[1962年開催(1961年映画作品対象)]第34回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜
アカデミー賞(Academy Awards)とは、映画芸術科学アカデミー(AMPAS: Academy of Motion Picture Arts and Sciences)が主催し、アメリカ合衆国における映画の健全な発展と芸術・科学の品質向上を目的に、キャストやスタッフなどの映画関係者を毎年部門別に表彰する世界最高峰の映画賞です。受賞者には金色のオスカー像が授与されることから「オスカー賞(The Oscars)」とも広く呼ばれています。
アカデミー賞の歴史は世界三大映画祭(カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭)よりも古く、第1回の授賞式は1929年に開催されました。以来、世界中の映画ファンや業界関係者が注目する映画界最大のイベントとして、その権威と影響力を維持し続けています。
特にアカデミー賞へのノミネートおよび受賞結果は世界中のメディアで大きく報道されるため、各国における対象映画の興行成績や評価に多大な影響力を持っています。アカデミー賞受賞作品・ノミネート作品は、映画界で著名なプロデューサー、監督、脚本家、俳優、批評家などにより構成される選考委員によって厳正に選ばれており、映画史において必見の作品群と言えるでしょう。
本記事では、1962年4月9日にサンタモニカ・シビック・オーディトリアム(Santa Monica Civic Auditorium)で開催された第34回アカデミー賞授賞式の全受賞結果とノミネート作品を詳しく紹介します。この年の対象は1961年公開のアメリカ映画作品です。
第34回アカデミー賞は、ミュージカル映画の傑作『ウエスト・サイド物語(West Side Story)』が作品賞・監督賞・助演男優賞・助演女優賞・撮影賞(カラー)・美術賞(カラー)・衣裳デザイン賞(カラー)・録音賞・編集賞・編曲賞の計10部門で受賞するという圧倒的な成績を収め、アカデミー賞史上に残る記録を打ち立てた年として知られています。また、主演女優賞を受賞したソフィア・ローレン(Sophia Loren)は、外国語映画での演技でこの賞を獲得した初の俳優となり、映画史における重要なマイルストーンとなりました。司会はボブ・ホープ(Bob Hope)が務めました。
[1962年開催(1961年映画作品対象)]第34回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜
作品賞 / Sakuhin Shou[Best Picture]
映画界最高の栄誉である作品賞(Best Picture)は、その年に公開されたアメリカ映画の中で最も優れた作品に贈られる、アカデミー賞の中心的な部門です。第34回では、ニューヨークのマンハッタンを舞台にした現代版ロミオとジュリエットともいうべきミュージカル映画『ウエスト・サイド物語(West Side Story)』が受賞しました。ブロードウェイの伝説的な舞台を映像化した本作は、プエルトリコ系移民ギャング「シャーク団」とアメリカ系ギャング「ジェット団」の対立と、その壁を越えた悲恋を描き、芸術性と娯楽性を高いレベルで両立させた傑作です。レナード・バーンスタインの名曲、ジェローム・ロビンズの振付、そして共同監督ロバート・ワイズの卓越した演出が融合し、この年のアカデミー賞を席巻しました。
ノミネートには、マルセイユ港を舞台にした愛の物語『ファニー(Fanny)』、第二次大戦後のナチス戦犯を裁く法廷ドラマ『ニュールンベルク裁判(Judgment at Nuremberg)』、ビリヤードの天才プレイヤーの栄光と挫折を描いた心理ドラマ『ハスラー(The Hustler)』、ナチス占領下の孤島に設置された巨大砲台の破壊を目指す特殊部隊を描いた戦争アクション大作『ナバロンの要塞(The Guns of Navarone)』が名を連ねました。
| 受賞 Winner |
ウエスト・サイド物語[West Side Story] |
| ノミネート Nominees |
ファニー[Fanny] |
監督賞 / Kantoku Shou[Best Director]
監督賞(Best Director)は、映画の演出・ビジョン・表現において卓越した才能を発揮した監督に贈られます。第34回では、『ウエスト・サイド物語』の共同監督を務めたジェローム・ロビンズ(Jerome Robbins)とロバート・ワイズ(Robert Wise)が受賞しました。ブロードウェイ版の振付師・演出家として名高いロビンズと、ハリウッドの老練な演出家ワイズの異なる才能が見事に融合し、ダンスシーンの躍動感と人間ドラマの深みを両立した稀有な共同演出として高く評価されました。なお、ロビンズには監督賞と同日に映画の振付に対するアカデミー特別賞も授与されています。
ノミネートには、ローマの退廃的な社会をエネルギッシュに描いたイタリアの鬼才フェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini)が『甘い生活(La Dolce Vita)』、孤島での爆破作戦を迫力満点に演出したJ・リー・トンプソン(J. Lee Thompson)が『ナバロンの要塞』、ビリヤードの心理戦を緊張感溢れる映像で描いたロバート・ロッセン(Robert Rossen)が『ハスラー』、ナチス裁判を骨太な法廷劇に仕立てたスタンリー・クレイマー(Stanley Kramer)が『ニュールンベルク裁判』でそれぞれ候補入りしました。
| 受賞 Winner |
ウエスト・サイド物語[West Side Story] |
| ノミネート Nominees |
甘い生活[La Dolce Vita] |
主演男優賞 / Shuen Danyuh Shou[Best Actor]
主演男優賞(Best Actor)は、主演俳優の卓越した演技に贈られます。第34回では、オーストリア出身のマクシミリアン・シェル(Maximilian Schell)が、スタンリー・クレイマー監督の社会派大作『ニュールンベルク裁判(Judgment at Nuremberg)』でナチス戦犯を弁護するドイツ人弁護士ハンス・ロルフェを演じ、栄冠を手にしました。英語とドイツ語を巧みに駆使した圧巻の法廷弁論場面は、映画史に残る名演技のひとつとして語り継がれています。バート・ランカスター、スペンサー・トレイシー、リチャード・ウィドマークら大物俳優が集結した本作において、シェルは最も際立った存在感を示しました。
ノミネートには、フランスの名優シャルル・ボワイエ(Charles Boyer)が『ファニー』、ハリウッドを代表する個性派俳優ポール・ニューマン(Paul Newman)がビリヤードの天才を演じた『ハスラー』、映画界の重鎮スペンサー・トレイシー(Spencer Tracy)が裁判長役を務めた『ニュールンベルク裁判』、スチュアート・ホイットマン(Stuart Whitman)が心理的に複雑な役を演じた『愛の絆(The Mark)』が候補に挙がりました。
| 受賞 Winner |
ナバロンの要塞[Judgment at Nuremberg] |
| ノミネート Nominees |
ファニー[Fanny] |
主演女優賞 / Shuen Joyuh Shou[Best Actress]
主演女優賞(Best Actress)は、主演女優の卓越した演技に贈られます。第34回では、イタリアが誇る大女優ソフィア・ローレン(Sophia Loren)が、ヴィットリオ・デ・シーカ監督のイタリア映画『ふたりの女(Two Women)』での母親役の演技で受賞しました。外国語映画における演技でアカデミー主演女優賞を受賞した史上初の俳優という快挙であり、映画史における重要な転換点となりました。第二次世界大戦末期のイタリアを舞台に、戦争の狂気に翻弄される母娘の苦難を描いた本作で、ローレンは言語の壁を超えて世界中の観客と批評家を圧倒しました。なお、授賞式当日ローレンはローマの自宅で受賞の報を受け取ったとされ、その喜びの模様が世界中で報じられました。
ノミネートには、永遠のアイコンであるオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)が自由奔放な女性を魅力的に演じた『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)』、パイパー・ローリー(Piper Laurie)が『ハスラー』、ジェラルディン・ペイジ(Geraldine Page)が『肉体のすきま風(Summer and Smoke)』、ナタリー・ウッド(Natalie Wood)が青春の情熱と挫折を演じた『草原の輝き(Splendor in the Grass)』が名を連ねました。
| 受賞 Winner |
ふたりの女[Two Women] |
| ノミネート Nominees |
ティファニーで朝食を[Breakfast at Tiffany’s] |
助演男優賞 / Joen Danyuh Shou[Best Supporting Actor]
助演男優賞(Best Supporting Actor)は、助演俳優の優れた演技に贈られます。第34回では、ギリシャ系アメリカ人俳優ジョージ・チャキリス(George Chakiris)が、『ウエスト・サイド物語』でプエルトリコ系移民ギャング「シャーク団」のリーダー、ベルナルドを演じて受賞しました。ダンサーとして培った卓越した身体能力を活かした迫力あるダンスシーン、そして仲間を率いるカリスマ的な存在感が高く評価されました。チャキリスはブロードウェイ版でも出演経験を持ち、映画版での役作りの深さが際立っていました。
ノミネートには、映画史に残る名優モンゴメリー・クリフト(Montgomery Clift)が証人役で印象的な演技を見せた『ニュールンベルク裁判』、コメディアンとして名高いピーター・フォーク(Peter Falk)が『ポケット一杯の幸福(Pocketful of Miracles)』、テレビコメディのスターとして人気を誇るジャッキー・グリーソン(Jackie Gleason)と個性派俳優ジョージ・C・スコット(George C. Scott)がともにビリヤード界を描いた『ハスラー』で候補入りしました。
| 受賞 Winner |
ウエスト・サイド物語[West Side Story] |
| ノミネート Nominees |
ナバロンの要塞[Judgment at Nuremberg] |
助演女優賞 / Joen Joyuh Shou[Best Supporting Actress]
助演女優賞(Best Supporting Actress)は、助演女優の優れた演技に贈られます。第34回では、プエルトリコ系アメリカ人俳優リタ・モレノ(Rita Moreno)が、『ウエスト・サイド物語』でアニタを演じて受賞しました。情熱的なダンス「アメリカ」でのパワフルなパフォーマンス、そして物語の悲劇的転換において人間の怒りと悲しみを体現した深い演技が絶賛されました。モレノはこの受賞により、アカデミー賞・エミー賞・グラミー賞・トニー賞の4賞を全制覇する「EGOT」を後に達成する偉業への第一歩を踏み出しました。
ノミネートには、ベテラン女優フェイ・ベインター(Fay Bainter)が『噂の二人(The Children's Hour)』、伝説的歌手・女優のジュディ・ガーランド(Judy Garland)が証言台での衝撃的な演技が話題となった『ニュールンベルク裁判』、ドイツ出身の大女優ロッテ・レーニャ(Lotte Lenya)が『ローマの哀愁(The Roman Spring of Mrs. Stone)』、セルマ・リッター(Una Merkel)が『肉体のすきま風』で候補に挙がりました。
| 受賞 Winner |
ウエスト・サイド物語[West Side Story] |
| ノミネート Nominees |
噂の二人[The Children’s Hour] |
脚本賞 / Kyakuhon Shou[Best Screenplay Written Directly for the Screen]
脚本賞(Best Screenplay Written Directly for the Screen)は、オリジナル脚本の優れた映画作品に贈られます。第34回では、ウィリアム・インジ(William Inge)がエリア・カザン監督の青春ドラマ『草原の輝き(Splendor in the Grass)』の脚本で受賞しました。インジはブロードウェイの劇作家として「ピクニック」「バス停」などの名作で知られており、本作では1920年代のカンザスを舞台に、青春の情熱と社会的・宗教的抑圧の葛藤を繊細かつ力強く描きました。若きウォーレン・ベーティとナタリー・ウッドの共演でも話題を呼び、当時のアメリカ社会の性規範と心理的抑圧を鋭く問いかける社会的意義も高い作品です。
ノミネートには、ソ連映画の名作『誓いの休暇(Ballad of a Soldier)』、フェリーニの代表作『甘い生活(La Dolce Vita)』、ロッセリーニの傑作『ロベレ将軍(General Della Rovere)』、ロック・ハドソンとドリス・デイの人気コンビによるコメディ『恋人よ帰れ(Lover Come Back)』の各脚本が候補に名を連ねました。
| 受賞 Winner |
草原の輝き[Splendor in the Grass] |
| ノミネート Nominees |
誓いの休暇[Ballad of a Soldier] |
脚色賞 / Kyakushoku Shou[Best Screenplay Based on Material Previously Produced or Published]
脚色賞(Best Screenplay Based on Material Previously Produced or Published)は、既存の原作(小説・戯曲・ノンフィクション・テレビドラマ等)を映画用に脚色した脚本の優れた作品に贈られます。第34回では、アビー・マン(Abby Mann)が自身のテレビドラマを基に映画化した『ニュールンベルク裁判(Judgment at Nuremberg)』の脚色で受賞しました。複雑な歴史的事実と法的・倫理的問いを緻密な法廷ドラマとして構築した手腕が高く評価されており、ナチズムの責任と普通の人間の道徳的選択というテーマを鋭く掘り下げた脚本は、現代においても色あせない重厚さを持ちます。
ノミネートには、トルーマン・カポーティの原作を巧みに映画化した『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)』、アリステア・マクリーンの冒険小説を映画化した『ナバロンの要塞(The Guns of Navarone)』、ウォルター・テヴィスの小説を原作とした『ハスラー』、ブロードウェイミュージカルを映画化した『ウエスト・サイド物語』の各脚色が候補入りしました。
| 受賞 Winner |
ナバロンの要塞[Judgment at Nuremberg] |
| ノミネート Nominees |
ティファニーで朝食を[Breakfast at Tiffany’s] |
外国語映画賞 / Gaikokugo Eiga Shou[Best Foreign Language Film]
外国語映画賞(Best Foreign Language Film)は、アメリカ以外の国が公式に選出・出品した非英語映画の中から最も優れた作品に贈られます。第34回では、スウェーデンの世界的名匠イングマール・ベルイマン(Ingmar Bergman)監督の『鏡の中にある如く(Through a Glass Darkly)』が受賞しました。孤島の別荘を舞台に、精神を病んだ女性と彼女を取り巻く家族の苦悩を通じて神の存在と人間の孤独を問う本作は、ベルイマンの「神の沈黙」三部作(本作・冬の光・沈黙)の第一作にあたり、哲学的・宗教的深みと映像美で世界中の映画批評家を圧倒しました。
ノミネートには、デンマーク代表の『Harry and the Butler』、日本代表として木下惠介監督の『永遠の人(Immortal Love)』、メキシコ代表の『価値ある男(The Important Man)』、スペイン代表のブラック・コメディ『Plácido』が候補入りしました。日本からの『永遠の人』のノミネートは、この時代における日本映画の国際的評価の高さを示す重要な記録です。
| 受賞 Winner |
鏡の中にある如く[Through a Glass Darkly] |
| ノミネート Nominees |
Harry and the Butler |
長編ドキュメンタリー映画賞 / Chouhen Documentary Eiga Shou[Best Documentary Feature]
長編ドキュメンタリー映画賞(Best Documentary Feature)は、優れたドキュメンタリー長編映画に贈られます。第34回では、フランス・オランダ共同製作によるドキュメンタリー映画『空と泥(Sky Above and Mud Beneath)』が受賞しました。ニューギニアの未開地域における探検・民族研究の記録を映像化した本作は、当時の観客に未知の世界への窓を開く作品として高く評価されました。ノミネートには1960年ローマ五輪の記録映画『ローマ・オリンピック1960(The Grand Olympics)』が候補に挙がりました。
| 受賞 Winner |
空と泥[Sky Above and Mud Beneath] |
| ノミネート Nominees |
短編ドキュメンタリー映画賞 / Tanpen Documentary Eiga Shou[Best Documentary Short Subject]
短編ドキュメンタリー映画賞(Best Documentary Short Subject)は、優れたドキュメンタリー短編映画に贈られます。第34回では、国際的な医療・人道支援活動を記録した『Project Hope』が受賞しました。アメリカの非営利医療支援組織「プロジェクト・ホープ」の活動を追ったこの短編は、戦後の人道支援への社会的関心が高まっていた時代の空気を反映した作品です。
| 受賞 Winner |
Project Hope |
| ノミネート Nominees |
Breaking the Language Barrier |
短編映画賞 / Tanpen Eiga Shou[Best Live Action Short Film]
短編映画賞(Best Live Action Short Film)は、優れた実写短編映画に贈られます。第34回では、スコットランドのクライドバンク造船所で働く人々の姿を記録した短編映画『Seawards the Great Ships』が受賞しました。造船産業に従事する労働者たちの誇りと技術を叙情的に描いた本作は、当時のイギリス産業の象徴的な記録として高く評価されました。
| 受賞 Winner |
Seawards the Great Ships |
| ノミネート Nominees |
The Face of Jesus |
短編アニメ賞 / Tanpen Anime Shou[Best Animated Short Film]
短編アニメ賞(Best Animated Short Film)は、優れたアニメーション短編映画に贈られます。第34回では、旧ユーゴスラビア(現クロアチア)のザグレブ・フィルム制作による風刺アニメ『代用品(Surogat / Ersatz)』が受賞しました。物質文明と自己欺瞞をシンプルかつ鋭いデザインで皮肉るこの作品は、アメリカ以外のアニメーション映画がこの賞を初めて受賞した歴史的作品でもあり、世界のアニメーション芸術の多様性を示す画期的な受賞でした。ノミネートにはディズニーの短編やワーナーブラザーズのルーニー・テューンズ系作品が名を連ねました。
| 受賞 Winner |
代用品[Surogat] |
| ノミネート Nominees |
Aquamania |
作曲賞 / Sakkyoku Shou[Best Original Score]
作曲賞(Best Original Score)は、映画のために書き下ろされたオリジナルの音楽スコアに贈られます。第34回では、ヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini)が『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)』の映画音楽で受賞しました。ジャズとポップスを融合させたマンシーニの洗練されたスコアは、ニューヨークの洒脱な空気感を完璧に体現し、映画の世界観を決定づける重要な要素となりました。マンシーニはこの年、作曲賞に加えて歌曲賞(「ムーン・リバー」)も受賞するという2冠を達成し、映画音楽界の頂点に君臨する存在であることを証明しました。
ノミネートには、チャールトン・ヘストン主演の歴史超大作に壮大な音楽を提供したミクロス・ローザ(Miklós Rózsa)が『エル・シド(El Cid)』、戦争映画の緊張感を音楽で高めたディミトリ・ティオムキン(Dimitri Tiomkin)が『ナバロンの要塞』、モリス・ストロフとハリー・サックマンが『ファニー』、エルマー・バーンスタインが『肉体のすきま風』で候補入りしました。
| 受賞 Winner |
ティファニーで朝食を[Breakfast at Tiffany’s] |
| ノミネート Nominees |
エル・シド[El Cid] |
編曲・歌曲賞 / Henkyoku Kakyoku Shou[Best Original Song Score or Adaptation Score]
編曲賞(Best Scoring of a Musical Picture)は、ミュージカル映画における既存楽曲の編曲・音楽監修に優れた作品に贈られます。第34回では、レナード・バーンスタインの楽曲を卓越した音楽編成と録音で甦らせた『ウエスト・サイド物語』がソウル・チャップリン(Saul Chaplin)、ジョン・グリーン(Johnny Green)、シド・ラミン(Sid Ramin)、アーウィン・コスタル(Irwin Kostal)の共同受賞で栄冠を手にしました。複雑なオーケストレーションとシンコペーションを駆使したバーンスタインの楽曲を映画向けに再構築した編曲の技術力が高く評価されました。
| 受賞 Winner |
ウエスト・サイド物語[West Side Story] |
| ノミネート Nominees |
おもちゃの王国[Babes in Toyland] |
歌曲賞 / Kashou Shou[Best Original Song]
歌曲賞(Best Original Song)は、映画のために書き下ろされたオリジナル楽曲の中で最も優れたものに贈られます。第34回では、ヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini)作曲・ジョニー・マーサー(Johnny Mercer)作詞による「ムーン・リバー(Moon River)」が受賞しました。オードリー・ヘプバーンが映画『ティファニーで朝食を』の中で窓辺にギターを持ってもたれかかりながら歌うシーンとともに、この曲は映画史上最も印象的で美しい瞬間のひとつとして永遠に語り継がれています。
制作秘話として、映画公開前に映画会社のプロデューサーがこの曲を映画から削除しようとした際、オードリー・ヘプバーン自身が猛烈に反発して阻止したという有名なエピソードがあります。「ムーン・リバー」はアカデミー賞受賞後にグラミー賞「年間最優秀レコード賞」と「年間最優秀楽曲賞」も受賞し、20世紀を代表する名曲のひとつとして今日も世界中で愛され続けています。マンシーニはこの年の作曲賞と合わせて2冠を達成しました。
| 受賞 Winner |
“Moon River" – ティファニーで朝食を[Breakfast at Tiffany’s] |
| ノミネート Nominees |
“Bachelor in Paradise" – Bachelor in Paradise |
録音賞 / Rokuon Shou[Best Sound]
録音賞(Best Sound)は、映画の音響効果・録音技術の優れた作品に贈られます。第34回では、ダイナミックなダンスシーンと多彩な音楽、複雑な音響効果を鮮明かつバランスよく捉えた『ウエスト・サイド物語』がゴードン・E・ソーヤー(Gordon E. Sawyer)とフレッド・ヘインズ(Fred Hynes)の共同受賞で栄冠を手にしました。ミュージカル映画における楽曲・効果音・台詞の三要素を高水準でブレンドした録音技術が高く評価されました。屋外ロケと撮影所内での音響設計を融合させた技術的挑戦も注目されました。
| 受賞 Winner |
ウエスト・サイド物語[West Side Story] |
| ノミネート Nominees |
噂の二人[The Children’s Hour] |
美術賞(白黒) / Bijutsu Shou(Shiro Kuro)[Best Art Direction Set Decoration Black and White]
美術賞・白黒映画部門(Best Art Direction Set Decoration, Black and White)は、白黒映画における美術・セット装飾の優れた作品に贈られます。第34回では、ニューヨークのビリヤードホールを舞台にした『ハスラー(The Hustler)』がハリー・ホーナー(Harry Horner)とジーン・キャハラン(Gene Callahan)の共同受賞で栄冠を手にしました。薄暗いビリヤードホールの緊迫した雰囲気と、それと対比するギャンブル場の俗な活気を見事に表現したセット美術が、映画全体の心理的緊張感を高める重要な要素として評価されました。
| 受賞 Winner |
ハスラー[The Hustler] |
| ノミネート Nominees |
うっかり博士の大発明 フラバァ[The Absent-Minded Professor] |
美術賞(カラー) / Bijutsu Shou(Color)[Best Art Direction Set Decoration Color]
美術賞・カラー映画部門(Best Art Direction Set Decoration, Color)は、カラー映画における美術・セット装飾の優れた作品に贈られます。第34回では、ニューヨークのマンハッタン路地裏から屋上まで鮮やかに作り上げた『ウエスト・サイド物語』がボリス・レヴェン(Boris Leven)とヴィクター・A・ガンジェリン(Victor A. Gangelin)の共同受賞で栄冠を手にしました。実際のニューヨーク・ロケと撮影所内のセットを巧みに組み合わせ、移民街の雑多な活気と路地裏の危険な空気感を見事に体現したセット美術が映画の臨場感を大きく高めました。
| 受賞 Winner |
ウエスト・サイド物語[West Side Story] |
| ノミネート Nominees |
ティファニーで朝食を[Breakfast at Tiffany’s] |
撮影賞(白黒) / Satsuei Shou(Shiro Kuro)[Best Cinematography Black and White]
撮影賞・白黒映画部門(Best Cinematography, Black and White)は、白黒映画の撮影技術の優れた作品に贈られます。第34回では、ドイツ出身の名カメラマン、ユージン・シャフタン(Eugen Schüfftan)が、ビリヤードの心理戦を陰影豊かなモノクロ映像で描いた『ハスラー(The Hustler)』で受賞しました。ビリヤード台の白と黒の対比、汗ばんだ顔に当たる強いライト、暗がりに消える人物のシルエットなど、光と影を駆使した映像が映画の緊張感と主人公の孤独を雄弁に語り、映画的表現の新境地を示しました。
| 受賞 Winner |
ハスラー[The Hustler] |
| ノミネート Nominees |
うっかり博士の大発明 フラバァ[The Absent-Minded Professor] |
撮影賞(カラー) / Satsuei Shou(Color)[Best Cinematography Color]
撮影賞・カラー映画部門(Best Cinematography, Color)は、カラー映画の撮影技術の優れた作品に贈られます。第34回では、ダニエル・ファップ(Daniel L. Fapp)が躍動感あふれる鮮やかなカラー映像で『ウエスト・サイド物語』を撮影し受賞しました。ダンスシーンにおける大胆なカメラワーク、群衆の動きを追うダイナミックな移動撮影、そして夕暮れのニューヨークの街並みを詩的に捉えた映像美が高く評価されました。興味深いことに、ファップは同年の白黒撮影賞部門にも『ワン、ツー、スリー(One, Two, Three)』でノミネートされており、同一年に両部門でノミネートされるという珍しい記録を達成しています。
| 受賞 Winner |
ウエスト・サイド物語[West Side Story] |
| ノミネート Nominees |
ファニー[Fanny] |
衣裳デザイン賞(白黒) / Ishou Design Shou(Shiro Kuro)[Best Costume Design Black and White]
衣裳デザイン賞・白黒映画部門(Best Costume Design, Black and White)は、白黒映画の衣裳デザインの優れた作品に贈られます。第34回では、フェデリコ・フェリーニ監督の名作『甘い生活(La Dolce Vita)』でピエロ・ゲラルディ(Piero Gherardi)が受賞しました。1960年代のローマ上流社会を彩る洗練されたイタリアンファッションと、当時最先端のハイモードを融合させた衣裳デザインは、映画の退廃的な「甘い生活」の世界を視覚的に体現するものとして世界中のファッション界にも大きな影響を与えました。ノミネートには、黒澤明の弟子として知られる村木与四郎(Yoshirō Muraki)が日本映画『用心棒(Yojimbo)』で候補入りし、日本映画の美術水準の高さを国際的に示しました。
| 受賞 Winner |
甘い生活[La Dolce Vita] |
| ノミネート Nominees |
噂の二人[The Children’s Hour] |
衣裳デザイン賞(カラー) / Ishou Design Shou(Color)[Best Costume Design Color]
衣裳デザイン賞・カラー映画部門(Best Costume Design, Color)は、カラー映画の衣裳デザインの優れた作品に贈られます。第34回では、アイリーン・シャラフ(Irene Sharaff)が『ウエスト・サイド物語』の鮮やかな衣裳を手掛けて受賞しました。プエルトリコ系のシャーク団には暖色系・アメリカ系のジェット団には寒色系という対照的なカラースキームは、物語の対立構造を視覚的に表現する巧みなデザイン戦略として映画論的にも高く評価されています。ダンスシーンにおける衣裳の動きや色彩の使い方も映画全体の視覚的インパクトを大きく高めました。
| 受賞 Winner |
ウエスト・サイド物語[West Side Story] |
| ノミネート Nominees |
おもちゃの王国[Babes in Toyland] |
編集賞 / Henshuh Shou[Best Film Editing]
編集賞(Best Film Editing)は、映画の編集技術の優れた作品に贈られます。第34回では、トーマス・スタンフォード(Thomas Stanford)が『ウエスト・サイド物語』の疾走感あふれる編集で受賞しました。ダンスシーンにおける切れ味鋭いリズミカルなカット割り、場面転換の鮮やかさ、そして感情の高まりに合わせた緩急自在な編集テンポが、映画のエネルギーを最大限に引き出す重要な要素として高く評価されました。音楽のリズムと映像の編集を完璧にシンクロさせた技術は、ミュージカル映画の編集における教科書的な手本として後世の映像制作者にも参照されています。
| 受賞 Winner |
ウエスト・サイド物語[West Side Story] |
| ノミネート Nominees |
ファニー[Fanny] |
視覚効果賞 / Shikaku Kouka Shou[Best Visual Effects]
視覚効果賞(Best Visual Effects)は、映画の特殊効果・視覚的演出技術の優れた作品に贈られます。第34回では、エーゲ海の孤島に設置されたナチスの巨大砲台を壊滅する圧倒的な爆破シーンで知られる戦争アクション大作『ナバロンの要塞(The Guns of Navarone)』が、ビル・ウォリントン(Bill Warrington)とヴィヴィアン・C・グリーンハム(Vivian C. Greenham)の共同受賞で栄冠を手にしました。コンピューターグラフィックスが存在しない時代に、実物大のセットと精巧なミニチュアモデルを組み合わせて実現した迫力の爆破シーンは、当時の映画技術の粋を集めた傑作として今日でも高く評価されています。
| 受賞 Winner |
ニュールンベルグ裁判[The Guns of Navarone] |
| ノミネート Nominees |
うっかり博士の大発明 フラバァ[The Absent-Minded Professor] |
第34回アカデミー賞(1962年)の見どころと歴史的意義
1962年4月9日に開催された第34回アカデミー賞授賞式は、映画史に輝く数々の記録と感動的な瞬間に彩られた伝説の授賞式です。ミュージカル映画の金字塔『ウエスト・サイド物語』の前人未到の10部門受賞、外国語映画史上初の主演女優賞受賞となったソフィア・ローレンの快挙、そして「ムーン・リバー」という不朽の名曲の誕生など、映画ファンなら必ず知っておきたい歴史的瞬間が凝縮された授賞式でした。司会はアメリカのコメディの帝王ボブ・ホープ(Bob Hope)が務め、华やかな式典を盛り立てました。
『ウエスト・サイド物語』の歴史的快挙 ― 10部門受賞の圧倒的記録
第34回アカデミー賞を語る上で外せないのが、『ウエスト・サイド物語(West Side Story)』の圧倒的な受賞記録です。ロバート・ワイズとジェローム・ロビンズが共同監督を務めた本作は、ブロードウェイ・ミュージカルを原作とし、ニューヨークを舞台にした現代版『ロミオとジュリエット』として、作品賞をはじめ計10部門でオスカー像を獲得しました。11部門にノミネートされ10部門で受賞するという驚異の受賞率は、当時のアカデミー賞における歴史的記録であり、ミュージカル映画としては空前の快挙でした。共同監督のジェローム・ロビンズには監督賞の他にアカデミー特別賞も授与され、振付と演出における卓越した芸術的功績が称えられました。
『ウエスト・サイド物語』が受賞した10部門
- 作品賞 / Best Picture
- 監督賞 / Best Director(ロバート・ワイズ&ジェローム・ロビンズ)
- 助演男優賞 / Best Supporting Actor(ジョージ・チャキリス)
- 助演女優賞 / Best Supporting Actress(リタ・モレノ)
- 撮影賞(カラー)/ Best Cinematography, Color(ダニエル・ファップ)
- 美術賞(カラー)/ Best Art Direction Set Decoration, Color(ボリス・レヴェン他)
- 衣裳デザイン賞(カラー)/ Best Costume Design, Color(アイリーン・シャラフ)
- 録音賞 / Best Sound(ゴードン・E・ソーヤー、フレッド・ヘインズ)
- 編集賞 / Best Film Editing(トーマス・スタンフォード)
- 編曲賞 / Best Scoring of a Musical Picture(ソウル・チャップリン他)
ソフィア・ローレンの歴史的受賞 ― 外国語映画初の主演女優賞
主演女優賞を受賞したソフィア・ローレン(Sophia Loren)は、イタリア映画『ふたりの女(Two Women)』での母親役の演技が高く評価されました。外国語映画の演技でアカデミー主演女優賞を受賞した史上初の俳優という快挙であり、アカデミー賞がハリウッド映画に限らず世界の映画芸術を認める国際的な映画賞であることを示す重要な転換点となりました。ヴィットリオ・デ・シーカ監督による本作での彼女の演技は、戦争に翻弄される母子の姿を圧倒的なリアリズムで描き出し、言語の壁を超えて世界中の観客と批評家を感動させました。
授賞式当日、ローレン本人はローマの自宅で受賞の報を受け取ったとされており、大喜びで涙を流した様子が世界中のメディアで報じられました。彼女の快挙は、英語以外の言語で演じた俳優でも最高の評価を受けられることを証明し、以後の国際映画人にとっての大きな希望となりました。
主演男優賞 ― マクシミリアン・シェルの圧巻の法廷劇
主演男優賞に輝いたマクシミリアン・シェル(Maximilian Schell)は、スタンリー・クレイマー監督の社会派大作『ニュルンベルク裁判(Judgment at Nuremberg)』でドイツ人弁護士ハンス・ロルフェを演じました。第二次世界大戦後のニュルンベルク裁判を題材にした本作は、正義と法の複雑な関係を描き、当時の冷戦下の社会情勢とも重なる深いテーマ性を持っていました。シェルの知的で情熱的な弁護シーンは、映画史に残る名場面のひとつです。
本作にはバート・ランカスター、スペンサー・トレイシー、リチャード・ウィドマーク、モンゴメリー・クリフト、ジュディ・ガーランドらハリウッドの大物俳優が集結しており、そうした強力なキャスト陣の中でもシェルは最も鮮烈な存在感を放ち、見事に栄冠を手にしました。
「ムーン・リバー」 ― 映画音楽史に残る永遠の名曲
歌曲賞を受賞した「ムーン・リバー(Moon River)」は、ヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini)作曲、ジョニー・マーサー(Johnny Mercer)作詞による楽曲で、映画『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)』の中でオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)が窓辺でギターを弾きながら歌うシーンは、映画史上最も美しい場面のひとつとして語り継がれています。マンシーニは本作で作曲賞も受賞し、2冠を達成しました。
有名な制作秘話として、映画会社のプロデューサーがコスト削減のために本楽曲を映画から削除しようとした際、オードリー・ヘプバーン自身が激しく反発してこれを阻止したというエピソードがあります。「ムーン・リバー」はアカデミー賞受賞に続いてグラミー賞「年間最優秀レコード賞」と「年間最優秀楽曲賞」も受賞し、20世紀を代表する名曲として今日も世界中で愛され続けています。
1961年の映画界を彩った名作たち ― 多彩なジャンルと国際色豊かな候補作品
第34回アカデミー賞の候補作品は、多彩なジャンルと国際色豊かなラインナップが特徴的でした。フェデリコ・フェリーニ監督の『甘い生活(La Dolce Vita)』は衣裳デザイン賞(白黒)を受賞し、イタリア映画の芸術性を世界に示しました。また、ポール・ニューマン主演の『ハスラー(The Hustler)』は撮影賞(白黒)と美術賞(白黒)の2部門を獲得し、アメリカ映画のリアリズムの新たな到達点を見せました。外国語映画賞にはイングマール・ベルイマン監督の『鏡の中にある如く(Through a Glass Darkly)』が選ばれ、木下惠介監督の『永遠の人(Immortal Love)』が日本代表としてノミネートされるなど、この年のアカデミー賞は世界映画の多様性を映し出す鑑でした。
主な受賞・ノミネート映画の見どころ
- ウエスト・サイド物語(West Side Story) ― ニューヨーク・マンハッタンを舞台に、移民系ギャング団の対立と悲恋を描いたミュージカル。バーンスタインの名曲とロビンズの振付が融合した不朽の傑作。10部門受賞。
- ふたりの女(Two Women) ― 第二次世界大戦末期のイタリアを舞台に、戦争の狂気に翻弄される母娘の苦難を描いたドラマ。ソフィア・ローレンの演技は圧巻。
- ニュールンベルク裁判(Judgment at Nuremberg) ― 第二次大戦後のドイツ、ナチス戦犯を裁く法廷ドラマ。正義と人間の良心について深く問いかける重厚な社会派大作。
- ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's) ― トルーマン・カポーティの小説を原作に、ニューヨークで生きる自由奔放な女性を描いたロマンティック・コメディ。オードリー・ヘプバーンのファッションとムーン・リバーが永遠の名シーンを生み出した。
- ハスラー(The Hustler) ― ビリヤードの天才プレイヤーの栄光と挫折を描いた心理ドラマ。ポール・ニューマンとジャッキー・グリーソンの名演が際立つ白黒映画の傑作。
- 甘い生活(La Dolce Vita) ― ローマの退廃的な上流社会を描いたフェリーニの代表作。「パパラッチ」という言葉の語源となった作品として映画史に名を刻む。
- 鏡の中にある如く(Through a Glass Darkly) ― ベルイマンの「神の沈黙」三部作第一作。精神を病む女性と家族の物語を通し、神の存在と人間の孤独を問う哲学的傑作。外国語映画賞受賞。
- ナバロンの要塞(The Guns of Navarone) ― ナチス占領下の孤島に設置された巨大砲台を破壊するための特殊部隊を描いた戦争アクション大作。視覚効果賞受賞。
- 草原の輝き(Splendor in the Grass) ― 1920年代カンザスを舞台に、若い男女の愛と社会的抑圧を描いたエリア・カザン監督作。脚本賞受賞。
第34回アカデミー賞 主要受賞結果まとめ
以下は第34回アカデミー賞(1962年)の開催概要と主要受賞結果の一覧です。アカデミー賞の歴史を振り返る際の基本情報としてご参照ください。
| 正式名称 | 第34回アカデミー賞授賞式(34th Academy Awards) |
| 開催日 | 1962年4月9日(月曜日) |
| 会場 | サンタモニカ・シビック・オーディトリアム(Santa Monica Civic Auditorium)、カリフォルニア州サンタモニカ |
| 司会 | ボブ・ホープ(Bob Hope) |
| 対象作品 | 1961年1月1日〜12月31日にアメリカで公開された映画 |
| 最多受賞 | 『ウエスト・サイド物語(West Side Story)』 ― 10部門受賞(11部門ノミネート) |
| 作品賞 | ウエスト・サイド物語(West Side Story) |
| 監督賞 | ロバート・ワイズ&ジェローム・ロビンズ(ウエスト・サイド物語) |
| 主演男優賞 | マクシミリアン・シェル(ニュールンベルク裁判) |
| 主演女優賞 | ソフィア・ローレン(ふたりの女) ※外国語映画での受賞は史上初 |
| 助演男優賞 | ジョージ・チャキリス(ウエスト・サイド物語) |
| 助演女優賞 | リタ・モレノ(ウエスト・サイド物語) |
| 脚本賞 | ウィリアム・インジ(草原の輝き) |
| 脚色賞 | アビー・マン(ニュールンベルク裁判) |
| 外国語映画賞 | 鏡の中にある如く / Through a Glass Darkly(スウェーデン、監督:イングマール・ベルイマン) |
| 作曲賞 | ヘンリー・マンシーニ(ティファニーで朝食を) |
| 歌曲賞 | 「ムーン・リバー / Moon River」― ティファニーで朝食を(マンシーニ作曲、マーサー作詞) |
| 編曲賞 | ソウル・チャップリン他(ウエスト・サイド物語) |
| 録音賞 | ゴードン・E・ソーヤー、フレッド・ヘインズ(ウエスト・サイド物語) |
| 編集賞 | トーマス・スタンフォード(ウエスト・サイド物語) |
| 撮影賞(白黒) | ユージン・シャフタン(ハスラー) |
| 撮影賞(カラー) | ダニエル・ファップ(ウエスト・サイド物語) |
| 美術賞(白黒) | ハリー・ホーナー、ジーン・キャハラン(ハスラー) |
| 美術賞(カラー) | ボリス・レヴェン、ヴィクター・A・ガンジェリン(ウエスト・サイド物語) |
| 衣裳デザイン賞(白黒) | ピエロ・ゲラルディ(甘い生活) |
| 衣裳デザイン賞(カラー) | アイリーン・シャラフ(ウエスト・サイド物語) |
| 視覚効果賞 | ビル・ウォリントン、ヴィヴィアン・C・グリーンハム(ナバロンの要塞) |

