宮城県の国宝(建造物) 一覧・まとめ / National Treasure of Japanese Buildings in Miyagi ~旅行のみどころになる日本国民の宝と指定された神社、寺、城、住宅等の重要文化財~

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日本の国宝とは文化財保護法によって国が指定した重要文化財のうち、世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものであるとして国(文部科学大臣)が指定したものを指します。

法律の観点では国宝は重要文化財の一種であり、国宝の分類には建造物(神社、寺院、城郭、住宅等)、絵画、彫刻、工芸品、書跡・典籍、古文書、考古資料・歴史資料があります。

今回はそのような国宝の中から、各都道府県の旅行のみどころにもなってくる「建造物」に分類される国宝を紹介します。

宮城県には国宝に指定された建造物が3件あり、いずれも戦国武将・伊達政宗が造営に深く関わった桃山時代の建築です。仙台市内の大崎八幡宮と、日本三景・松島の瑞巖寺(本堂および庫裏・廊下)の2箇所に所在しており、伊達家の権勢と桃山文化の華やかさを今に伝える貴重な文化遺産となっています。

仙台から松島までは電車で約40分の距離にあるため、1日で両方の国宝建造物を巡ることが可能です。仙台の大崎八幡宮で安土桃山時代の絢爛豪華な神社建築を鑑賞し、松島では瑞巖寺の壮麗な本堂と重厚な庫裏を見学したあと、松島湾の美しい景観も楽しむことができます。伊達文化と自然美を同時に堪能できる宮城県は、歴史と旅行を愛する方にとって見逃せない目的地です。

宮城県の国宝(建造物) 一覧・まとめ / National Treasure of Japanese Buildings in Miyagi ~旅行のみどころになる日本国民の宝と指定された神社、寺、城、住宅等の重要文化財~


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大崎八幡宮 / Ohsaki Hachiman Guh[Ohsaki Hachiman Guh]

大崎八幡宮は、仙台藩祖・伊達政宗が1607年(慶長12年)に造営した神社で、社殿(石の間造)が国宝に指定されています。この社殿は現存する最古の権現造(石の間造)の建築とされ、桃山建築の傑作として高く評価されています。権現造とは、本殿と拝殿を「石の間」と呼ばれる低い建物で繋ぐ日本独自の神社建築様式です。

社殿の外観は総黒漆塗りで、内部には極彩色の彫刻や金箔押しの装飾が施されており、安土桃山時代の豪華絢爛な美意識を色濃く反映しています。当時の一流の工匠が全国から集められ、彫刻・金具・彩色のすべてにおいて最高水準の技術が注ぎ込まれました。拝殿正面の長床(割拝殿)も見応えがあり、開放的な構造の中に繊細な装飾が光ります。

毎年1月14日に行われる「松焚祭(まつたきまつり)」は「どんと祭」の名で広く知られ、正月飾りや古い神札を焚き上げる仙台最大級の冬の伝統行事として、約10万人の参拝者が訪れます。仙台駅からバスで約20分とアクセスも良好で、仙台観光の際にぜひ訪れたい国宝建築です。

種別
Type
国宝・近世以前・神社
時代
Period
桃山(1607年)
指定年月日
Designated
1952年11月22日
住所
Address
宮城県仙台市青葉区八幡4丁目6-1
地図
Map
地図(Map)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR東北福祉大前駅より自動車(約5分)、JR東北福祉大前駅(徒歩約20分)
URL
URL
https://www.oosaki-hachiman.or.jp/

瑞巖寺庫裏及び廊下 / Zuigan Ji Kuri Oyobi Rouka[Zuigan Temple Kitchen and Corridor]

瑞巖寺(ずいがんじ)は、臨済宗妙心寺派の寺院で、日本三景のひとつである松島を代表する古刹です。平安時代の828年(天長5年)に慈覚大師円仁によって開創されたと伝えられ、鎌倉時代には禅宗寺院として発展しました。その後、戦国時代に一度荒廃しましたが、伊達政宗が1604年(慶長9年)から5年の歳月と莫大な費用をかけて再建しました。

国宝に指定されている庫裏(くり)は寺院の台所にあたる建物で、正面の大きな切妻造の屋根と、屋根上に設けられた煙出し(煙を逃がすための構造物)が特徴的です。実用的な建物でありながら、その堂々たる外観は禅宗寺院の庫裏建築の中でも屈指の規模と美しさを誇ります。庫裏と本堂を結ぶ廊下もあわせて国宝に指定されており、回廊状の空間が寺院建築としての一体感を生み出しています。

庫裏の内部には、上台所と呼ばれる格式の高い空間があり、天井や柱の意匠に桃山時代の美意識が感じられます。松島海岸駅から徒歩約15分と徒歩圏内にあり、松島の遊覧船や五大堂とあわせて訪れることで、松島の自然と歴史文化を存分に満喫できます。

種別
Type
国宝・近世以前・寺院
時代
Period
桃山(1609年頃)
指定年月日
Designated
1959年06月27日
住所
Address
宮城県宮城郡松島町松島町内91
地図
Map
地図(Map)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR松島海岸駅より自動車(約5分)、JR松島海岸駅(徒歩約15分)
URL
URL
https://www.zuiganji.or.jp/

瑞巖寺本堂(元方丈) / Zuigan Ji Hondou[Zuigan Temple Hondou]

瑞巖寺本堂は、もとは方丈(禅寺の住職の居室)として建てられた建物で、伊達政宗の命により1609年(慶長14年)に完成しました。入母屋造・本瓦葺の壮大な建築で、正面約39メートル・奥行き約24メートルの規模を持ち、禅宗方丈建築の中でも最大級の大きさを誇ります。1953年に国宝に指定されました。

本堂内部は複数の部屋に区切られており、「室中(しつちゅう)」「上段の間」「上々段の間」「文王の間」「松の間」など10室で構成されています。各部屋には狩野派の絵師による華麗な障壁画・襖絵が描かれ、部屋ごとに異なる趣向が凝らされています。特に「上段の間」と「上々段の間」は伊達政宗の居室として使われたとされ、金碧の襖絵や精緻な欄間彫刻など、桃山美術の最高峰といえる装飾が施されています。

瑞巖寺は伊達家歴代藩主の菩提寺としても知られ、境内には伊達政宗の正室・陽徳院(愛姫)の霊廟である陽徳院御霊屋(通称「寶華殿」)もあります。本堂と庫裏・廊下をあわせて見学することで、桃山時代の禅宗寺院建築の全体像を理解することができ、日本建築史を学ぶうえでも貴重な体験となります。

種別
Type
国宝・近世以前・寺院
時代
Period
桃山(1609年)
指定年月日
Designated
1953年03月31日
住所
Address
宮城県宮城郡松島町松島町内91
地図
Map
地図(Map)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR松島海岸駅より自動車(約5分)、JR松島海岸駅(徒歩約15分)
URL
URL
https://www.zuiganji.or.jp/

宮城県の国宝建造物をめぐる旅 ~伊達政宗が遺した桃山文化の至宝~

宮城県の国宝建造物3件は、いずれも伊達政宗が慶長年間(1600年代初頭)に造営・再建したもので、桃山時代の建築美術を東北の地に花開かせた伊達文化の象徴です。仙台の大崎八幡宮では黒漆と極彩色に彩られた権現造の社殿を、松島の瑞巖寺では禅宗寺院の格式ある本堂と庫裏を鑑賞でき、それぞれ異なる建築様式ながら共通する桃山美術の華やかさを堪能することができます。

おすすめの観光ルートとしては、まず仙台市内で大崎八幡宮を参拝し、その後JR仙石線で松島海岸駅へ移動して瑞巖寺を拝観するコースがあります。瑞巖寺の見学後は、日本三景・松島の島々を一望できる遊覧船や、海岸沿いの五大堂、円通院などの周辺スポットもあわせて巡ることで、伊達文化の歴史遺産と松島の絶景を1日で満喫できる充実した旅になります。

宮城県の国宝建造物は数こそ3件ですが、その全てが桃山時代を代表する第一級の建築であり、日本の建築史・美術史において極めて重要な位置を占めています。仙台・松島を訪れる際には、伊達政宗が天下に誇った桃山文化の粋をぜひその目でご覧ください。