愛媛県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Ehime – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

5月 29, 2018Daily Life,Ehime,Japan,Japanese Castles,Travel

親記事:日本全国・都道府県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Japan – Japan's Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

愛媛県の城の魅力と歴史的価値

愛媛県は「城の宝庫」として知られ、瀬戸内海に面した温暖な気候と複雑な地形を活かした独特の城郭文化が発展してきました。現存天守を誇る松山城や宇和島城をはじめ、三大水城の一つである今治城など、全国的にも貴重な史跡が数多く残されています。

日本には約3万とも言われる城・城跡・城址が残っており、それぞれが戦国時代から江戸時代にかけての時代背景、権力者たちの野望、そして地域の暮らしや文化を今に伝える貴重な歴史的建造物です。特に愛媛県には「日本100名城」に選定された城が5城もあり、城郭建築の多様性と保存状態の良さで全国の城郭ファンを魅了し続けています。

近年では大河ドラマやメディアでの特集、さらには「日本100名城スタンプラリー」の人気も相まって、お城観光ブームが到来。歴史好きだけでなく、建築美に興味を持つ若い世代や海外からの観光客も増加しています。城巡りは単なる観光ではなく、日本の歴史と文化を体感できる知的な旅として注目されています。

また、城・城跡は四季折々の自然を楽しめる絶好のスポットでもあります。春には桜が石垣や天守を彩り、初夏には新緑が堀を囲み、秋には紅葉が歴史的建造物と見事なコントラストを描きます。梅の名所としても知られる城址公園も多く、早春の訪問もおすすめです。

参考記事:日本全国・都道府県の梅の名所、早春のお花見スポットまとめ・一覧 / Popular Japanese Plum Blossom Hanami Spots in Japan 〜見頃、イベント、住所、地図、開園・閉園時間、入場料、定休日、最寄り駅、駐車場〜

参考記事:日本全国・都道府県の桜の名所、お花見スポットまとめ・一覧 / Popular Sakura Cherry Blossom Hanami Spots in Japan 〜見頃、夜桜・ライトアップ、住所、地図、開園・閉園時間、入場料、定休日、最寄り駅、駐車場〜

参考記事:日本全国・都道府県の紅葉の名所、もみじ狩りスポットまとめ・一覧 / Popular Autumn Leaves Spots in Japan 〜見頃、イベント、住所、地図、開園・閉園時間、入場料、定休日、最寄り駅、駐車場〜

このページでは、愛媛県にある城・城跡・城址を、日本100名城認定、天守の分類(現存天守・復元天守・復興天守・模擬天守)、国宝・重要文化財などの指定文化財といった観点から詳しく紹介します。各城の歴史的背景、建築様式の特徴、見どころ、アクセス情報まで網羅していますので、城巡り計画の参考にしてください。

愛媛県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Ehime – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

今治城 / Imabari Jou[Imabari Castle]

築城の名手・藤堂高虎が築いた「三大水城」の傑作

今治城は、築城の名人として名高い藤堂高虎が1602年(慶長7年)に築いた海城(水城)です。瀬戸内海の海水を引き込んだ広大な堀が特徴で、「日本三大水城」の一つに数えられています。かつては堀に海水魚が泳ぎ、満潮時には海水が堀を満たすという、海に浮かぶ城のような景観を呈していました。

現在の天守は1980年(昭和55年)に建設された模擬天守で、内部は郷土美術館として利用されています。最上階からは瀬戸内海や来島海峡大橋の絶景が楽しめ、晴れた日には石鎚山系まで見渡すことができます。石垣の美しさと水堀の雄大さは必見で、特に夕暮れ時の景色は幻想的です。

春には約120本のソメイヨシノが咲き誇り、「日本さくら名所100選」にも選ばれています。夜間はライトアップも実施され、水面に映る天守と桜の共演は圧巻です。

築城年
Year of Built
1602年(慶長7年)
築城主
Founder
藤堂高虎(築城の名手として知られる戦国武将)
指定
Designation
日本100名城(第79番)、愛媛県指定史跡、日本三大水城(今治城・高松城・中津城)
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
模擬天守(1980年再建、5層6階、高さ約30m)
住所
Address
〒794-0036 愛媛県今治市通町3丁目1−3
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
9:00~17:00(最終入館16:30)
入城料
Admission fee
一般520円、学生260円、高齢者(65歳以上)420円、高校生以下または18歳未満無料
定休日
Holiday
12月29日~12月31日
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR予讃線今治駅よりせとうちバス今治営業所行き(約10分)「今治城前」下車徒歩5分、または今治駅から徒歩約25分
駐車場
Parking Lot
第1駐車場:普通車54台・大型車6台、第2駐車場:普通車37台、料金:100円/1時間(最初の1時間)、以降100円/1時間

湯築城 / Yuzuki Jou[Yuzuki Castle]

河野氏の居城として250年の歴史を刻んだ中世の山城

湯築城は、伊予国の守護大名であった河野氏が約250年間にわたって居城とした中世の平山城です。1335年頃(建武2年頃)に河野通盛によって築城されたとされ、戦国時代には豊臣秀吉の四国平定まで伊予国の政治・軍事の中心地として機能しました。

現在は道後公園として整備され、国の史跡に指定されています。発掘調査により、土塁、堀、武家屋敷などの遺構が確認され、一部は復元されています。湯築城資料館では、発掘調査で出土した遺物や中世の城郭生活を紹介する展示があり、入場は無料です。

道後温泉本館から徒歩圏内という立地の良さから、温泉観光と合わせて訪れる観光客も多く、春には桜の名所としても親しまれています。中世城郭の構造を学べる貴重なスポットとして、歴史ファンに人気です。

築城年
Year of Built
1335年頃(建武2年頃)
築城主
Founder
河野通盛(伊予国の守護大名・河野氏)
指定
Designation
日本100名城(第80番)、国の史跡(1997年指定)
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
天守なし(中世の山城・平山城のため天守は存在せず)
住所
Address
〒790-0857 愛媛県松山市道後公園
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
湯築城資料館:9:00~17:00(入館は16:30まで)、公園は常時開放
入城料
Admission fee
無料(Free)
定休日
Holiday
月曜日(祝日の場合は翌平日)、12月29日~1月3日(資料館)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
伊予鉄道市内電車「道後公園駅」下車すぐ、JR松山駅から市内電車で約25分、道後温泉本館から徒歩約5分
駐車場
Parking Lot
西駐車場:23台、北駐車場:11台、料金:100円/30分(最初の1時間200円)

松山城 / Matsuyama Jou[Matsuyama Castle]

現存12天守の一つ、連立式天守の最高傑作

松山城は、標高132mの勝山山頂に築かれた平山城で、1602年(慶長7年)に加藤嘉明が築城を開始し、1627年(寛永4年)に完成しました。現存する12天守の一つであり、江戸時代以前に建造された天守を持つ貴重な城郭です。

最大の特徴は「連立式天守」と呼ばれる建築様式で、大天守を中心に小天守や櫓が渡櫓で結ばれ、一つの建築群を形成しています。この連立式天守は姫路城、和歌山城と並び「三大連立式平山城」に数えられ、防御機能と美的価値を兼ね備えた傑作とされています。

天守からの眺望は素晴らしく、松山市街、瀬戸内海、石鎚山系を一望できます。本丸広場には重要文化財に指定された21棟の現存建造物があり、戦国から江戸時代の城郭建築を間近で観察できます。

ロープウェイやリフトで登城できるアクセスの良さも魅力で、春には約200本の桜が咲き誇る「日本さくら名所100選」の一つです。夜間のライトアップも実施され、幻想的な姿を楽しめます。

築城年
Year of Built
1602年~1627年(慶長7年~寛永4年)
築城主
Founder
加藤嘉明(賤ヶ岳七本槍の一人)
指定
Designation
日本100名城(第81番)、国の史跡、国指定重要文化財21棟、日本三大平山城、日本三大連立式平山城、現存12天守、日本さくら名所100選
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
現存天守(連立式天守、大天守:3層3階地下1階、高さ約20m、1854年再建)
住所
Address
〒790-0008 愛媛県松山市丸之内1
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
2月~7月:9:00~17:00(最終入場16:30)、8月:9:00~17:30(最終入場17:00)、9月~11月:9:00~17:00(最終入場16:30)、12月~1月:9:00~16:30(最終入場16:00)
入城料
Admission fee
松山城天守観覧券:大人520円、小人(小学生)160円、松山城天守・二之丸史跡庭園共通券:大人770円、小人(小学生)270円、ロープウェイ・リフト往復券:大人520円、小人(小学生)260円
定休日
Holiday
12月第3水曜日(大掃除)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
伊予鉄道市内電車「大街道駅」下車徒歩5分でロープウェイ乗り場、ロープウェイ・リフトで約3分、そこから天守まで徒歩約10分、JR松山駅から市内電車で約15分
駐車場
Parking Lot
周辺に複数の有料駐車場あり(喜与町駐車場:44台、勝山町地下駐車場:138台など)、料金は駐車場により異なる

大洲城 / Ohzu Jou[Ohzu Castle]

伝統工法で復元された木造天守の傑作

大洲城は、鎌倉時代の1331年(元弘元年)に宇都宮豊房によって築城され、戦国時代を経て江戸時代には大洲藩6万石の居城として栄えました。肱川のほとりに立つ平山城で、「伊予の小京都」と呼ばれる大洲の町並みと調和した美しい景観を誇ります。

明治維新後、天守は取り壊されましたが、2004年(平成16年)に木造で忠実に復元されました。この復元は江戸時代の伝統工法を用いて行われ、「明治以降に再建された木造天守」として全国的に注目を集めました。4層4階の天守は、明治期の古写真や「天守雛形」(江戸時代の模型)などをもとに忠実に再現されています。

城内には、江戸時代から残る重要文化財の櫓(台所櫓・高欄櫓)もあり、現存建造物と復元建造物の両方を見学できる貴重な城です。春には約200本の桜が咲き、夜間ライトアップも実施されます。

築城年
Year of Built
1331年(元弘元年)、近世城郭としての整備は1617年
築城主
Founder
宇都宮豊房(鎌倉時代)、近世城郭は藤堂高虎・脇坂安治
指定
Designation
日本100名城(第82番)、愛媛県指定史跡、台所櫓・高欄櫓は国指定重要文化財
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
木造復元天守(2004年復元、4層4階、高さ約19.15m、伝統工法による木造復元)
住所
Address
〒795-0012 愛媛県大洲市大洲903
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
9:00~17:00(最終入館16:30)
入城料
Admission fee
大人550円、小人(中学生以下)220円、高齢者(65歳以上)440円、未就学児無料
定休日
Holiday
無休(Open all year round)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR予讃線「伊予大洲駅」から徒歩約25分、またはタクシー約5分、路線バス「大洲本町」下車徒歩約5分
駐車場
Parking Lot
市民会館駐車場:57台(無料)、観光第一駐車場:45台(最初の1時間150円、以降30分ごとに80円)、臥龍山荘駐車場:30台(有料)

宇和島城 / Uwajima Jou[Uwajima Castle]

現存天守を持つ優美な平山城

宇和島城は、1236年(嘉禎2年)に西園寺公経によって創建され、1601年(慶長6年)に藤堂高虎が本格的な近世城郭として築城しました。その後、伊達秀宗が入城し、伊達氏10万石の居城として幕末まで続きました。

現存天守は1666年(寛文6年)に建てられたもので、全国に12しかない「現存12天守」の一つです。3層3階の天守は比較的小規模ですが、華美な装飾を排した質実剛健な美しさを持ち、国の重要文化財に指定されています。天守からは宇和島湾やリアス式海岸の美しい景観が一望できます。

五角形に近い不等辺な縄張りが特徴的で、藤堂高虎の築城技術の高さを示しています。石垣は「登り石垣」と呼ばれる特殊な構造を持ち、城郭ファンから注目されています。春には約200本の桜が咲き誇り、「桜の名城」としても知られています。

築城年
Year of Built
1236年(嘉禎2年)創建、1601年(慶長6年)近世城郭として築城
築城主
Founder
西園寺公経(創建)、藤堂高虎(近世城郭)
指定
Designation
日本100名城(第83番)、国の史跡、国指定重要文化財(天守)、現存12天守
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
現存天守(1666年建造、3層3階、高さ約15.7m、独立式層塔型)
住所
Address
〒798-0060 愛媛県宇和島市丸之内1
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
10月~3月:9:00~16:00(最終入場16:00)、4月~9月:9:00~17:00(最終入場17:00)
入城料
Admission fee
大人200円、小・中学生100円、高齢者(65歳以上)160円、未就学児無料
定休日
Holiday
無休(Open all year round)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR予讃線「宇和島駅」から徒歩約25分、タクシー約5分、バス「城山下」下車徒歩約10分
駐車場
Parking Lot
城山下駐車場:45台、中央町駐車場:約100台、料金:いずれも100円/1時間

川之江城 / Kawanoe Jou[Kawanoe Castle]

瀬戸内海を望む展望台としても人気の山城

川之江城は、南北朝時代の1337年(建武4年)に土肥義昌によって築城された山城です。戦国時代には伊予国と讃岐国の国境に位置する重要拠点として、河野氏、長宗我部氏、豊臣氏などの争奪戦の舞台となりました。

現在の天守は1983年(昭和58年)に模擬天守として建設されたもので、内部は郷土資料館として利用されています。4層5階の天守からは、瀬戸内海、燧灘(ひうちなだ)、四国山地を一望でき、特に瀬戸内海に浮かぶ島々の景色は絶景です。

城山公園として整備されており、春には約300本の桜が咲き誇る桜の名所でもあります。ツツジや紅葉の季節も美しく、四季を通じて市民に親しまれています。比較的低料金で入城でき、手軽に城郭建築と眺望を楽しめるスポットです。

築城年
Year of Built
1337年(建武4年)
築城主
Founder
土肥義昌(南北朝時代の武将)
指定
Designation
市指定史跡
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
模擬天守(1983年建設、4層5階、鉄筋コンクリート造)
住所
Address
〒799-0101 愛媛県四国中央市川之江町1087番地4 川之江城山公園
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
9:00~17:00(最終入館16:30)
入城料
Admission fee
大人100円、小人(小・中学生)50円、未就学児無料
定休日
Holiday
月曜日(祝日の場合は翌平日)、12月29日~1月3日
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR予讃線「川之江駅」から徒歩約15分、タクシー約5分
駐車場
Parking Lot
城山公園駐車場:約10台(無料)、公園麓に追加駐車スペースあり

愛媛県の城巡りを楽しむためのポイント

愛媛県の城巡りは、現存天守を持つ松山城・宇和島城、木造復元の大洲城、水城の今治城、中世城郭の湯築城と、多彩な城郭建築を一度に体験できる贅沢なコースです。それぞれの城が異なる時代背景と建築様式を持ち、日本の城郭史を立体的に学ぶことができます。

効率的な城巡りのコツ:

  • 松山市内では、松山城と湯築城を1日で回ることが可能(市内電車で移動便利)
  • 今治城は瀬戸内しまなみ海道の起点にあり、観光ルートに組み込みやすい
  • 大洲城と宇和島城は南予地方に位置し、宇和島鯛めしなどのグルメと合わせて楽しめる
  • 日本100名城スタンプは各城の指定場所で押印可能(スタンプ帳を持参推奨)
  • 桜の季節(3月下旬~4月上旬)は混雑するが、最も美しい時期

愛媛県の城は、単なる歴史的建造物ではなく、地域の文化や自然と一体となった「生きた遺産」です。道後温泉や瀬戸内海の島々、みかんや鯛めしなどのグルメと組み合わせることで、より充実した旅行プランを組むことができます。ぜひ、愛媛の城巡りを通じて、日本の歴史と文化の奥深さを体感してください。