山梨県の国宝(建造物) 一覧・まとめ / National Treasure of Japanese Buildings in Yamanashi ~旅行のみどころになる日本国民の宝と指定された神社、寺、城、住宅等の重要文化財~

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日本の国宝とは、文化財保護法に基づき国が指定した有形文化財(重要文化財)のうち、世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものであるとして文部科学大臣が指定した文化財です。日本全国で国宝に指定されている件数は1,100件を超え、その中でも建造物に分類されるものは200件以上にのぼります。

国宝の分類には、建造物(神社、寺院、城郭、住宅等)、絵画、彫刻、工芸品、書跡・典籍、古文書、考古資料・歴史資料があります。法律上、国宝は重要文化財の上位区分に位置づけられ、日本の文化遺産の中でも最も価値が高いと認められたものです。

山梨県は富士山や南アルプス、八ヶ岳連峰に囲まれた自然豊かな県であり、古くは甲斐国として武田信玄をはじめとする戦国武将の歴史が息づく地域です。この甲斐の地には、鎌倉時代から室町時代にかけて建立された貴重な仏教建築が残されており、国宝に指定された建造物は2件あります。いずれも寺院建築であり、日本の建築史における重要な位置を占めています。

この記事では、山梨県に所在する国宝建造物(清白寺仏殿・大善寺本堂)について、歴史的背景、建築様式の特徴、アクセス情報を詳しく紹介します。旅行や観光の際にぜひ訪れていただきたい、日本建築の至宝です。

山梨県の国宝(建造物) 一覧・まとめ / National Treasure of Japanese Buildings in Yamanashi ~旅行のみどころになる日本国民の宝と指定された神社、寺、城、住宅等の重要文化財~

山梨県には国宝に指定された建造物が2件あり、いずれも仏教寺院の堂宇です。清白寺仏殿は室町時代の禅宗様建築を代表する建造物であり、大善寺本堂は鎌倉時代後期の和様建築を今に伝える貴重な遺構です。どちらも1955年(昭和30年)6月22日に国宝に指定されました。甲府盆地の東部エリアに位置するこの2つの寺院は、山梨県を代表する歴史的建造物として、建築史の研究者のみならず多くの観光客が訪れています。


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清白寺仏殿 / Seihaku Ji Butsuden[Seihaku Temple Butsuden]

清白寺(せいはくじ)は、山梨県山梨市三ヶ所に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。正慶2年(1333年)に足利尊氏の発願により、夢窓疎石(むそうそせき)を開山として創建されたと伝えられています。甲斐国における禅宗文化の拠点として栄え、往時は七堂伽藍を備える大寺院でした。

国宝に指定されている仏殿は、応永22年(1415年)に再建されたもので、室町時代中期の禅宗様(唐様)建築を代表する建造物として高く評価されています。桁行三間・梁間三間の小規模な堂宇ですが、花頭窓(かとうまど)、詰組(つめぐみ)の組物、扇垂木など、禅宗様建築の意匠が細部にわたって忠実に表現されています。屋根は入母屋造で、均整のとれた端正な外観が特徴です。

堂内には須弥壇が設けられ、本尊が安置されています。建物全体の規模は小さいながらも、禅宗様の建築技法が凝縮されており、日本の中世仏教建築を研究するうえで欠かせない存在です。

種別
Type
国宝・近世以前・寺院
時代
Period
室町中期(1415年)
指定年月日
Designated
1955年06月22日
住所
Address
山梨県山梨市三ヶ所620
地図
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地図(Map)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
JR東山梨駅(徒歩約15分)
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清白寺の境内は静寂に包まれた落ち着いた雰囲気で、仏殿のほかにも山門や庫裏など歴史を感じる建物が残っています。JR中央本線の東山梨駅から徒歩約15分とアクセスしやすく、甲府盆地の東部を散策する際にぜひ立ち寄りたい名所です。春には桜、秋には紅葉が境内を彩り、四季折々の風情を楽しむことができます。

大善寺本堂 / Daizen Ji Hondou[Daizen Temple Hondou]

大善寺(だいぜんじ)は、山梨県甲州市勝沼町に位置する真言宗智山派の寺院で、「ぶどう寺」の愛称で広く親しまれています。寺伝によれば、養老2年(718年)に行基菩薩が甲斐国を訪れた際、夢の中に右手にぶどうを持った薬師如来が現れたことから、その姿を刻んで本尊とし、寺院を開創したとされています。この伝説は、甲州のぶどう栽培の起源とも深く結びつけられており、勝沼のぶどう文化を語るうえで欠かせない存在です。

国宝に指定されている本堂(薬師堂)は、弘安9年(1286年)に再建されたもので、鎌倉時代後期の和様建築を代表する建造物です。堂々たる構えの仏堂であり、密教仏堂の形式をよく残しています。関東甲信地方に現存する中世仏堂の中でも最古級の遺構として、建築史上きわめて高い価値を有しています。

本堂の内部には、本尊の薬師如来坐像(重要文化財)をはじめ、日光菩薩・月光菩薩立像や十二神将立像が安置されています。薬師如来が右手にぶどうを持つ像容は全国的にも珍しく、勝沼のぶどう文化を象徴する仏像として広く知られています。

種別
Type
国宝・近世以前・寺院
時代
Period
鎌倉後期(1286年)
指定年月日
Designated
1955年06月22日
住所
Address
山梨県甲州市勝沼町勝沼
地図
Map
地図(Map)
アクセス・最寄り駅
Access, Nearest station
勝沼ぶどう郷駅より自動車(約10分)
URL
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大善寺はJR勝沼ぶどう郷駅から車で約10分の場所に位置しています。日本有数のぶどうの産地である勝沼エリアには多くのワイナリーが点在しており、ワイナリー巡りや観光農園でのぶどう狩りとあわせて訪れるのがおすすめです。特に秋の収穫期には周辺が活気に満ち、歴史と味覚を同時に楽しめる充実した旅行になります。

山梨県の国宝建造物を巡る旅のポイント

山梨県の2件の国宝建造物は、いずれも甲府盆地の東部エリアに位置しており、車であれば1日で両方を巡ることが十分に可能です。清白寺はJR中央本線の東山梨駅から徒歩圏内、大善寺は勝沼ぶどう郷駅からタクシーで短時間の距離にあるため、公共交通機関を利用した訪問にも対応できます。

国宝建造物の見学とあわせて、山梨県には魅力的な観光スポットが数多くあります。武田信玄ゆかりの武田神社や甲府城跡(舞鶴城公園)といった歴史的名所、日本屈指の渓谷美を誇る昇仙峡、世界遺産である富士山の眺望など、多彩な見どころが旅を豊かにしてくれます。また、石和温泉や下部温泉などの温泉地で旅の疲れを癒すのもおすすめです。歴史、自然、食文化が調和する山梨県で、国宝建造物を起点にした充実の旅をお楽しみください。