青森県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Aomori – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

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親記事:日本全国・都道府県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Japan – Japan's Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

青森県の城の魅力と歴史的価値

青森県には、本州最北端の地として独自の歴史を刻んできた貴重な城郭が現存しています。特に津軽藩と南部藩という二大勢力の拠点として栄えた城は、東北地方の歴史を語る上で欠かせない存在です。

日本全国には数多くの城・城跡・城址が残っており、それぞれが古の時代の時代背景や当時の人々の暮らし、武将たちの栄枯盛衰を今に伝える歴史の語り部となっています。近年では「日本100名城」の選定や大河ドラマ、CMなどメディアでの特集により、城郭への関心が高まり、歴史ファンのみならず幅広い層からの注目を集めています。

青森県の城は、堅牢な防御施設としての軍事的側面だけでなく、四季折々の自然美を楽しめる観光スポットとしても人気です。特に弘前城は、春には約2,600本の桜が咲き誇る日本有数の桜の名所として知られ、秋には紅葉が城郭を彩り、訪れる人々を魅了しています。

この記事では、青森県に現存する歴史的価値の高い城・城跡・城址を、日本100名城の選定状況、天守の分類・種類(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、国指定史跡などの文化財としての価値など、多角的な観点から詳しくご紹介します。子どもからお年寄りまで、すべての世代が四季折々の趣と歴史の深さを体験できる、青森県が誇る城郭の魅力をぜひご堪能ください。

青森県の城・城跡・城址まとめ・一覧 / Japanese Castles in Aomori – Japan’s Top 100 Castles ~日本100名城と天守のある城(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守)、天守の分類・種類・指定文化財などの観点でみる歴史的建造物、梅・桜・紅葉も楽しめる名所・スポット~

弘前城 / Hirosaki Jou[Hirosaki Castle]

弘前城は、津軽氏の居城として江戸時代初期に築城された平山城で、東北地方に唯一現存する天守を有する貴重な城郭です。1611年に津軽為信の子・信枚によって完成し、津軽藩の政治・経済・文化の中心として約260年間機能しました。

現存する三層三階の天守は、1627年に落雷により焼失した後、1810年に本丸辰巳櫓を改修して再建されたもので、江戸時代後期の建築様式を今に伝えています。重要文化財に指定されており、天守のほか、5つの城門と3つの櫓が現存し、いずれも重要文化財として保護されています。

弘前城の最大の魅力は、春の桜の季節です。城内には約2,600本、52種類の桜が植えられており、日本三大桜の名所の一つに数えられています。特に花筏(はないかだ)と呼ばれる、濠の水面を埋め尽くす散り桜の景観は圧巻です。また、秋の紅葉期には約1,000本のカエデが赤く染まり、城郭と紅葉のコントラストが見事な景観を生み出します。

2015年には石垣修理のため天守の曳屋工事が行われ、約70メートル移動しました。この大規模工事は近代城郭史上でも稀有な事例として注目を集め、現在も石垣修理が進行中です。

築城年
Year of Built
1611年(慶長16年)
築城主
Founder
津軽為信、津軽信枚
指定
Designation
日本100名城(Japan’s Top 100 Castles)、国の史跡(National Historic Site)、重要文化財(Important Cultural Property) - 天守、5つの城門、3つの櫓
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
現存天守(江戸時代後期、1810年再建)- 東北地方唯一の現存天守
城郭構造
Castle Structure
平山城、輪郭式
住所
Address
〒036-8356 青森県弘前市下白銀町1
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
4月1日~11月23日:9:00~17:00(さくらまつり期間は延長あり)
入城料
Admission fee
大人320円、子ども100円(本丸・北の郭)※弘前城植物園との共通券あり
定休日
Holiday
11月24日~3月31日(冬季閉鎖)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR弘前駅より徒歩約30分、JR弘前駅より弘南バス「市役所前」下車徒歩約4分
駐車場
Parking Lot
周辺に有料駐車場あり(弘前市立観光館駐車場など)
おすすめシーズン
Best Season
桜:4月下旬~5月上旬、紅葉:10月下旬~11月上旬

根城 / Ne Jou[Ne Castle]

根城は、1334年(建武元年)に南部師行によって築城された中世の平山城です。南北朝時代から戦国時代にかけて、約300年間にわたり南部氏の本拠地として東北地方の政治・軍事の要衝を担いました。「根城」という名称は、南部氏がこの地を根拠地としたことに由来します。

城の構造は、本丸を中心に8つの郭(くるわ)が配置された連郭式の縄張りで、中世城郭の典型的な特徴を残しています。現在は史跡公園として整備され、発掘調査の成果に基づき、本丸の主殿や工房、馬屋など中世武家の館が忠実に復元されており、当時の生活様式を具体的に知ることができる貴重な史跡となっています。

特に本丸の復元建物群は、中世の城郭建築を実物大で体験できる全国的にも珍しい施設です。主殿内部では、調度品や武具なども再現されており、南部氏の居館としての格式と、戦国武将の実際の生活空間を体感できます。広場では、かがり火の実演や伝統行事も行われ、歴史学習の場としても活用されています。

根城は1941年に国の史跡に指定され、1994年には日本100名城にも選定されました。周辺の史跡公園には約400本の桜が植えられており、春には花見スポットとしても人気を集めています。

築城年
Year of Built
1334年(建武元年)
築城主
Founder
南部師行
指定
Designation
日本100名城(Japan’s Top 100 Castles)、国の史跡(National Historic Site)
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
天守なし(中世城郭のため天守は存在せず)※本丸主殿などの建物を復元
城郭構造
Castle Structure
平山城、連郭式
住所
Address
〒039-1166 青森県八戸市大字根城字根城47
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
9:00~17:00(入館は16:30まで)
入城料
Admission fee
一般250円、高校生・大学生150円、小・中学生50円(八戸市博物館との共通券あり)
定休日
Holiday
月曜日(第一月曜日と祝日は開館)、祝日の翌日(土曜日・日曜日の場合は開館)、12月27日~1月4日
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR八戸駅より南部バス「田面木経由」で約15分「根城」下車徒歩約5分、JR本八戸駅より徒歩約25分
駐車場
Parking Lot
無料駐車場あり(史跡根城の広場駐車場:普通車24台、大型バス3台)
おすすめシーズン
Best Season
桜:4月下旬~5月上旬、新緑:5月~6月

三戸城 / Sannohe Jou[Sannohe Castle]

三戸城は、戦国時代の1558年~1570年頃に南部晴政によって築城された平山城で、南部氏の本拠地として約40年間機能しました。標高130メートルの丘陵に築かれ、馬淵川と猿辺川の合流地点という要害の地に位置し、南部地方の政治・軍事の中心を担いました。

南部氏が盛岡に居城を移した後も支城として重視され、江戸時代には三戸代官所が置かれました。明治維新後に建造物の大半は失われましたが、現在は県立城山公園として整備されています。1993年には三層の模擬天守が建設され、内部は三戸町の歴史民俗資料館として、南部氏ゆかりの品々や地域の歴史資料が展示されています。

三戸城の見どころは、復元された温故館(おんこかん)と呼ばれる模擬天守からの眺望です。天守最上階からは三戸の町並みや周辺の山々を一望でき、戦国時代の城主たちが見た景色を想像することができます。また、城址公園には約1,600本の桜が植えられており、「三戸城桜まつり」では夜間ライトアップも実施され、幻想的な夜桜を楽しむことができます。

秋には紅葉の名所としても知られ、城山全体が赤や黄色に染まる様子は見事です。歴史と自然が調和した三戸城は、四季を通じて訪れる価値のある史跡です。

築城年
Year of Built
1558年~1570年頃(永禄年間)
築城主
Founder
南部晴政
指定
Designation
青森県史跡
天守の分類・種類
Castle Tower Classification
模擬天守(1993年建造、温故館として資料館機能を持つ)
城郭構造
Castle Structure
平山城、連郭式
住所
Address
〒039-0101 青森県三戸郡三戸町梅内城ノ下34(県立城山公園内)
地図
Map
地図(Map)
開城時間
Opening hours
4月~11月:9:00~16:00(温故館・歴史民俗資料館)
入城料
Admission fee
一般200円、大学生150円、高校生100円、小・中学生50円(温故館・歴史民俗資料館)
定休日
Holiday
月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、12月1日~3月31日(冬季閉館)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
青い森鉄道三戸駅より徒歩約20分、または南部バス「病院前」・「公園前」下車徒歩約5分
駐車場
Parking Lot
無料駐車場あり(県立城山公園駐車場:約100台)
おすすめシーズン
Best Season
桜:4月下旬~5月上旬(三戸城桜まつり開催)、紅葉:10月中旬~11月上旬

青森県の城巡りを楽しむために

青森県の3つの城は、それぞれ異なる魅力と歴史的価値を持っています。弘前城は東北唯一の現存天守と桜の名所として、根城は中世城郭の実物大復元による体験型史跡として、三戸城は南部氏発祥の地としての歴史ロマンを感じられる城です。

城巡りの際は、春の桜シーズンや秋の紅葉シーズンに訪れると、歴史的建造物と自然美の両方を堪能できます。また、各城には歴史資料館や展示施設が併設されているため、事前に歴史を学んでから訪問すると、より深く城の価値を理解できるでしょう。

青森県の城を訪れることで、津軽氏と南部氏という東北の有力大名の歴史、江戸時代の東北地方の政治構造、そして中世から近世にかけての城郭建築の変遷を学ぶことができます。歴史愛好家はもちろん、家族連れや観光客にもおすすめの、教育的価値の高い観光スポットです。