日本三大湖城まとめ・一覧 / The Three Great Lakeside Castles of Japan 〜住所、地図、開場時間、入場料(無料・有料)、定休日、アクセス・最寄り駅、駐車場、URL、電話番号〜
日本三大湖城とは
日本三大湖城とは、湖畔や湖水に面して築かれた城郭のうち、特に歴史的・景観的価値が高いとされる松江城(島根県)、膳所城(滋賀県)、高島城(長野県)の3つの城を指します。
これらの城は、湖という天然の要害を利用した防御施設としての役割だけでなく、水運の拠点や地域の政治・経済の中心としても重要な役割を果たしてきました。湖に浮かぶように建つ姿は「浮城」とも呼ばれ、その美しい景観は多くの人々を魅了し続けています。
この記事で分かること
- 日本三大湖城それぞれの特徴と見どころ
- 各城への詳細なアクセス方法と観光情報
- 歴史的背景と築城の意義
- 効率的な観光ルートのヒント
日本三大湖城の魅力と特徴
1. 松江城(島根県)/ Matsue Castle - 現存天守が誇る国宝の名城
松江城は、宍道湖の北側に位置する名城で、現存12天守の一つとして2015年に国宝に指定されました。1611年に堀尾忠氏によって築城され、黒い下見板張りの外観から「千鳥城」とも呼ばれています。
見どころと特徴
天守は高さ約30メートル、五層六階の構造で、戦国時代の実戦的な設計が色濃く残る貴重な建築物です。内部では当時の武具や調度品が展示されており、城郭建築の技術を間近で観察できます。
最上階からは宍道湖と松江市街を360度見渡すことができ、特に夕日が美しく、宍道湖に沈む夕陽は「日本の夕陽百選」にも選ばれています。秋から冬にかけては、運が良ければ雲海に浮かぶ松江城を見ることもできます。
観光のポイント
- 城下町散策:堀川めぐりの遊覧船で城の周囲を一周できます(約50分)
- ライトアップ:日没後のライトアップで幻想的な雰囲気を楽しめます
- 桜の季節:春には約300本の桜が咲き誇り、「日本さくら名所100選」に選定
- 周辺観光:小泉八雲記念館、武家屋敷など徒歩圏内に見どころ多数
| 項目 | 詳細 |
| 築城年 Year of Built |
1611年(慶長16年) |
| 築城主 Founder |
堀尾忠氏(ほりおただうじ) |
| 指定 Designation |
日本100名城(Japan's Top 100 Castles)、国の史跡(National Historic Site)、国宝(National Treasure)、三大湖城(The Three Great Lakeside Castles) |
| 天守の分類・種類 Castle Tower Classification |
現存天守(江戸時代以前から残る貴重な天守) |
| 住所 Address |
〒690-0887 島根県松江市殿町1-5 |
| 地図 Map |
Google Maps で見る |
| 開城時間 Opening hours |
4月1日~9月30日:7:00~19:30(最終入場19:00) 10月1日~3月31日:8:30~17:00(最終入場16:30) |
| 入城料 Admission fee |
大人 560円、小人(小・中学生) 280円 外国の方 大人 280円、小人 140円 ※団体割引あり(20名以上) |
| 定休日 Holiday |
年中無休(Open all year round) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
電車:JR山陰本線「松江駅」よりレイクラインバス約10分「大手前」下車、徒歩約5分 車:山陰自動車道「松江西IC」より約15分 |
| 駐車場 Parking Lot |
約66台 料金:1時間未満 300円、1時間以上2時間未満 500円、2時間以上3時間未満 600円、3時間以上4時間未満 700円、4時間以上 800円 |
| 公式サイト Official Website |
松江城公式サイト |
2. 膳所城(滋賀県)/ Zeze Castle - 琵琶湖を守る徳川家康の要塞
膳所城は、琵琶湖の南西岸に築かれた水城で、徳川家康が関ヶ原の戦い直後の1601年に築城を命じた、戦略上極めて重要な城でした。「瀬田の唐橋」を守る要衝として、琵琶湖の湖水を堀として利用し、湖上交通の要所を押さえる役割を果たしました。
歴史的意義
膳所城は、大津城の廃城後に建てられ、京都への東の防衛拠点として機能しました。築城時には藤堂高虎が縄張り(設計)を担当し、本多康俊が初代城主となりました。琵琶湖に突き出した立地を活かし、三方を湖に囲まれた難攻不落の水城として設計されています。
現在の様子と見どころ
残念ながら天守は明治時代の廃城令により解体されましたが、城門3棟が市内各所に移築され、国の重要文化財として現存しています:
- 大手門:膳所神社(大津市膳所)に移築
- 北大手門:篠津神社(大津市中庄)に移築
- 南大手門:鞭崎神社(大津市鞭崎)に移築
現在の城跡公園(膳所城跡公園)からは琵琶湖の美しい景色を望むことができ、本丸跡には石碑や説明板が設置されています。春には桜、秋には紅葉が美しく、地元の憩いの場となっています。
観光のポイント
- 移築門めぐり:3つの門を巡る歴史散策コース(所要時間:約2時間)
- 琵琶湖の眺望:城跡公園から対岸の比叡山を望む絶景
- 近隣観光:石山寺、三井寺、比叡山延暦寺など世界遺産へのアクセス良好
| 項目 | 詳細 |
| 築城年 Year of Built |
1601年(慶長6年) |
| 築城主 Founder |
徳川家康(縄張:藤堂高虎、初代城主:本多康俊) |
| 指定 Designation |
国の重要文化財(大手門、北大手門、南大手門 ※全て移築保存)、三大湖城(The Three Great Lakeside Castles) |
| 天守の分類・種類 Castle Tower Classification |
非現存(明治時代に解体) |
| 住所 Address |
〒520-0815 滋賀県大津市本丸町7(膳所城跡公園) |
| 地図 Map |
Google Maps で見る |
| 開城時間 Opening hours |
24時間(城跡公園) |
| 入城料 Admission fee |
無料(Free) |
| 定休日 Holiday |
無休(Open all year round) |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
電車:京阪電気鉄道石山坂本線「膳所本町駅」より徒歩約10分、JR琵琶湖線「膳所駅」より徒歩約25分 車:名神高速道路「大津IC」より約15分 |
| 駐車場 Parking Lot |
約20台 無料(城跡公園駐車場) |
| 問い合わせ Contact |
大津市観光振興課 TEL: 077-528-2756 |
3. 高島城(長野県)/ Takashima Castle - 諏訪湖に浮かぶ「諏訪の浮城」
高島城は、諏訪湖の湖畔に築かれた平城で、1598年に日根野高吉によって築城されました。かつては諏訪湖の水が城際まで迫り、湖面に浮かぶように見えたことから「諏訪の浮城」という美しい別名で呼ばれていました。江戸時代には諏訪藩の藩庁として、この地域の政治・経済の中心となりました。
築城の背景と歴史
高島城は、豊臣秀吉の家臣であった日根野高吉が、諏訪の地を与えられた際に築いた城です。諏訪湖の水位が現在より高かった時代には、本当に湖に浮かんでいるように見え、難攻不落の水城として機能していました。
明治維新後に廃城となり、天守や櫓は取り壊されましたが、1970年に天守が復興され、現在は諏訪市の歴史と文化を伝えるシンボルとなっています。
見どころと施設
現在の天守は鉄筋コンクリート造りの復興天守で、内部は3階建ての郷土資料館として整備されています:
- 1階:諏訪地方の歴史展示、高島城の変遷
- 2階:諏訪藩の文化、武具・甲冑の展示
- 3階展望室:諏訪湖、八ヶ岳、アルプスの山々を一望できる絶景スポット
四季折々の楽しみ方
城址公園は四季を通じて美しい景色を楽しめる名所です:
- 春:約90本の桜が咲き誇り、「諏訪の桜の名所」として知られる
- 夏:諏訪湖の花火大会を城から眺める特等席
- 秋:紅葉と天守の美しいコントラスト
- 冬:雪化粧した城と凍結した諏訪湖の神秘的な風景
周辺観光スポット
- 諏訪大社:全国に約1万社ある諏訪神社の総本社(4社)
- 諏訪湖:遊覧船、釣り、湖畔散策
- 片倉館:国重要文化財の千人風呂がある日帰り温泉施設
- 諏訪湖間欠泉センター:日本最大級の間欠泉と足湯
| 項目 | 詳細 |
| 築城年 Year of Built |
1598年(慶長3年) |
| 築城主 Founder |
日根野高吉(ひねのたかよし) |
| 指定 Designation |
三大湖城(The Three Great Lakeside Castles) |
| 天守の分類・種類 Castle Tower Classification |
復興天守(1970年復元) |
| 住所 Address |
〒392-0022 長野県諏訪市高島1丁目20-1 |
| 地図 Map |
Google Maps で見る |
| 開城時間 Opening hours |
9:00〜17:30(最終入館17:00) ※10月1日〜3月31日は9:00〜17:00(最終入館16:30) |
| 入城料 Admission fee |
大人 310円、小人(小・中学生)150円 ※団体割引あり(20名以上) |
| 定休日 Holiday |
12月26日〜12月31日、11月第2木曜日 |
| アクセス・最寄り駅 Access, Nearest station |
電車:JR中央本線「上諏訪駅」より徒歩約10分 車:中央自動車道「諏訪IC」より約15分 |
| 駐車場 Parking Lot |
14台 無料(Free) ※満車の場合は近隣の市営駐車場を利用 |
| 公式サイト Official Website |
高島城公式サイト |
日本三大湖城を巡る旅のポイント
日本三大湖城は、それぞれ異なる地域に位置しており、各地域の歴史や文化、自然を同時に楽しむことができます。効率的に巡るためのヒントをご紹介します。
おすすめ観光ルート
【パターン1】関西・中部周遊コース(3泊4日)
1日目:大阪・京都出発 → 膳所城(滋賀) → 琵琶湖周辺観光 → 大津泊
2日目:大津出発 → 松江城(島根) → 宍道湖温泉泊
3日目:松江市内観光(出雲大社など) → 移動
4日目:高島城(長野) → 諏訪湖周辺観光 → 帰路
【パターン2】じっくり歴史探訪コース(5泊6日)
各城での滞在時間を長めに取り、周辺の歴史スポットも含めてじっくり回るコースです。移築された門や関連史跡も全て訪問できます。
季節別おすすめ訪問時期
| 季節 | おすすめポイント | 特に見どころの城 |
| 春(3-5月) | 桜の開花時期。各城で桜まつりが開催される | 松江城、高島城 |
| 夏(6-8月) | 新緑と湖の青さのコントラストが美しい。諏訪湖花火大会 | 高島城(花火大会) |
| 秋(9-11月) | 紅葉の季節。気候も良く観光に最適 | 全ての城 |
| 冬(12-2月) | 雪景色と城のコントラスト。宍道湖の白鳥 | 松江城、高島城 |
効率的な観光のコツ
- 事前予約:繁忙期は駐車場が混雑するため、公共交通機関の利用がおすすめ
- 御城印・御朱印:各城で御城印を集めるのも楽しみの一つ
- 周遊パス:地域によっては観光施設の周遊割引パスがあるので要チェック
- ガイドツアー:松江城では無料のボランティアガイドが利用可能(要予約)
- 撮影スポット:各城には絶好の撮影ポイントがあるので、観光案内所で情報収集を
宿泊のおすすめ
- 松江:宍道湖温泉の温泉旅館で夕陽を楽しむ
- 大津:琵琶湖畔のホテルで湖の眺望を満喫
- 諏訪:上諏訪温泉の宿で信州の食材を堪能
まとめ - 湖城の魅力を体感する旅へ
日本三大湖城は、それぞれが湖という自然の美しさと城郭建築の雄大さを併せ持つ、日本の歴史と文化の象徴です。現存天守から復興天守、城跡まで、異なる形で歴史を伝える三つの城を訪れることで、日本の城郭の多様性と魅力を深く理解することができます。
旅のチェックリスト
- ☐ 各城の開城時間と休館日を確認
- ☐ 天気予報をチェック(雨天時の対策)
- ☐ 歩きやすい靴を準備(天守への階段が急)
- ☐ カメラの充電と空き容量を確認
- ☐ 御城印帳を準備(記念に集める場合)
- ☐ 周辺観光スポットの情報収集
歴史好きはもちろん、景観や写真撮影を楽しみたい方、家族旅行にもおすすめのスポットです。湖と城が織りなす日本の原風景を、ぜひ実際に訪れて体感してください。四季折々の表情を見せる日本三大湖城は、何度訪れても新しい発見がある魅力的な観光地です。
次の休暇には、ぜひ日本三大湖城を巡る旅に出かけてみてください。

