東京都の経済産業省指定「伝統的工芸品」一覧・まとめ – 職人の熟練した匠の技によって生み出される珠玉の手仕事 / Traditional Crafts of Tokyo ~伝統的工芸品が購入できるショップ・取扱店一覧~

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親記事:日本全国・都道府県の経済産業省指定「伝統的工芸品」一覧・まとめ – 職人の熟練した匠の技によって生み出される珠玉の手仕事 / Traditional Crafts of Japan ~伝統的工芸品が購入できるショップ・取扱店一覧~

一般的に日本で伝統的に日常生活用品として手工業により製造されてきたものが伝統的工芸品とされています。

その中でも特に伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)に基づいて、下記の要件で経済産業大臣により指定されたものを「経済産業大臣指定伝統的工芸品」と呼びます。

  • 主として日常生活の用に供されているもの
  • 製造過程の主要部分が手工業的であるもの
  • 伝統的技術または技法によって製造されるもの
  • 伝統的に使用されてきた原材料を使用していること
  • 一定の地域で産地形成されていること

東京都(江戸)は、江戸時代に将軍のお膝元として政治・経済・文化の中心地となり、全国から優れた職人が集まりました。武家や町人の旺盛な需要に応えるかたちで、織物・染色品・木工品・竹工品・金工品・人形・ガラス工芸など、多岐にわたる工芸品が発展しました。現在、東京都には16品目の経済産業大臣指定伝統的工芸品があり、これは全国の都道府県の中でも有数の品目数です。

今回は、江戸の粋と職人の熟練した匠の技によって生み出される珠玉の手仕事である東京都の「経済産業大臣指定伝統的工芸品」全16品目を、その歴史・技法・特徴とともに紹介します。それぞれの工芸品が購入できるショップ・取扱店の一覧も掲載していますので、実際に手に取ってその魅力を体感してみてください。

東京都の経済産業省指定「伝統的工芸品」一覧・まとめ – 職人の熟練した匠の技によって生み出される珠玉の手仕事 / Traditional Crafts of Tokyo ~伝統的工芸品が購入できるショップ・取扱店一覧~


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村山大島紬 / Murayama Ohshima Tsumugi[Murayama Ohshima Tsumugi]

村山大島紬は、東京都武蔵村山市を中心とする多摩地域で生産される絹織物です。その起源は江戸時代末期にさかのぼり、奄美大島の大島紬の技法に影響を受けながら、独自の「板締め染色」技法を確立しました。板締め染色とは、木の板に彫られた溝に糸を挟み込み、染料を注いで絣(かすり)模様を染め出す技法で、これにより繊細で精巧な絣模様が生まれます。正絹を用いた村山大島紬は、軽くてしなやかな風合いと上品な光沢が特徴で、着物や帯として高い評価を受けています。板締め染色と手織りの工程を経て仕上がる一反には、職人の高度な技術と根気が凝縮されています。

登録年
Designated
1975年2月17日
種類
Type
織物
関連商品取扱店一覧
Shop
村山大島紬 取扱店一覧

本場黄八丈 / Honbakihachijou[Honbakihachijou]

本場黄八丈は、東京都八丈島で生産される絹織物で、島に自生する植物から抽出した天然染料のみで染め上げられる草木染めの織物です。黄色はコブナグサ(刈安)、樺色はマダミ(タブノキの樹皮)、黒色はシイの樹皮から染められ、この三色の組み合わせによって格子柄や縞柄が織り出されます。その歴史は室町時代にまでさかのぼるとされ、江戸時代には「黄八丈」として武家や町人に愛用されました。天然染料ならではの深みのある色合いは、洗うほどに色が冴え、年月を経るごとに風合いが増していきます。八丈島の豊かな自然と湿潤な気候が、この独特の染色技術を育んできました。

登録年
Designated
1977年10月14日
種類
Type
織物
関連商品取扱店一覧
Shop
本場黄八丈 取扱店一覧

多摩織 / Tamaori[Tamaori]

多摩織は、東京都八王子市を中心とする多摩地域で生産される絹織物の総称です。「お召織(おめしおり)」「紬織(つむぎおり)」「風通織(ふうつうおり)」「変り綴(かわりつづれ)」「捩り織(もじりおり)」の5つの織物から構成されます。八王子の織物の歴史は古く、滝山城下の市で絹織物が取引されていた室町時代にまでさかのぼります。江戸時代には「桑都(そうと)」と呼ばれるほど養蚕・織物が盛んとなり、多摩地域は一大絹織物産地として発展しました。多摩織の特徴は、先染めの糸を使い、複雑な織組織によって立体感のある美しい柄を表現する点にあります。着物地や帯、ネクタイ、ストールなど、伝統の技を現代の暮らしに活かした多彩な製品が生み出されています。

登録年
Designated
1980年3月3日
種類
Type
織物
関連商品取扱店一覧
Shop
多摩織 取扱店一覧

東京染小紋 / Tokyo Somekomon[Tokyo Somekomon]

東京染小紋は、東京都新宿区・世田谷区などで生産される型染めの染色品です。小紋とは、細かい模様を一面に染め出した着物のことで、江戸小紋とも呼ばれます。その起源は室町時代の武士の裃(かみしも)にさかのぼり、江戸時代には各藩が競って精緻な模様を生み出したことで技術が飛躍的に発展しました。伊勢型紙と呼ばれる和紙の型紙を用い、防染糊を置いてから地染めを行う「型付け」の工程が最大の特徴です。「鮫(さめ)」「行儀(ぎょうぎ)」「通し(とおし)」などの江戸小紋三役に代表される極めて細かい模様は、遠目には無地に見えるほどの精密さで、江戸の粋を体現する洗練された美しさを持っています。一枚の型紙に数万もの穴が彫られ、その型紙を使って一反の反物を寸分の狂いなく染め上げる職人の技は圧巻です。

登録年
Designated
1976年6月2日
種類
Type
染色品
関連商品取扱店一覧
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東京染小紋 取扱店一覧

東京手描友禅 / Tokyo Tegaki Yuhzen[Tokyo Tegaki Yuhzen]

東京手描友禅は、東京都内(主に新宿区・練馬区周辺)で制作される手描きの友禅染です。友禅染の技法は、京友禅・加賀友禅と並び日本三大友禅の一つに数えられます。江戸時代中期に京都から江戸に技法が伝わり、江戸の武家文化の影響を受けて独自の発展を遂げました。東京手描友禅の特徴は、京友禅の華やかさとは対照的に、渋く落ち着いた色調と粋な図柄にあります。一人の職人が図案の構想から下絵描き、糸目糊置き、色挿し、蒸し、水元(水洗い)に至るまでのほぼ全工程を手がける「一貫制作」が伝統的な作業形態であり、作家の個性が色濃く反映された芸術性の高い作品が生まれます。振袖・訪問着・付下げなど格式ある着物に用いられることが多く、洗練された江戸の美意識を今に伝えています。

登録年
Designated
1980年3月3日
種類
Type
染色品
関連商品取扱店一覧
Shop
東京手描友禅 取扱店一覧

江戸指物 / Edo Sashimono[Edo Sashimono]

江戸指物は、東京都台東区・荒川区などで制作される伝統的な木工家具・調度品です。「指物」の名は、板と板、板と棒を「差し合わせる(組み合わせる)」ことに由来し、釘や金具を使わずに木と木を精密に組み合わせて仕上げる高度な木工技術が特徴です。江戸時代、武家の調度品や商家の帳場道具として発展し、桑・欅(けやき)・桐・檜(ひのき)など良質な木材を用いて、箪笥(たんす)・文箱・硯箱・飾り棚・茶道具などが制作されます。江戸指物は京指物と比べて装飾を抑え、木目の美しさを活かしたシンプルで端正な造形が持ち味です。ほぞ(木を組み合わせる仕口)の種類は数十にも及び、接合部分が外から見えないよう精緻に仕上げる職人の技は「見えない部分に手を抜かない」江戸の職人気質そのものです。

登録年
Designated
1997年5月14日
種類
Type
木工品
関連商品取扱店一覧
Shop
江戸指物 取扱店一覧

江戸和竿 / Edo Wasao[Edo Wasao]

江戸和竿は、東京都内で制作される伝統的な竹製の釣竿です。江戸時代、徳川将軍家をはじめ武家社会で釣りが盛んに行われたことを背景に、江戸の竿師たちが高度な技術を磨き上げてきました。布袋竹(ほていちく)・矢竹・高野竹(すずたけ)など数種類の竹を素材とし、火入れ(竹をまっすぐに矯正する工程)、継ぎ(複数の竹を組み合わせる工程)、漆塗り、絹糸巻きなど、数十にもおよぶ工程を経て完成します。一本の和竿が完成するまでには数か月から数年を要することもあり、魚種や釣り場に合わせて竿の調子(しなり具合)を細かく調整する職人の技が光ります。ハゼ竿・タナゴ竿・ヘラブナ竿など、対象魚ごとに専用の竿が作り分けられ、その繊細な手触りと魚信を伝える感度は、現代のカーボン竿では味わえない和竿ならではの魅力です。

登録年
Designated
1991年5月20日
種類
Type
竹工品
関連商品取扱店一覧
Shop
江戸和竿 取扱店一覧

東京銀器 / Tokyo Ginki[Tokyo Ginki]

東京銀器は、東京都台東区を中心に制作される銀製の工芸品です。日本における銀器制作の歴史は古く、奈良時代にまでさかのぼりますが、江戸時代に幕府のお膝元として銀細工師が集まり、かんざし・帯留め・煙管(きせる)などの装身具や日用品が盛んに作られるようになりました。東京銀器の最大の特徴は「鍛金(たんきん)」の技法にあります。一枚の銀板を金槌で叩いて形を作り出す「打ち出し」の技法により、急須・湯沸し・盃・花瓶・菓子器など多様な製品が生み出されます。数千回から数万回にもおよぶ槌目(つちめ)の一打一打が、銀器に独特の表情と強度を与えます。銀は熱伝導率が高く抗菌作用もあるため、銀製の酒器で飲む日本酒はまろやかな口当たりになるといわれ、実用性と美しさを兼ね備えた工芸品として国内外で高い評価を得ています。

登録年
Designated
1979年1月12日
種類
Type
金工品
関連商品取扱店一覧
Shop
東京銀器 取扱店一覧

江戸木目込人形 / Kimekomi Ningyou[Kimekomi Ningyou]

江戸木目込人形は、東京都(および埼玉県の一部)で制作される伝統的な人形です。「木目込み」とは、桐塑(とうそ・桐の粉を練り固めたもの)で作った人形の胴体に細い溝を彫り、その溝に衣裳の布地の端を押し込んで(木目込んで)着せ付ける技法を指します。この技法は、享保年間(1730年代)に京都・上賀茂神社の神官が祭りの道具の余り木で人形を作ったことが始まりとされ、その後江戸に伝わり、江戸の人形師たちによって独自の発展を遂げました。江戸木目込人形は、ふっくらとした丸みを帯びた造形と上品な面相(顔の表情)が特徴で、雛人形・五月人形・浮世人形・干支人形など多様な種類があります。コンパクトで型崩れしにくいことから、現代の住空間にも馴染みやすい人形として人気を集めています。

登録年
Designated
1978年2月6日
種類
Type
人形
関連商品取扱店一覧
Shop
江戸木目込人形 取扱店一覧

江戸からかみ / Edo Karakami[Edo Karakami]

江戸からかみは、東京都文京区・台東区などで制作される伝統的な装飾紙です。「からかみ(唐紙)」とは、もともと中国から伝来した装飾紙を指しましたが、平安時代以降、日本独自の技法が発展し、襖紙(ふすまがみ)や壁紙として和室の空間を彩る装飾紙となりました。江戸からかみは、木版(版木)に絵具や雲母(きら)を塗り、和紙に文様を摺り出す「木版摺り」の技法が特徴です。版木には江戸時代から受け継がれたものも多く、数百年の歴史を持つ版木から生み出される文様は、桜・菊・松・波・雲など日本の自然や季節を表現した優美なデザインです。手作業で一枚一枚丁寧に摺り上げられるため、印刷では再現できない温かみのある風合いと微妙な色の濃淡が生まれます。近年では襖紙だけでなく、インテリアパネルやアート作品としても注目されています。

登録年
Designated
1999年5月13日
種類
Type
その他工芸品
関連商品取扱店一覧
Shop
江戸からかみ 取扱店一覧

江戸切子 / Edo Kiriko[Edo Kiriko]

江戸切子は、東京都江東区・墨田区を中心に制作されるカットガラスの工芸品です。天保5年(1834年)に江戸大伝馬町のビードロ屋・加賀屋久兵衛が、ガラスの表面に彫刻を施したのが起源とされています。明治時代にはイギリス人のカットグラス技師エマニュエル・ホープトマンが来日し、西洋のカッティング技法が導入されたことで技術が大きく発展しました。江戸切子の特徴は、色被せガラス(透明なガラスの外側に色ガラスを重ねたもの)にダイヤモンドホイールなどの回転工具を当てて精緻な幾何学模様をカットする点にあります。「菊つなぎ」「矢来(やらい)」「魚子(ななこ)」「籠目(かごめ)」「麻の葉」など、伝統的な和の文様が施され、光の屈折によって生まれる美しい輝きは格別です。グラス・ぐい呑み・花瓶・皿など、日常使いから贈答品まで幅広く愛用され、東京を代表する伝統工芸品として国内外から高い人気を誇ります。

登録年
Designated
2002年1月30日
種類
Type
その他工芸品
関連商品取扱店一覧
Shop
江戸切子 取扱店一覧

江戸節句人形 / Edo Sekku Ningyou[Edo Sekku Ningyou]

江戸節句人形は、東京都内で制作される節句飾り用の伝統的な人形です。桃の節句(3月3日)に飾る雛人形と、端午の節句(5月5日)に飾る五月人形(武者人形・兜飾り・鎧飾り)の総称で、子どもの健やかな成長と幸福を願う日本の伝統行事に欠かせない存在です。江戸時代、将軍家や大名家の節句飾りを手がける人形師が江戸に数多く集まり、その技術は町人文化とともに大きく花開きました。江戸節句人形の特徴は、頭(かしら)・胴・手足・甲冑(かっちゅう)・衣裳などの各部位を、それぞれの専門の職人が分業で制作する点にあります。頭師が手彫りで仕上げる気品ある面相、甲冑師が精巧に再現する本格的な鎧兜、着付師が一枚一枚丁寧に着せ付ける衣裳など、多くの職人の熟練した技が一つの人形に結集しています。近年はコンパクトなサイズの製品も充実し、現代の住環境に合わせた節句飾りとしても親しまれています。

登録年
Designated
2007年3月9日
種類
Type
人形
関連商品取扱店一覧
Shop
江戸節句人形 取扱店一覧

江戸木版画 / Edo Mokuhanga[Edo Mokuhanga]

江戸木版画は、東京都内で制作される伝統的な木版画で、浮世絵の技法を今に受け継ぐ工芸品です。江戸時代、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」や歌川広重の「東海道五十三次」に代表される浮世絵版画は、絵師(下絵を描く)・彫師(版木を彫る)・摺師(色を摺る)の三者の分業体制によって生み出されました。この伝統的な分業制は現在も継承されており、桜の木の版木に極めて精緻な彫りを施す彫師の技、和紙に何度も色を重ねて鮮やかな多色摺りを実現する摺師の技は、世界に類を見ない高度な木版画技術です。一枚の版画を完成させるために、十数版から数十版もの版木を使い分け、色ごとに寸分の狂いなく摺り重ねていきます。「バレン」と呼ばれる竹皮で包んだ摺り道具を用いた手摺りならではの、温かみのある色合いと和紙の風合いは、機械印刷では決して再現できないものです。

登録年
Designated
2007年3月9日
種類
Type
その他工芸品
関連商品取扱店一覧
Shop
江戸木版画 取扱店一覧

江戸硝子 / Edo Glass[Edo Glass]

江戸硝子は、東京都江東区・墨田区・江戸川区などで制作される手作りのガラス製品です。日本におけるガラス製造は、江戸時代中期に長崎から江戸に技法が伝わったことに始まります。その後、江戸の職人たちが独自の技術を発展させ、明治・大正・昭和と受け継がれてきました。江戸硝子の特徴は、溶けたガラスを「宙吹き(ちゅうぶき)」や「型吹き」の技法で成形する手仕事にあります。約1,300度以上の高温で溶かしたガラスを吹き棹(さお)の先に巻き取り、息を吹き込んで膨らませながら形を整える宙吹きの技は、熟練した職人の経験と勘が頼りの高度な技術です。一つひとつ手作りで仕上げられるため、同じ製品でも微妙に異なる形状や厚み、気泡の入り方が生まれ、それが手仕事ならではの温かみとなっています。グラス・タンブラー・徳利・風鈴・花器など多彩な製品が作られ、江戸切子のベースとなるガラス素地の制作も担っています。

登録年
Designated
2014年11月26日
種類
Type
その他工芸品
関連商品取扱店一覧
Shop
江戸硝子 取扱店一覧

東京アンチモニー工芸品 / Tokyo Antimony Kougeihin[Tokyo Antimony Kougeihin]

東京アンチモニー工芸品は、東京都荒川区・足立区を中心に制作されるアンチモニー合金(錫・鉛・アンチモンの合金)を用いた鋳造工芸品です。明治時代にヨーロッパから鋳造技術が伝わり、東京の金属加工職人たちがその技法を習得・発展させたのが始まりです。アンチモニー合金は融点が低く精密な鋳造に適しているため、極めて緻密で繊細な装飾を施すことが可能です。制作工程は、原型制作、鋳造、磨き、仕上げ(メッキ加工・彩色)と進み、完成品の表面には金・銀・ニッケルなどのメッキや七宝焼きの彩色が施されます。トロフィー・カップ・メダル・置物・アクセサリーケース・仏具など多様な製品が作られており、特にトロフィーやカップの分野では国内生産の大半を東京のアンチモニー工芸品が占めています。西洋の鋳造技術と日本の繊細な手仕事が融合した、明治以降の近代工芸の代表格です。

登録年
Designated
2015年6月18日
種類
Type
金工品
関連商品取扱店一覧
Shop
東京アンチモニー工芸品 取扱店一覧

江戸鼈甲 / Edo Bekkou[Edo Bekkou]

江戸鼈甲は、東京都台東区・墨田区・荒川区などで制作される、タイマイ(玳瑁)という海亀の甲羅を素材とした伝統的な装身具・工芸品です。鼈甲細工の技術は、安土桃山時代に長崎に伝わったとされ、江戸時代には江戸の職人たちが独自の加工技術を確立しました。江戸鼈甲の特徴は、タイマイの甲羅を薄く削り、熱と圧力で複数枚を貼り合わせる「張り合わせ」の技法にあります。この技法により、天然素材の美しい飴色の透明感と斑(ふ)と呼ばれる独特の模様を活かしながら、かんざし・髪飾り・眼鏡フレーム・ブローチ・ネックレス・ペンダントなど多様な製品が制作されます。鼈甲は天然素材ならではの温かみと軽さがあり、肌に触れてもアレルギーを起こしにくい特性を持っています。なお、現在はワシントン条約によりタイマイの国際取引が規制されているため、国内に備蓄された原材料を使用して制作が続けられており、希少価値の高い伝統工芸品となっています。

登録年
Designated
2015年6月18日
種類
Type
その他工芸品
関連商品取扱店一覧
Shop
江戸鼈甲 取扱店一覧

まとめ:東京都の伝統的工芸品の魅力

東京都には、織物・染色品・木工品・竹工品・金工品・人形・ガラス工芸品など、実に16品目もの経済産業大臣指定伝統的工芸品があります。これらの工芸品は、江戸時代に政治・経済・文化の中心地であった江戸に全国から腕利きの職人が集まり、武家や町人の多様な需要に応えるなかで磨き上げられてきた技の結晶です。

織物・染色品の分野では、村山大島紬の板締め染色、本場黄八丈の天然草木染め、多摩織の多彩な織組織、東京染小紋の精緻な型染め、東京手描友禅の一貫制作など、それぞれに独自の技法と美意識が受け継がれています。木工・竹工の分野では、釘を使わない江戸指物の精巧な木組み技術や、魚種に合わせて調子を変える江戸和竿の繊細な竿作りの技が光ります。

金工品では東京銀器の鍛金技術と東京アンチモニー工芸品の精密鋳造、人形では江戸木目込人形の布を木目込む独自の技法と江戸節句人形の分業による総合芸術、そしてガラス工芸では江戸硝子の宙吹き技法と江戸切子の精緻なカッティング技術が世界的にも高い評価を受けています。さらに、江戸からかみの伝統的な版木摺り、江戸木版画の浮世絵技法、江戸鼈甲の天然素材を活かした細工など、多岐にわたる工芸品が東京の文化的豊かさを物語っています。

東京都の伝統的工芸品に実際に触れてみたい方は、東京都内の百貨店の工芸品売場や各産地の工房を訪れてみてください。職人の手仕事から生まれる一品一品には、量産品にはない温かみと、何世代にもわたって受け継がれてきた技術の重みが宿っています。