愛知県の国宝(建造物) 一覧・まとめ / National Treasure of Japanese Buildings in Aichi ~旅行のみどころになる日本国民の宝と指定された神社、寺、城、住宅等の重要文化財~
日本の国宝とは、文化財保護法(昭和25年法律第214号)に基づき国が指定した重要文化財のうち、世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものであるとして文部科学大臣が指定した文化財を指します。国宝は日本の歴史・文化・芸術の最高峰に位置づけられ、その保存と公開は国の重要な責務とされています。
法律の観点では国宝は重要文化財の一種であり、分類には建造物(神社、寺院、城郭、住宅等)、絵画、彫刻、工芸品、書跡・典籍、古文書、考古資料・歴史資料があります。このうち建造物の国宝は、日本の建築技術の粋を集めた歴史的建築であり、各地域の風土や文化を色濃く反映しています。
本記事では、愛知県に所在する国宝建造物を網羅的に紹介します。愛知県には鎌倉時代から江戸時代にかけて建立された3件の国宝建造物があり、寺院建築・城郭建築・茶室建築とそれぞれ異なる建築様式を代表する貴重な文化遺産です。旅行やお出かけの際のみどころとして、各建造物の歴史的背景・建築的特徴・アクセス情報を詳しく解説します。
愛知県の国宝(建造物) 一覧・まとめ / National Treasure of Japanese Buildings in Aichi ~旅行のみどころになる日本国民の宝と指定された神社、寺、城、住宅等の重要文化財~
愛知県には、以下の3件の国宝建造物が所在しています。いずれも日本の建築史において重要な位置を占める建造物であり、愛知県を訪れる際にはぜひ足を運びたい文化遺産です。
- 金蓮寺弥陀堂(西尾市) — 鎌倉時代後期の貴重な仏堂建築
- 犬山城天守(犬山市) — 現存する日本最古級の天守
- 如庵(犬山市) — 織田有楽斎が建てた茶室の最高傑作
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金蓮寺弥陀堂 / Konren Ji Mida Dou[Konren Temple Mida Dou]
金蓮寺弥陀堂(こんれんじみだどう)は、愛知県西尾市吉良町に位置する鎌倉時代後期の仏堂です。金蓮寺は曹洞宗の寺院で、寺伝によれば源頼朝が三河国に建立を命じた七御堂のひとつとされています。
弥陀堂は方三間の阿弥陀堂で、屋根は檜皮葺(ひわだぶき)の寄棟造です。正面に一間の向拝(こうはい)を設け、内部は来迎柱を立てて内陣と外陣を区分する構成となっています。鎌倉時代の和様建築の典型的な特徴を示しながらも、細部に大仏様(天竺様)の影響が見られる点が建築史上注目されています。東海地方に現存する鎌倉時代の仏堂建築として極めて希少であり、1955年(昭和30年)6月22日に国宝に指定されました。
堂内には本尊の阿弥陀如来坐像が安置されており、静寂な境内とともに鎌倉時代の信仰の姿を今に伝えています。周辺は三河湾に近い穏やかな丘陵地帯で、歴史散策と自然を楽しめるエリアです。
| 種別 Type |
国宝・近世以前・寺院 |
| 時代 Period |
鎌倉後期(1275年〜1332年) |
| 指定年月日 Designated |
1955年06月22日 |
| 住所 Address |
愛知県西尾市吉良町饗庭七度ケ入1 |
| 地図 Map |
地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
名古屋鉄道吉良吉田駅より自動車(約10分) |
| URL URL |
犬山城天守 / Inuyama Jou Tenshu[Inuyama Castle Tenshu]
犬山城(いぬやまじょう)は、愛知県犬山市にある平山城で、木曽川南岸の断崖上に築かれた戦略的要衝に位置しています。別名「白帝城」とも呼ばれ、李白の詩に詠まれた中国の白帝城に木曽川沿いの景観が似ていることに由来するとされています。
天守は三層四階地下二階の望楼型天守で、1601年(慶長6年)頃に現在の姿に改修されたと考えられています。現存する天守の中でも最古級の様式を持ち、望楼型から層塔型へと移行する天守建築の変遷を知る上で欠かせない建造物です。最上階の廻縁(まわりえん)からは、木曽川の雄大な流れや濃尾平野、晴れた日には御嶽山まで望む360度の壮大なパノラマが広がります。
犬山城は1952年(昭和27年)3月29日に国宝に指定されました。日本に現存する国宝五城(姫路城・松本城・彦根城・松江城・犬山城)のひとつであり、日本の城郭建築を代表する文化遺産です。城下町も江戸時代の風情を残しており、食べ歩きや町並み散策とあわせて一日楽しめる観光スポットとなっています。
| 種別 Type |
国宝・近世以前・城郭 |
| 時代 Period |
桃山(1601年) |
| 指定年月日 Designated |
1952年03月29日 |
| 住所 Address |
愛知県犬山市犬山北古券65-2 |
| 地図 Map |
地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
名鉄犬山遊園駅(徒歩約15分)、名鉄犬山駅(徒歩約20分) |
| URL URL |
https://inuyama-castle.jp/ |
如庵 / Joan[Joan]
如庵(じょあん)は、愛知県犬山市の有楽苑(うらくえん)内に所在する茶室で、織田有楽斎(おだうらくさい、織田信長の実弟)が1618年(元和4年)頃に京都・建仁寺の塔頭正伝院に建てたものです。その後、東京・大阪を経て1972年(昭和47年)に現在の犬山市へ移築されました。
如庵は二畳半台目の小間の茶室で、日本三名席(如庵・待庵・密庵)のひとつに数えられる名席です。最大の特徴は、壁の一部に古い暦(こよみ)を貼り込んだ「暦貼り」の意匠で、有楽斎の独創的な美意識を示すものとして知られています。にじり口のほかに「有楽窓」と呼ばれる竹を詰め打ちにした連子窓を設けるなど、随所に独自の工夫が凝らされています。
如庵は1951年(昭和26年)6月9日に国宝に指定されました。千利休作と伝わる待庵(京都・妙喜庵)とともに、現存する茶室として国宝に指定されている極めて貴重な建造物です。有楽苑の庭園は四季折々の風情があり、抹茶を楽しみながら日本の茶の湯文化の真髄に触れることができます。犬山城とあわせて訪れるのがおすすめです。
| 種別 Type |
国宝・近世以前・住宅 |
| 時代 Period |
江戸前期(1618年頃) |
| 指定年月日 Designated |
1951年06月09日 |
| 住所 Address |
愛知県犬山市犬山御門先1 |
| 地図 Map |
地図(Map) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
名鉄犬山遊園駅(徒歩約10分)、名鉄犬山駅(徒歩約15分) |
| URL URL |
愛知県の国宝建造物を訪れる際のポイント
愛知県の国宝建造物3件のうち、犬山城天守と如庵は同じ犬山市内に所在しているため、同日に効率よく見学することが可能です。犬山城の城下町散策と合わせれば、充実した歴史文化体験ができるでしょう。
一方、金蓮寺弥陀堂は西尾市吉良町に位置しており、犬山市からは距離があります。名古屋を拠点にすれば、それぞれ日帰りで訪問可能です。金蓮寺を訪れる際は、周辺の吉良地区の歴史的名所(吉良上野介ゆかりの地など)もあわせて巡ると、三河地方の歴史をより深く堪能できます。
国宝建造物の見学には、建物の保存状態や修復履歴にも注目すると、より一層理解が深まります。各建造物が数百年の歳月を経てなお現存していることは、日本の伝統的な建築技術と、それを守り続けてきた人々の努力の証でもあります。

