンを感じさせてくれます。

また、静岡県の城は単なる歴史的建造物としてだけでなく、四季折々の自然美を楽しめる観光スポットとしても人気を集めています。春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が城郭を彩るなど、日本の伝統的な美意識を体感できる場所として、国内外から多くの観光客が訪れています。

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このページでは、静岡県内の主要な城について、日本100名城としての評価、天守の分類(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、指定文化財の状況などの詳細情報とともに、アクセス方法や観光情報を網羅的にご紹介します。歴史愛好家から家族連れまで、幅広い層の方々に役立つ情報をまとめていますので、静岡県の城めぐりの際にぜひご活用ください。

静岡県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Shizuoka – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

山中城 / Yamanaka Jou[Yamanaka Castle]

山中城の歴史と特徴:

山中城は、北条氏康によって1558年から1570年にかけて築城された戦国時代の山城です。箱根峠の東側に位置し、小田原城の西の防衛拠点として重要な役割を果たしました。日本100名城に選定され、国の史跡にも指定されている貴重な文化財です。

この城の最大の特徴は、「障子堀」と呼ばれる独特の堀の構造です。堀の底が格子状に仕切られており、敵の侵入を妨げる工夫が施されています。この障子堀は北条氏特有の築城技術として知られ、山中城では特に美しく保存されています。

1590年の豊臣秀吉による小田原征伐では、豊臣方の大軍に攻められわずか半日で落城しました。この戦いで城は廃城となりましたが、現在は往時の遺構が良好に保存され、堀や土塁の配置から戦国時代の築城技術を学ぶことができる貴重な史跡となっています。

城址一帯は公園として整備され、無料で見学できます。天気の良い日には富士山の眺望も楽しめ、春にはツツジが美しく咲き誇る人気のスポットです。

築城年
Year of Built
1558年~1570年
築城主
Founder
北条氏康
指定
Designation
日本100名城(Japan’s Top 100 Castles)、国の史跡(National Historic Site)
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
天守なし(山城)
住所
Address
静岡県三島市山中新田410−4
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
24時間
入城料
Admission fee
無料(Free)
定休日
Holiday
無休(Open all year round)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR三島駅より沼津登山東海バス元箱根港行き(約30分)「山中城跡」下車(徒歩1分)
駐車場
Parking Lot
有り 無料(Free)

駿府城 / Sunpu Jou[Sunpu Castle]

駿府城の歴史と特徴:

駿府城は、徳川家康が1585年に築城した平城で、日本100名城に選定されています。家康は天下統一後、将軍職を息子の秀忠に譲った後、1607年から再びこの城で大御所として政治を執り、実質的に江戸幕府の政治の中心地となりました。

築城当時は、天守閣や多くの櫓を備えた壮大な城郭でしたが、1635年の火災で天守が焼失し、その後再建されることはありませんでした。明治時代には城郭の大部分が取り壊され、現在は堀と石垣の一部が残されています。

現在、城跡は駿府城公園として整備され、市民の憩いの場となっています。2016年には「駿府城跡天守台発掘調査」が開始され、豊臣時代と徳川時代の二つの天守台が重なって存在することが確認されました。この発掘調査は見学可能で、歴史的発見の現場を間近で見ることができる貴重な機会となっています。

公園内には東御門と巽櫓が復元されており、内部は資料館として公開されています。桜の名所としても知られ、春には多くの花見客で賑わいます。

築城年
Year of Built
1585年
築城主
Founder
徳川家康
指定
Designation
日本100名城(Japan’s Top 100 Castles)
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
天守なし(焼失後未再建)
住所
Address
静岡県静岡市葵区追手町9-6
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
公園:24時間、東御門・巽櫓:9:00~16:30
入城料
Admission fee
公園:無料(Free)、東御門・巽櫓:大人200円、小中学生50円
定休日
Holiday
公園:無休(Open all year round)、東御門・巽櫓:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR静岡駅(徒歩約15分)、静鉄新静岡駅(徒歩約15分)
駐車場
Parking Lot
周辺に有り

掛川城 / Kakegawa Jou[Kakegawa Castle]

掛川城の歴史と特徴:

掛川城は、1469年から1487年の間に朝比奈泰煕によって築城された平山城です。日本100名城に選定され、城内には国の重要文化財に指定されている二の丸御殿が現存しています。

戦国時代には今川氏の重要拠点として機能し、その後は徳川家康の家臣である山内一豊が城主となりました。山内一豊は城の大規模な改修を行い、近世城郭としての体裁を整えました。一豊の妻(千代)が夫のために名馬を購入したという「内助の功」の逸話でも知られています。

天守は1854年の安政の大地震で倒壊しましたが、1994年に「東海の名城」と謳われた美しい姿が木造で復元されました。この天守は日本初の本格的木造復元天守として歴史的価値が高く、伝統的な工法で建てられています。

二の丸御殿は江戸時代後期の建築で、現存する城郭御殿としては全国でも数少ない貴重な建造物です。内部には書院造の部屋が並び、当時の大名の生活空間を見学することができます。桜の名所としても知られ、天守と桜のコラボレーションは絶景です。

築城年
Year of Built
1469年〜1487年
築城主
Founder
朝比奈泰煕
指定
Designation
日本100名城(Japan’s Top 100 Castles)、重要文化財(Important Cultural Property:二の丸御殿)
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
木造復元天守(1994年再建)
住所
Address
静岡県掛川市掛川1138−24
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
9:00~17:00(最終入館16:30)
入城料
Admission fee
天守閣・御殿:大人(高校生以上)410円、小中学生150円
掛川城・二の丸美術館セット券:大人(高校生以上)510円
掛川城・ステンドグラス美術館セット券:大人のみ(高校生以上)810円
掛川城・二の丸美術館・ステンドグラス美術館3館セット:大人(高校生以上)910円
障がい者手帳・療育手帳所持者および介護者1名無料(Free)
定休日
Holiday
無休(Open all year round)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR掛川駅(徒歩約10分)
駐車場
Parking Lot
大手門駐車場:約200台 5時間まで100円/30分、5時間~24時間1000円

浜松城 / Hamamatsu Jou[Hamamatsu Castle]

浜松城の歴史と特徴:

浜松城は、1504年から1520年の間に今川貞相によって築かれたとされる平山城です。「出世城」として知られ、徳川家康が29歳から45歳までの17年間を過ごし、天下取りの基礎を築いた城として歴史的に重要な意味を持っています。

家康がこの城を拠点としていた時期には、三方ヶ原の戦いや長篠の戦いなど、重要な合戦が行われました。家康はこの城で武田信玄の侵攻に備え、戦国大名としての力量を磨いたとされています。その後、浜松城主から幕府の要職に就く者が多かったことから「出世城」と呼ばれるようになりました。

現在の天守は1958年に鉄筋コンクリート造りで建てられた模擬天守ですが、野面積みの石垣は当時のものが残されており、その荒々しい石積みは戦国時代の面影を今に伝えています。

城内は浜松城公園として整備され、天守閣内部は歴史資料館として徳川家康や浜松城の歴史に関する展示が行われています。桜の名所としても知られ、春には多くの市民や観光客で賑わいます。天守閣からは浜松市街地や遠州灘を一望でき、晴れた日には富士山も望むことができます。

築城年
Year of Built
1504年~1520年
築城主
Founder
今川貞相とされている
指定
Designation
市指定史跡
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
模擬天守(1958年再建)
住所
Address
静岡県浜松市中区元城町100−2
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
8:30~16:30
入城料
Admission fee
大人(高校生以上)200円、小中学生無料(Free)
定休日
Holiday
12月29日~12月31日
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR浜松駅(徒歩約20分)、遠州鉄道鉄道線新浜松駅(徒歩約20分)、JR浜松駅より遠鉄バス(約5分)「市役所前」・「市役所南」・「美術館」・「浜松城公園入口」下車(徒歩約5分)
駐車場
Parking Lot
約117台 無料(Free)

小山城 / Koyama Jou[Koyama Castle]

小山城の歴史と特徴:

小山城は、1571年に武田信玄の家臣である馬場信春によって築城された山城です。武田氏が駿河侵攻の拠点として築いた城の一つで、東海道を監視し、徳川領への侵攻に備える重要な軍事拠点でした。

標高約40メートルの能満寺山の頂上に築かれ、戦国時代の激しい攻防の舞台となりました。武田氏滅亡後は徳川氏の支配下に入りましたが、関ヶ原の戦い後に廃城となりました。

現在の三層四階の天守は1987年に建てられた模擬天守で、犬山城や清洲城を参考にした望楼型の外観を持っています。実際にこの規模の天守が存在したという記録はありませんが、歴史資料館として内部には小山城や戦国時代の歴史に関する展示が行われています。

城跡は能満寺山公園として整備され、桜の名所として知られています。春には約300本の桜が咲き誇り、天守と桜のコントラストが美しい景観を作り出します。展望台からは駿河湾や富士山を望むことができ、晴れた日には絶景が楽しめます。

築城年
Year of Built
1571年
築城主
Founder
馬場信春
指定
Designation
町指定史跡
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
模擬天守(1987年建造)
住所
Address
静岡県榛原郡吉田町片岡2519−1
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
9:00~16:30(最終入館16:00)
入城料
Admission fee
大人200円、子ども100円
定休日
Holiday
月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR島田駅よりしずてつジャストラインバス(約25分)「片岡北吉田特別支援学校」下車(徒歩約15分)
駐車場
Parking Lot
約200台分 無料(Free)

静岡県の城めぐりのポイント

静岡県の城めぐりは、日本の歴史を体感できる貴重な機会です。特に徳川家康ゆかりの城が多く、天下統一への道のりを辿ることができます。それぞれの城には独自の歴史と特徴があり、訪れる価値が十分にあります。

おすすめの訪問順序

  • 歴史重視コース:駿府城→浜松城→掛川城の順で、徳川家康の足跡を辿る
  • 景観重視コース:山中城→小山城で富士山の眺望と桜を楽しむ
  • 建築重視コース:掛川城(木造復元天守と現存御殿)→山中城(障子堀)で築城技術を学ぶ

訪問時の注意点

  • 春(3月下旬~4月上旬)は桜の見頃で混雑が予想されます
  • 山中城は山城のため、歩きやすい靴での訪問をおすすめします
  • 夏は日差しが強いため、帽子や日焼け止め、飲み物を持参しましょう
  • 各城の定休日や開城時間を事前に確認してから訪問することをおすすめします

静岡県の城は、それぞれが日本の歴史における重要な舞台であり、戦国時代から江戸時代への変遷を物語る貴重な文化遺産です。城めぐりを通じて、日本の歴史と文化をより深く理解することができるでしょう。