[1959年開催(1958年映画作品対象)]第31回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜

3月 10, 2026Academy Awards,Movie,Products

アカデミー賞(Academy Awards)とは、映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences / AMPAS)が主催する、アメリカ合衆国で最も権威のある映画賞です。アメリカにおける映画の健全な発展と芸術・科学の品質向上を目的に、キャスト・スタッフなどの映画関係者を毎年部門別に表彰し、その優れた功績を讃えています。

受賞者には賞金は授与されませんが、金色のオスカー像(Oscar statuette)が贈られることから「オスカー賞(The Oscars)」の通称でも世界的に親しまれています。

アカデミー賞の歴史は世界三大映画祭(カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭)よりも古く、第1回授賞式は1929年に開催されました。以来、毎年世界中のメディアが注目する映画界最大のイベントとして定着しています。

アカデミー賞のノミネートおよび受賞結果は各国で大きく報道され、対象映画の興行成績やDVD・配信売上に多大な影響を与えます。映画界で著名なプロデューサー、監督、脚本家、俳優、批評家などで構成されるアカデミー会員の投票によって選出されるため、その評価の信頼性は極めて高いとされています。

本記事では、1959年4月6日にハリウッドのRKOパンテージ・シアター(RKO Pantages Theatre)で開催された第31回アカデミー賞授賞式の全受賞結果とノミネート作品を部門別に一覧でまとめています。対象は1958年に公開された映画作品です。

第31回アカデミー賞(1959年開催)の概要と見どころ

第31回アカデミー賞(31st Academy Awards)の授賞式は1959年4月6日、カリフォルニア州ハリウッドのRKOパンテージ・シアター(RKO Pantages Theatre)において盛大に開催されました。司会はボブ・ホープ(Bob Hope)が務め、映画界を代表する俳優・監督・スタッフが一堂に会しました。対象作品は1958年1月1日から12月31日までに公開されたアメリカ映画です。

この年の最大の話題は、MGM制作のミュージカル映画『恋の手ほどき(Gigi)』がノミネートされた全9部門を完全制覇するという前代未聞の快挙を達成したことです。作品賞・監督賞・脚色賞・撮影賞(カラー)・美術賞・衣裳デザイン賞・編集賞・編曲・歌曲賞・歌曲賞の9冠は、当時のアカデミー賞史上最多受賞タイ記録(1939年の『風と共に去りぬ』と並ぶ)であり、ミュージカル映画の完成形として映画史に燦然と輝く金字塔です。アラン・ジェイ・ラーナーとフレデリック・ロウによる楽曲、セシル・ビートンの洗練された衣裳デザイン、ヴィンセント・ミネリの華麗な演出、そしてルイ・ジュールダンとレスリー・キャロンの名演が、あらゆる審査員を魅了しました。

一方で、当時のアメリカが直面していた人種差別・公民権運動の時代背景を色濃く反映したスタンリー・クレイマー監督の社会派傑作『手錠のまゝの脱獄(The Defiant Ones)』も、脚本賞・撮影賞(白黒)の2冠を獲得し高く評価されました。白人のトニー・カーティスと黒人のシドニー・ポワチエが逃亡囚として共鎖につながれながら友情を育む本作は、主演二人がそろって主演男優賞にノミネートされるという異例の事態となり、多様性と人種平等のメッセージが世界に発信された歴史的作品です。

また、外国語映画賞ではフランスの喜劇王ジャック・タチ(Jacques Tati)監督による『ぼくの伯父さん(Mon Oncle / My Uncle)』が受賞。短編ドキュメンタリー映画賞では、日本の伝統的な漁業文化を世界に紹介した『海女ガール(Ama Girls)』が栄冠に輝き、国際的な文化交流の観点からも記憶に残る授賞式となりました。

以下、第31回アカデミー賞の全部門における受賞作品・受賞者とノミネート作品の一覧を、各部門の解説とともに詳しく紹介します。

[1959年開催(1958年映画作品対象)]第31回アカデミー賞(オスカー賞)受賞映画作品(ノミネート含む) まとめ・一覧 / List of Academy Awards(The Oscars) Nominees 〜アメリカ合衆国の優れた映画と関係者が毎年部門別に表彰されるAMPAS主催の映画賞〜

作品賞 / Best Picture

作品賞はアカデミー賞で最も権威ある最高栄誉部門であり、当該年度を代表する映画作品に授与されます。第31回では、パリを舞台にした豪華絢爛なミュージカル映画『恋の手ほどき(Gigi)』がプロデューサーのアーサー・フリード(Arthur Freed)名義で受賞しました。コレット原作の物語を、ラーナー&ロウの名曲の数々と華やかなビジュアルで彩った本作は、当時のハリウッド黄金期ミュージカルの到達点とも言える完成度を誇ります。ノミネート作品には、テネシー・ウィリアムズ原作の『熱いトタン屋根の猫(Cat on a Hot Tin Roof)』や社会派の『手錠のまゝの脱獄(The Defiant Ones)』など、多彩なジャンルの名作が名を連ねました。

受賞
Winner
恋の手ほどき[Gigi] ⇒ Arthur Freed

ノミネート
Nominees

メイム叔母さん[Auntie Mame] ⇒ Jack L. Warner
熱いトタン屋根の猫[Cat on a Hot Tin Roof] ⇒ Lawrence Weingarten
手錠のまゝの脱獄[The Defiant Ones] ⇒ Stanley Kramer
旅路[Separate Tables] ⇒ Harold Hecht

監督賞 / Best Director

監督賞は映画の演出・総指揮を担う監督の卓越した技量を称える部門です。第31回ではヴィンセント・ミネリ(Vincente Minnelli)が『恋の手ほどき(Gigi)』での演出により受賞しました。19世紀末から20世紀初頭のパリを夢のように再現した映像美と、俳優陣の繊細な感情表現を引き出した演出力が高く評価されました。ノミネートには、社会派映画『手錠のまゝの脱獄』のスタンリー・クレイマー、サスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコックの弟子筋にあたるロバート・ワイズ(『私は死にたくない』)など実力派監督が揃いました。

受賞
Winner
恋の手ほどき[Gigi] ⇒ ヴィンセント・ミネリ[Vincente Minnelli]

ノミネート
Nominees

熱いトタン屋根の猫[Cat on a Hot Tin Roof] ⇒ リチャード・ブルックス[Richard Brooks]
私は死にたくない[I Want to Live!] ⇒ ロバート・ワイズ[Robert Wise]
手錠のまゝの脱獄[The Defiant Ones] ⇒ スタンリー・クレイマー[Stanley Kramer]
六番目の幸福[The Inn of the Sixth Happiness] ⇒ マーク・ロブソン[Mark Robson]

主演男優賞 / Best Actor

主演男優賞は映画の主役として際立った演技を披露した俳優に贈られます。第31回では、イギリス人俳優デヴィッド・ニーヴン(David Niven)が『旅路(Separate Tables)』での軍人キャラクターを繊細かつ深みのある演技で体現し、初のオスカーを手にしました。この年のノミネートは非常に競争が激しく、『熱いトタン屋根の猫』のポール・ニューマン、そして白人トニー・カーティスと黒人シドニー・ポワチエが同一作品『手錠のまゝの脱獄』からダブルノミネートされたことは歴史的な出来事でした。シドニー・ポワチエのノミネートは、アフリカ系アメリカ人俳優としての先駆的な快挙として映画史に刻まれています。

受賞
Winner
旅路[Separate Tables] ⇒ デヴィッド・ニーヴン[David Niven]

ノミネート
Nominees

手錠のまゝの脱獄[The Defiant Ones] ⇒ トニー・カーティス[Tony Curtis]
熱いトタン屋根の猫[Cat on a Hot Tin Roof] ⇒ ポール・ニューマン[Paul Newman]
手錠のまゝの脱獄[The Defiant Ones] ⇒ シドニー・ポワチエ[Sidney Poitier]
老人と海[The Old Man and the Sea] ⇒ スペンサー・トレイシー[Spencer Tracy]

主演女優賞 / Best Actress

主演女優賞は映画の主役として卓越した演技を見せた女優に授与される最高栄誉です。第31回ではスーザン・ヘイワード(Susan Hayward)が、実在した死刑囚バーバラ・グラハムの波乱の人生を演じた社会派映画『私は死にたくない(I Want to Live!)』での圧巻の演技により受賞しました。これはヘイワードにとって5度目のノミネートにして初受賞であり、彼女のキャリア最高傑作とも称される名演として今なお高く評価されています。ノミネートには、デボラ・カー(旅路)、エリザベス・テイラー(熱いトタン屋根の猫)、シャーリー・マクレーン(走り来る人々)など、時代を代表する名女優たちが顔を揃えました。

受賞
Winner
私は死にたくない[I Want to Live!] ⇒ スーザン・ヘイワード[Susan Hayward]

ノミネート
Nominees

旅路[Separate Tables] ⇒ デボラ・カー[Deborah Kerr]
走り来る人々[Some Came Running]] ⇒ シャーリー・マクレーン[Shirley MacLain]
メイム叔母さん[Auntie Mame] ⇒ ロザリンド・ラッセル[Rosalind Russell]
熱いトタン屋根の猫[Cat on a Hot Tin Roof] ⇒ エリザベス・テイラー[Elizabeth Taylor]

助演男優賞 / Best Supporting Actor

助演男優賞は映画を引き立てる脇役俳優の優れた演技を讃える部門です。第31回では、カントリー音楽の伝説的シンガーとしても知られるバール・アイヴス(Burl Ives)が、ウィリアム・ワイラー監督の大作西部劇『大いなる西部(The Big Country)』でのテキサスの牧場主ルーファス・ヘネシーを演じ、圧倒的な存在感と演技力で受賞しました。歌手としてのダイナミックさを活かした重厚な演技は、単なる悪役にとどまらない人間的な複雑さを体現したものでした。ノミネートには社会派映画『手錠のまゝの脱獄』のセオドア・ビケル、ドストエフスキー原作の『カラマゾフの兄弟』のリー・J・コッブなど実力派が揃いました。

受賞
Winner
大いなる西部[The Big Country] ⇒ バール・アイヴス[Burl Ives]

ノミネート
Nominees

手錠のまゝの脱獄[The Defiant Ones]
⇒ セオドア・ビケル[Theodore Bikel]
リー・J・コッブ[Lee J. Cobb] ⇒ カラマゾフの兄弟[The Brothers Karamazov
走り来る人々[Some Came Running] ⇒ アーサー・ケネディ[Arthur Kennedy]
先生のお気に入り[Teacher’s Pet] ⇒ ギグ・ヤング [Gig Young]

助演女優賞 / Best Supporting Actress

助演女優賞は映画の物語に深みと彩りを加える助演女優の名演を称える部門です。第31回ではウェンディ・ヒラー(Wendy Hiller)が、デルバート・マン監督の心理ドラマ『旅路(Separate Tables)』にて宿屋の女主人を演じ受賞しました。抑制の効いた演技の中に滲む複雑な感情表現が高く評価されています。なお、作品賞・主演男優賞ノミネート作品の『旅路』からは主演の二人に加え助演でもヒラーが受賞するなど、本作は多部門で評価された年度を代表する作品の一つとなりました。ノミネートには『メイム叔母さん』のペギー・キャス、『孤独の旅路』のモーリン・ステイプルトンなどが名を連ねました。

受賞
Winner
旅路[Separate Tables] ⇒ ウェンディ・ヒラー[Wendy Hiller]

ノミネート
Nominees

メイム叔母さん[Auntie Mame] ⇒ ペギー・キャス[Peggy Cass]
走り来る人々[Some Came Running]] ⇒ マーサ・ハイヤー[Martha Hyer]v
孤独の旅路[Lonelyhearts] ⇒ モーリン・ステイプルトン[Maureen Stapleton]
手錠のまゝの脱獄[The Defiant Ones] ⇒ カーラ・ウィリアムズ[Cara Williams]

脚本賞 / Best Original Screenplay

脚本賞(オリジナル脚本賞)は、既存の作品に依拠せずオリジナルで書かれた優れた脚本に贈られます。第31回ではネドリック・ヤング(Nedrick Young)とハロルド・ジェイコブ・スミス(Harold Jacob Smith)が『手錠のまゝの脱獄(The Defiant Ones)』で受賞しました。人種差別が深刻だった1950年代アメリカにおいて、肌の色の異なる二人の逃亡囚がお互いを認め合い絆を築くというドラマを鮮やかに描いたこの脚本は、社会的メッセージと映画的エンターテインメントを高次元で融合させた傑作です。なお、当時ブラックリストに載っていたネドリック・ヤングはノーザン・ヤング(Nathan E. Young)の偽名での受賞でした。

受賞
Winner
手錠のまゝの脱獄[The Defiant Ones] ⇒ ネドリック・ヤング[Nedrick Young]、ハロルド・ジェイコブ・スミス[Harold Jacob Smith]

ノミネート
Nominees

The Goddess ⇒ パディ・チャイエフスキー[Paddy Chayefsky]
月夜の出来事[Houseboat] ⇒ メルヴィル・シェイヴルソン[Melville Shavelson]、ジャック・ローズ[Jack Rose]
縄張り[The Sheepman] ⇒ ウィリアム・バワーズ[William Bowers]、ジェームズ・エドワード・グラント[James Edward Grant]
先生のお気に入り[Teacher’s Pet] ⇒ フェイ・ケニン[Fay Kanin]、マイケル・ケニン[Michael Kanin]

脚色賞 / Best Adapted Screenplay

脚色賞(脚本賞・翻案部門)は、小説・戯曲・ノンフィクションなど既存の原作を映画脚本へと翻案した優れた作品を称える部門です。第31回ではアラン・ジェイ・ラーナー(Alan Jay Lerner)が、コレット(Colette)の短編小説を原作とする『恋の手ほどき(Gigi)』で受賞しました。19世紀末パリを舞台にした恋愛物語を洗練されたミュージカル台本に仕立て上げ、作詞も手がけた楽曲「ジジ」「シェ・ノウ」などとともに映画の魅力を最大限に引き出したラーナーの才能が高く評価されました。

受賞
Winner
恋の手ほどき[Gigi] ⇒ アラン・ジェー・ラーナー[Alan Jay Lerner]

ノミネート
Nominees

熱いトタン屋根の猫[Cat on a Hot Tin Roof] ⇒ リチャード・ブルックス[Richard Brooks]、ジェームズ・ポー[James Poe]
The Horse’s Mouth ⇒ アレック・ギネス[Alec Guinness]
私は死にたくない[I Want to Live!] ⇒ ドン・マンキウィッツ[Don Mankiewicz]、ネルソン・ギディング[Nelson Gidding]
旅路[Separate Tables] ⇒ ジョン・ゲイ[John Gay]、テレンス・ラティガン[Terence Rattigan]

外国語映画賞 / Best Foreign Language Film

外国語映画賞は英語以外の言語で製作されたアメリカ国外の優れた映画作品に贈られる部門です。第31回ではフランスの喜劇映画『ぼくの伯父さん(Mon Oncle / My Uncle)』が受賞しました。監督・主演を務めたジャック・タチ(Jacques Tati)が演じる不器用でユニークなユロー氏を通じ、急速に機械化・効率化が進む現代文明への風刺と、人間的な温かさの大切さをユーモアたっぷりに描いた本作は、世界中で高い評価を得た傑作喜劇映画です。1958年のカンヌ国際映画祭でも審査員特別賞を受賞するなど、国際的な評価を誇ります。ノミネートにはイタリアのコメディ『Big Deal on Madonna Street』なども含まれ、欧州映画の多様な魅力が紹介された年でした。

受賞
Winner
ぼくの伯父さん[My Uncle] (フランス[France])

ノミネート
Nominees

Arms and the Man (ドイツ[Germany])
The Road a Year Long (ユーゴスラビア[Yugoslavia])
Big Deal on Madonna Street (イタリア[Italy])
La venganza (スペイン[Spain])

長編ドキュメンタリー映画賞 / Best Documentary Feature

長編ドキュメンタリー映画賞は、現実の出来事や自然・社会を記録した長編ドキュメンタリー作品の中で最も優れたものに贈られます。第31回ではウォルト・ディズニー・プロダクション制作の自然ドキュメンタリー『白い荒野(White Wilderness)』がベン・シャープスティーン(Ben Sharpsteen)プロデュースで受賞しました。カナダ北極圏の雄大な自然とレミング・シロクマなどの野生動物の生態を圧倒的な映像美で捉えた本作は、ネイチャードキュメンタリーの名作として今も語り継がれています。

受賞
Winner
白い荒野[White Wilderness] ⇒ ベン・シャープスティーン[Ben Sharpsteen]

ノミネート
Nominees

Antarctic Crossing
The Hidden World
Psychiatric Nursing

短編ドキュメンタリー映画賞 / Best Documentary Short Subject

短編ドキュメンタリー映画賞は、短尺のドキュメンタリー作品の中で特に優れたものに贈られます。第31回では日本の海女文化を題材にした短編ドキュメンタリー『海女ガール(Ama Girls)』が受賞し、日本の伝統的な素潜り漁業の文化と、海女たちの逞しい生き様を世界のスクリーンに映し出しました。アカデミー賞という国際的な舞台で日本文化が高く評価されたことは、当時の日本にとっても大きな話題となりました。現代においても、人間と自然の共生を描いたこの作品は記録映像として高い価値を持ちます。

受賞
Winner
海女ガール[Ama Girls] ⇒ ベン・シャープスティーン[Ben Sharpsteen]

ノミネート
Nominees

Employees Only
Journey into Spring
The Living Stone
Overture

短編映画賞 / Best Live Action Short Film

短編映画賞(実写短編部門)は、実写で制作された短編映画の優れた作品に贈られます。第31回ではウォルト・ディズニー(Walt Disney)制作の短編実写映画『グランド・キャニオン(Grand Canyon)』が受賞しました。グランドキャニオンの荘厳な自然美を鮮やかな映像で捉えたこの短編は、大自然の圧倒的なスケールを映像芸術として昇華させた傑作です。当時の映像技術を駆使した撮影と詩的な編集が高く評価されました。

受賞
Winner
グランド・キャニオン[Grand Canyon] ⇒ ウォルト・ディズニー[Walt Disney]

ノミネート
Nominees

Journey into Spring ⇒ イアン・ファーガソン[Ian Ferguson]
The Kiss ⇒ ジョン・ヘイズ[John Hayes]
Snows of Aorangi ⇒ New Zealand Screen Board
T Is for Tumbleweed ⇒ James A. Lebenthal

短編アニメ賞 / Best Animated Short Film

短編アニメーション映画賞は、アニメーション技法で制作された短編映画の優れた作品に贈られます。第31回ではワーナー・ブラザース制作の『Knighty Knight Bugs』がジョン・W・バートン(John W. Burton)プロデュースで受賞しました。おなじみのバッグス・バニーが中世騎士の世界に迷い込む冒険コメディであり、ルーニー・テューンズシリーズのユーモアとアニメーション技術の高さが評価されました。アカデミー賞史において、バッグス・バニーが主役を務めた短編作品がオスカーを受賞した唯一の例として記録されています。

受賞
Winner
Knighty Knight Bugs ⇒ ジョン・W・バートン[John W. Burton]

ノミネート
Nominees

Paul Bunyan ⇒ ウォルト・ディズニー[Walt Disney]
Sidney’s Family Tree ⇒ William M. Weiss

作曲賞 / Best Original Score

作曲賞(ドラマ映画部門)は、映画のための優れたオリジナルスコアを作曲した作曲家に贈られます。第31回ではディミトリ・ティオムキン(Dimitri Tiomkin)が、ヘミングウェイ原作の不朽の名作『老人と海(The Old Man and the Sea)』のために書いた壮大な音楽で受賞しました。キューバ沖の大海原で老漁師が巨大カジキと格闘する孤独と執念を、力強くも叙情豊かなオーケストラスコアで見事に表現したティオムキンの作曲は、映画を忘れがたい芸術作品へと昇華させる重要な要素となっています。ノミネートには『大いなる西部』のジェローム・モロスによる雄大な西部劇音楽なども含まれました。

受賞
Winner
老人と海[The Old Man and the Sea] ⇒ ディミトリ・ティオムキン[Dimitri Tiomkin]

ノミネート
Nominees

大いなる西部[The Big Country] ⇒ ジェローム・モロス[Jerome Moross]
旅路[Separate Tables] ⇒ デイヴィッド・ラクシン[David Raksin]
白い荒野[White Wilderness] ⇒ オリバー・ウォレス[Oliver Wallace]
若き獅子たち[The Young Lions] ⇒ ヒューゴ・フリードホーファー[Hugo Friedhofer]

編曲・歌曲賞 / Best Scoring of a Musical Picture

編曲・歌曲賞はミュージカル映画における楽曲の編曲・音楽監督の優れた仕事に贈られる部門です。第31回ではアンドレ・プレヴァン(André Previn)が『恋の手ほどき(Gigi)』の編曲・音楽監督として受賞しました。フレデリック・ロウ作曲の名曲群を映画用にアレンジし、パリの雰囲気を完璧に再現した華麗なオーケストレーションは、本作の魅力を数段引き上げる役割を果たしています。後に指揮者・ピアニストとして世界的名声を確立したアンドレ・プレヴァンの、映画音楽家としての卓越した才能が存分に発揮された受賞です。

受賞
Winner
恋の手ほどき[Gigi] ⇒ André Previn

ノミネート
Nominees

The Bolshoi Ballet ⇒ Yuri Faier and G. Rozhdestvensky
くたばれ!ヤンキース[Damn Yankees!] ⇒ Ray Heindorf
恋愛候補生[Mardi Gras] ⇒ Lionel Newman
南太平洋[South Pacific] ⇒ Alfred Newman and Ken Darby

歌曲賞 / Best Original Song

歌曲賞は映画のために作られたオリジナル楽曲の中で最も優れたものに贈られます。第31回では映画タイトルと同名の楽曲「Gigi」が受賞しました。作曲はフレデリック・ロウ(Frederick Loewe)、作詞はアラン・ジェイ・ラーナー(Alan Jay Lerner)によるこの楽曲は、ルイ・ジュールダンが映画中で歌い上げ、パリの恋愛の機微を優雅なメロディに乗せた作品です。ラーナー&ロウのコンビはブロードウェイミュージカル「マイ・フェア・レディ」でも知られており、本作での映画音楽も高い完成度を誇ります。ノミネートには『月夜の出来事』や『走り来る人々』からも印象的な楽曲が選ばれました。

受賞
Winner
恋の手ほどき[Gigi]" – 恋の手ほどき[Gigi] ⇒ 作曲:フレデリック・ロウ[Frederick Loewe]、作曲:アラン・ジェイ・ラーナー[Alan Jay Lerner]

ノミネート
Nominees

“Almost In Your Arms (Love Song from Houseboat)" – 月夜の出来事[Houseboat] ⇒ 作詞・作曲:ジェイ・リビングストン[Jay Livingston]、レイ・エバンズ[Ray Evans]
“A Certain Smile" – ある微笑[A Certain Smile] ⇒ 作曲:サミー・フェイン[Sammy Fain]、作曲:ポール・フランシス・ウェブスター[Paul Francis Webster]
“To Love and Be Loved" – 走り来る人々[Some Came Running]] ⇒ 作曲:ジミー・ヴァン・ヒューゼン[Jimmy Van Heusen]、作曲:サミー・カーン[Sammy Cahn]
“A Very Precious Love" – 初恋[Marjorie Morningstar] ⇒ 作曲:サミー・フェイン[Sammy Fain]、作曲:ポール・フランシス・ウェブスター[Paul Francis Webster]

録音賞 / Best Sound Recording

録音賞は映画における音声収録・音響設計の卓越した技術力を称える部門です。第31回ではジョシュア・ローガン監督のミュージカル大作『南太平洋(South Pacific)』がフレッド・ハインズ(Fred Hynes)の録音によって受賞しました。ロジャース&ハマースタイン作のブロードウェイミュージカルを映画化した本作は、太平洋の島々を舞台にした壮大な物語と印象的な楽曲「Some Enchanted Evening」「Bali Ha'i」などで知られ、そのサウンドトラックは当時の録音技術の最高水準を示す作品です。ノミネートには、ヒッチコック監督の傑作サスペンス『めまい(Vertigo)』なども名を連ねました。

受賞
Winner
南太平洋[South Pacific] ⇒ フレッド・ハインズ[Fred Hynes]

ノミネート
Nominees

私は死にたくない[I Want to Live!] ⇒ ゴードン・E・ソーヤー[Gordon E. Sawyer]
愛する時と死する時[A Time to Love and a Time to Die] ⇒ Leslie I. Carey
めまい[Vertigo] ⇒ ジョージ・ダットン[George Dutton]
若き獅子たち[The Young Lions] ⇒ カールトン・W・フォークナー[Carlton W. Faulkner]

美術賞 / Best Art Direction - Set Decoration

美術賞(美術監督・セット装飾部門)は、映画の舞台美術・セット建築・装飾において卓越した芸術的センスと技術を発揮したスタッフに贈られます。第31回では『恋の手ほどき(Gigi)』がウィリアム・A・ホーニング(William A. Horning)、E・プレストン・エーミス(E. Preston Ames)、ヘンリー・グレース(Henry Grace)、キオー・グリースン(F. Keogh Gleason)らによって受賞しました。19世紀末から20世紀初頭のパリのカフェ・コンセール、貴族の邸宅、ブローニュの森など、絢爛たるベル・エポック時代のパリを再現したセット美術は、映画の夢幻的な雰囲気を決定づける重要な要素であり、本作9冠の一角を担いました。

受賞
Winner
恋の手ほどき[Gigi] ⇒ ウィリアム・A・ホーニング[William A. Horning]、E・プレストン・エーミス[E. Preston Ames]、ヘンリー・グレース[Henry Grace]、キオー・グリースン[F. Keogh Gleason]

ノミネート
Nominees

メイム叔母さん[Auntie Mame] ⇒ マルコム・バート[Malcolm Bert]、ジェームズ・ホプキンス[George James Hopkins]
媚薬[Bell, Book and Candle] ⇒ Cary Odell、Louis Diage
ある微笑[A Certain Smile] ⇒ Lyle R. Wheeler and John DeCuir、Walter M. Scott、ポール・S・フォックス[Paul S. Fox]
めまい[Vertigo] ⇒ ハル・ペレイラ[Hal Pereira]、ヘンリー・バムステッド[Henry Bumstead]、サム・コマー[Samuel M. Comer]、フランク・マクケルビー[Frank R. McKelvy]

撮影賞(白黒) / Best Cinematography, Black-and-White

撮影賞(白黒部門)は、白黒フィルムで撮影された映画の中で特に卓越した撮影技術を発揮した撮影監督に贈られます。第31回ではサム・リーヴィット(Sam Leavitt)が『手錠のまゝの脱獄(The Defiant Ones)』での撮影で受賞しました。逃亡を続ける二人の囚人を追う緊迫感あるドキュメンタリータッチのカメラワーク、南部の荒野や沼地の過酷な環境を臨場感たっぷりに捉えた映像は、社会的テーマの深みをさらに際立たせる役割を果たしました。荒々しく力強い白黒映像が、人種を超えた人間の尊厳と連帯を力強く語りかける本作の代名詞となっています。

受賞
Winner
手錠のまゝの脱獄[The Defiant Ones] ⇒ サム・リーヴィット[Sam Leavitt]

ノミネート
Nominees

楡の木蔭の欲望[Desire Under the Elms] ⇒ ダニエル・L・ファップ[Daniel L. Fapp]
私は死にたくない[I Want to Live!] ⇒ ライオネル・リンドン[Lionel Lindon]
旅路[Separate Tables] ⇒ チャールズ・ラング・Jr[Charles Lang]
若き獅子たち[The Young Lions] ⇒ ジョー・マクドナルド[Joseph MacDonald]

撮影賞(カラー) / Best Cinematography, Color

撮影賞(カラー部門)は、カラーフィルムを用いた映画の中で特に優れた撮影技術と芸術的ビジョンを発揮した撮影監督に贈られます。第31回ではジョセフ・ルッテンバーグ(Joseph Ruttenberg)が『恋の手ほどき(Gigi)』での鮮やかなカラー撮影で受賞しました。パリの街並み、オペラ座、カフェテラス、ドーヴィルの海辺など、ベル・エポック時代の華やかな情景をCinemaScope(ワイドスクリーン)フォーマットで贅沢に映し出した映像は、映画の物語世界に観客を完全に引き込む圧倒的な視覚的豊かさを誇ります。ノミネートにはヒッチコックの傑作『めまい(Vertigo)』の撮影も含まれましたが、Gigiの映像美が最高評価を得ました。

受賞
Winner
恋の手ほどき[Gigi] ⇒ ジョセフ・ルッテンバーグ[Joseph Ruttenberg]

ノミネート
Nominees

メイム叔母さん[Auntie Mame] ⇒ ハリー・ストラドリング[Harry Stradling, Sr.]
熱いトタン屋根の猫[Cat on a Hot Tin Roof] ⇒ ウィリアム・H・ダニエルズ[William Daniels]
老人と海[The Old Man and the Sea] ⇒ ジェームズ・ウォン・ハウ[James Wong Howe]
南太平洋[South Pacific] ⇒ レオン・シャムロイ[Leon Shamroy]

衣裳デザイン賞 / Best Costume Design

衣裳デザイン賞は映画における衣裳のデザイン・製作において傑出した芸術的センスと技術を発揮した衣裳デザイナーに贈られます。第31回ではセシル・ビートン(Cecil Beaton)が『恋の手ほどき(Gigi)』での衣裳デザインで受賞しました。写真家・舞台デザイナーとして世界的名声を誇るセシル・ビートンは、19世紀末パリのベル・エポック時代を彷彿とさせる豪奢なドレスや帽子、紳士服を精緻にデザインし、女優レスリー・キャロンをはじめとする出演者全員に時代の空気をまとわせることに成功しました。本部門受賞も含めたGigiの9冠は、映画における衣裳が物語の一部として不可欠であることを証明した輝かしい事例です。

受賞
Winner
恋の手ほどき[Gigi] ⇒ セシル・ビートン[Cecil Beaton]

ノミネート
Nominees

媚薬[Bell, Book and Candle] ⇒ ジャン・ルイ[Jean Louis]
大海賊[The Buccaneer] ⇒ ラルフ・ジェスター[Ralph Jester]、イーディス・ヘッド[Edith Head]、ジョン・ジェンスン[John Jensen]
ある微笑[A Certain Smile] ⇒ チャールズ・ルメイア[Charles LeMaire]、メアリー・ウィルズ[Mary Wills]
走り来る人々[Some Came Running]] ⇒ ウォルター・プランケット[Walter Plunkett]

編集賞 / Best Film Editing

編集賞は映画の撮影済み映像を巧みに組み合わせ、テンポ・リズム・物語の流れを最適化した編集者の優れた技術と芸術的センスを称える部門です。第31回ではエードリアン・ファザン(Adrienne Fazan)が『恋の手ほどき(Gigi)』の編集で受賞しました。ミュージカルナンバーとドラマシーンをシームレスに繋ぎ、映画全体を流麗かつ心地よいテンポへと仕上げた編集技術は、本作の完成度の高さを支える縁の下の力持ち的な仕事です。9冠の一つとして、映画製作の技術部門全体における本作の卓越性を改めて示しました。

受賞
Winner
恋の手ほどき[Gigi] ⇒ エードリアン・ファザン[Adrienne Fazan]

ノミネート
Nominees

メイム叔母さん[Auntie Mame] ⇒ William Ziegler
カウボーイ[Cowboy] ⇒ William Lyon、アル・クラーク[Al Clark]
手錠のまゝの脱獄[The Defiant Ones] ⇒ Frederic Knudtson
私は死にたくない[I Want to Live!] ⇒ William Hornbeck

視覚効果賞 / Best Special Effects

視覚効果賞(特殊効果賞)は、映画において視覚的に驚異的な効果を生み出した技術者・部門に贈られます。第31回ではトム・ハワード(Tom Howard)が手がけたファンタジー映画『親指トム(tom thumb)』が受賞しました。グリム童話を原作に、指の大きさしかない小人の少年の冒険を描いた本作は、実物大のセットと小道具を駆使した合成撮影・ミニチュア技術を巧みに組み合わせ、CG技術のない時代にリアルかつ楽しい視覚効果を実現した映像的な快作です。子どもから大人まで楽しめるファンタジー映画の古典として今なお愛されています。

受賞
Winner

親指トム[tom thumb] ⇒ Tom Howard

ノミネート
Nominees

雷撃命令[Torpedo Run] ⇒ A. Arnold Gillespie and Harold Humbrock

第31回アカデミー賞(1959年) まとめ・総評

1959年4月6日に開催された第31回アカデミー賞(1958年公開作品対象)は、ハリウッド映画史の中でも特筆すべき年として映画ファンの記憶に深く刻まれています。最大の主役は言うまでもなく、MGM制作のミュージカル映画『恋の手ほどき(Gigi)』でした。ノミネートを受けた全9部門を完全制覇するという前人未到の快挙は、1939年の『風と共に去りぬ』が樹立した当時の最多受賞タイ記録に並ぶ偉業です。作品賞・監督賞(ヴィンセント・ミネリ)・脚色賞(アラン・ジェイ・ラーナー)・撮影賞カラー(ジョセフ・ルッテンバーグ)・美術賞・衣裳デザイン賞(セシル・ビートン)・編集賞・編曲・歌曲賞(アンドレ・プレヴァン)・歌曲賞と、芸術部門から技術部門まで幅広い9冠は、一つの映画作品が持ち得る完成度の高さを余すところなく示しました。

演技部門の受賞者と注目ポイント

演技部門では、Gigiが席巻した技術・芸術部門とは対照的に、複数の作品から受賞者が生まれました。主演男優賞は『旅路(Separate Tables)』のデヴィッド・ニーヴン(David Niven)が受賞。英国紳士的な気品の中に秘めた弱さと人間的温かみを繊細に演じ、多くの批評家から絶賛されました。この年の主演男優賞争いは特に注目を集め、同一作品『手錠のまゝの脱獄』から白人俳優トニー・カーティスと黒人俳優シドニー・ポワチエが同時にノミネートされた歴史的な事件は、公民権運動が高まりを見せていた当時のアメリカ社会においてきわめて大きな意味を持ちました。

主演女優賞は、実在した死刑囚の人生を渾身の演技で体現したスーザン・ヘイワード(Susan Hayward)が『私は死にたくない(I Want to Live!)』で受賞。5回目のノミネートにして初受賞という背景も重なり、授賞式では会場から割れんばかりの拍手が送られました。助演男優賞はカントリー歌手でもあるバール・アイヴスが『大いなる西部』で、助演女優賞はウェンディ・ヒラーが主演女優賞ノミネートの旅路と同作で受賞し、本作は複数部門での受賞を果たしました。

社会派映画の台頭と時代背景

第31回では、Gigiの華やかな成功と同時に、社会的問題を正面から描いた作品群がアカデミー会員から強い支持を受けたことも見逃せません。『手錠のまゝの脱獄(The Defiant Ones)』は脚本賞・撮影賞(白黒)の2冠を獲得し、主演2人が主演男優賞にダブルノミネートされました。1950年代後半は、公民権運動の高まりとともにアメリカ社会が人種平等の問題と真剣に向き合い始めた時期であり、本作の高評価はその社会的ムードを反映したものでした。また、『私は死にたくない』の主演女優賞受賞も、死刑制度という重いテーマに対する映画界からのメッセージとして受け止められました。

国際映画の活躍

外国語映画賞をフランスのジャック・タチ監督作『ぼくの伯父さん(My Uncle)』が受賞したことは、アメリカ映画が主流のアカデミー賞においてヨーロッパ芸術映画が確固たる地位を築きつつあることを示しました。本作はカンヌ国際映画祭でも高評価を受けた傑作であり、機械文明批判と人間的なぬくもりへの郷愁を軽妙なコメディで描いたタチ独自のスタイルが世界中で評価されました。また、短編ドキュメンタリー部門で日本の『海女ガール(Ama Girls)』が受賞したことも、国際的な文化交流の観点から特筆すべき出来事です。

第31回アカデミー賞 受賞作品一覧(主要部門)

  • 作品賞:恋の手ほどき(Gigi)
  • 監督賞:ヴィンセント・ミネリ / 恋の手ほどき(Gigi)
  • 主演男優賞:デヴィッド・ニーヴン / 旅路(Separate Tables)
  • 主演女優賞:スーザン・ヘイワード / 私は死にたくない(I Want to Live!)
  • 助演男優賞:バール・アイヴス / 大いなる西部(The Big Country)
  • 助演女優賞:ウェンディ・ヒラー / 旅路(Separate Tables)
  • 脚本賞:ネドリック・ヤング、ハロルド・ジェイコブ・スミス / 手錠のまゝの脱獄(The Defiant Ones)
  • 脚色賞:アラン・ジェイ・ラーナー / 恋の手ほどき(Gigi)
  • 外国語映画賞:ぼくの伯父さん(My Uncle)/フランス
  • 作曲賞:ディミトリ・ティオムキン / 老人と海(The Old Man and the Sea)
  • 編曲・歌曲賞:アンドレ・プレヴァン / 恋の手ほどき(Gigi)
  • 歌曲賞:「Gigi」 / 恋の手ほどき(Gigi)
  • 撮影賞(白黒):サム・リーヴィット / 手錠のまゝの脱獄(The Defiant Ones)
  • 撮影賞(カラー):ジョセフ・ルッテンバーグ / 恋の手ほどき(Gigi)
  • 美術賞:恋の手ほどき(Gigi)
  • 衣裳デザイン賞:セシル・ビートン / 恋の手ほどき(Gigi)
  • 編集賞:エードリアン・ファザン / 恋の手ほどき(Gigi)
  • 録音賞:南太平洋(South Pacific)
  • 視覚効果賞:親指トム(tom thumb)
  • 長編ドキュメンタリー賞:白い荒野(White Wilderness)
  • 短編ドキュメンタリー賞:海女ガール(Ama Girls)
  • 短編映画賞:グランド・キャニオン(Grand Canyon)
  • 短編アニメ賞:Knighty Knight Bugs

第31回アカデミー賞は、ミュージカル映画の完成形ともいうべき『恋の手ほどき(Gigi)』の圧倒的な存在感と、人種差別・死刑制度・社会正義といったアメリカ社会の深刻な問題に真摯に向き合った社会派映画群の力強さが共存した、映画史の中でも特別に充実した年として燦然と輝いています。受賞作品・ノミネート作品はいずれも時代を超えて鑑賞する価値のある映画史の名作ばかりであり、1950年代末のハリウッド映画の多様性と底力を今に伝える貴重な証言録でもあります。