和歌山県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Wakayama – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

5月 28, 2018Daily Life,Japan,Japanese Castles,Travel,Wakayama

親記事:日本全国・都道府県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Japan – Japan's Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

和歌山県の城の魅力

和歌山県は、紀伊半島の豊かな自然と深い歴史が織りなす、城郭文化の宝庫です。戦国時代から江戸時代にかけて、紀州徳川家の拠点として栄えたこの地には、数多くの城・城跡・城址が今なお残されています。

日本全国に残る城・城跡・城址は、単なる歴史的建造物ではありません。それぞれの石垣や堀、天守閣には、戦国武将たちの戦略と美意識が込められ、江戸時代の平和な統治の象徴として、あるいは地域の文化拠点として、その時代の暮らしや価値観を今に伝える貴重な文化遺産となっています。

近年、「日本100名城」の選定や大河ドラマ、テレビCMなどメディアでの特集により、城郭への関心は高まる一方です。歴史ファンだけでなく、建築美を愛する人々、写真愛好家、そして四季折々の自然を楽しむ観光客にとって、城は魅力的な訪問先となっています。

和歌山県の城は、特に季節の移ろいを楽しめるスポットとしても知られています。春には梅や桜が石垣を彩り、秋には紅葉が天守閣を美しく染め上げます。歴史探訪と自然鑑賞を同時に楽しめる、まさに一石二鳥の観光地といえるでしょう。

本記事では、和歌山県に残る代表的な城を、日本100名城の指定状況、天守の分類・種類(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、文化財指定などの観点から詳しくご紹介します。子どもからお年寄りまで、すべての世代が四季折々の趣と歴史の深さを体験できる城郭巡りの参考にしていただければ幸いです。

和歌山県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Wakayama – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

和歌山城 / Wakayama Jou[Wakayama Castle]

和歌山城の歴史と特徴

和歌山城は、1585年に豊臣秀吉の弟・豊臣秀長によって築かれた名城です。標高48.9メートルの虎伏山(とらふすやま)に築かれた平山城で、姫路城、松山城とともに「三大連立式平山城」に数えられる、建築学的にも貴重な城郭です。

江戸時代には紀州徳川家55万5千石の居城として栄え、徳川御三家の一つとして、将軍家に次ぐ格式を誇りました。徳川吉宗(後の八代将軍)もこの城で育ち、ここから江戸へと旅立っています。

現在の天守閣は、太平洋戦争で焼失した後、1958年に鉄筋コンクリート造で外観復元されたものです。内部は資料館となっており、和歌山城の歴史や紀州徳川家に関する貴重な展示を見ることができます。

「日本100名城」に選定され、国の史跡にも指定されている和歌山城は、石垣の美しさでも知られています。野面積み、打込接ぎ、切込接ぎなど、時代ごとの石積み技術を見比べることができ、城郭ファンにとっては見逃せないポイントです。

また、城内には重要文化財に指定されている岡口門や追廻門などの遺構が残り、二の丸庭園(西之丸庭園)は国の名勝に指定されています。紅葉渓庭園も美しく、特に秋の紅葉シーズンには多くの観光客で賑わいます。

春には約600本の桜が咲き誇る「桜の名所100選」にも選ばれており、「和歌山城桜まつり」期間中は夜間ライトアップも実施され、幻想的な夜桜を楽しむことができます。

築城年
Year of Built
1585年
築城主
Founder
豊臣秀長
指定
Designation
日本100名城(Japan’s Top 100 Castles)、国の史跡(National Historic Site)、重要文化財(Important Cultural Property)、名勝(Places of Scenic Beauty)、三大連立式平山城(Three Greatest Lookout Tower Style Flatland Mountain Castle)
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
外観復元天守
住所
Address
和歌山県和歌山市一番丁3
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
9:00〜17:30(最終入場17:00)
入城料
Admission fee
大人410円、小人200円(小・中学生)
定休日
Holiday
12月29日~12月31日
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
南海和歌山市駅(徒歩約20分)、JR和歌山駅よりバス0系統・25系統(約15分)「公園前」下車(徒歩約5分)
駐車場
Parking Lot
和歌山公園駐車場:58台 最初の1時間200円、2時間まで350円、以降200円/1時間、他周辺に駐車場有り

訪問のポイント

  • ベストシーズン:春の桜(3月下旬〜4月上旬)、秋の紅葉(11月中旬〜12月上旬)
  • 所要時間:天守閣見学のみで約30分〜1時間、庭園・石垣めぐりを含めて2〜3時間
  • 見どころ:連立式天守、石垣の変遷、二の丸庭園(西之丸庭園)、岡口門(重要文化財)
  • イベント:和歌山城桜まつり(春季)、和歌山城天守閣復興60周年記念イベント(不定期)

湯浅城 / Yuasa Jou[Yuasa Castle]

湯浅城の歴史と特徴

湯浅城は、平安時代末期の1143年に湯浅宗重によって築かれたとされる歴史ある城です。湯浅氏は熊野水軍の一翼を担った海洋豪族で、紀伊国の有力武士団として勢力を誇りました。

中世には湯浅党の拠点として、また熊野詣での要所として重要な役割を果たしていましたが、戦国時代の混乱の中で次第に衰退し、現在は城跡としてわずかな遺構を残すのみとなっています。

現在、湯浅城址に建つ天守風建築物は、1981年に建設された温泉ホテル「湯浅城」の建物で、歴史的な天守ではなく模擬天守に分類されます。高台に建つこの建物からは、有田の海や湯浅の町並みを一望でき、景観の良さで知られています。

湯浅の町は、醤油発祥の地として知られ、重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている歴史的な町並みが残ります。湯浅城跡を訪れる際は、併せて湯浅の町歩きも楽しむことをおすすめします。

ホテルの展望露天風呂からは、紀伊水道に沈む夕日を眺めることができ、宿泊客には特別な体験となっています。歴史探訪と温泉、そして絶景を同時に楽しめるユニークな城跡といえるでしょう。

築城年
Year of Built
1143年
築城主
Founder
湯浅宗重
指定
Designation
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
模擬天守
住所
Address
和歌山県有田郡湯浅町青木75
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
15:00~22:00(ホテル「湯浅温泉 湯浅城」として営業)
入城料
Admission fee
要「湯浅温泉 湯浅城」宿泊料
定休日
Holiday
無休(Open all year round)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR湯浅駅より自動車(約10分)
駐車場
Parking Lot
約30台 「湯浅温泉 湯浅城」宿泊時無料(Free)

訪問のポイント

  • ベストシーズン:通年(温泉と景色を楽しむなら夕暮れ時がおすすめ)
  • 所要時間:外観見学のみなら10〜20分、宿泊で温泉と景色を堪能
  • 周辺観光:湯浅町重要伝統的建造物群保存地区、湯浅醤油の醸造所見学
  • 特徴:展望露天風呂からの紀伊水道の眺望、醤油発祥の地・湯浅の町並み散策

和歌山県の城巡りを楽しもう

和歌山県の城は、紀州徳川家の威光を今に伝える和歌山城から、熊野水軍の歴史を感じさせる湯浅城まで、多様な歴史背景を持つ魅力的なスポットです。

それぞれの城には、築城当時の時代背景や建築技術、そして地域の文化が色濃く反映されています。天守閣からの眺望、美しい石垣、四季折々の自然など、城郭には様々な楽しみ方があります。

歴史を学びながら、建築美を鑑賞し、季節の花々や紅葉を愛でる。そんな多層的な楽しみ方ができるのが、和歌山県の城巡りの醍醐味です。ぜひ実際に足を運んで、その魅力を体感してください。